買書日記(2月)   掲示板

2月28日(金)

キングの「呪われた町」を読み始めるが、吉村達也とは格が違う。でも読了までには少し時間がかかるかな?
未開封10冊はそのまま。

(今日買った本:0冊 今月買った本:103冊 今年買った本:326冊)

2月27日(木)

荒巫女戦記ヒムカ 臥竜恭介 トクマノベルス
Paradise Lost THOMAS RUSCH  トレヴィル 写真集
仮面の祝祭2/3 笠原卓 創元推理文庫
弓弦城殺人事件 カーター・ディクスン ハヤカワミステリ文庫
本格推理9 光文社文庫 柄刀一や山本甲士等収録。
殉教カテリナ車輪 飛鳥部勝則 創元推理文庫 メモ「冬のスフィンクス」「ヴェロニカの鍵」
パール傑作選1 ロマン文庫
活字探偵団 角川文庫
鉤爪プレイバック エリック・ガルシア ヴィレッジ・ブックス
勿忘草 祥伝社文庫 ホラーアンソロジー。 図子慧収録。
鬼瑠璃草 祥伝社文庫 ホラーアンソロジー。明野照葉収録。
蛇神降臨記 スティーブ・オルテン 文春文庫 角川で「メガロドン」が出ている。持っていたかなぁ。

(今日買った本:12冊 今月買った本:103冊 今年買った本:326冊)

2月26日(水)

近所には早見さんの新刊が見当たらず。冲方丁の本もそうだったが、近所の本屋はその辺の入荷が少ないのか?

雨ニモマケチャウカモシレナイ 芝田勝茂 小峰書店
題名からもわかるように、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」をモティーフにした中学年から高学年向きくらいの児童文学。
なかよしのアミとゆりは公園で不思議な少年と出会い、イーハトーブ劇団でオーディションを行うことを知る。女優になるのが夢のアミは挑戦することにする。参加資格は「雨ニモマケズ」を暗誦できること。
劇中劇を使いながらのメタフィクショナルでファンタスティックなストーリー。そんな内容なので、小学生には難しいような気もするが、どうなんでしょうか。物語の中で「雨ニモマケズ」を文字通りそのまま体験するパートがあり、少々抹香臭いのだが、それでも主人公の少女たちは「わたしにはできない」と言い切ってしまえるところが面白く、現代的なところかもしれない。


読書は吉村達也の「ゼーラム坂から幽霊坂」を読了。

(今日買った本:0冊 今月買った本:91冊 今年買った本:314冊)

2月25日(火)

買い物
十三階段 山田風太郎 出版芸術社 解説を読んでいて春陽の合作集を全部持っていたかな、と少し不安になる。
カオス・レギオン 冲方丁 富士見ファンタジア文庫 挟み込みを見ると早見さんの本が今月出ているらしい。買わなきゃね。
SFマガジン 4月号 日下さんの連載で鈴木いづみの「あたしは天使じゃない」がエッセイに分類されていてびっくり。3年ほど前に読んでいるのだけれど、小説だと思っていました。うーん、小説とエッセイの区別も出来ないとは、我ながら呆れるわい。
ミステリマガジン 4月号 伊坂幸太郎のインタビューが掲載。4月に出るという「重力ピエロ」という作品は版元書いていないけど、こんなインタビューが載るということは早川から出るんかね。

読書は吉村達也の「ゼームス坂から幽霊坂」を選択。

(今日買った本:4冊 今月買った本:91冊 今年買った本:314冊)

2月24日(月)

今日は寒いねぇ。雪もぱらついていたし。出歩くのはツライ日でした。

「トゥエルブY.O」福井晴敏 読了。

購入本。
重力の軛 伊達虔 双葉社 一応破滅物らしいのだが・・・。

本屋では冲方丁の新刊を購入したかったが、近所は売り切れなのか見当たらず。ちぇっ。
ご本人のHPを見ると、今年は新刊がたくさん出そうで楽しみです。
恩田陸の合本は商魂逞しいというかなんというか。まあ、ハードカバーで買う方が安いという話もありますけどね。中公も最終的に合本で新書出すんじゃないだろうな。そういえば霜島ケイの封殺鬼が新書で再刊されてました。あとは買いたい風太郎本は無く、鮎川本はあったけど、未収録短編のためだけに買う気も起こらないし。岩井志麻子は買うつもり。

(今日買った本:1冊 今月買った本:87冊 今年買った本:310冊)

2月23日(日)

なんとなく購入。
d太陽系無宿 早川文庫SF

「雨ニモマケチャウカモシレナイ」芝田勝茂 読了。「トゥエルブYO」を読むことにする。おお、すごいね。

そして粛清の扉を 黒武洋 新潮社
ホラーサスペンス大賞受賞作。一言で言って、教室に立てこもった女教師が生徒を殺していく話。キングの「ハイスクールパニック」の教師版といったところでしょうか。
はっきり言ってリアルさはあまりないのだけれど、サバイバルゲームとしての小説と言う観点から比較されると思われる「バトルロワイヤル」に比べるとはるかに真面目で社会的な内容を含む。要は少年法や加害者にばかり優しい日本の法制度のあり方について疑問を投げかけているわけで、そう言う意味では危険な内容と言えるかもしれない。本件については思うところはあるが、ここでは書かないでおく。
エンターテイメントとしては暗く爽快感の無い物語ではあるが、ストーリーテリングは抜群で引き込まれる。最後でおまけのようにミステリー的な展開を見せるが、さらに現実味が無くなってしまったようなのが残念な気がするが、逆に余韻があって良いという人もいるかもしれない。
ホラーサスペンス大賞の第一回の二作を今月読んだわけだが、サスペンスに大きく比重がかかっていて、ホラーの冠が少々虚しいのは残念である。ホラーにはサイコものも含まれるのは異存はないけれど、好みとしてはあくまでもホラーはスーパーナチュラルなのだ。このあたりは角川のホラー小説大賞とはカラーが大きく異なるところ。第二回、第三回もあるので近いうちに読むつもりではあるがスーパーナチュラルを期待したい自分の好みからすると、ちょっと違う感じだ。ちなみに第一回には中井紀夫氏のモンスター小説が最終候補に残っていたようであるが、ぜひどこかで掬い上げて刊行して欲しいものである。


よしださんはお仕事が忙しいんでしょうか。寂しくなります。

(今日買った本:1冊 今月買った本:86冊 今年買った本:309冊)

2月22日(土)

「そして粛清の扉を」読了。

しゃばけ 畠中恵 新潮社 
戒 小山歩 新潮社 ファンタジーノベル大賞はやっと追いついた。でも新刊で買ったのは「クロニカ」と西崎さんの本だけだと思う。申し訳無いことです。bk1の西崎さんの未発表掌編は本当に残念でした。(特典を知らず書店で購入してしまったから)
超常ホラー読本 KKベストセラーズ 持っているような気もすごくするんだけどね。紹介されている本のうち「鋼の神」他何冊かは持っていないかもしれないので、探しておこう。

妊娠カレンダー 小川洋子 文春文庫
芥川賞受賞の表題作を含め3篇を収録した作品集。
妊娠カレンダー 姉が妊娠し変わっていく。妹の私は農薬を含んでいると思われるグレープフルーツのジャムを毎日食べさせつづける。姉の変貌と自分でもはっきりと意識できないいらだち。行為の果てに待つものは・・。
ドミトリイ 子供の頃に遊んだ従兄弟に学生のときに住んでいた寮を紹介する私。そこは行方不明になった借り手の学生がおり、変な噂のたった寮は荒廃して借り手もいない。気に入った従兄弟はそこに世話になることになり、その後従兄弟を訪ねていくがいついっても会うことができない。行くと管理人の部屋ですごすのだが、気になるのはだんだんと大きくなる天井のしみ。
夕暮れの給食室と雨のプール 子供とともに宗教勧誘に訪ねてきた男に散歩中に会う。男は学校の裏に佇み、給食室を飽くことも無く眺めている。話すとも無く話す会話は私を過去へと誘う。
どの作品も独特の雰囲気で、グロテスクな部分を持っている。それはたとえば「妊娠」の姉の異常なまでの食欲や私の無意識の殺意であり、「ドミトリイ」の天井のシミであり、「夕暮れ」の給食室の風景である。全体的に見れば比較的トーンの一定な淡白な印象を受けるところもあるのだが、そういった不気味さが影を落とすことによって、サスペンスが生じ全体が引き締まった印象になっていると思う。(そう言えば「冷めない紅茶」に収録の「ダイヴィングプール」でも幼児に腐ったシュークリームを食べさせたり、壺に閉じ込めたりする場面があった) いずれにしてもこの雰囲気は捨てがたく、今後も読んでいきたい作家である。なお近々郭公亭さんご推奨の「寡黙な死骸みだらな弔い」(積読)が文庫化されるようです。


(今日買った本:3冊 今月買った本:85冊 今年買った本:308冊)

2月21日(金)

未開封本を開封。
祟り ヒラーマン 角川文庫 ちょっと値がはってしまったのだが、欲しい本だったので致し方ない。

読書は「そして粛清の扉を」を選択。

太陽の簒奪者 野尻抱介 早川書房
著者の大人向け第一作と思われる。真摯な姿勢でファーストコンタクトテーマに挑んでおり、非常に好感が持てる。主人公の女性は内面がほとんど書かれていない分、読者側が補ってあげないといけないところもあるが、それはそれでまあ良かろう。とにかく物語の世界が魅力的で引き込まれること請け合いだ。先日買った「このSFが読みたい」の中で鏡明氏がシノプシスのようだと評していたが、確かに昨今の重厚長大の作品に比べると、小説としてみた場合は書き込みが足りない(というか無い?)という点は頷ける指摘だと思う。しかしSFも小説であるという点を棚に上げて強引に考えれば、SFという一つのジャンル作品として必ずしも欠点にはなっていないように思う。人間ではなく、世界が時間が主人公と考えればこれで一つの作品として充分成立しているのだ。
中でも宇宙船の実体が見えるところなど読んでいてぞくぞくしてしまい、「ああSFはやっぱりいいなあ」と感慨にふけってしまった。懸念としては科学用語とかが何の解説も無くちりばめられている点で、科学が苦手な人が読んでも大丈夫か(自分も全て理解しているわけじゃないものの苦手感は無いのは、ある程度予備知識がありSFを読んできたせいであると思われる)などといらぬ心配をしてしまうが、逆にいえばSFや科学が好きな人にはこたえられない至福のときを過ごさせてくれる要素にもなっているのは間違いないところであろう。小説作品としてみた場合は先に書いたように物足りない点があるのでジャンル外では評価されにくいと思うが、古典的なテーマに現代的な装いを加えSFという特殊なジャンル小説として充分な愉しみを与えてくれる傑作。SFを読まない人の感想を聞いてみたい。(余談だが、相模原に研究センターがあったり渕野辺駅(普通、知しらね-よ)の風景が描かれているのは神奈川県民としては嬉しかったりする。)


(今日買った本:1冊 今月買った本:82冊 今年買った本:305冊)

2月20日(木)

昨日あげた女性作家以外に津島佑子、高橋たか子、倉橋由美子あたりを忘れていました。特に津島佑子の「最後の狩猟」は自分にとって山尾悠子の「夢の棲む町」と並んで重要な作品集でした。

「妊娠カレンダー」読了。次に何を読むかが悩ましい。それにしても薄い本ばっかり読んでますな。

大いなる幻影 戸川昌子 講談社
乱歩賞授賞作。古いアパートに住む様々な過去を持つ年老いた女たちの姿。アパート移動工事きっかけに過去の亡霊が甦る。
端正な技術的に優れた作品。各章の語り手を替え、また各章の長さも段々に長くなるように構成している。それが最後に一つに結びつき結末を迎えることによる満足感は高い。前に読んだのが「蒼い蛇」という破天荒な作品だったためもあるが、このかちっとまとまったような作品は正直意外な感じであった。サスペンスを充分で、最後のツイストも決まっており、名作の名にふさわしい仕上がり。既に発表からほぼ40年がたとうとしているが、今も刊行されつづける作品にはそれなりの理由があるのがわかる。
ああおもしろかった。


(今日買った本:0冊 今月買った本:81冊 今年買った本:304冊)

2月19日(水)

届いた本を一個開封。
賜物(上下) ナボコフ 福武文庫 多分買い逃している文庫。紹介を読むと普通の小説っぽいなあ。

「太陽の簒奪者」野尻抱介 読了。「妊娠カレンダー」を読むことにしました。久々の小川洋子。ここで純文学系の女性作家で、自分の中で変な順で名前をあげるとこんな感じになるかなぁ。ただし読んだのは1冊から数冊なのでまた評価は変わると思いますけど、いずれも関心のある作家ばかり。小川洋子まではできれば全作品を読むつもり。
吉田知子 多和田葉子
笙野頼子
小川洋子
河野多恵子 村田喜代子


増田みず子は読んでいないのでわからない。あと誰かいたっけか?あと姫野カオルコとかどうなんでしょうか。
こうして見ると、〜子という名前ばかり。作家は意外とオーソドックスな名前が多いのか?気のせいかしらん。

(今日買った本:2冊 今月買った本:81冊 今年買った本:304冊)

2月18日(火)

桃源郷の惨劇 鳥飼否宇 祥伝社文庫
出たばかりのばりばりの新刊。陶淵明の詩を巻頭にあしらった中編推理。桃源郷と見まがうタジキスタンのある村に赴いたテレビクルーと動物に詳しい探偵役の鳶山久志が巻き込まれる事件とは。現地の住民があがめる神とは?イエティ?
中編なのであっという間に読める。フォーミュラーフィクションとしての推理小説に忠実な作品。最後におまけのように附された手紙は、とにかく労作。ストーリーにかみ合っているかと言うとあんまり誉められたものではないけれど、きっと作者はこれをやりたかったんだ、という感慨すら覚える。(というか、これをやるために全部のストーリーを組み立てたのか?) ありきたりという感想を抱く人もいるかもしれないけれど、ぼくはその気概を買うな。


(今日買った本:0冊 今月買った本:79冊 今年買った本:302冊)

2月17日(月)

茗荷丸さんのところを見ていて思うのは、俺は「恐怖は同じ」「アデスタを吹く冷たい風」「金蝿」持っていたかなあ、ってこと。カーは復刊されたときに買った気がするんだけどな。勘違いかしらん。

赤ちゃんをさがせ 青井夏海 東京創元社
創元にしては先日異様に早く文庫化されたが、今日始まったドラマに合わせてということで、少しでも売れるといいね。
3篇収録。探偵役はバツイチ助産婦さんの聡子さんとその助手の陽奈ちゃん。そして安楽椅子で控えしはカリスマ助産婦の明楽先生。この3人が赤ちゃん出産に立ち会いながら、はからずも巻き込まれる事件を解決していきます。
お母さんをさがせ 後継者を望む社長に呼ばれた二人は姿をあらわした3人の妊婦さんにびっくり。最初に男の子を産んだ女性が妻だという。納得いかない聡子さんだが、陽奈ちゃんに諭され、本物は誰だ的に本当の奥さんを捜します。設定はとっぴだけれど、導入篇としてすっと世界に入っていくことが出来ます。論理的に話を運んでいて本格推理してますね。
お父さんを探せ 訪れた家には若い高校生カップルが。親の反対を予測して隠れて出産すると言う。そこへあらわれたのは妊婦さんのお父さんいなることを主張する男たち。最後は綺麗に話をまとめる痛快篇。それにしても登場する男たちはいい加減である。一番のお気に入り。
赤ちゃんをさがせ 突然現れたのは聡子さんの元ダンナ。どうやら聡子さんとよりを戻したいらしい。それを妨害する陽奈ちゃんだが、担当する妊婦さんから次々にキャンセルをくらい、元ダンを疑う。そして事件は新興宗教をまきこんで意外な展開へ。集中もっとも長い活劇篇。話がややまとまりにかけるきらいはあるけれども、面白さは変わらない。
ポーの創始した推理小説は、殺人が発生してその犯人を推理するというのが常道であろう。しかしパズラーという観点で見た場合、人殺しの小説である必然性は全く無い。そうではなく日常の謎を解決するという方法論でもやはり推理小説はかける。加納朋子とかもそうだと思うが、あんまり人殺しが好きでは無い自分としては(あんまり好きなやつはいないか)、こういう系統のお話は安心してほのぼの楽しめるのである。特に本書は殺人とは正反対の新しい生命の誕生を基軸にしているところが、素晴らしいじゃありませんか。今後も書き続けていって欲しいシリーズです。お勧め。
(ところで解説の川出正樹氏の書かれているとんでもない共通点ってなんですか?)
なお今日からNHKで本書のドラマが始まりましたが、設定やストーリーはそれなりに変更が加えられているようです。高野志穂少し太った?

「大いなる幻影」戸川昌子 読了。「太陽の簒奪者」野尻抱介を読むことにしました。わくわくするなあ。

未開封本がまた13冊に増えてしまいました。

(今日買った本:0冊 今月買った本:79冊 今年買った本:302冊)

2月16日(日)

せっかくなので最初のMYSCONのままだったトップページのロゴをMYSCON4に替えてみる。

「赤ちゃんをさがせ」青井夏海、「桃源郷の惨劇」鳥飼否宇 読了。後者は400円では赤字になりそうな労作だ。

空飛ぶ冷し中華 PART2 住宅新報社 帯びつき美本だったが、こうなるとPART1も欲しいな。
天使の手の中で ドミニック・フェルナンデス 早川書房

鬼子母神 安東能明 幻冬舎
ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。ホラー要素は低く、一言で表現すれば社会派サイコスリラーといったところか。
主人公の公恵は保健婦である。ある日児童虐待の通報を受け、ある家を訪問するとそこには頭から血を流した子供、弥音がいた。母親の敦子は動揺しているようであった。内縁の夫が原因と見た公恵は二人を病院に秘密入院させるが、夫からは公恵に脅しが入り始める。ところが献身的に二人の母娘に尽くす公恵は、家ではどうしようもない憎しみにかられ、娘の美香に手を上げてしまう毎日であった。
児童虐待をテーマにしているため、読む側としては正直不快である。特に幼い子供を持つ人などは読み通すのはつらいだろう。しかし著者によれば、世間では表に現れない児童虐待が多く存在しているのだと言う。医学知識なども無理なく描写に溶け込ませ、社会問題として児童虐待を捉えており、著者が書きたかったのは本当はこっちなんだろうな、と思わせる。その分ミステリーとしては見え見えでもどかしさを伴ったり、ラストにあまりにもベタなホラーシーンがあったりと、エンターテイメントとしてはやや弱い印象を受けてしまうのは致し方あるまい。生意気な言い方をすれば眼高手低な作品といったところ。それでも総合的に見て読む価値は充分ある力作である。


(今日買った本:2冊 今月買った本:79冊 今年買った本:302冊)


2月15日(土)

「鬼子母神」安東能明 読了。ドラマ開始前にと「赤ちゃんをさがせ」を読むことにする。

パンのみに非ず 後藤明生 角川文庫
二十世紀のパリ ヴェルヌ 集英社 集英社版は持っていなかったような。
これでおしまい デュラス 河出書房新社
「銀鯨」作戦 田中新造 白金書房 これは続編があるはずだ。
燃えつきる日々 海渡英祐 講談社
d36000キロの墜死 谷甲州 講談社
dさらばふるさとの惑星 ホールドマン 集英社

(今日買った本:7冊 今月買った本:77冊 今年買った本:300冊)

2月14日(金)

ラブ・ストーリーズT G・D・チップス&B・ヘンダーソン編 早川書房
刊行されたときに衝動買いしたまま眠っていた本。今となってはさして読みたい本でもなく、さりとて新刊で買ったからなんとなく処分もしずらいということで読んでみました。収録作は「愛について語る時に我々が語ること」(レイモンド・カーヴァー)「夏、エレジー」(エレン・ギルクリスト)「スイート・トーク」(ステファニー・ヴォーン)「ロスタイム事故」(ゲイル・ベイニー・ホイッティア)「シガレット・ボート」(バーバラ・ミルトン)「ジャン・マリーのクッキング・ブック」(ジェフ・ワインスタイン)「世界のハーモニー」(チャールズ・バクスター)「墓掃除の日」(ボビー・アン・メイソン)の8篇。
ある程度予想していたことだし、ニューヨーカー短編集等の都会小説を読んでも実際そうなのだけど、この手のアメリカ小説は楽しみ方が今ひとつ理解できず、よく分からないというのが正直なところ。多分心理描写を楽しむのだろうとは思うのだが、ぴんとこないのは起承転結がはっきりしていないからだろうか。それでもバクスターの作品等はわりあい面白く読めたので、またこの手の作品にもそのうち挑戦したいとは思う。


陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎 ノンノベル
桃源郷の惨劇 鳥飼否宇 祥伝社文庫
SFが読みたい2003 このミスとかは全然買う気が起きないのにこっちは買ってしまうのはやはりSFが好きなんだね。本は読んでないけどさ。アンケートをぱらぱら見ていたら、日下さんがレンズマンを未読だったとかかれていて驚いた。でも俺もスカイラークしか読んでいないので人のことは言えないのだった。今年の企画では河出書房の奇想小説のシリーズが楽しみだ。スタージョンももちろんだが、ベスタ-もでるらしい。早川のJシリーズは夏まで刊行延期らしいが、10数作刊行計画があるらしい。売れたからな。JA文庫では書き下ろしがぼろぼろ出るらしい。北野勇作の短編集6冊も楽しみではあるが、やはり冲方丁に期待。何故か1冊も読んでいないのに面白そうだと言う確信めいた予感がある。早く既刊を読まなければ。

(今日買った本:3冊 今月買った本:70冊 今年買った本:293冊)

2月13日(木)

昨日寄れなかった本屋で買い物。
夜鳥 ルヴェル 創元推理文庫 黒白さんに貴重な本をお借りして読んだのは2001年の晩夏でした。その時文庫で出ればいいという希望を書いたが、本当に出るとは思いませんでしたねぇ。いやあ目出度い。創土社版に収録された短編は田中早苗訳にこだわったのか未収録なのは残念。
モンスター・ドライブイン J・R・ランズデイル 創元SF文庫 昨年待つ刊行されたストラウブ「ゴーストストーリー」と並んで個人的には創元で予告が出ていた作品では待ち望んでいた作品だ。多分15、6年は待ったと思うが、それでも出してくれる東京創元社はえらい。早川書房も見習うように。クロウリーの「エジプト」はどうした。ついでに言えば「ザンジバーに立つ」はどうした。おまけに言えば「危険なヴィジョン」の分冊はどうした。
花の通り魔 横溝正史 徳間文庫 これも日下さんらの復刊本がなければ刊行されなかったかもしれませんね。

昨日から「鬼子母神」安東能明を読んでいますが、時間が無く読み進めません。それにしても児童虐待ネタとは気分が悪いな。

(今日買った本:3冊 今月買った本:67冊 今年買った本:290冊)

2月12日(水)

四日間の奇蹟 浅倉卓弥 宝島社
このミス大賞受賞作。あちこちで触れられているので、ストーリーは省略するが、基本的には面白い。文章も少しむらはあるように思うけれど、総じて丁寧に書き込まれていて心地よい。最後の幕切れもよく、ある場面では珍しくも目頭が熱くなってしまったくらいで、単体の作品としてみた場合はお勧めできる。
ただし選評でも触れられているけれど、本作の根本アイディアは(珍しく自分も読んでいる)有名な作品にそっくりである。もっとも登場人物の関係も異なればストーリーも異なるので全く同じと言うわけではないし、自分はオリジナル原理主義者でもないので、そのこと自体は批難するには当たらないと思うが、なまじアイディアの印象が強いだけに、先行作をブラッシュアップしただけのように思われてしまいそうで、正直分が悪いと言わざるを得ない。自分も中盤でネタがはっきりした時に、読みつづける興味ががくんと失速してしまったのは事実である。それでもそこから持ち直して終盤になだれ込んで行くことができたのは、総合力が優れているということだ
と思う。平均的というか優等生的というか、新しい才能を選ぶと言う観点では大賞に選ばれにくい作品ではあるが、読まれる価値は充分にあると思うので、これは良かったのではなかろうか。でも次作はもっとオリジナリティの強い作品を書かないと、認めてもらえないだろうな。とにかく次作に期待だな。

(今日買った本:0冊 今月買った本:64冊 今年買った本:287冊)

2月11日(火)

四連休が終わり、本日は買い物もなし。
おっと、黒白さんもMYSCON参加ですか。知っている人がいるのは心強いです。
MORIWAKIさんは「現代語訳江戸の伝奇小説」も買ってるですか。完全に負けてます。追いつけ追いつけ。

「四日間の奇蹟」読了。感想は後で書くけれど、こりゃ難しいね。
続いて「ラブ・ストーリーズT」早川書房を読了。バクスターやカーヴァーを収録した短編集。違う意味で難しい。

浦賀和宏殺人事件 浦賀和宏 講談社ノベルス
ストーリーを書く気が起こらない実名多数登場のメタミステリまがいの実験作で、これは評価が分かれそうだ。いきなり著者の本を、本作から読み始めるのは何か間違った気もするが、読んじまったものは仕方が無い。結論から言うと面白かったし、YMOの話も退屈はしない。でもミステリーの面白さかと言うと違うような気もする。骨格はミステリーなんだけれども、うーん、変な小説と言うほうが合っているかもしれない。それにしても感想書きにくいよなあ。あえて気になったところを言うなら、あまりにも現実世界を侵食させすぎて、「今」しか通用しないであろうところが作品としての懸念点でしょうか。もっとも著者はそんなこと先刻承知でやっているんでしょうがね。

やくたいも無い感想文をリンクしていただくのはこっ恥ずかしいものがあります。

(今日買った本:0冊 今月買った本:64冊 今年買った本:287冊)

2月10日(月)

半年ぶりの年休である。何をしようかと思ったが、いつものとおり読書と片付けという版で押したような一日。
夜は家人と珍しく「レッドドラゴン」を見に行く。まあ普通に面白かった。トマス・ハリスは自慢じゃないが、「ブラック・サンデー」しか読んでいないので、原作の小説がどうなのかわからんけれども。

「四日間の奇蹟はほぼ半分。面白いのだけど丁度半分くらいで肝のネタが判明し、自分的には失速してしまいました。あと間もあいていたので「紙葉の家」をひもとく。ようやく150ページ超。うーん、すげー小説だなあ。

葉山宝石館の謎 梶龍雄 大陸ノベルス 残り「女たちの復讐」と「青春迷路殺人事件」でM2と思ったら、「わが青春に殺意あり」は「青春迷路殺人事件」の改題文庫化だったんですねえ。それだとM1です。「女たちの復讐」だけだわ。
それにしても1ヶ月余りで再販しているのには驚く。
イルカと私が歩く街 中井紀夫 エニックスノベルス
亡国のイージス(上)(下) 福井晴敏 講談社文庫
海洋冒険物語 南洋一郎 国書刊行会
幼虫 竹河聖 白泉社 出ているのは知っていたけど初見。異形コレクション以外は1篇しかないな。
オーデュポンの祈り 伊坂幸太郎 新潮社 ノベルスが出たようなので買ってみようかな。
ムツゴロウの馬 畑正憲 文藝春秋
凶器 高森真士 有朋堂 短編集。オール読み物新人賞受賞作など昭和40年代前半の作品が中心。
鳶がクルリと ヒキタクニオ 新潮社
ぐっすん大黒 町田康 文藝春秋
地下水脈 マーガレット・マーヒー 岩波書店
箱の中の書類 セイヤーズ ポケミス
d衝撃波を乗り切れ ブラナー 集英社
死を誘うロケ地 ジェフリー・ディーヴァー ハヤカワミステリ文庫 やっと見つかりました。「汚れた街のシンデレラ」はよく見たのだけど、こっちは本当に見なかった。近いうちに読む予定もないのだけど、無いといわれると探したくなっちゃうよね。

(今日買った本:15冊 今月買った本:64冊 今年買った本:287冊)

2月9日(日)

今日届いた本。他にも未開封が10冊。早くあけなきゃ。
ダイソーミステリー18冊 

土曜を逃げろ チャールズ・ウィリアムズ 文春文庫
鴨撃ちから帰ると殺人事件の容疑者になっていた主人公のウォレン。そんな状況で今度は不仲の女房も殺されてしまう。こっちも自分に嫌疑がかけられることは間違いない。このまま甘んじて警察に捕縛されるのを潔しとしないウォレンは有り金をかき集め、真犯人を探すことにした。
典型的巻き込まれ型サスペンス小説。著者はペーパーバックライターだそうだが、実にそんな感じの小説。特にキャラクターの造形が巧く、主人公を助ける秘書のバーバラが秀逸。短い作品だが、読んでいる間は楽しませると言うところはそつが無い職人の作品。気楽に読むのが吉。


事情により「浦賀和宏殺人事件」を読了。今度は本当に「四日間の奇蹟」を読み始めました。

そういえば昨日本屋で「修羅の終わり」の笠井潔の解説を立ち読みしたが、結局鷲尾のストーリーと他の二つがどう結びつくかは分からず仕舞い。誰か教えてくださいな。で、今思うとフーダニットとか関係なく、小説の構造そのものを読者に推理させると言うのはミステリーとしては型破りなような気がしてきました。というかミステリーと言えるのか、とまで思ってしまう今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

(今日買った本:18冊 今月買った本:49冊 今年買った本:272冊)

2月8日(土)

d神さまたちのスケジュール 久里洋二 評伝社 頼まれもの。
呪われた町 キング 集英社 ちょっと単行本も持って起きたかったりして。
生き残る フォスター 立風書房 持っているような気がする。
d悪魔に喰われろ青尾蝿 J・F・ボーディン 翔泳社 かー持ってたか。
アドレナリンの匂う女 ケイン 新潮社
熊の場所 舞城王太郎 講談社
犬女 中村うさぎ 文藝春秋

突然ではありますが、MYSCONに参加することにしました。第一回以来ですね。

お父さんのパソコン 岡崎弘明 角川書店 1997
ファンタジーノベル大賞でデビューした著者の単独著作としては一番新しいもの。自分にとって岡崎弘明と言うと著書としては今回初めてになるのだが、短編では異形コレクションの「太陽に恋する布団たち」が強く印象に残っている。ほのぼのとした良い話というか、優しい小説であった。
本書はパソコンが苦手お父さんにも、パソコンが理解できるようにと注釈を配した造りの実用書兼小説。今さらパソコンの知識を本書から得られるわけではないので小説部分のみ楽しもうというわけであるが、ストーリーも少しひねってあり、最後には形式的な実験もあってそこそこ面白い。が、いくら小説に工夫をしても実用書的な部分が古びてしまうのは否定しがたい事実なので、殊更に読む必要性があるかというと少し疑問は残る。ユーモア小説が好きな人や著者のファンが読めばいいんじゃないかって感じ。

(おまけ)いまのところ最新の著作かと思ったら「eコマースで 勝つ会社滅びる会社」なんて本を出していて、紹介文に「2000年4月、株式会社帝国データバンクネットコミュニケーションを立ち上げ代表取締役に就任しました。」なんてありました。うーん、帝国データバンクの関連会社の社長さんですか。そりゃ忙しいはずです。でもご自分のHPでは小説以外にもゲームとかもアップしていて面白そうです。時間があるときにゲームは挑戦してみようと思いますが、とにかく仕事が忙しい中でもがんばられていてすごいですね。

「土曜を逃げろ」を読了。「四日間の奇跡」を読むことにしました。

(今日買った本:7冊 今月買った本:31冊 今年買った本:254冊)

2月7日(金)

「お父さんのパソコン」は読み終わったので「土曜を逃げろ」を選択。やっと翻訳もの。薄いけどね。

買い物。
黄色の間 M・R・ラインハート ポケミス
街に殺意が一杯 藤本義一 角川文庫
小松左京マガジン9号 
クレシェンド 竹本健治 角川書店 横尾忠則らしい装丁だ。珍しく函入りの綺麗な本。
K・Nの悲劇 高野和明 講談社 衝動買い。帯にホラーとあるけど、本当だろうな。少しいやな予感が。
阿修羅ガール 舞城王太郎 新潮社 売れてる。
奇妙な幻獣辞典 井上雅彦 実業之日本社
四日間の奇蹟 浅倉卓弥 宝島社

(今日買った本:8冊 今月買った本:24冊 今年買った本:247冊)

2月6日(木)

七人の安倍晴明 夢枕獏編 桜桃書房
安倍晴明をテーマにした七人の作家のアンソロジー。長編の一部もあるし、入手がやさしそうなテキストが多く、いまいちという気がしないでもない。
視鬼(高橋克彦)正統派伝奇短編。最近この人の本も読んでいないので読みたくなってきました。
愛の陰陽師(田辺聖子)「宇治拾遺物語」から安倍晴明のエピソード。軽い読物として面白い。
日本の風水地帯を行く(荒俣宏)出雲から京都へかけての、風水・陰陽道を探る紀行もの。旅行前に読んでおくといいかも。
玄象といふ琵琶 鬼のために盗らるること(岡野玲子)コミック。絵柄は好みではないけど、話は面白い。
晴明。(加門七海)長編の一部収録と言う乱暴な入れ方だが、少年時代の晴明を描いている。ソノラマ文庫だが、面白そうだ。
鬼を操り、鬼となった人びと(小松和彦・内藤正敏)晴明だけではなく、鬼をテーマとした対談集の一部。縦横無尽と言う感じ。
下衆法師(夢枕獏)陰陽師の一篇。著者らしい一篇。
すっかり根付いた感のある安倍晴明だが、様々な作家の描く像を読むのもまた楽し。


(今日買った本:0冊 今月買った本:16冊 今年買った本:239冊)


2月5日(水)

煙か土か食い物 舞城王太郎 講談社ノベルス
まず素朴な疑問。本書をミステリーとして読む人がいるのだろうか。連続主婦殴打事件の犯人を追うミステリーとして読んだ場合、謎の解明部分はのっけから主人公が、思いつきからぱらぱら解いていくため、謎解きの要素は薄弱だからだ。
しかし一篇の小説としてみた場合は、家族をテーマにしたサスペンスフルな物語として読むものの心に訴えかけてくる面白い小説へと変貌する。そう。本書はミステリーの衣を被ったブンガク作品なのだ。(ニュアンスが伝わるかわからないが、文学というと違和感がある)
本書のテーマは家族であり血筋である。テーマ的には100年以上も前から取り上げられてきた手垢のついたテーマだが、それをミステリーの要素と有機的に組み合わせ、独特の文体でエンターテイメントとしても楽しめる作品に仕上げている腕前はなかなかのもの。
同じテーマをデフォルメし、歪めて書いた文学作品がマジックリアリズムの一つの形だとすれば(自分が読んでいて想起したのはマルケスの「百年の孤独」とラシュディの「恥」)、本書は故意に壊れた文体で紡いだ、著者流のマジックリアリズムなのではないか。
なお文体は好き嫌いはありそうだが慣れればさほど読みにくくは無く、スピード感があり、独特のリズムを持っている。ミステリーの書き手にはおそらくならないと思うが、ジャンルを越えた小説家として今後も活躍していくであろう。今後に期待。

(ところで車に細工したのは結局誰だったの?)

「七人の安倍晴明」 読了。岡崎弘明の「お父さんのパソコン」を手にとる。翻訳物とか言っていたのはどこのどいつだ?

(今日買った本:0冊 今月買った本:16冊 今年買った本:239冊)


2月4日(火)

読書は「七人の安部晴明」を選択。単行本版なので岡野玲子の漫画が入っている。(文庫は澁澤龍彦に差し替え)

指輪物語 追補篇 評論社 新訳時に追加された巻。指輪物語は読んでから随分たちますし、いまさら読み返す気持ちもありませんので、これも読む確率は限りなくゼロに近いのですが、テキスト的には一応持っていたかったので。
環蛇銭  加門七海 講談社

そろそろ翻訳物読まないと国産しか読めない身体になってしまいそうだわい。

創元社のメルマガによると『モンスター・ドライヴイン』 ジョー・R・ランズデールは12日発売の模様。これでとりあえず創元推理文庫の刊行予定で鶴首して待っている本は無くなります。あとはホラーをどんどん出して欲しいのみ。

(今日買った本:2冊 今月買った本:16冊 今年買った本:239冊)


2月3日(月)

ひさしぶりに早く帰れたので「煙か土か食い物」を読了できました。

超・恋・愛 大原まり子 光文社文庫
久しぶりに会った人に会うと、その変わりっぷりに驚くことがある。小説も時として同じで、長い時間を隔ててその著作を読むとその変かに驚く場合がある。今回もそうだった。多分最初の何冊かしか読んでいない。読むのも10年ぶりくらいかもしれない。その印象は非常にSFらしい作品ではあるものの、著者の肉声と言うか個性は比較的抑えられていたような気がしたものだ。それに対して本書は著者の生の声が存分に聞こえるような作品集であった。
「書くと癒される」「ワンダラー−さすらい人」「踏ミ越エテ」「不思議の聖子羊の少女」「13」「サイコサウンドマシン」の6篇を収録しており、今のところ一番新しい短編集である。最初の2作はSFですら無いが(どこにもSF短編集とは謳ってないしね)、そんなことは作品の価値には関係なくて、ある意味著者の個性が最も出ている作品と言えるように思う。まさに書きたくて書いたという匂いが濃厚だ。著者がSFというジャンルから出たのではなく、こういう小説で純文学畑から出ていたらもっと別の評価をされていたかもしれない。これは「サイコ〜」にも言えるのだが、キーワードは「癒し」であろうか。その一方で「不思議の〜」は一転コミカルなナンセンスSF小説で笑える作品。なんだか「うる星やつら」のようである。「13」「サイコ〜」は著者の書いてきたSFをさらに先鋭化させたような小説で、前者など海外SFであるといっても違和感が無い。ちなみに「サイコ〜」はラジオドラマのためにかかれた作品らしく、小説ももちろん優れているのだが、そのCD化もされたラジオ作品も賞を受賞しているようでぜひ聞いてみたいと思った。バラエティに富んだ著者の個性が良く出ている作品集で、少々生々しいきらいがあるので合わない人もいるとは思うが、機会があれば一度試していただきたい。


「書くと癒される」かあ。買った本を書いていても「買いすぎだなぁ」とか「生きているうちに読めるかなぁ」とか「床抜けないかなぁ」とかそんなことばかり頭に浮かぶのでちっとも癒されませんわ。

推理小説研究16号
推理小説研究18号
小説ハヤカワHi No13 やっと買えました。これでSFマガジンは実質的にも完集です。刊行時に買わなくて後悔したこと。後悔したこと。広告には次号からはSFマガジン臨時増刊から独立とありますが、本当に出たんでしょうか?まあ臨時増刊でなければどうでも良いのですが。

「赤ちゃんを探せ」は2月17日からでしたか・・。シルクロードやってた・・。

大熊さんのサイトで眉村さんの「日課・一日3枚以上」が巻によって品切れになりそうだということを見て焦る。早く注文しなきゃ。

(今日買った本:3冊 今月買った本:14冊 今年買った本:237冊)


2月2日(日)

片付けても片付けても本が減らない。片付けているときに事件が発生。泣きが入る。

検屍裁判 P・ワイルド 東京創元社
閉ざされぬ墓場 F・デーヴィス東京創元社
切り裂き魔ゴーレム アクロイド 新潮社 
薔薇の妙薬 森福都 ホワイトハート  見ないんだよね。結局ネットに頼る。
長安牡丹花異聞  森福都 文藝春秋 
父親革命 長山靖生 新潮社 著者の本としては異質な感じ。

読書の方はと言うと「煙か土か食い物」を選択。
まだ未開封13冊。
新刊では中村うさぎの短編集が気になるな。

(今日買った本:6冊 今月買った本:11冊 今年買った本:234冊)

2月1日(土)

用事があったので上京。帰りに池袋へ赴き乱歩展を見学。そこそこ混んでいる。展示されている乱歩の本は確かに綺麗だ。戦前の本とは思えない。点数も多く、戦前戦後と同内容の本が繰り返し繰り返し刊行されているのはそれだけ売れたということであり、読者にも迎えられていたということでもあろう。いろいろな意味で巨人であったのは間違いない。貼雑年譜の実物も展示されていたが、その収集癖はやはりすさまじい。実際初期の短編以外はほとんど作品を読んでいなかtったりするのだが、無性に読みたくなる展覧会ではある。限定復刻の講談社版貼雑年譜はまだ残部多数。表紙の「江戸川乱歩推理文庫特別補巻」の文字が寂しいね。
乱歩の世界 双六も買っちゃったよ。

汚辱のゲーム(上下) クーンツ 講談社文庫
火車 宮部みゆき 新潮文庫
水底の顔 田中文雄 朝日ソノラマ 多分ダブリ。

(今日買った本:5冊 今月買った本:5冊 今年買った本:228冊)