買書日記(5月)   掲示板

5月31日(土)

今月は買い物が少なかった。DVD買ったせいだろう。50冊中新刊が31冊だから、もう古本野郎じゃなくなりましたね。

阪神強いな。ライオンズは今さんくらいだ。

(今日買った本:0冊 今月買った本:50冊 今年買った本:614冊)

5月30日(金)

殺戮の地平 灰崎抗 学研ウルフノベルス
時は近未来。人類は夢を手に入れた。意志の力で全てが実現することになったのだ。その時目の前に出現したのは、人間の欲望と悪意に満ちた地獄であった。そんな中、懸命に自分を失わないように生きてきた雄治だったが、最愛の絵美を失ったときから人類に対する復讐を誓う。雄治は世界を彷徨した。いつしか彼はスローターと呼ばれるようになっていった。
ムー伝奇ノベル大賞受賞第一作。バイオレンスSFの趣であるが、友成純一ほどクレイジーではなく、夢枕獏ほどエネルギッシュでもない。完成度そのものはさほど高く感じられないものの、エンターテイメントとしてはそれなりに楽しめる作品ではある。ラストは爽やかである反面、ちょっと安直な気がした。水準作でありましょうか。


(今日買った本:0冊 今月買った本:50冊 今年買った本:614冊)


5月29日(木)

買い物。
約束の地 平谷美樹 角川春樹事務所 9冊目らしい。全部持っているけど、読んだのはまだ1冊。いかんいかん。
くちなわひめ 宝珠なつめ 学研 東さんがbk1のコラムで紹介されていて欲しくなりました。
ホラージャパネスクを語る 双葉社

あ、「マイホームタウン」買うの忘れた。



(今日買った本:3冊 今月買った本:50冊 今年買った本:614冊)

5月28日(水)

「虹男」角田喜久雄 読了。

アスターシャ、どこ? 芝田勝茂 あかね書房
小学校低学年向け童話。恐竜が主人公で力持ちのお母さんと恐妻家のお父さんとその娘が繰り広げるナンセンスな笑いに満ちたお話。梶山俊夫の絵が独特の雰囲気を醸し出しており作品世界にあっている。大人が読んでどう思うかは別として子供は喜んで読みそうだ。結構ユーモラスなお話も書くんですね。


(今日買った本:0冊 今月買った本:47冊 今年買った本:611冊)

5月27日(火)

ハイペリオン ダン・シモンズ 早川書房
ヒューゴー賞他数々の賞をかっさらって、著者のSFでは代表作といえるシリーズの1作目。ただしシリーズというような結構を持っているようにも思えないのは事実だが。解説によると本書と続編の「ハイペリオンの没落」は対を成すような作品だということなので、シリーズとはいえないのかもしれない。
さて本書であるが、ハイペリオンという惑星、その中でも「時間の墓標」と呼ばれる遺跡がキーポイントとなる。シュライクと呼ばれる破壊者が住むというそこは、逆エントロピー場として知られていたのだ。そして「時間の墓標」には異変が起き始める。時を同じくしてハイペリオンには宇宙のアウトロー族であるアウスターが迫り、事態を重く見た連邦政府のCEOは7人の巡礼者を指名し、ハイペリオンの「時間の墓標」へ向かわせることにした。
本書はその7人の、ハイペリオンにからむ自らを語る物語から構成されている。したがってアラビアンナイトのように様々な異相を見せるSFが楽しめる一方では、長編としてのうねりは無く、ラストにいたっても物語りはまだ序盤という感じだ。
しかしながら個々の物語はSFカタログという趣で、ミリタリーSF(兵士の物語)あり、秘境冒険SF(司祭の物語あり、泣かせるSF(学者の物語)あり、歴史物語風SF(詩人の物語)あり、サイバーパンクミステリー(探偵の物語)あり、異星SF(領事の物語)ありとバラエティに富んでおり、一人の作者がこれだけのクオリティを保ちつつ多種のタイプの作品を書き上げる技には恐れ入る。ところどころにはSFマニアへのくすぐりすらも織り込んであり、賞をとるのも頷けるものだし、余裕さえ感じられる。続編を読まないと結論は出せないが、エンターテイメントとしても文学的完成度としても高く思われ、本書を読んだ限りでは傑作としか言いようが無い。(ただしひねくれものの人は、インテリ臭があるので少し嫌味っぽく感じられることもあるかもしれない)
ところで学者の物語の発想は式貴士の『uターン病』だなあ。洋の東西でも同じこと思いつく人がいるんだね。


(今日買った本:0冊 今月買った本:47冊 今年買った本:611冊)

5月26日(月)

殺戮の地平 灰崎抗 学研ウルフノベルス 読了。

それゆけ薔薇姫さま 岡本健一 ファミ通文庫 一応探していたんだ。

やっぱり感想は1回のアップでは1個しか書けないや。

(今日買った本:1冊 今月買った本:47冊 今年買った本:611冊)

5月25日(日)

玩具修理者 小林泰三 角川書店
「パラサイトイブ」がホラー小説大賞を受賞したときに短編賞を授賞した表題作を含む作品集。新刊で購入して7年余りも寝かしていたことになりますが、著書も8冊を数え比較的寡作ではありますが今ではすっかり中堅ホラー・SF作家になりました。
「玩具修理者」壊れた人形、死んだ猫、そして弟だって治してくれるのは玩具修理者。それは子供にしか見えない幻なのか。しかし子供にとってはそれは確たる現実なのだ。白昼夢のような不気味な怪奇な世界を創出した短編で、雰囲気が素晴らしい。あえてクトゥルーものにしたのは正直不要なマニアへのおもねりのように感じたが、いかがなものであろうか。そんなことをしなくても本作は傑作であるはず。(もっとも一般の読者はそんなことは関係ないし、第一わからないだろうが、そんなことにこだわってしまうのが自分がマニアの証拠なのか・・・)
酔歩する男 分類すればタイムトラベルものになるのかもしれないが、実際には形而上学と唯物論を組み合わせて攪拌したようなマッドな小説で、表題作の即物的な小説とは一線を画しており、著者の懐の広さを感じる。正直一度読んだだけで理解できたかどうか自信がないので、近いうちに読み返してみたいと思っている。題名のように酩酊すること請け合いの傑作短編。


『ハイペリオン』 ダン・シモンズ 『アスターシャ、どこ?』芝田勝茂 読了。

(今日買った本:0冊 今月買った本:47冊 今年買った本:611冊)

5月24日(土)

SFマガジン7月号 ライトノベル系の作家特集。それにしてもしらない作家が多いなあ。とてもカバーしきれるものではない。まあちょっとづつでもトライしてみようかと思いますけどね。
ミステリマガジン7月号 フランス特集。ブックガイドでは珍しく1冊だけ読んでいる。(「バカなやつらはみなごろし」) さて来月は年に一度のお楽しみの「幻想と怪奇」である。

(今日買った本:2冊 今月買った本:47冊 今年買った本:611冊)

5月23日(金)

届いていた本
アリスの本 少女座No5 同人誌みたいですね。これとアスペクト通信は1冊くらい持っておきたかったんだ。矢川澄子寄稿あり。
かばんから出てきました。
d(たぶん)SF事典 横田順彌 廣済堂ノベルス
ゆがめられた記憶 マーヒー 岩波書店
dSF戦争10のスタイル ホールドマン編 講談社文庫
新刊購入。
ぬしさまへ 畠中恵 新潮社 「しゃばけ」を先に読まなきゃね。
マルドゥク・スクランブル(圧縮) 冲方丁 早川文庫JA 全3巻の1巻。かなり期待大。多分面白いはずだ。

「速読講座」のパンフレットが。勉強にはいいかもしれないけど、趣味の読書にはどんなもんなんでしょうか。遅読は悩みの種ではあるんですけどねぇ。

(今日買った本:6冊 今月買った本:45冊 今年買った本:609冊)

5月22日(木)

ハイペリオンはあと150ページほど。週末には読み終われるかな?

カードの明細が来て、5月に入ってから使用した分まで対象になっており、あせる。困っちゃうんだよね、こういうことされると。

(今日買った本:0冊 今月買った本:39冊 今年買った本:603冊)

5月21日(水)

キッチンの蛇口から水が漏れるようになったので、パッキンを取替えにゃならんな、と思い試しにドライバーでレバーを取るがわからない。調べてみるとシングルレバー式は素人では困難らしい。うーん、便利であるということはいざというときに困ることもあるんだな。業者を呼ばなきゃいけないかな。

(今日買った本:0冊 今月買った本:39冊 今年買った本:603冊)

5月20日(火)

ムツゴロウの玉手箱 畑正憲 角川文庫
ムツゴロウ、畑正憲というとどういうイメージが浮かぶのだろう。動物王国?いずれにしてもどちらかというとほのぼのとしたイメージなのかもしれない。本書はそういったイメージとは一線を画す著者の文学修業時代のいわば習作を集めたものである。
収録作は「タレント渇望」「帝王蝶」「白い亀」「河童」「猿」「魅せられて」「帽子の中の猫」「がんび根の夏」「クロテン」「蛇の首」「昆布霧たつ崖」「人喰い犬」の12編を収録。書かれた時期は著者が学研の教材用映画を撮影していた昭和40年代の始めごろのようだ。ほぼ全作品になんらかの形で動物や昆虫が関わっているのは、著者の生き物に対する関心の深さを物語るものであろうが、当然生き物には人間も含まれており、「白い亀」や「帽子の中の猫」で語られる狂気を感じる作品等を読むと背筋が寒くなるようだ。ストーリー的には概ねエンターテイメントといっていいと思うが、雰囲気的にはやや暗く、中には鬱屈した純文学的な作品も含まれている。怪奇・SF・ミステリーに分類される作品に佳品が多く含まれるので、そういったジャンルが好きな読者には一読を勧めたい。ちなみに何故かわからないのだが、「山上たつひこ」の初期の漫画をイメージした。


(今日買った本:0冊 今月買った本:39冊 今年買った本:603冊)

5月19日(月)

本屋に寄るがぱっとしたものが無く何も買わず。
中古CD屋でDVDを見る。破裏拳ポリマーボックスに目が行く。もう一声安くならないかな。

(今日買った本:0冊 今月買った本:39冊 今年買った本:603冊)


5月18日(日)

買い物。
ペーパームーン ヴィスコンティ=ルードウィッヒ 神々の黄昏 新書館
イリーガル・エイリアン ロバート・J・ソウヤー 早川文庫SF
異郷の旅人 フレデリック・ポール 早川文庫SF
空にかざったおくりもの 光原百合 女子パウロ会
d妖怪の人間狩り 藤原審爾 KKベストセラーズ
女優 春口裕子 幻冬舎

(今日買った本:6冊 今月買った本:39冊 今年買った本:603冊)

5月17日(土)

用事で東京へ。

用事?を済ませて途中の青山ブックセンターへはじめて足を踏み入れる。品揃えはこだわりがあるようだけど、文学系に関しては国内ものはあまり良くない。翻訳に関しては吟味してあるのか、まずまず。3冊ほど手に取る。
所長 ムロージェク 未知谷 現代ポーランド作家のショートショート集。国書刊行会の文学の冒険で翻訳されて以来のお目見え。1960年から1965年までに書かれた短編を蒐集した本の翻訳。
鰐の涙 ムロージェク 未知谷 1990年から1993年の短編の翻訳。1冊目と2冊目の間に書かれた短編集はどうなっちゃったのとも思うが、いやいや翻訳されるだけめっけものだ。こういう売れそうも無い本を翻訳してくれるのはありがたいかぎり。続刊を期待。
縛られた男 キルゼ・アイヒンガー 同学社 なんか見たことのある作者名だと思って解説を見ると、妖精文庫で「より大きな希望」が翻訳されているのだった。こんなのが出ていたのね。
渋谷に歩く途中で中村書店を覗くが、買ったのはこれだけ。
酒の本棚 サントリー 非売品。酒に関する小説・エッセイを新聞広告に書き下ろしたものを集めたもの。内容は洋はマンディアルグ、ロブ・グリエ、アップダイク、ガスカール、コリン・ウィルソン、ダール、シリトー、カルヴィーノ、メイラー他、日本は開高健、安岡章太郎、星新一他。昔こんな本を買っているのだが、調べると別の本らしい。『酒の本棚、酒の寓話』 サントリー博物館文庫 TBSブリタニカ
渋谷で「ミレーの三大名画展」をBUNKAMURAで見る。ミレーもバルビゾン派自体もすきなのだが、今回の展覧会は今ひとつぱっとせず。山梨美術館からは「種をまく人」は持ってきていなかった。どうせなら借りればよかったのに。珍しく図録も買わず会場を後にする。
最後にブックファーストで買い物。
歌の翼に 菅浩江 カッパノベルス ディッシュの作品とおんなじタイトルやね。SFではなくミステリーのようだ。
クラミネ 児玉真澄 トクマノベルス やあ帯を見るとカッパと協賛フェアのようである。新人作家であるが日本酒のようである。ホラーだから買ったんだが、サイコホラーじゃないといいな。
感染夢 明野照葉 実業之日本社 ホラーだしね。
信貴山妖変 志木沢郁 学研 伝奇ノベル大賞入選作品。帯は皆川博子さん。
ルーキー 牧野修 カッパノベルス
パストラリア ジョージ・ソウンダース 角川書店 大熊さんご推奨の短編集。奇妙な味系統かな?
ビリッヒ博士の最期 リヒャルト・クレゼンベック 未知谷 種村季弘訳。ダダイズムなのかな?苦手なんだけど。

大量に新刊を買って散財してしまいました。

(今日買った本:11冊 今月買った本:33冊 今年買った本:597冊)

5月16日(金)

東京近郊怪奇ファイル 小池壮彦 長崎出版
東京近郊の怪奇現象の発生するといわれる怖い場所を有名、無名を問わず紹介した本。著者は随分前から幻想文学でレビューを行っていて(本書の後書きでも石堂藍氏、東雅夫氏の名まえがあがっている)、心霊研究家というイメージがあるけれど、テレビにも出ているようです。
類書との大きな違いは、著者が実証主義をつらぬいていることだろう。基本的にその場所には足を運んで確かめるという姿勢である。まさにフィールドワークであるが、その結果をそのまま書いているため信頼性が高い。そんな中霊感が無いと文中で何度も書いている著者が何かを感じてしまった場所というのはとりわけ怖さを感じずにはいられないのだ。つくりはわりと軽めだけれども、聞書きや噂を中心としたお手軽な怪奇本とは一線を画す本。


玩具修理者 読了。ハイペリオンに手を出しましたのでしばらく読了は無い予定。

(今日買った本:0冊 今月買った本:22冊 今年買った本:586冊)

5月15日(木)

表参道のブルーノートに行く。

kajikenさんより本が届く。
殺さずにはいられない 小泉喜美子 青樹社ビッグノベルス
ご無理を言ってお譲りいただきました。ありがとうございます。ありがとうございます。これでよしださんが3冊200円で買ったとしても羨ましがらずによくなりました。本当に嬉しいです。それにしてもコミックのような背表紙だなあ。

最近はめっきり老け込んでしまいまして本を欲しいという気持ちが減っていますが、つらつら考えるに下記のあたりはまだ欲しい度が高いですね。あとは栗田信とかも読んでは見たいけど、所詮は無理な話なのでね。
「地図にない町で」 カヴェーリン 理論社 「妖精の湖」「宇宙の黒い鶴」プログレス出版局(ソビエトSFのアンソロジー)
「日蝕の鷹、月蝕の蛇」倉阪鬼一朗 幻想文学出版局 「水曜日のクルト」 大井三重子 偕成社文庫
「ソヴェート文学34号」 SF特集 ソヴェート文学日本発行所 「骨なし村」 佐藤有文 カイガイノベルス

(今日買った本:1冊 今月買った本:22冊 今年買った本:586冊)


5月14日(水)

ムツゴロウの玉手箱 読了。

買い物。文庫3冊で3500円くらいしました。
悪意銀行 都筑道夫 光文社文庫
「探偵実話」傑作選 光文社文庫 江戸川乱歩全集30巻出るらしい。講談社文庫版の全集持っていても買わなきゃだめですか?小説の巻はさすがに買う気しないなあ。小説以外では未収録エッセイの記述が気になるけれど、ろくに読んだことないのにばかだね。
伝奇の匣5 夢野久作 学研M文庫 本編を読んでいないぼくには歯が立たない、東雅夫氏のマニアック編集が爆発した本。ぼくはすごく嬉しいのだけれど、正直な話とても売れるとは思えないのは私だけでしょうか。それはともかく影ながら応援しておりますのでがんばって伝奇の匣を続けていってください。あとはがんばれ学研営業部。ところで折り込み広告でムー伝奇ノベル大賞の優秀賞作が単行本で出ていることを知る。皆川博子絶賛とか書いてあるけど、講評では絶賛していた感じはしなかったけど・・・。いずれにしても本屋には無いし、ネットの本屋で買わなきゃいけないかな。

ハイペリオンを読もうかと画策中。

(今日買った本:3冊 今月買った本:21冊 今年買った本:585冊)

5月13日(火)

東京近郊怪奇ファイル 小池壮彦 読了。

RPG 宮部みゆき 集英社文庫
100万部突破しているらしい文庫書き下ろし作品。著者の『格』から言って珍しいケース。9割方が警察の取調室を舞台にしているため一幕劇といってもいいような作品。ある意味実験的なのかもしれないけれど、これだけの長さが必要かどうかは難しいところだ。リーダビリティが高いので読まされてしまうのだが、この構成では振り返るとちょっと薄味な感じがするのは否めない。とはいえ、決してつまらない作品というわけではなく、お代分は楽しませてくれるので特に文句はございません。


(今日買った本:0冊 今月買った本:18冊 今年買った本:582冊)

5月12日(月)

KI・DO・U 杉本蓮 徳間デュアル文庫
日本SF新人賞の佳作入選作品。
英国で研究生活を送る深優姫はストーカーに悩まされていた。数年前に死んだはずの父からおかしな手紙が届いたとき、その指示に従ってしまったのもそのためだったか。手紙には日本に渡りモバイルと呼ばれるヒューマン型コンピュータを受けとれとある。憎んでいたはずの父親であるが、今ごろになっていったいなんのことなのか。冷凍保存されたそのモバイルを受け取りに行く深優姫であるが、そこにはある組織の手が迫っていた。
モバイルとドールサーバントという二種類の生体コンピュータが出てくるが、実質的には遺伝子操作で身体機能や頭脳を向上させたもので、コンピュータというよりは(表現はおかしいけれども)人為的なミュータントのようなものだ。主人公の相棒となるモバイルはアマネとなずけられ、美男子のスーパーマンという女性向の願望充足小説のような設定である。したがって全体の中でキャラクターに依存する度合いは大きいが、ストーリー中、父親の指示に従いながら行動するという部分の比重が大きく読んでいて少し退屈することを除けば、ストーリー的にはまずまず面白く読める。ただ(作者はそれを書きたかったのだろうが)作中のテーマが家族のつながりとかを扱っていて、少々説教くさいのは否めない。エンターテイメントなのでもう少しさらっと書いてもいいような気がした。解説?の小谷真理と大原まり子の対談は主婦の井戸端会議のようで巻末に収録した意味がぼくにはよくわかりませんでした。


ちなみにデュアル文庫を読んだのは初めてだったのでした。なってないね。

(今日買った本:0冊 今月買った本:18冊 今年買った本:582冊)

5月11日(日)

休みというのはあっという間にすぎるものだが、やっぱりあっという間にすぎる。
借りている倉庫で探し物。とりあえず1冊だけ見つける。読まなそうな本がたくさんあったので処分しようかと考える。佐賀潜、大谷羊太郎あたりはまず読まないであろう。欲しがる人もいないしねえ。急かされてダブリ本やらなにやらえいやで放り込んだため、こんな事態。入らない本のためにスペースを借りているというのもナンセンスである。身のふり方を考えなくては。

RPG 宮部みゆき 読了。

(今日買った本:0冊 今月買った本:18冊 今年買った本:582冊)

5月10日(土)

買い物。
晴明鬼伝 五代ゆう 角川ホラー文庫 富士見の文庫を集めなくてはね。
小栗虫太郎集 日下三蔵編 ちくま文庫 思えば桃源社の全作品は持っていても教養文庫は全然持っていないのであった。買っておけば良かったと思う今日この頃ではあります。
悪夢の秘薬(上下) F・P・ウィルスン 扶桑社ミステリー文庫 続いて翻訳されるためには新刊で買わなくては。
どうぶつ図鑑 その3 かえる 北野勇作 早川文庫JA
どうぶつ図鑑 その4 ねこ 北野勇作 早川文庫JA
フラッシュフォワード R・J・ソウヤー 早川文庫SF
グレイ・チェンバー 小川一水 ジャンプJブック 蒐集モードに入りました。一応1冊読んで面白かったからだから、動機としては普通でしょ?だいいちまだ3冊しか持っていないし。

(今日買った本:8冊 今月買った本:18冊 今年買った本:582冊)

5月9日(金)

回転翼の天使 小川一水 ハルキ文庫
スチュワーデスへの夢が破れた伊吹は、ライバルの紹介でヘリコプター会社に勤めることになった。これがまた小さい会社で社員は社長とパイロットの二人だけ。しかしそこで事件にまきこまれながら汗まみれになって働くうち、スチュワーデスでは得られない、魅力を感じていくのだった。
新しいSFの書き手として昨今かなり注目されているように思える著者の、これはノンSF。まず題材としてヘリコプターというのは珍しいように思う。おそらくは取材をそれなりにしたのだろうが、描写は十分にリアリティを感じさせるものだ。そしてジュブナイルのようなわくわくさせる冒険小説的な展開と、爽やかな結末は一服の清涼剤たる資格を充分に持っていると思う。最初に面白いと聞いたのは葉山さんからだが、このような作品を見つけてくる慧眼には敬服するばかり。なんか面白い本がないかなあ、と思う方にはぜひお勧めしたい。自分も読んだのは初めてだったが、他の作品も読んでいきたいと思う。

KI・DO・U 杉本蓮 読了。

(今日買った本:0冊 今月買った本:10冊 今年買った本:574冊)

5月8日(木)

玩食のガラス置物を買ったんだが、ちゃんとガラスで出来ているもののこれがまた実にチープな中国製のもので、デザインはスワロフスキーの完全なパクリ。意匠デザインで著作権にひっかかるんじゃないかと思うのだが、どんなもんだろう。でも300円のバッタもんにしてはよく出来ているので集めたいのだが、あんまり売っていないんだよね。これが。

(今日買った本:0冊 今月買った本:10冊 今年買った本:574冊)

5月7日(水)

感想など書いてみる。

オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎 新潮社
ちかごろ人気の伊坂幸太郎の本をはじめて読んでみる。
SEである主人公の伊藤は会社を辞め、恋人とも別れ、何と言うことも無くコンビニに強盗に入ってしまう。あっけなく警察につかまった彼を待っていたのは警官となった幼馴染の邪悪な男だった。しかし伊藤は連行される車の事故で逃れ、気がつくとそこはどこともしれぬ孤島だった。そこであった日比野という男に島を案内された伊藤はそこの奇妙さに目を見張らされる。そして最後に紹介されたのは人語を喋る案山子、「優午」であった。優午は未来を予知するというが、あろうことかその案山子が何者かによって殺(破壊)された。
なんともいえない奇想の横溢した作品である。だいたい案山子の殺されるミステリーなんざ前代未聞であろう。読者の驚きを誘うことに成功した作者はそこから主人公の眼を通してその島の生態を語り始めるのだが、登場人物の奇妙さもなかなかであり、異世界の構築はうまくいっていると思う。もっとも作品中でいみじくも著者が主人公に言わせているように「リアリティが欠けている」というのは承知の上であろうし、随所に挟み込まれる(現実世界の?)仙台の描写やそこでの登場人物までも次第にリアリティが失われ、奇妙な世界に取り込まれていくようだ。
作品のラストに関して言えば、予定調和のようで喰い足りないような気もしたが、この終わらせ方が好きな人もいると思うので、これは多分純粋に個人的嗜好だと思う。
伏線を張り、事件の謎を解いていくという結構はミステリーのものであるが、ぼくは多分に奇想小説の面白さで楽しんだ。ミステリーが苦手な人にもお勧めできる作品。こいつは他の作品も期待しちゃうな。
ちなみに本書には実在の博物画家のオーデュボンが出てくるが、オーデュボンについてはこんなHPがありました。興味をもたれた方はご覧になっては?リョコウバトについてはこんなところが。
なお巻末に選評が載っているのだが、桐野夏生氏が「ファンタジック」等と言う不正確な言葉を使っているのが気になった。


F・ポール・ウィルスンの新刊買わなきゃ。

(今日買った本:0冊 今月買った本:10冊 今年買った本:574冊)

5月6日(火)

えー、私のは書評等という立派なものではなく、くだらない感想文に過ぎませんので。買われたご本はご都合主義満載というご感想を抱かれるかもしれません。>郭公亭さま

最下位まで1ゲーム差くらいだったのが嘘のような好調で現在同率二位の我がライオンズではあります。
阪神電鉄の株もあがっているらしい。偉大なるプロ野球よ。

昨日は某ネット古書店の更新日だった。10分遅れの注文でもやはり遅かったみたい。まあ、どうでもいいけど。

(今日買った本:0冊 今月買った本:10冊 今年買った本:574冊)


5月5日(月)

俄然DVDに興味が湧いてきたのでネットとかでもつらつら見てしまう。今日も近所の古本屋ではついついDVDを見てしまう。我ながら極端であるが。あるレコード店でスペース1999のボックス1が2割引で売っていた。もうちょっと安くなんないかなあ。結構在庫処分的に半額とかで古いDVDを売っていることがあるけど、買いきり制なのかしらん。だったらお店は在庫抱えるのきついね。

さてGWも終了してしまった。特にこれといったことも何もせずに終わってしまったが、まあこんなもんだろう。本がたくさん読めたわけでもないし、買い物にいそしんだわけでもない。もっとも家人の買い物には結構つきあった気がするけど。

回転翼の天使 小川一水 読了。いやはや面白かったわい。

(今日買った本:0冊 今月買った本:10冊 今年買った本:574冊)

5月4日(日)

もうゴールデンウィークも終わりになってしまうなあ。

2割引だったので「帰ってきたウルトラマン」のDVD2枚を衝動買い。出来不出来の差が非常に激しいシリーズであるが、今回購入したのは当然のようにあの4本が含まれた巻。とりあえずムルチを見直すが、デジタルリマスタリングは画像が綺麗だね。予告編が無いのが残念だけど。最近いろいろDVDをしらべるのが愉しい。欲しいのはたくさんあるけれども、1枚が高いからさすがに本のようにはいかない。

テレビ番組系で特に欲しいのは『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』『未来少年コナン』『赤毛のアン』『ルパン三世first』『ザンボット3』(予定)『ミステリーゾーン』『謎の円盤UFO』(予定)『スペース1999』『アイアンキング』『シルバー仮面』あたりが思いつく。
全部買ったら何十万もかかっちゃう。他にも映画も欲しいしね。

夜NHKで未来少年コナンの1,2,8話のみ放送というわけのわからない番組を見る。あいかわらず面白いが無茶苦茶欲求不満になる。

対話篇 金城一紀 講談社 署名本にひかれて買ってしまう。
コレクター蒐集 フィッシャー 東京創元社

小川一水を読んでいます。

(今日買った本:2冊 今月買った本:10冊 今年買った本:574冊)

5月3日(土)

「オーデュボンの祈り」 読了。

買い物。
神々のプロムナード 鈴木光司 講談社 メフィスト連載の長編。ミステリーなのか?

おとうさんがいっぱい 三田村信行 理論社
読むのは4回目だと思う。ある方の好意で探していた元版を入手できたので再読してみた。さすがに4回目ともなるとストーリーは憶えているので、最初の感激はないけれど、日常に潜む人間の不安感を描いた作品群はやはり面白い。子供が読んで面白いかどうかというのは、児童書としては最重要な観点であり、その点においては本書は疑問に思わないでもないけれど、少なくとも大人の視点から見ればやはり面白いと思う。佐々木マキの挿絵はフォア文庫との共通が多そうだ。文章はちょっと覚えが無い部分があったので、フォア文庫と比べてみたいと思う。単に記憶があいまいなせいかもしれませんが。
なお見返しに大海赫の「ビビを見た!」とか「クロイヌ家具店」とかあっていいなあ、と思う。どっかに転がっていませんかねえ。


(今日買った本:1冊 今月買った本:8冊 今年買った本:572冊)

5月2日(金)

買い物。
偶然の音楽 ポール・オースター 新潮社 
おこげノススメ 小谷真理 青土社
竜とわれたの時代 川端裕人 徳間書店

新牡丹灯籠 遠藤明範 学研M文庫
若手で売り出し中の三遊亭円朝は行方の知れなかった父親の訪問を受ける。世話になっているお武家さんが毎夜幽霊の訪問を受けているというのだ。そこで円朝は兄の玄昌に相談し、兄の寺で祈祷を行うことになった。そこから因縁が因縁を呼び、江戸の町を揺るがす盗難事件とも結びついて円朝の周囲にはなにやらきなくさい雰囲気が・・。
三遊亭円朝を主人公にし、怪談牡丹燈籠の成立をフィクション仕立てで描いた作品。終盤に全ての要素が因縁によってより合わされひとつの結末にもっていかれる様は出来すぎという気もしないでもないが、これはこれでよく出来ている。今まで著者はソノラマ文庫の中でも、アニメ脚本家の余技のようなイメージで正直注目していなかったが、いやはや面白いではないですか。ミステリーと怪談のあわいをうまく描いている佳品でお勧め。


夜はイベント参加しました。いやあ、勉強になりました。

(今日買った本:3冊 今月買った本:7冊 今年買った本:571冊)

5月1日(木)

というわけで春らしい背景色にしてみる。(一ヶ月遅い気もするが)

届いた本があり。
『新青年』趣味10号 あいかわらずの濃い内容。
K File 
西部の小説 ショートショート傑作選 毎日新聞社 手ごろな値段だったので買ってみる。
買い物は1冊。
桂米朝コレクション5 怪異霊験 ちくま文庫

新本格<猛虎会>の冒険 東京創元社
首位独走中のタイガースを祝福するかのようなタイガースファンの著者の書き下ろし作品を集めたミステリーアンソロジー。序文:逢坂剛。
五人の王と昇天する男達の謎(北村薫) かなり悪ふざけの強い作品であるが、著者の野球マニアぶりがひしひしと伝わってきて微笑ましい。
一九八五年の言霊(小森健太郎) ミステリーというよりオカルトめいた小説。言霊というと平井和正を連想してしまう僕にはなんだかよく分からないが、とりあえず著者の巨人嫌いが伝わって親近感がわいたりして。
黄昏の阪神タイガース(E・D・ホック) 書き下ろしということだが、おそらく野球選手と野球をキモにして小説書下ろしを依頼し、訳者が阪神タイガースものに換骨奪胎させたのではないかと想像するのだが、いかがなものだろうか。ミステリーとしてまともな分、タイガースネタの部分との相性が今ひとつで溶け合っていない気がする。
虎に捧げる密室(白峰良介) タイガースファンならでは?のおちには泣かせます。
犯人・タイガース共犯事件(いしいひさいち) 本書の中でホックを除くとこのひとだけアンチ・タイガースらしい。理由はアンチ・巨人になるケースと似ているように思うけれど。
甲子園騒動(黒崎緑) 著者の作品を既読ではないとわからないネタも散見されるけれど、会話体だけで成り立たせた作品は読みやすく、タイガースにちなんだ小ネタが笑わせる。
猛虎館の惨劇(有栖川有栖) やっぱり新本格は<館>でしょう。ということでとりをかざる一品。どこの世界にもマニアはいるものだけれど、こんな人も中にはいるのかもしれません。本書の中ではタイガースとミステリーという要素が一番うまく溶け合っている気がしました。
総じて野球好きタイガース好きが伝わってくる作品が多く、楽しめました。でも本音を言えばミステリーというジャンルにはこだわらずともタイガース小説集のようなものもできるんじゃないかな、そのほうがもっと楽しめるんじゃないかな等という思いました。タイガーファンは首位のうちに読みましょう。(とは言えずっと首位かもしれないからね)
最後に今年の最終的な結果がどうなるかはわかりませんが、本書のような本が出版されたのですからぜひがんばって欲しいものです。



(今日買った本:4冊 今月買った本:4冊 今年買った本:568冊)