買書日記(6月)   掲示板

6月30日(月)

ZOO 乙一 集英社 まだ1冊しか読んだこと無いんだけどさ。
雪嵐 ダン・シモンズ 早川書房 ホラーでもSFでもないから新刊で買うのは躊躇していたのだが・・。

(今日買った本:2冊 今月買った本:64冊 今年買った本:682冊)

6月29日(日)

そのケータイはXXで 上甲宣之 宝島社

腰痛が出てつらい。つらい。

すっかり週一の更新になりつつある。忙しいせいもあるけれど。今週も多忙のため、途中更新できるか不明。

(今日買った本:0冊 今月買った本:62冊 今年買った本:680冊)

6月28日(土)

家人の実家へ行った帰りに寄り道。やっぱりDVDを見てしまう。宝島も出てるのか。欲しいなあ。
エピソード1=イロル ふゆきたかし サンケイ出版 当時のSFAの評ではあまり評判は良くなかった気がしますが。
噂 荻原浩 講談社
白銀を踏み荒らせ 雫井脩介 幻冬舎
マリ子の肖像 村雨貞郎 文芸春秋 松本清張賞。
トキオ・ウィルス 村上政彦 講談社 持っているかもしれない。
死都日本 石黒耀 講談社 メフィスト賞受賞作。
秩父夜祭り殺人囃子 紀和鏡 中公Cノベルス 中上健次夫人の本も一時期集めていたので持っているかもしれないけど。読んだは数冊か。
レインボウ・プラネット 小川一水 エニックスノベルス
dまたたかない星 小泉喜美子 コバルト文庫

今日買った本:9冊 今月買った本:62冊 今年買った本:680冊)


6月27日(金)

歴史ミステリィ 南條範夫監修 新風出版社
「剣鬼と遊女」山田風太郎、「汚名」柳田知怒夫、「疣」多岐川恭、「残月の賦」早乙女貢、「裁きの石牢」南條範夫、「乱れ髪」田岡典夫、「明智光秀の妻」新田二郎の7編を収録。
巻頭で監修者が歴史ミステリィの定義を行っており、特に異論はないのだが、実際に収録さた作品は時代小説や歴史小説ではあっても推理的な興味を引くものは存外少ないように思う。たとえば新田二郎の作品等は歴史小説の短編としては面白いけれど、歴史ミステリの範疇には入らないのではなかろうか。
本書中、多岐川恭の作品はホワイトヘッドほどではないけれどその系譜に連なるであろう作品で、不気味な怪奇風味の短編で、怪奇小説のアンソロジーに入っていてもおかしくない佳品。これは読む価値があると思う。


仕事を放り出し横浜スタジアムで阪神戦を観戦。ラッキーセブンには風船もあげてみる。ごみになるので罪悪感はあるのだが、証明に照らされて色とりどりの風船が舞う風景は驚くほど綺麗だ。1年ぶりの野球観戦だが、やはり野球は屋外が良い。金本は初回で間に合わなかったが、アリアス、矢野、今岡、桧山のホームランが見れて満足。投手陣は伊良部がぴりっとせず、残念。

今日買った本:0冊 今月買った本:53冊 今年買った本:671冊)

6月26日(木)

買い物。
SFマガジン 8月号
ミステリマガジン 8月号 年に一度のお楽しみ。幻想と怪奇特集。今回はゴーストハンター特集。ハーバート・ブリーンにその気があるのは認識していなかった。さて探そっかな。見つからなさそうだけど。あと、ガイドの中でシーベリー・クインのオリジナル短編集を創元推理文庫で企画しているという恐ろしいことが書いてあるが、生きているうちにでるといいなぁ。
第六大陸1 小川一水 早川文庫JA
マルドゥック・スクランブル 燃焼 冲方丁 早川文庫JA 3巻揃ったら一気読みしようか。

(今日買った本:4冊 今月買った本:53冊 今年買った本:671冊)

6月25日(水)

燃える氷 高任和夫 祥伝社
メタンハイドレート。それは高圧低温でメタンガスが水分子に閉じ込められシャーベット状になった物質で、深海底に存在している次世代エネルギー源である。2010年、雑誌記者である上杉は国家プロジェクトとして行われているメタンハイドレートの採掘プロジェクトを追ううち、それが未知の危険をはらんだ行いであることを知っていく。しかしプロジェクトは政治的な思惑を持って進行し、ついには休火山であったはずの富士山が鳴動し始める。
企業小説の書き手であった著者が突然、こんな小説を書いた理由は不明だが、見返しには「日本沈没」に挑んだとあるように、ディザスターノベルとして最新の科学トピックを織り込みつつ、迫力のある一篇に仕上げている。正直「日本沈没」ほど想像の翼は広げておらず、SFとしては物足りない側面もあるのだが、近未来サスペンス小説としてはよくできていると思う。メタンハイドレートを全面にとりあげているわりに、因果関係がはっきりしないままに最後に違う方向に視点がうつってしまうのが少し残念であること、著者のストーリー運びが少々楽観的過ぎるというところはあるけれど、エンターテイメントとしては愉しい読書時間を過ごさせてくれるでありましょう。


「歴史ミステリィ」 読了。

(今日買った本:0冊 今月買った本:49冊 今年買った本:667冊)

6月24日(火)

給料日前で買い物。
500年のトンネル(上下) スーザン・プライス 創元推理文庫 スーザン・プライスが創元から出るのは意外だ。エルフ・ギフトも買わなくては。でもその前にゴーストドラムくらい読まなくちゃね。
ヘブンアイズ デイヴィッド・アーモンド 河出書房新社 創元の単行本も積読だけど、なにやら面白そうなので買ってしまう。

(今日買った本:3冊 今月買った本:49冊 今年買った本:667冊)

6月23日(月)

ジムボタンの機関車大旅行 エンデ全集1 ミヒャエル・エンデ 岩波書店
小さな島のフクラム国に届いた小包には真っ黒い赤ん坊が入っていた。子供はジムボタンと呼ばれ、島で育てられる。ジムが大きくなるにつれ狭い島で居場所を作るため、機関車のエマは引退を余儀なくされる。しかし機関士のルーカスはそれに承服せず、島を出ようと決心する。自分のためにエマが出て行くことにいたたまれないジムは行動をともにする。それは不思議な冒険の始まりであった。
エンデのデビュー作。物語は他の作品と同じようにファンタジーであるが、風刺的な表現が散見されるところは、若き日の著者の気概が感じられるところだ。


(今日買った本:0冊 今月買った本:46冊 今年買った本:664冊)

6月22日(日)

買い物。
予感 きたのじゅんこ サンリオ 
dザ・ショック 森真沙子 廣済堂豆たぬきの本
虹のつばさ 赤城毅 講談社ノベルス 明朗冒険活劇だそうです。なんとなく田中芳樹っぽそうな気がするんだが・・。
帝国海軍ガルダ島狩竜隊 林譲治 学研ウルフノベルス タイムトラベルもの。

(今日買った本:4冊 今月買った本:46冊 今年買った本:664冊)

6月21日(土)

ミステリーズ! 東京創元社 今度こそ雑誌を最初から読もうかなぁ。
笑う怪獣 西澤保彦 新潮社 特撮ミステリーだそうだが、胡散臭いなあ。
プレシャス・ライアー 菅浩江 カッパノベルス

(今日買った本:3冊 今月買った本:42冊 今年買った本:660冊)

6月20日(金)

エンデを読了したので「燃える氷」高任和夫を手にとる。

螺鈿の懐剣 牧瀬五夫 河出書房新社 帯に田村隆一の推薦文。
カラフル 森絵都 理論社 松本さんお勧めの作者なのでとりあえず拾ってみました。
吸血鬼の瓶詰 物集音 講談社ノベルス
アース・ガード 小川一水 ソノラマ文庫 現在集めに入っております。

(今日買った本:4冊 今月買った本:39冊 今年買った本:657冊)

6月19日(木)

文七殺し 山本昌代 新潮文庫

表題作のほか、「だいひつ屋」「化け物退治」の二編を含む時代小説集。「文七殺し」は恋人を恋焦がれるあまり、殺してしまう娘を、「だいひつ屋」は師匠の代筆で満足できない絵師と、代筆ゆえに満足している絵師とのふれあいを、「化け物退治」は呉服屋の醜怪な娘と、その娘に夜這いをかける呉服屋の奉公人たちを、それぞれ描いている。「文七殺し」は耽美小説、「だいひつ屋」は藝術小説の趣だ。
「化け物退治」に関しては解説で橋本治が書いている通り、「すごい小説」であり、江戸時代を舞台にしてはじめて成立する哀切なフリークス小説である。


(今日買った本:0冊 今月買った本:35冊 今年買った本:653冊)

6月18日(水)

火群の館 春口裕子 新潮社
ホラーサスペンス大賞の特別賞授賞作品。
主人公が引っ越してきた横浜のあるマンションで出会う怪異と明かされる真相。
第一回の作品は超自然ホラーが無かったのだが、今回のこの作品は超自然系ホラーとして書かれているので、そっち系の好きな人にもお勧めできる。ただし本作は社会的な要素と超自然的な要素を併せ持っているのだが、そこの融合は完全にうまくいってはおらず、ややどっちつかずの印象を受ける。また最後のほうで明かされる真相については、もちろんホラーなので全てを説明する必要は全然無いのだが、それでも登場人物たちの行動について不自然な印象を受けるのは、作者の中でも様々な因果関係をはっきり想定して書いていないところがあるのじゃないかと、邪推してしまう。最後に生理的な嫌悪感を催す描写には特筆すべきところがあるので、この人にはスプラッタではないナスティホラーが書けるかもしれないと、期待しておく。
いろいろ書いたけれど、基本的には面白いので、幽霊屋敷ものの佳作としてホラーの好きな人にはお勧めしておきましょう。個人的には買っています。


(今日買った本:0冊 今月買った本:35冊 今年買った本:653冊)

6月17日(火)

エンデを読んでおります。
エンデ全集で読んでいるんだけど、新刊で買った時は予約限定出版だったのに、いまだに近所の本屋さんに並んでおります。児童文学をテキストしかない形態で読むのが愉しいかというと、疑問が無いでもないのですが・・・。

(今日買った本:0冊 今月買った本:35冊 今年買った本:653冊)

6月16日(月)


罪深き誘惑のマンボ ジョー・R・ランズデール 角川文庫
ハップとレナードの活躍するシリーズの3作目にあたる。前に読んだ「ムーチョ・モージョ」は何となく重くてすいすい読めなかったのだが、今回は前回より面白く読めた。ストーリーは「ムーチョモージョ」にも出てきた行方不明になったハップの元恋人を探すというもので、舞台は人種差別が極限まで厳しいある町である。その町で二人は懸命に彼女を探すのだがついにつきあたった真相とは・・。
今回も人種差別という問題がクローズアップされ、物語に重要な要素となっている。日本人には本当のところは分かりにくいところはあるのだが、アメリカ人は受ける印象はきっと異なるのだろう。このように社会派要素を含んではいるものの、下品さもあいかわらずで、登場人物のセリフも軽快だ。面白うてやがて哀しき猥雑な一篇。お勧め。


(今日買った本:0冊 今月買った本:35冊 今年買った本:653冊)

6月15日(日)

買い物をする。赤坂では売っていなかったが、渋谷では売っていた。
J・G・バラードの千年王国ユーザースガイド J・G・バラード 白楊社 突然出たエッセイ集。
死なないで 井上剛 徳間書店 カラーの帯をはずすと赤一色の装丁というのが斬新かつ美しい。
ルナ 三島浩司 徳間書店 装丁は上と一緒。日本SF新人賞授賞作品。
BT’63 池井戸潤 毎日新聞社 BTとはボンネットトラックのことらしい。何となく面白そうなので買ってしまったけれど・・。

(今日買った本:4冊 今月買った本:35冊 今年買った本:653冊)

6月14日(土)

火群の館 春口裕子 読了。

昨日、もう来ないと思っていたRから目録が届いた。買うものないなあ。最近では珍しくAにはだめもとで注文を入れ、Bは迷い中。最近では見ないうちに締め切りがきちゃう目録が多いので、もったいない。いまだに実家に届くこともある。もう4年もたつのに。目録を出す古書店さんの良いお客では全然なくなっちゃっているんですけどね。申し訳無いことです。

es 高木健一/鈴木俊介 角川ホラー文庫
三上博史や釈由美子出演で、実写をフルに使用したゲームとして発売されたゲーム『es』のノベライズということである。
人の意識に侵入できる特殊能力を持つ主人公が、負傷した刑事の意識にもぐり、界隈で発生している連続殺人事件の謎を追うという構成になっている。人間の記憶の中でアイテムを見ると、それにまつわる記憶が見れるという形で延々とストーリーが進んでいくのだが、考えてみればこれはゲームそのままの構造ではないかと思えてしまい、小説としては素直に楽しめない。読んでいる間はともかく、読了後は虚しいだけ。ホラーとは言えないどころか、これでは小説としても及第点とは言えなさそうだ。ゲームを追体験したい人以外にはお勧めしません。


(今日買った本:0冊 今月買った本:31冊 今年買った本:649冊)

6月13日(金)

13日の金曜日ですな。

ジャーロ 12号ですか。この雑誌くらいリアルタイムで読もうと思っておりましたが、難しい域になってきました。(だいたいバックナンバーが全部発見できるかどうか) 創元の「ミステリーズ」は心機一転読もうかな。
どうぶつ図鑑 その5 ざりがに 北野勇作 早川文庫JA
どうぶつ図鑑 その6 いもり 北野勇作 早川文庫JA これで一応終わりだが、またそのうち続きを出して欲しいもの。

(今日買った本:3冊 今月買った本:31冊 今年買った本:649冊)

6月12日(木)

罪深き誘惑のマンボ ランズデール 読了。

感想文。
雨中の客 浅黄斑 双葉社
小説推理新人賞受賞作の表題作を含む処女短編集。後書きで著者が「客シリーズ」と言っているように全ての短編には「客」が付いている。
雨中の客 雨の中、客が尋ねてくる。シーボルトの『日本』初版本と『彦根本』と呼ばれる謎の古書目録の秘密を携えて。古本ネタのミステリー。
雨上がりの客 『あおぞら書房』という古書店を営む、主人公。雨上がりに来た客は、主人公が棚に挿した覚えが無い本をレジに差し出す。訝りながらもその本を売り、棚を何気なく見ると、またその本が棚に挿さっている。自費出版本をめぐるミステリー。
目八屋の客 信司は公園で函を拾う。やけに綺麗な箱だった。そこには「目八屋」という焼印があった。公園で発見された死体と、自分に降りかかる疑惑を恐れ、信司は調査を開始した。貝のコレクターを巡り事件は展開する。
海豹亭の客 釧路のスナック「海豹亭」に客が訪ねてきた。スナックを経営するママは過去の事件を巡り、この日を迎えていた・・。
モデルハウスの客 モデルハウスに現れた客。客は靴と傘を残して消える。そして主人公の下には恐ろしいハガキが・・。死んだはずの男が主人公の下に現れたのは何故か・・。
表題作を書く前は普通小説を書いていたらしい著者の、小説を書く腕前は確かで、そう言う意味ではあまり隙は無い。ただトリックを主眼にした本格推理ではなく、心理ミステリーという感じだ。どれもまずまず面白く、読んで損の無い作品集である。なお、集中「モデルハウスの客」は怪談とミステリーを組み合わせた作品で、大阪圭吉の「幽霊妻」を彷彿とする傑作だと思った。途中で届くハガキはとてつもなく怖い。文庫化されていない作品集で、ネットを検索してもアンソロジーに収録された表題作以外の感想は出てこなかった。多分読んでいるのは郭公亭さんくらいのものであろう。


(今日買った本:0冊 今月買った本:28冊 今年買った本:646冊)

6月11日(水)

新刊購入。

いづくへか 矢川澄子 筑摩書房 単行本未収録エッセイ集。ファンタジーノベル大賞の選評が纏められているのが嬉しい。
蘭郁二郎集 日下三蔵編 ちくま文庫
夏のグランドホテル 井上雅彦編 光文社文庫
暗殺教程 都筑道夫 光文社文庫 今回のボーナストラックは「スパイキャッチャーJ3」の漫画。(ただし連載の第一回のみ)
翠迷宮 結城信孝編 祥伝社文庫

(今日買った本:5冊 今月買った本:28冊 今年買った本:646冊)


6月10日(火)

読書はランズデイルを選択。

アナン(上下) 飯田譲治/梓河人 角川書店 
ぼくとアナン 梓河人 角川書店
ホテルアウシュビッツ 山口泉 河出書房新社 ダブリかも。
闇を覗きしもの アリス・ブランチャード 角川書店
最上階の殺人 アントニイ・バークリー 新樹社 地味な装丁だね。
絢爛たる屍 ポピー・Z・ブライト 文春文庫 これは新刊。どっかで聞いた名まえだと思ったらホラー文庫で訳されていたんだね。同時に突然「香水」が文庫化されていて驚く。文庫版後書きで池内紀が結構売れたと書いているが、確かに古本屋でも結構見かける本ではある。刊行当時も話題になった覚えがあるけど、また話題になると良いですね。初版刊行からもう15年もたっているとは。ぼくも早く読まなくちゃ。(実家の書庫のどの辺にあるかは予想しているのである。昔買った本ほどわかるんだよね)

丸谷才一ですかぁ。「エホバの顔を避けて」と「猫と悪魔」の翻訳絵本くらいしか持っていないな。当然読んでないし。丸谷才一まで守備範囲とは本当にすごいなぁ。

(今日買った本:7冊 今月買った本:23冊 今年買った本:641冊)



6月9日(月)

しゃばけ 畠中恵 新潮社

時は江戸時代。所は江戸八百八町の大店が並ぶ問屋街。主人公はその中の長崎屋という廻船問屋の一人息子の若だんな一太郎だ。一太郎は生まれつき病弱であったが、祖父の連れてきた二人の男に守られていた。その二人とは長崎屋に奉公する手代とは仮の姿、その実体は妖(あやかし)の犬神と白沢(どんなんだ?)であった。妖に守られ薬種問屋を任されている若だんなは、普段から家の中でも妖が見えてしまうのだが、そういうことも不思議と思わず全て受け入れていたのだ。そんなある日、若だんなが巻き込まれた殺人事件から、薬種問屋ばかりを狙う連続殺人事件が巻き起こる。最初に巻き込まれた若だんなは行きがかり上、事件に首をつっこんでいくが・・。
一応時代ミステリーの体裁をとっているが、妖怪の跋扈する江戸を舞台にしており日本ファンタジーノベル大賞の優秀作を獲得している。世の中に怪奇小説は数多く存在するのだが、妖怪小説というのは意外に少ないように思う。そんな中で本作はとぼけたユーモアでお伽噺のような趣もある堂々たる妖怪小説だ。殺人事件も発生するし、必ずしもユーモラスとはいえない部分もあるのだが、全体としてはほのぼのとした雰囲気が漂うのは著者の持ち味か。また教条的なところもあるのだが、前面に押し出されていないのでこれもよろしい。時代小説としての考証はよくわからないのだが(文中、遺体という言葉が使われていて違和感があったが江戸時代にあった言葉なんだろうか)、小難しいことは抜きにして楽しく読むのが吉。お勧め。


es 角川ホラー文庫 読了。

(今日買った本:0冊 今月買った本:16冊 今年買った本:634冊)

6月8日(日)

『雨中の客』浅黄斑 双葉社 読了。

灰姫 打海文三 角川書店
横溝正史賞で優秀作を授賞した著者のデビュー作。副題が「鏡の国のスパイ」とされていることからもわかるようにエスピオナージである。とは言え、普通のスパイ小説とはことなり、登場人物たちの多くは国家組織をバックボーンとした職業スパイではなく、企業の一員としてのスパイである。タイトルの「灰姫」というのは、本書のキーポイントとなる北朝鮮の二重スパイのことで、この女性を中心にして巻き起こる殺人事件を探っていく主人公を描くことで、この物語は成立している。
正直ストーリーを書き表すことが難しいほど物語が混み入っており、理解しずらい。副題に鏡の文字が使われているのは、一人の人間の正体の二重性や裏切りを表しており、ことほどさように登場人物たちも二重の姿があったりして感情移入も難しい。意欲は感じるのだけど、エンターテイメントとしてはもう少し整理できていた方がいいような気もする。(分かりやすけりゃいいってもんでもないけどね)
ネットを徘徊してもあんまり感想が出てこないのだが、自分の理解力が足りないせいかもしれないので、評価は保留。


何時の間にやら訪問していただいた方の数が10万を越えていたようです。ありがたいことです。

(今日買った本:4冊 今月買った本:16冊 今年買った本:634冊)

6月7日(土)

『灰姫』に続き、『しゃばけ』畠中恵 読了。安田ママさんのところによると新刊の「ぬしさま」が売れているらしい。もう買ってあるけどさ。

ウォーターランド グレアム・スウィフト 新潮社
初版グリム童話集4 白水社 なんと2巻を持っていないようです。
ケルトの妖精 井村君江 あんず堂
ケルト・ファンタジィ 井村君江 波書房

群像に舞城王太郎の短い長編が掲載されているので、購入を迷っている。本になるんだろうからなあ。

(今日買った本:4冊 今月買った本:16冊 今年買った本:634冊)

6月6日(金)

6月6日と言えばオーメン。お腹がすいたので食べたのはカップラーメン。駄洒落を言っている間にもタイガースは勝っている。もしかしてもしかするんじゃなかろうか。

ところでいまだにISDN使っている人って少ないのかな?廻りもすっかりADSLになってしまい、すっかり乗り遅れた感がある。

(今日買った本:0冊 今月買った本:12冊 今年買った本:630冊)

6月5日(木)

歩兵型戦闘車両ダブルオー 坂本康宏 徳間書店

昔、『トライダーG7』というロボットアニメがありました。ロボットという非現実的な要素を、会社という現実的な枠組みの中で描こうとした作品でした。ユーモラスな作品でしたが、新しい試みではありました。今はもっと現実に即した作品があるのかもしれませんが、あいにくアニメは卒業してしまったため、良く分かりません。でもそういったところが変な雑音がわからなくて、かつ昔はアニメが好きだったため、非常に楽しく読むことができました。
本書は合体ロボットを現代日本の世界に当てはめ、物語を創造しようとした試みです。もちろんDDと呼ばれるモンスターが登場し、ロボット対モンスターも描かれます。合体もします。全3話で、ある意味お約束の部分が横溢しています。アニメの嫌いな人は多分評価しにくいと思いますが、昔ロボットアニメに胸を熱くした人には、格好のプレゼントといえましょう。日本SF新人賞優秀賞授賞作品。とりあえずkashibaさんにはお勧め。



(今日買った本:0冊 今月買った本:12冊 今年買った本:630冊)

6月4日(水)

最近物忘れがひどく、この日になにをしていたのかさっぱり憶えていません。まとめて日記を書く場合は何かにトピックスを書き留めておけばいいのかもしれませんが、たかが日記なのでそいつはしたくない。そうなると不定期にするしかないんだよなあ。

本屋で矢川澄子の新しいエッセイ集が出ているのに気づく。買うつもりだが、がまんできずにファンタジーノベルス大賞の選評を集めた部分をぱらぱら立ち読み。

(今日買った本:0冊 今月買った本:12冊 今年買った本:630冊)

6月3日(火)

無理やり早く帰って1年ぶりに町田のブックオフへ行く。だってサービス券の期限なんだもの。おお、仕組みがかわってる。
読書はね、打海文三のデビュー作、『灰姫』を読んでます。読みづらい。

亀は行く 上野哲也 講談社 ファンタジーらしいんだけど・・。小説現代新人賞らしい・・。
十二支の童話 薄井ゆうじ アクセス・パブリッシング 買いつづけている割には処女作しか読んでいないのでした。
12の星の物語 薄井ゆうじ アクセス・パブリッシング
夕海子 薄井ゆうじ アートン メモ。『社長ゲーム』『湖底』『本の虫』『イエティの伝言』
怪盗ゴダールの冒険 フレデリック・アーヴィング・アンダーソン 国書刊行会
火の粉 雫井脩介 幻冬舎 
遠すぎる栄光 廣瀬誠 青弓社 帯にSFって書いてあるんですが、全然わかりません。
東郷隆時代奇譚小説集 東郷隆 白泉社 怪奇者としては道義的に新刊で買うべきなのだが、単行本未収録と書き下ろしが1篇ずつではなかなか2400円は出せませんでした・・。ごめんなさい。

(今日買った本:8冊 今月買った本:12冊 今年買った本:630冊)


6月2日(月)

買い物ないので感想。といっても随分時間がたっちゃったので一言。著名作だしね。

虹男 角田喜久雄 雄山閣出版
戦後家族が復員してきた旧家で殺人事件が起こるというお約束の探偵小説。その旧家に伝わる虹男の伝説(口から虹を吹く男というのは、不気味というより滑稽であるのだが)のように「虹を見た」と言い残して死んでいく人々。探偵役の新聞記者は、相棒の女性記者とともに怪奇な謎に挑んでいく。
虹がクローズアップされるため、いざ説明の段になるとそれは知識レベルの問題でミステリーじゃなかろうという思いは残る。とはいえ、全体を包む探偵小説の雰囲気と最後のらしい終わらせ方は、探偵小説が好きな人には楽しめるだろう。ミステリーとしての評価はぼくはわからないが、とりあえず読物として今でも楽しめるんじゃなかろうか。
新聞連載のようで章の継ぎ目が明らかに連載の名残でつながっていない(セリフが繰り返されたり)のが気になって仕方が無かった。昔の人は単行本になるとき、加筆訂正はしなかったのだろうか。

d時の記憶 岸田今日子 マガジンハウス 頼まれ物。

(今日買った本:1冊 今月買った本:4冊 今年買った本:618冊)

6月1日(日)

できあがったスーツを取りに行くついでに新刊書店で買い物。

雨月 藤沢周 光文社 前に東さんがどこかで言及していた気がする。この人の本いったい何冊あるんだろう。
燃える氷 高任和夫 祥伝社 風野さんが来月SFマガジンでとりあげると書かれていた本。ディザスターノベルらしい。
マイ・ホームタウン 熊谷達也 小学館 熊小説、狼小説のイメージがあるが、スーパーナチュラル系らしいので買ってみる。

歩兵型戦闘車両ダブルオー 読了。存外楽しめました。

(今日買った本:3冊 今月買った本:3冊 今年買った本:617冊)