買書日記(10月)   掲示板


10月31日(金)

ボディ・アーティスト ドン・デリーロ 新潮社
透明人間の納屋 島田荘司 講談社
SFキーパーソン&キーブック 石原藤夫・金子隆一 講談社現代新書 実家にあるんだと思うが。

新刊書店で買い物。
ぼくと未来屋の夏 はやみねかおる 講談社
魔女の死んだ家 篠田真由美 講談社
ニッポン太平洋帝国 G・ミキ・ヘイデン 扶桑社 「高い城の男」のようなIFの世界の話らしい。衝動買い。
ケリー・ギャングの真実の歴史 ピータ・ケアリー 早川書房 「イリワッカー」の著者でしたか。
銀の兜の夜 丸山健二 新潮社 帯の「怪奇と幻想」にひかれちゃったなあ。何冊か持っているけれどこの人の本も未読。
不知火奉行 横溝正史 出版芸術社 それでも未収録が一部あるようなのが残念だが、次の機会を鶴首して待ちたい。でも出来が悪いという理由で収録しないのは、理解はできますけれどちょっと残念。短編1編で売れ行きが変わるとは思えないし他の機会では再録はされないだろうし。本としての全体バランスを考えたときにはわかりますけれど・・。
SFJAPAN 

(今日買った本:10冊 今月買った本97冊 今年買った本:1089冊)

10月30日(木)

「行き帰り」後藤明生 読了。

買い物とお届け物。
夢の柩 磯永秀雄 潮出版社
女中仮面 梶山季之 桃源社
現代イギリス女流短編集 太陽社
リュバルブの葉蔭に ルネ=ヴィクトール・ピール 筑摩書房 早川書房から「呪い師」も訳されてますね。
クレオパトラの夢 恩田陸 双葉社
グリーン・イリュージョン 杉江久美子 コバルト文庫 SFマガジンの書評を見て面白そうだと思いましたので。
ラミア虐殺 飛鳥部勝則 カッパノベルス そろそろ読まなくちゃね。

(今日買った本:7冊 今月買った本87冊 今年買った本:1079冊)


10月29日(水)

買い物。近所のブックオフではさほど珍しいタイトルはないものの横溝正史もずらっと並んでいて妙に古い文庫が散見されました。

シュリー号の宇宙漂流記 今日泊亜蘭 国土社
SFと宇宙科学 サンポウジャーナル 
童話の時代 結城昌治 角川文庫
dさようならロビンソン・クルーソー 集英社文庫 再読用。
時間と空間のかなた ヴァン・ヴォークト 創元推理文庫 読了後処分したかもしれない。内容はまったく覚えていないや。
モンスター・マン E・R・バローズ 早川文庫SF
復讐の道標 光瀬龍 早川文庫JA きっと持っているのだろうな。
パロディ毒本 マッド・アマノ 新潮文庫
リアノンの魔剣 リイ・ブラケット 早川文庫SF 再読用。処分しちゃったかもしれないしね。
キャンディーランド エドマクベイン 早川書房

(今日買った本:10冊 今月買った本80冊 今年買った本:1072冊)

10月28日(火)

妻の帝国 佐藤哲也 早川書房

Jコレクションの1冊。最近立ち読みした雑誌のインタビューによると、著者は原稿依頼のために書いたことはなく、何かを書きたくなって小説を書き上げるとしまいこんでしまい、依頼があるとその中から適当に渡すという。インタビュー中で著者の作品では異色と話していた本書も書かれたのは少し前らしい。ある意味職業作家とは対極的な位置にあるように思う。
さて本書は主人公の妻が抱いていた思考と一見無意味と思われる行動から自然発生的に「民衆」が蜂起して革命が発生するという話である。革命分子となる人間は「民衆細胞」と呼ばれ、全ての事象が「自ずと理解され」ることによって「民衆」のための砂上楼閣としての「国家」を作り上げていく。宛先の無い手紙が、それぞれ異なった役割に割り当てられる「民衆細胞」に配達され、「自ずと理解することができない個別分子」は教導もしくは排除されなければならないのだ。
後書きでオーウェルについて触れられているように、本書は今ではあまり見られなくなってしまった「ディストピア」小説に分類されるであろう。描かれる世界はかなり悲惨だ。その中で著者は人間本来の「自者」と「他者」との区別・差別の意識と、その基準の曖昧さを暴き出していく。それは赤の他人だけではなく、「妻」も同様なのである。しかし主人公は「妻」を完全な他者としては見ることができない。愛する女性としての「妻」、事実上の「最高指導者」としての「妻」。どちらもかつて自らが選んだ人生の伴侶としての人間なのである。世界の崩壊に巻き込まれて主人公の下す結論は、大きな流れの中に存在したときの一個人としての非力を表しているのだろうか。
最終的に結末で描かれるオールディスの「グレイベアド」的な世界は、甘いとも言えるし、著者の自分の生み出した登場人物たちへの優しさとも言える。
なお国家建築の礎となる理念は一見全体主義的な共産思想のようであるが、文章として明記されることによって定義される思想ではなく、「自ずと理解される」という観念だけであるところに新しさとSF的な発想の面白さを感じた。
かなりの力作であり、カタルシスを得るような作品ではないが、広く読まれることを期待したい優れた小説だ。


(今日買った本:0冊 今月買った本70冊 今年買った本:1062冊)

10月27日(月)

埋め草の感想文。

写本室の迷宮 後藤均 東京創元社
昨日のつながりから言うと、鮎川哲也賞。本書は巻頭に著者の言葉があるが、かなり力の入った(ある意味傲慢とも言えるような)ものである。中身はというとメタミステリの構造に、カタリ派等の歴史的題材を組み合わせて小説を組み立てている。ただし題材の扱いは比較的表面的なものの組み合わせであり、巻頭の著者の言葉ほどは題材が深く扱われているわけではない。自分も必ずしも読んでいるわけではないので偉そうに言うつもりはないのだが、巻末に揚げられている参考文献はほとんどが軽めのもので、たとえばカタリ派であれば渡邊昌美の著作くらいあげてほしかったと思うのは正直なところだ。それでも得た題材から強引にストーリーを展開させる終盤はや、三重構造のメタミステリ的構成もなかなか面白く、意欲的なところは十分に買えると思う。ただし結末に関しては賛否両論(おそらくは否の方が多いのではなかろうか)であろう。また講評を読む限り、結末の課題に対する修正の後がかなり明瞭なのだが、その修正が瑕疵を埋めるだけの力を持っていたかというと、疑問に思わざるを得ない。確かに講評にある課題は解決されたかもしれないが、その結果物語が宙ぶらりんになってしまい小説としてのまとまりを破壊してしまっているように思えるからだ。少なくとも様式美を体現しようとしているような作品でこれをやられるのはあまりにもアンバランスではないだろうか。まあアンチミステリという表現はできるのかもしれないけれども。最後の処理は留保をつけざるを得ないが、最後まで楽しんで読んだことは事実である。ただこのラストは人に勧めずらいな。


いやはや今年の日本シリーズは近来にないような面白いシリーズでありました。ふと思ったのはダイエーは生え抜きの選手ばかりだということ。これは有望な素質を持った選手を見つける眼を持ったスカウト等のスタッフ陣と、選手を育成するコーチ陣が充実しているんでしょうね。外から選手を入れて強くするという考え方もあるけれども、フランチャイズという形で地元の心をつかんでいくのは、生え抜きの選手でやっていけるのであれば、そうするべきでしょうね。おらが町のチームだからね。

(今日買った本:0冊 今月買った本70冊 今年買った本:1062冊)

10月26日(日)

d瞬きよりも速く ブラッドベリ 早川書房 やはり持っていたか。
熊の敷石 堀江敏幸 講談社 芥川賞受賞作。

何かの文学賞を受賞した作品というのはやはり売れ行きが違うのだろうか。賞によって違いはあるのだろうが有名どころでは古くは直木賞、芥川賞。エンターテイメントでは乱歩賞が思い浮かぶ。もっとも新人を対象にした賞と、そうでない賞では自ずと意味合いは違ってくるだろう。新人はデビューのきっかけになるし、そうでない場合も衆目を集めるという点では悪くはないのだろうというのが門外漢の想像。でも中には賞を辞退する人もいるけれども、それはそれで格好良い場合がある。いずれにしても知らない作家の場合は、帯に芥川賞受賞とか書いてあると少なくとも興味はひいちゃうな。だから買っちゃうんだ。個人的には新人対象以外では泉鏡花賞、谷崎潤一郎賞がトップで、次は芥川賞あたりが興味を引く。やはり冠になっている作家が好きかどうかなんだろうね。正力松太郎賞はあんまり興味がないなあ。

(今日買った本:2冊 今月買った本70冊 今年買った本:1062冊)

10月25日(土)

北浦和の埼玉県立近代美術館に「妖精たちの物語」を見に行く。19世紀から20世紀初頭の絵画が中心である。リチャード・ドイルやチャールズ・ドイル、フィッツジェラルド等の比較的著名な画家の作品をはじめとして、(ぼくは)名前を知らないような画家の絵もあった。他にはチャイナボーンや、コティングリー妖精事件の写真や、妖精画とは不可分の関係にあると思われる挿絵本もそれなりに展示されている。個人的にはラッカムの原画とかも見てみたかったのだが、これは挿絵本のみで原画の展示はなし。ビアズリー挿絵のマロリーの本を始めとして挿絵本の半数以上は井村君江氏の所蔵品ではないだろうか。リチャードドイルの絵の何点かも井村氏のもの。さすがである。
妖精というイメージからするとかなり外観が固定化されてしまうのだが、フィッツジェラルドの作品では妖精というかゴブリンというか異形のものたちが登場していて楽しい。いずれにしても不可視の対象を描くときは画家は多くの場合写実的になるものだということを感じた。マイナーの画家も多くタッチは様々であるが、19世紀に描かれたものにしてはひどく現代的(正確には現代が過去を真似ているのだろうが)なものが散見され、現在活躍しているイラストレーターの作品といっても通りそうなものが結構あったのは意外であった。テーマ的な展覧会としては風変わりで面白いものであった。販売所では1870年のリチャード・ドイルの木口木版が5万円弱程度から販売されており、ふらふらと買ってしまいそうになってしまった。11月3日まで。
妖精たちの物語 図録。
本当はこの後、世田谷文学館に安部公房展を見に行くつもりだったのだが、北浦和から芦花公園が思いのほか遠く、最終入場時間に間に合わなさそうだったので、断念。来週は用事があるので図録の購入だけで我慢するか・・。
ブックファーストで買った新刊とたまたま美術館に行く途中で見つけた古本屋で買った本など。
密室殺人コレクション 二階堂黎人・森英俊編 原書房
冬のスフィンクス 飛鳥部勝則 東京創元社 まだ読んだことありませんね。
素粒子 ミシェル・ウエルベック 筑摩書房 SF的な部分も持つフランス現代文学。
メトロポリスに死の罠を 芦辺拓 双葉社 近未来を舞台にしたミステリー。
赤道 明野照葉 光文社 著者の本でまだ買ったいなかったもの。帯にホラーではないと書いてある。
アノニマス 野崎六助 原書房 怪奇幻想ミステリーなんて書かれてしまうと買いたくなっちゃうよ。
愛と悔恨のカーニバル 打海文三 徳間書店 建石画白の装丁も綺麗だ。
怪獣はなぜ日本を襲うのか? 長山靖生 筑摩書房 あちこちに書いたエッセイを集めたもの。
マンモス スティーブン・バクスター 早川書房
おさかな棺 霞流一 角川文庫 「火の鶏」買っていないや。
密林 鳥飼否宇 角川文庫 書き下ろし。祥伝社の中編が面白かったので買うようにしている。
乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル 牧野修 ソノラマ文庫 ソノラマは久しぶりですね。あとがきを読むと勧善懲悪の真当な活劇らしい。
記憶汚染 林譲治 早川文庫JA ハードSF系統の作品のようだ。面白そうである。
文学刑事サーズデイ・ネクスト ジャスパー・フォード ソニーマガジンズ 面白そうだったので衝動買い。
ヨットクラブ デイヴィッド・イーリイ 晶文社 読むのが楽しみ。過去の邦訳の積読がどこにあるのかわからないのが痛い。
SFマガジン12月号 ハヤカワ文庫FT25周年特集。プリースト、ブレイロック、スターリングがFTレーベルで刊行されるらしい。来月はレム特集らしい。なんだか唐突。
ミステリマガジン12月号 私立探偵小説特集。

(今日買った本:18冊 今月買った本68冊 今年買った本:1060冊)

10月24日(金)

研修帰りに給料日なので本を買ってみる。でもどう考えても買いすぎである。今月買った新刊は40冊近いぞ。単行本多いし・・・。お金が無いはずだ。
原書房の野崎六助の本の帯に怪奇幻想ミステリという惹句があり、気になっている。僕自身は野崎六助の本を読んだことがないのだが、面白いのでしょうか。
シンセミア(上下) 阿部和重 毎日新聞社 気になっていたので購入してしまいました。
ダンテの遺稿 ニック・トーシュ 早川書房 ダンテ『神曲』の遺稿をめぐるミステリーとのこと。この手に弱いな。
平和通りと名付けられた街を歩いて 目取真俊 初期短編集 影書房 既刊の小説はことごとく積読だけれど、芥川賞を授賞した本が幻想文学で取り上げられていたこともあり、買っている。
星の綿毛 藤田雅矢 早川書房 Jコレクションの1冊。ちなみに今読んでいるのは「妻の帝国」である。
聖遺の天使 三雲岳斗 双葉社 よく見ないで買ったけれど、SFじゃないのか?
総統の子ら 皆川博子 集英社 まったく予想していなかった皆川博子さんの新刊。ヒトラーものですか?これまた弱いところだなあ。読むのがもったいないぞ。

(今日買った本:7冊 今月買った本50冊 今年買った本:1042冊)

10月23日(木)

泊り込み研修中。

テレフォン・クラブの女 セイモア・シュービン 創元ノヴェルス
Webを検索しても感想が一件もヒットしない。1989年に刊行された本なのにそんなにマイナーなのかな?ちなみに自分は「幻想文学」のモダンホラーリストに載っていたので読んでみたものである。
ストーリーは単純である。離婚して一人娘をかかえる主人公の女性が勤めていた会社をリストラされて、迷った末にテレフォン・クラブに勤めることになり、相手をした電話の相手のうちの一人がとち狂って主人公を追い詰めるというサイコ・サスペンス。
クライマックスが淡白なわりに、主人公や離婚経験のあるサイコ君の生活や内面を執拗に描くことからもわかるように、著者の書きたいことはサイコ・サスペンスではなく、アメリカのかかえる労働問題や離婚問題とそれに翻弄される家族たちにあるように思う。解説によると他の作品も老人問題を扱ったりしているらしく、社会派サイコサスペンスという趣きだ。
ことほど左様に書き込みがなされているためそれなりに読ませるのだが、いかんせんサイコサスペンスとしてはストーリーがありきたりで、ホラーとしてはあまり怖くない。他にもミステリマガジンの幻想と怪奇特集で「愛と官能のホラー&サスペンス必読30選」に選ばれたりもしているのだが、個人的にはさほどお勧めするほどの作品とは思えなかった。


(今日買った本:0冊 今月買った本43冊 今年買った本:1035冊)

10月22日(水)

夢の封印 坂東真砂子 読了。この人の本はかなり好みからはずれてきてしまったな。今後新刊を購入するかは考えものかもしれない。

久々に締め切り前に見たので珍しく目録注文してみる。どうせあたるまい。
メールの目録にも探求書があったので注文したが売り切れていたようだ。残念。
河出書房の奇想小説叢書は面白そうである。11月はダン・シモンズ、12月はスタージョンのようだ。スタージョン、カーシュは今年2冊目だし、今月はイーリィが出る。いったいどうなっちゃっているんでしょうか。嬉しいやら、心配になるやら。

(今日買った本:0冊 今月買った本43冊 今年買った本:1035冊)

10月21日(火)

久々に早めにあがったので横浜のブックオフに寄ってみるが買いたい本はなし。普通の古本屋にも行こうかとも思ったが、途中下車は気が進まなかったのでパス。

笑う怪獣 西澤保彦 新潮社
特撮ミステリという帯の惹句にひかれて買ったものだが、著者の本を読むのは「解体諸因」以来久しぶりである。短編集でどれも怪獣やら宇宙人やらスーパーナチュラルな要素を含みながらも、ミステリの味付けをした連作短編集。特撮は好きなのでどんなもんかなあと購入してみた次第。
ヨコジュンのハチャハチャSFもそうなのだが、率直に言って苦手な系統の作品。読んでいてあまり面白いと感じないのである。基本的にはコミックノベルという狙いなのだろうが、ちりばめられるギャグもぼくにはちっとも面白くない。人気作家だが、文体も含めてこれはもう私の感性には合わない作品集としか言い様がない。
なお本書収録の個々の作品としては「聖夜の宇宙人」が比較的真っ当に書かれており、また無理やりミステリにしていないせいか短いながらも一番面白いと思うが、最後の余分なギャグがなければもっと良かったと思う
。あとは最後のとってつけたようなミステリ部分がどうでも良い「通りすがりの改造人間」のメチャクチャさや、「書店、ときどき怪人」の残酷さと、対を成すくだらなさがライトノベルとしてはまあまあ読めるといったところか。

(今日買った本:0冊 今月買った本43冊 今年買った本:1035冊)


10月20日(月)

軽く新刊を買ってみる。阿部和重の新刊が面白そうな気がしてちょっと気になっている。

冷たい心の谷(上)(下) クライブ・バーカー ヴィレッジブックス 嬉しいバーカーの新刊。文庫と言うのが懐に優しいね。未訳の長編がまだ残っているので、訳してくれればいいのに。売れなきゃだめなんだろうけど、わたしゃ絶対買うよ。
痴情小説 岩井志麻子 新潮社 本出すぎ。早く読んでこのまま新刊を買いつづけるか決めなきゃ。装丁は平背が妙に嬉しい。
愛という名の病 パトリック・マグラア 河出書房新社 これまたデフォルト買い作家であるが、まだ読んだことことないんだよ。(アホだな)

写本室の迷宮 後藤均 結構面白かったな。

(今日買った本:4冊 今月買った本43冊 今年買った本:1035冊)

10月19日(日)

テレフォン・クラブの女 セイモア・シュービン 読了。

飲食男女 アン・リー原作 南條竹則 新潮社
映画の台本を元にしたノベライゼーション。早くに妻を失った父親と育て上げた3人の娘の心の触れあいを、中華料理をキーワードにして描いた作品。映画は観ていないのでなんともいえないのだが、少なくとも本書を読む限りでは登場人物瑞々しく描かれ、中華料理は美味しそうに描かれており、なかなか優れた映画になっているのではないかと想像される。
おいしい物には目が無いが、四川料理と北京料理の明確な区別ができず決して料理に詳しいわけではない人間が言うことなのであてにはならないけれど、世界を席巻している料理と言えば中華料理だと思っている。(もしかすると席巻しているのは中華料理ではなくて中国人なのかもしれないけど) 中華料理はどこへ行っても比較的はずれが少ないし、体験的にヨーロッパ(特にイギリスはそうだったな)でもカナダでも長粒米を我慢す必要はあるけれど、ご飯を食べたいと思ったら中華料理である。本書の舞台は大陸の中国ではなく舞台は台湾なんだけれど美味しそうなことには変わりありません。なお中華料理を描くと言う意味では、著者は最適な人材だろうと思う。
幻想的な小説ではありませんが、家族の絆を描いた小説としてお勧めできます。映画も観てみたくなりましたね。ああ、中華料理食いてぇ。


(今日買った本:90冊 今月買った本39冊 今年買った本:1031冊)

10月18日(土)

都市と柱 ゴア・ヴィダル 本の友社 こんな本出てたのね。「マイロン」「マイラ」「大預言者カルキ」とかSF系ではもしかしたら知られているかもしれない現代文学者の、これは同性愛を扱った小説らしい。
レイチェルと魔法の匂い クリフ・マクニッシュ 理論社 ハリーポッターの下の泥鰌本であるが、100円だったので2冊買ってしまいました。
レイチェルと滅びの呪文 クリフ・マクニッシュ 理論社 全3冊ですが、3冊目も買わないといけないような気がしてきたな。

(今日買った本:3冊 今月買った本39冊 今年買った本:1031冊)

10月17日(金)

笑う怪獣 西澤保彦 読了。うーん。

鳥肌口碑 平山夢明 宝島社
実話怪談集。スーパーナチュラル系とサイコ系に分けて収録。この手の本はいかに恐怖感を感じるかがポイントであると考えるが、怖いものが含まれる反面、どこが怖いかわからないものも散見される。この人の怪談は波長がいまひとつ合わないかもしれない。


kashibaさんもシェークスピアの感想を書けばいいのに。ぼくもシェークスピアは恥ずかしながら子供の頃に文学全集のようなものでリライトされたものを読んだきりで、ちゃんと読んでいないからなぁ。そのうち読まなきゃね。でもそういう意味であれば、夏目漱石も芥川龍之介も太宰治もみんなそうだな。きちんとは読んでないし。

(今日買った本:0冊 今月買った本36冊 今年買った本:1028冊)

10月16日(木)

待望の新刊。

伝奇の匣 田中貢太郎 東雅夫編 学研M文庫 実は田中貢太郎はあまり得意ではない。そのせいか河出文庫で読んだまま、桃源社の厚い本は積読のままだ。本書は編集上の工夫として、創作怪奇小説集を復刻することによって、実話怪談を明確に区別していると言う。印象が変わるか、試してみたいと思う。

(今日買った本:1冊 今月買った本36冊 今年買った本:1028冊)

10月15日(水)

飲食男女 読了。

百鬼夢幻 橋本純 KOEI
浮世絵画家の河鍋暁斎が主人公。暁斎は生まれ持った特別な眼を持っていた。その眼には普通の人間には見えない「異形の者」が見えてしまうのだ。暁斎は妖怪と酒を酌み交わし、江戸から東亰へと移り変わっていく時代の中で失われていく情緒を哀感を持って眺めるのであった。
これは面白い。暁斎の江戸っ子気質も楽しいし、妖怪たちのとぼけた姿も笑いを誘う。面白うてやがて哀しき結末も余韻が残る。登場人物は主人公を始めとして仮名書魯文やジョサイア・コンデル、月岡芳年など実在の人物が多数登場し、もうひとつの時代が描かれる。畠中恵の「しゃばけ」と似ているので、「しゃばけ」が好きな人にはとても楽しめると思う。島村匠の「芳年冥府彷徨」は丁度同じ時代を、同じ師匠を持つ別の浮世絵画家を主人公とした小説で、ひたすら情念をもってその時代を描いた佳作であるが、こちらは好対照に飄々としたユーモアを漂わせた楽しい作品だ。この2作を読み比べてみるのも一興だろう。著者のイメージはシュミレーション戦記の書き手であったので、あまり期待していなかったのだが、良い方に裏切られた。非常に楽しく面白い小説で、機会があれば読んでいただきたい作品だ。
同傾向の著者の小説としては、ジョサイア・コンデルの娘を主人公としたMF文庫の「ホーリーメイデン」があるので、こちらも読んでみたいと思う。また著者のHPを見ると月岡芳年を主人公にした本作の続編が構想にあるらしいので、ぜひ読ませていただきたいものだ。
なお本書は天羽孔明さんに推薦していただきお譲りいただいた本で、あんまり知られていない作品だと思う。私も存在を知らなかったし、古本屋でもいまだに見たこと無い。埋もれさせておくのは勿体無いことである。


(今日買った本:0冊 今月買った本35冊 今年買った本:1027冊)

10月14日(火)

久しぶりに古本を買う。
かりそめエマノン 梶尾真治 徳間デュアル文庫
ヒミコの夏 鯨統一郎 PHP
オッペケケ/袴垂れはだれだ 福田善之 三一書房
蛇海 深尾道典 学藝書林
d黄色い娼婦 森万紀子 文藝春秋 持っている気したんだよな。

(今日買った本:5冊 今月買った本35冊 今年買った本:1027冊)

10月13日(月)

鳥肌口碑 読了。

タイムリープ 高畑京一郎 メディアワークス
朝起きて見ると火曜日になっていた。昨日は日曜日だったはずなのに。記憶がなくなってしまったのか?自らの意思とはかかわりなく、時間を移行するようになったしまった翔香。昨日の自分が書いたと思われる日記の記述からクラスメートの若松に救いを求める。最初は彼女の言うことを信じなかった若松であるが・・・。
大人の読者には子供時代に眉村卓や福島正実のジュブナイルを読んでいた頃の懐かしさを、若い読者にはSFの面白さを伝えるような作品。しち面倒くさいことは言わず、そのまま楽しむのが宜しいでしょう。それにしても今の時代に(といっても刊行は1995年だが)このような正統的なジュブナイルが受け入れられると言うのは、ちょっと嬉しい気がする。


(今日買った本:0冊 今月買った本30冊 今年買った本:1022冊)

10月12日(日)

百鬼夢幻 橋本純 読了 これは面白かった。

東京に出る。理由は二つ。
カオス・レギオン01 冲方丁 富士見ファンタジア文庫 出ていたのを見逃しておりました。帯がなかったのが残念。
ホーリーメイデン 橋本純 メディアファクトリー文庫 「百鬼夢幻」が存外面白かったので、直系ともいえるらしい本書を取り急ぎ購入。
上京の理由の一つは東京堂書店で署名本を買うこと。
ラピスラズリ 山尾悠子 国書刊行会 署名 いやはや読むのが勿体無いな。私自身の中でかれこれ20年以上も一番好きな作家の地位を維持していますからね。当時はこれほど世の中(の一部?)に受け入れられるようになるとは思ってもいませんでしたが。これからもっともっと本が出ればこんなに嬉しいことは無いのですが。
あとの署名本は勢いで買ってしまいました。
トリツカレ男 いしいしんじ ビリケン出版 署名
メキシコ人はなざはげないし、死なないか 明川哲也 晶文社 署名 ドリアン助川の別名義の小説。ファンタジーのようです。
幻術絵師、夢応のまぼろし 鈴木輝一郎 河出書房新社 署名
カンバセイション・ピース 保坂和志 新潮社 署名 ノーチェックであったが、東さんが小説推理の書評でとりあげるような類の小説らしいので一応押さえておく。
そう言えば出ていた新刊では加藤幸子と高樹のぶ子が非常に気になる。前者は幻想的な匂いがするし、後者は生まれ変わりも題材にしているようだ。高樹の本は表紙が建石修志だしね。
上京の理由の2。東京ステーションギャラリーで「浮世絵アバンギャルド展」を見る。通常思い浮かぶような浮世絵ではなく、西洋の風景や、判じ絵、妖怪、滑稽画など変わった作品を中心に展示している。だまし絵はエッシャーだし、人を集めて顔をあらわしている作品はアルチンボルトみたいである。でも一番面白かったのは判じ絵。不勉強にしてこういうものがあるのを知らなかったのだが、これは面白い。たとえば魚の名前を文字で表したものでは、さくらの絵の真中にわっかを描いてあって「さわら」とか、お産をする馬の絵は「さんま」とか。変わった浮世絵を見たい人はお勧め。ここの美術館にくるのはなんとカリントン展以来だが、結構せまいなあ。来週以降文化村と浦和美術館に行こうと思っている。

新刊ばかり買ったためお金使いすぎ。

(今日買った本:7冊 今月買った本30冊 今年買った本:1022冊)


10月11日(土)

暗黒大陸の悪霊 マイケル・スレイド 文春文庫 そろそろ読みましょうかね。
地獄太夫 山田風太郎 徳間文庫 突然出始めましたが日下さん編集のようです。他で読めるのかどうかさっぱりわかりませんが、読めないのがあればどうせ買うんだし、四の五の言わず買うことにしました。
探偵は眠らない 都筑道夫 光文社文庫 残りは2冊になりました。予定に入っていた友成純一はおちてしまったみたい。
マジック・サークル(上下) キャサリン・ネヴィル 学研 翻訳が大瀧啓輔だし。M文庫で出して欲しかったなあ。
不思議じゃない国のアリス 沙藤一樹 講談社 短編集。これは面白そうだ。
平林初之輔探偵小説選T 論創社 正直あんまり興味の無い作家ですが、万が一後で欲しくなっても5000円とか出すのはいやなので買っておく。応援の意味もあるし。それに短編集だから読んでもいいかも。続刊は橋本五郎とか楽しみだなあ。
ちくま文庫から「シルトの岸辺」が出ていて魂消る。うやぁ、何でも出ますなあ。海外文学は筑摩書房や河出書房、集英社は遺産がいっぱいあるからいいよね。あれ、でもこれって集英社の文学全集に収録されていたんではなかったかな?海外文学と言えば白水社も手持ちがたくさんあるけれど、廉価版はuブックスだけで文庫は持っていない出版社だから手軽に手に取れる形で出しずらいのが残念。講談社なんかもたくさんあるけれど、ここは完全に死蔵だしな。

航路(上下) コニー・ウィルス ソニーマガジンズ
人間にとって臨死体験とは何か、というテーマで上下巻700ページあまりを描ききった長編エンターテイメント。ジャンルわけは意味がないけれど、アプローチはSFで、構造はミステリー、読後感はサスペンス小説という感じでしょうか?(私自身は著者はやはりSF作家というイメージがある)
去年の秋に出たもので、結構話題になったような気がするけれど1年間寝かしておりました。さて読んでみた感想はというと、それほど大騒ぎするほど面白い小説とは思えなかったというところでしょうか?第二部のどんでん返しと表現しているのがあのことだとすると、確かにあれ?とは思ったけれど何気にすらっと読み進んでしまったし(ただしその部分の盛り上がりはなかなかでしたが)、第三部はミステリ的な構成で読ませるものの、挟み込まれるヒロインの部分が少々かったるい。ラストシーンもみんなが感動する理由がもうひとつ伝わらずに終わってしまった。長すぎるという評もあるようだが、僕自身は長い割には楽に読めるし、そのことは必ずしも否定的な見解は持っていない。
感動できなかった理由としては自分の感情が摩滅しているだけかとも思ったが、つらつら考えてみるに翻訳小説であるところに理由があるようにも思った。そもそも○のイメージとして○○○○○というのが、日本人としてはどうにもピンと来ないし、横文字のキャラクターだとどうも感情移入の持って行き所が無いのである。これでは向田邦子の方が10倍感動できてしまうのである。
評判になっていた分、かまえて読んでしまったところがあるので上記のような否定的な記述になってしまったようにも思うし、ただ単に個人的な嗜好からはずれていただけかもしれない。とにかく二段組700ページを飽きさせずにページを捲らせてくれる力量は並ではないし、面白いエンターテイメントと言うことは否定するつもりは無いので、お急ぎで無い方はどうぞ。


タイムリープ 高畑京一郎 読了。こんな本にとんでもなく時間をかけてしまった。

(今日買った本:7冊 今月買った本23冊 今年買った本:1015冊)

10月10日(金)

父親革命 長山靖生 新潮社
著者が子どもが出来たことをきっかけに、父親とは何か、子供をどう扱っていくべきかということを文学作品や作家を題材にして語った本で、この手の本でそういうアプローチをしたものは珍しいのではないかと思った。古典SF研究会のメンバーである著者らしいとも言えるし、逆にいえばそういう書き方の選択しか考えていないのかもしれない。書かれている内容は概ね頷けるが、少々理屈っぽいと言うか説教くさいところはある。それにしてもこの本はどういう人が買って読むのだろうか。私自身は、同年代よりも若い人に読んで欲しいと思う。


4日連続で帰りが夜中では本を読む暇も、本屋に寄ることも出来ず欲求不満。来週が少し憂鬱だけれど、とりあえず3連休は嬉しいな。

(今日買った本:0冊 今月買った本16冊 今年買った本:1008冊)

10月9日(木)

届いていた本がありました。
ケイティ殺人事件 マイケル・ギルバート 集英社 何冊か持っているけど、読んでみなくては。

(今日買った本:1冊 今月買った本16冊 今年買った本:1008冊)

10月8日(水)

くっすん大黒 町田康 文藝春秋
表題作と「河原のアパラ」の2編を収録。どちらも仕事をやめてぶらぶらしていたり、半端な仕事を齧りながら生活している30代くらいの男が主人公である。時間の流れは存在するが、いわゆるエンターテイメント的なストーリーは存在しない。著者の意図はともかく、ここに描かれたキャラクターに対し、客観的に最近の同世代のカリカチュアと見るか、共感できるものと見るかによって、読後感は大きく異なるのではないか。実はこの後に読んだ長山靖生の本でもこの本のことが出てきたのだけれど、長山氏も私自身も前者として見ている。でも本当はそういう意味付けこそを拒否している作品といえるとも思うので、まあどうでも良いことにしておこう。
文体は超口語体というか、一人称でだらだらと続いていくような独特の文体で、言葉の波に乗って運ばれていくような不思議な心地よさがある。またとぼけたユーモアもあり、笑わせられることも何度かあった。そんなこんなでなんとなく最後まで読まされてしまう感じで、新しいとか新しくないとか、文学とかそうでないとか、理屈っぽいことはどうでもよくなるような破壊力を秘めた小説。
同じロッカー出身でそれなりに大成している作家としては辻仁成がいるが、あっちはなんとなく読む気がしない。エコーズ自体があんまり好きじゃなかったせいかもしれないけど。町田康の音楽は聞いたことがないが、一度聞いてみたい気がした。


(今日買った本:0冊 今月買った本15冊 今年買った本:1007冊)

10月7日(火)

最近日記には書いていないが何冊か漫画を買っている。読んでいるのが「マーズ」と「デビルマン」なんだが、いまいち興味が持続しない。面白くないわけではないのだが、なんなのだろう。諸星大二郎は買おう買おうと思っているのだけどなかなか。

(今日買った本:0冊 今月買った本15冊 今年買った本:1007冊)

10月6日(月)


ようやく「航路」を読了した。

コールドスリープ 飯田譲治/梓河人 角川ホラー文庫
紅蓮鬼 高橋克彦 角川ホラー文庫
阿弥陀 山田正紀 幻冬舎文庫

(今日買った本:3冊 今月買った本15冊 今年買った本:1007冊)

10月5日(日)

早稲田も萬巻も神奈川古書市も目録は届いていたのだが、中途半端に開封したまま放っておいたまま、平日の忙しさにまぎれて締め切りがすぎてしまった。送っていただいて申し訳無いし、勿体無いと思うのだけれどこの状況では仕方が無いか。あいかわらず平日は毎日遅い上に休める気配が無いし、疲れてしまって休日はどこも行く気がしないもの。
家で読書に勤しむことにし、航路は上巻を読み終わったので下巻に突入。気力があれば読み終わった本を少しでも処分しようかと思ったが、面倒でそのままになってしまった。来週こそはまた少し本を減らそう。珍しい本があるわけではないのでブックオフに捨てに行くだけだけど。でも古本屋で買った本はともかく新刊で買った本は、一抹の勿体無い感があるのは事実なんだよね。一気に価値が10分の一以下だからさ。読み終わった本は元を取っているのだから、勿体無いと思うこと自体間違いなんだけどね。

ファンゴリア創刊号

(今日買った本:1冊 今月買った本12冊 今年買った本:1004冊)

10月4日(土)

近所の本屋にて中村宏のエッセイ集が出ていて驚く。知らなかったなあ。

家人につきあって横浜にいったら反射的に本を買ってしまう。
ホラー映画の魅力 小中千昭 岩波アクティブ新書 なんだか最近新書に興味があるんだな。
中華満喫 南條竹則 新潮選書
山ん中の獅見朋成雄 舞城王太郎 講談社 なんとなく買ってしまったな。
老人のための残酷童話 倉橋由美子 講談社 この人と大江健三郎はちゃんと読まなきゃと思っている。安部公房も全集買ったんだからまた読まなきゃね。
天窓のある家 篠田節子 実業之日本社 多分面白いだろう。
鳥肌口碑 平山夢明 宝島社 刊行されたときは買う気が無かったのだけど、なんとなく買ってしまった。

(今日買った本:6冊 今月買った本11冊 今年買った本:1003冊)

10月3日(金)

昨日の東京創元社からのメールマガジンによると《ミステリ・フロンティア》という新しいシリーズをはじめるらしい。最初が伊坂幸太郎でこれは楽しみ。また畠中恵の現代ミステリが予定されているようで、これまた楽しみだな。文庫近刊にはサンリオから出ていたライバーの「妻という名の魔女たち」が予定されていた。大瀧啓輔であるせいかもしれないけれども、めでたいことです。でも早川から出ていたのは、ほとんど全滅ではないのかな?復刊すればいいのに。もっとも読んでないけどさ。ライバーで読んでいるのは、「ビッグタイム」「妻という名のなの魔女たち」の2冊かもしれない。「放浪惑星」はまだ読んでいないと思うし、ファファード&グレイマウザーは全部持っているかどうかも怪しいや。どっかから短編集の刊行が予定されていたきがするし、ああなんかすごくライバーが読みたくなってきたぜ。

(今日買った本:0冊 今月買った本5冊 今年買った本:997冊)

10月2日(木)

ポケミス復刊を買ってみる。
雷鳴の夜 ヒューリック ポケミス これはおまけ。
美の秘密 ジョセフィン・ティ ポケミス
死の序曲 ナイオ・マーシュ ポケミス
アデスタを吹く冷たい風 トマス・フラナガン ポケミス 前の重版を持っている気がしてならないのだけど保険で購入。
旅人の首 ニコラス・ブレイク ポケミス

勢いで買ったけど、海外ミステリーにはあまり思い入れがないだよな。とはいいながらもう何冊か買うかもしれない。入手困難なポケミスも何十年か待つうちに復刊されるんじゃないかという気になりますな。

(今日買った本:5冊 今月買った本5冊 今年買った本:997冊)

10月1日(水)

大海赫氏の「ドコカの国へようこそ」(2月)「ビビは見た!」(1月)「クロイヌ家具店」(3月)と連続復刊されるらしい。ただ「ビビは見た!」に関しては改訂版と書いてあったのが、ちょっとひっかかるけれど。さて復刊記念に先日読んだ1冊の感想でも。著者の作品を読んだのは2冊目だ。

ドコカの国へようそこ 大海赫 童心社
イラストも文章も著者が書いたもの。イラストは子どもの本としては異様に暗くて不気味なタッチであり、反面グラフィカルな味わいがあります。ストーリーを紹介する変わりに各章の表題を書いておきましょう。ストーリーは勝手に想像してください。「一つ ヒグマにどやされて」「二つ ふるえて服を着せ」「三つ みじめに日がさ売り」「四つ よろよろまちをはい」「五つ いやいや紙を食い」「六つ むちゅうでワシを追い」「七つ なくなくおおわらい」「八つ やきもき日をおがみ」「九つ ころしてこしがぬけ」「十で とうとうドコカの国へ」。なお主人公はクラスで一番身体が大きく、力持ちでバカな子どものフトシ君です。
それにしても妙なイメージの横溢した作品で、個人的には三田村信行の方が好きだけれど、こちらも捨てがたい味があります。特にテキストだけではなくイラストも書いており、通常の絵本のように画家と作家のコラボレーションで成り立っているのとは異なり、本そのものを全て著者が創造しているというところが、作品世界を独特なものにしているように思います。図書館以外ではなかなか見つからない本ですが来年頭に復刊予定ですので、機会があれば読んでみてください。


さて自分のメモ代わりの意味も含め、国会図書館で検索すると大海赫の著作リストは下記のようになります。もっているのは太字のものだけ。既読の「ランドセルは魔女」などはイラストは本人ではなく、本によっては本人が書かないケースがあるようである。
のこのこ村の車たち  偕成社 1991.6
オビビーゴザイマス 教育画劇 1987.7
ベンケーさんのおかしなロボット 小峰書店 1986.6
ランドセルは魔女 サンリード 1984.7
パンツとんでけ!  PHP研究所 1984.3
ねことビンボケ大戦争 偕成社 1983.11
びんの中の子どもたち 偕成社 1983.4
あくまびんニココーラ 太平出版社 1981.11
せかいのブタばんざい! 太平出版社 1980.12
べんけいさんのしゃぼんだま 小峰書店 1978.1
ベンケーさんのおかしな発明 小峰書店 1976.9
メキメキえんぴつ 太平出版社 1976.12
よいさよいさ  著・山田野理夫 イラスト・大海赫 太平出版社1976.6
ドコカの国にようこそ! 童心社 1975
ビビを見た! 理論社 1974
クロイヌ家具店 理論社 1972

(今日買った本:0冊 今月買った本0冊 今年買った本:992冊)