買書日記(1月)   掲示板  <私家版>これから出る本

1月31日(土)

何故か1月というのは本を買ってしまうことが多いらしい。
結局ずいぶん買ってしまった。
今日はぐったり寝て過ごす。読書は岩井志麻子の「私小説」を読むことにするがどうにもこうにく面白くないのである。

(今日買った本:0冊 今月買った本:163冊 今年買った本:163冊)

1月30日(金)

東横線桜木町駅最後の日。3年弱利用したことになる。歴史のある駅なので残念だが、時代の流れなのか。記念に帰りに切符でもと思ったが、同じことを考える人が多くてごった返していて断念。ニュースを見ると終電はすごいことになっていたみたい。

首切り坂 相原大輔 カッパノベルス
明治44年、年号が大正に変わろうとする時代。首の取れた4つの地蔵に白狐面の怪人と生首が出現する。これは呪いか、はたまた陰惨なる猟奇殺人事件なのか。偶然この事件に遭遇した作家鳥部はこの事件に心ならずも興味を引かれ、巻き込まれていくのだった。
冒頭に怪奇小説的なプロローグを挿入し、全体的に怪奇な雰囲気があふれている。文体も語彙もさほど違和感は無いと思われるし時代的な描写は(本当かどうかは別にして)良く調べているというか、雰囲気が良くでているように思えた。トリックに関しては知らないとわからないという点ではややアンフェアな感じもするけれど、個人的にはこういう奇想系のミステリーは大好きだ。というかこういう場所について何かで読んだことがあるはずなので、ピンときても良かったのだけど気がつかなかった。最後も安易にシリーズ物にできるような形ではなく、物語的に決着をつけていて好印象。物語の根幹のトリックの受け取り方によって評価は変わるだろう作品。


kashibaさんの日記の『翻訳物だと時速170文庫ページ』にびっくり。ぼくの約3倍のスピードじゃないっすか。ぼくの場合は時速60ページが基準で、和物はそれより早い場合があり、翻訳物だとそれより遅いこともあるというラインである。だからあとどのくらいで読み終えることが出来るか等は60で割り算をすることが多いのである。がんばればもう少しはスピード上がると思うけれど、それだと話が頭に入ってきてくれないんだよなあ。頭の中ででも音読するから遅いというのはわかっているのだけど。結論はkashibaさん凄い!ってことで。

(今日買った本:0冊 今月買った本:163冊 今年買った本:163冊)

1月29日(木)

幻世の祈り 家族狩り第一部 天童荒太 新潮文庫 『家族狩り』の全面改稿版。倍近い分量らしい。元版は積読のままだが、とりあえず買ってみる。五ヶ月連続刊行とのこと。
ブラックハウス(上)(下) ストラウブ&キング 新潮文庫 「タリスマン」の続編。キングというよりストラウブということで嬉しいぞ。だってキングほっておいても邦訳されるだろうからさ。

ドミノ 恩田陸 読了。

(今日買った本:3冊 今月買った本:163冊 今年買った本:163冊)

1月28日(水)

古書ワンダーランド1 横田順彌 平凡社 ちょっと定価が高いな。
平井骸惚此中ニ有り 田代裕彦 富士見ミステリー文庫
さよならトロイメライ 壱乗寺かるた 富士見ミステリー文庫 まあ衝動買いだね。

そういえば小野不由美の悪霊シリーズがいつの間にやら絶版になっているを知って驚いた。もう著者の意に添わなくなったってことなのかな?メフィストほどではないにしても、こっちも古書価がついてしまうのだろうか。

(今日買った本:3冊 今月買った本:160冊 今年買った本:160冊)

1月27日(火)

フレームアウト 生垣真太郎 講談社ノベルス
遥かなる波涛の呼び声(下) 五代ゆう 富士見ファンタジア文庫
八十日間世界一周 丸屋善七店版復刻。
dキンコンカンプラスワン 魔王の桃大作戦 新庄節美 講談社 あたたた間違っちゃった。持っていないのは別のだ。

(今日買った本:4冊 今月買った本:157冊 今年買った本:157冊)

1月26日(月)

買わなきゃいけない雑誌がごろごろ。
黒苺館 水木ゆうか 講談社 ノーマークの作家だが、ホラーとか書かれてしまうと買ってしまうではないか。とはいってもスーパーナチュラルでは無い気がする。
別冊文藝菊地秀行総特集 創作が多いのは嬉しいが著作リストが無いのはとても残念。
ユリイカ 小川洋子特集 全著作解題が参考になる。東雅夫氏も寄稿あり。
SFマガジン3月号 草上仁さんの短篇が穴埋めで使われているけれど、相当ストックあるのじゃないだろうか。本にしろよ、早川書房。
ミステリマガジン3月号 都筑道夫氏追悼が少ししかなくてなんだかなあ、という感じ。この時期の特別号は昔は毎年SFマガジンのほうが厚かったのにね。SFマガジンは増刊を出すせいで年間の回顧も無いし。

(今日買った本:5冊 今月買った本:153冊 今年買った本:153冊)

1月25日(日)

自由が丘で中華料理を食べました。行ったのは旬香というお店。都立大学の彩香楼は去年総料理長が代わってしまってから足が遠のいてしまったのだが、ここはなかなか美味しい。現時点では一番お気に入りの中華料理店になりそう。特に気に入ったのはホイコーロと麻婆豆腐。ただし予約したときにカウンターしかないと言われた理由がわかるくらいカウンターのいすは最悪。スツールのように高いものだが、足を引っ掛けるところが高すぎて長居を拒否するかのような居心地の悪いもの。予約はテーブル席が空いているうちに早めにした方がよさそうだ。

自由が丘の良いところは寄り道できるところ。今日はお腹いっぱい中華料理を食べたのでテレビを見たい家人を帰らせて散策。
スローグッドバイ 石田衣良 集英社 読んだことはないけど、あまり持ってもいないようだ。
ダスクランド J・M・クッツェー スリーエーネットワーク ノーベル賞受賞作家。
トカジャクソン 戸梶圭太 光文社
Cheap tribe 戸梶圭太 文藝春秋 読まないうちに溜まる一方だなあ。
魔岩伝説 荒山徹 祥伝社
dレインボウ・プラネット 小川一水 エニックス 失敗。
怪盗天空に消ゆ 辻真先 トクマノベルス
素子の読書あらかると 新井素子 中央公論新社 読書エッセイ。
私の好きな海外ミステリー・ベスト5 メタローグ アンケート本。
黒井千次集 河出書房新社
d千年往来 吉田知子 新潮社 勿体無くて。
アッカーマンSF博物館 少年マガジン増刊 講談社 これ1冊で散策した甲斐がありました。昔から欲しかったのだが、何故か今まで縁が無かった。当時(25年前)の定価が1000円ですから2000円という古書価ならお買い得でした。もっとも、ごみ捨て場で拾ったという強者もいらっしゃいましたが。

首切り坂 相原大輔 読了。

(今日買った本:12冊 今月買った本:148冊 今年買った本:148冊)

1月24日(土)

久方ぶりの休日出勤ではありました。

心地よく秘密めいたところ ピーター・S・ビーグル 月刊ペン社
20年越しの積読をひもとく。本書を買って数年後に月刊ペン社は潰れて絶版になり、その後創元推理文庫の帆船マークで再刊された。文庫は今でも入手可能なようだ。なお原題は『A Fine and Private Place』でクイーンの『心地よく秘密めいた場所』と同じ。訳題がうまいが、この言葉自体何か(詩とか)の一節なのだろうか。あいにく浅学にして知らないのだが・・。
単行本で上下巻あわせて400ページあまりの長編で、比較的トーンの低い淡々と語られるゴーストストーリーの一種。登場人物も数人に限られ、舞台もほぼ墓場に限られている。ただし登場人物には幽霊と喋る鴉が含まれる。そしてこの特異な物語がどんな展開をするかというと、これがラブストーリーなのである。それも墓場に20年間暮らして一歩も外で出ていないひきこもり中年と、夫の死で墓場を訪れた未亡人との静かな恋の物語。これがサイドストーリーの二人の幽霊同士の恋物語と融合し感動的な再生の物語へと変容して物語の終結を見るという寸法だ。もちろん甘ったるい物語ではなく、引きこもり中年の悩みを吐露した遊民小説でもあるし、鴉との友情物語でもある。またアイロニカルな鴉が舌鋒鋭く言葉をはさむ事によって物語全体を引き締めているのも美点であろう。読み始める前は処女作ということもあり、もっと晦渋な物語かと思っていたのだが、意外とエンターテイメントとしてのアメリカンテイストも持ち合わせた小説であった。ゆったりと楽しむのが吉。


やはり日記を纏めて書くと本当に感想と買い物だけになってしまうな。今日は本屋へ行かず。雑誌は出ているのかしら。
そういえばブックオフでたまに半額じゃない店にぶつかることがある。各店の裁量なのだろうけど、やっぱり半額じゃないといやだなあ。でも売れ行きが落ちたのか横浜のある店ではまた半額に戻している。多分一番違うのは新書じゃないかな。100円以外の棚が200円均一だったり300円均一だったり結構ばらつきが多い分野。ってこんなこと書くとそんなにいろんなところのブックオフへ行っているのかと思われるかもしれませんが、まあたまに出かけると行ってしまいますわな。あまり興味が無いのでちゃんと見てませんが、漫画もかならずしも半額じゃないみたいですね。昔ゝブックオフが出来はじめた頃は定価の一割で買い取って五割で売るといっていたような気がします。あのころはサービス券も各店舗にサービス券発行マシンが置いてあったものでした。

(今日買った本:4冊 今月買った本:136冊 今年買った本:136冊)

1月23日(金)

昨日に続いて本屋に寄ってみる。
針 浅暮三文 早川書房 Jコレクション 前著とはうって変わって堂々たる長編ですね。
オババコアック ベルナルド・アチャーガ 中央公論社 定価が高くて聞いたこともない作家を買うのは勇気がいるが。幻想小説ではないかもしれぬ。どうもこれから出る本とかリストにしたら買わなきゃいけないような気になってくるから不思議だ。
岡本綺堂 文藝別冊 単行本未収録作品やら種村季弘インタビューやら盛りだくさん。文藝別冊は買い逃しがあるんだよな。でもユリイカの方が買い逃しは段違いに多いのだけど。
本朝聊斎志異 小林恭二 集英社 やっぱり面白そうだなあ。

そういえば東急渋谷の初日だったのね。注文も忘れちゃった。もう2年半くらいデパート展の初日は行っていないはずだ。どうせ休みもとれないし、なんだかどうでもいい感じ。

(今日買った本:4冊 今月買った本:136冊 今年買った本:136冊)

1月22日(木)

一週間新刊買っていないなあと本屋に行って見る。
星の牢獄 谺健二 原書房 当初買うつもりは無かったが、店頭で見たら欲しくなっちゃった。
マッシュルームマン ソフィー・パウエル DHC まったく知らない作家。でも幻想系かどうか微妙なところだ。
私小説 岩井志麻子 講談社 どう見ても趣味の小説とは思えない。読んでみて怪奇系はともかくデフォルト買いは見直すかもしれない。
黒真珠の瞳 草上仁 エニックスノベル ファンタジーのようだ。2ヶ月連続の新刊とは。
学ばない探偵たちの学園 東川篤哉 ジョイノベル 『完全犯罪は・・』が結構面白かったので買ってみました。
パーフェクト・プラン 柳原慧 宝島社 散々迷って購入。「このミステリーがすごい!」大賞であるがいやな予感がする。

(今日買った本:6冊 今月買った本:132冊 今年買った本:132冊)

1月21日(水)

とりあえず1冊。
影踏み 横山秀夫 祥伝社

心地よく秘密めいたところ 上巻読了。

(今日買った本:1冊 今月買った本:126冊 今年買った本:126冊)

1月20日(火)

下記が届く。
アンチクリストの誕生 レオ・ペルッツ エディション・プヒプヒ これは素晴らしい。番号を奥付につけたら森開社の本みたいだ。

(今日買った本:1冊 今月買った本:125冊 今年買った本:125冊)

1月19日(月)

ブックオフに行ってみたが買うものがないなあ。
とりあえず下記があったため、特に欲しいというわけでもないのだが買ってみる。
新ジュスティーヌ サド 桃源社 古書価は今はつかないけど新サド選集の初版帯つきで100円だったら普通は買う?

(今日買った本:1冊 今月買った本:124冊 今年買った本:124冊)

1月18日(日)

古本を買う日で散財。
陋巷に在り13 酒見賢一 新潮社 残り7〜11
さくらインテリーズ 戸梶圭太 早川書房 ミステリマガジン掲載だからとりあえずいらない気も・・。でも雑誌は読まないからな。
分岐点 古処誠二 双葉社 
d顔師・連太郎と五つの謎 皆川博子 中央公論社
d朱紋様 皆川博子 朝日新聞社 これは勘違い。
アリスの夜 三上洸 光文社
蜂アカデミーへの報告 後藤明生 新潮社
リズム 森絵都 講談社
常世桜 加門七海 マガジンハウス
ア・ハッピー・ラッキー・マン 福田栄一 光文社 
d宇宙船レッド・ドワーフ号2 グラント・ネイラー 河出書房新社 もっていないのは1だったかー。
海賊島事件 上遠野浩平 講談社ノベルス
d悪魔博士 鮎川哲也 光文社文庫

(今日買った本:13冊 今月買った本:123冊 今年買った本:123冊)

1月17日(土)

走る男 椎名誠 朝日新聞社 超常小説。長編。
見知らぬ侍 岡田秀文 双葉社 衝動買い。装丁に味がある。
看守眼 横山秀夫 新潮社 まだ読んだこと無いんだよね。

忘れないで 飯田雪子 講談社X文庫ティーンズハート
第一回ティーンズハート大賞受賞作。大学時代SF研だっただけあって恋愛小説であっても中身は軽いけれどもSFになっている。主人公汐里の前に現れる謎の美少女真梨乃。相手は自分をよく知っているようだが汐里には全く覚えが無い。
恋愛小説のしての要素だけではなく、ありきたりではあっても成長小説の側面も持っているため、感情移入するタイプの読者には受け入れやすいであろう。SFとしてとか文章はとか、この本でそんなこと言っても仕方が無いので、まあいいでしょう。特に薦めはしませんがさらっと読めば大人が読んでもそこそこ楽しめると思います。


(今日買った本:3冊 今月買った本:110冊 今年買った本:110冊)

1月16日(金)

ブックオフ。
お父さんの会社 草上仁 早川文庫JA

沈むさかな 式田ティエン 宝島社
「このミステリーがすごい」大賞優秀賞受賞作品。スキューバダイビングを題材にしたサスペンスミステリー。父親の急死をきっかけに水泳をやめたイズミが友人に誘われるままダイビングを始め、父親の死の謎を追っていくことになるという話。
伏線はあるのだけどメインのトリック?はストーリーに有機的に関係付けられてはいないと思う。まだちょっと唐突だ。ただ逆にそれは青春小説としての側面にかかわってくる部分が強いので、そういう意味では全体としてそれなりに楽しませてはくれる小説だと言える。もっとも華が無いというかちょっと地味なので、人に薦めるというほどではない。舞台が神奈川県で知っているところがたくさん出てくるのでそういう意味ではなじみがあるのだが、楽しみ方としてはちょっと邪道だろう。ところで本書の中でテレビ局のチーフ・プロデューサーがCPなどと呼ばれてもてはやされているのを読むと、違和感が強すぎて自分などはげんなりしてしまうのであるが、著者は本気でプロデューサーというのが偉大な存在だと思っているのだろうか。笑っちゃうよ。あと本書が採用している二人称は最後まで違和感がぬぐえなかったことも書き加えておこう。


(今日買った本:1冊 今月買った本:107冊 今年買った本:107冊)

1月15日(木)

新刊書店。
新・地底旅行 奥泉光 朝日新聞社 朝日新聞連載。ヴェルヌの続編を銘打った小説。目次を見ると「怪奇!有尾人現る!」とかいう章もあり、わくわくしてくる。処女作を読んだきりなのだが、もっとこの人の本を読まなくては。
幻痛 牧村泉 新潮社 ホラーサスペンス大賞受賞第一作。ホラーでしょ。
すべての小さきもののために ウォーカー・ハミルトン 河出書房新社
アクセス 誉田哲也 新潮社 ホラーサスペンス大賞。
裂けた瞳 高田侑 幻冬舎 ホラーサスペンス大賞。
終焉 ジョン・アップダイク 青山出版社 風間賢二訳。アップダイクのSFとはびっくり仰天。SF性は薄いらしいけれど。

(今日買った本:6冊 今月買った本:106冊 今年買った本:106冊)

1月14日(水)

罪花 高樹のぶ子 文藝春秋
短編集。著者の本を読むのは初めてである。官能恋愛小説の書き手だと思っていたのだけれど、これは帯に「恐怖と官能」とあるので多少恐怖小説系のカラーがあるのかと思って買ったものだ。「灰色の夢」「フェイク」「夕陽の赤」「囁かれた女」「落ちたトマト」「花に刻め」の6編を収録。いずれも恐怖小説というわけではないのだけれど、恋愛というよりは多くは主人公の女と犯罪を絡めたもので、クライムノベルのようなミステリー系と言ってもいいかもしれない。だから恐怖という要素は多少あると思うので、帯の惹句に嘘はない。各編ともに女性の感情を深く描いたものが多く、これは女性作家にしか書けない短篇群であろう。
集中「夕陽の赤」は趣を変えて阪神大震災を題材にし、人間(子供)の心の脆さ、哀しさを夕陽の赤い色と共に印象深く描いた心に沁みる短篇で、必読の傑作。これ1編だけのためでも本書を読む価値はある


(今日買った本:0冊 今月買った本:100冊 今年買った本:100冊)

1月13日(火)

新刊書店を覗く。
戦後短篇小説再発見18 講談社文芸文庫 これでしか読めない小説があるのかどうかはわからないけれども、題材的には買ってしまう。
僕と先輩のマジカル・ライフ はやみねかおる 角川書店 定価が安いのは嬉しい。「都会のトム・ソーヤ」買わなきゃね。
ロンリー・ハーツ・キラー 星野智幸 中央公論社 ようやく買えた。近未来幻想小説。

(今日買った本:3冊 今月買った本:100冊 今年買った本:100冊)

1月12日(月)

どうも1月という月は本をたくさん買ってしまうものらしい。
ブックオフでいろいろ買い込んでしまった。一応読む気の無い本は含めていないつもりである。

ぼくの犬クロ 三田村信行 偕成社 ファンタスティックな要素は無いかもしれないが、かなり初期の作品。見つけて非常に嬉しい。
殺しの挽歌 マンシェット 学研 ようやく3冊そろいました。持っていないのを間違えて何冊もダブってしまった。
まずは一報ポプラパレスより 河出智紀 Jブックス これもようやく発見。小川一水の別名義デビュー作。
導きの星(T)(U)(V)(W) 小川一水 ハルキ文庫
密猟者たち トム・フランクリン 創元コンテンポラリ
ひと呼んでミツコ 姫野カオルコ 講談社文庫
群青神殿 小川一水 ソノラマ文庫
天夢航海 谷山由紀 ソノラマ文庫
本格推理10 光文社文庫
d本格推理12 光文社文庫 間違えました。あと5,6,8,11です。
月よさらば 小松左京 ハルキ文庫 ショートショート全集2
われらロンドン・ホームズ協会員 河村幹夫 筑摩書房 しまった文庫化されてたか。
無情の世界 阿部和重 講談社
お喋り鳥の呪縛 北川歩実 徳間書店 調べたら初期のでは「僕を殺した女」「猿の証言」を持っていないらしい。買った気もするが。
魔性の馬 ジョセフィン・ティ 小学館
鎮火報 日明恩 講談社
逃亡作法 東山彰良 宝島社
新世界 柳広司 原書房
密室は眠れないパズル 氷川透 原書房
魔神の遊戯 島田荘司 文藝春秋
あたまの漂流 中野美代子 岩波書店
存在の果てしなき幻 司城志朗 カッパノベルス
狼の寓話 近藤史恵トクマノベルス
20世紀SFA 河出文庫 残りは5巻。

閉じた本 ギルバート・アデア 東京創元社
交通事故で盲目になった作家の筆耕者としてやとわれた青年。作家と青年の執筆の日々にしのびよる暗い影。
会話体とモノローグのみで構成するという実験的な書き方をした文学的サスペンス小説。とはいえ、解説等で持ち上げているほどは最後では驚きはありませんでした。つまりはミステリーとしてはさほどのものではないということであると思います。感心したのは、登場人物の会話や地の文といった作者の構築した部分のみでしか構成されない小説の世界と、会話と音と、第三者の描写する説明等でしか構成されない盲人の世界を結びつけた点であり、記述様式によってこれを非常に効果的に表現している点です。また作中で青年の騙りにより作家の世界が変容されていく様は、いやがうえにもこの世界認識に関する危うさを強調しています。このあたりは、私たち自身にとっても世界とは脳に感じられるある認識の組み合わせにすぎず、真実というものは結局計り知れないものだということを改めて感じさせてくれるものでもあります。(この唯物論的な世界に関しての物語には藤子F不二雄に「どことなくなんとなく」という優れたSF短編漫画があります)
なお感心したのは造本。実際、読み始めてモノローグの部分が丸ゴシックの斜字体で書いてあって、何でこんな読みづらいフォント選択をしたのか不可解であったのだが、最後に来てわかりました。結構細かいところにも気を配っていますねぇ。
エンターテイメント的にも面白く読めてしまうのでミステリーかと思ってしまいますが、それよりは上記のように記述形式により世界認識に関する批評を行ったまっとうな文学作品として評価されるべきものでありましょう。


(今日買った本:27冊 今月買った本:97冊 今年買った本:97冊 )

1月11日(日)

新刊情報で悩む。あれこれ入れすぎて見づらい。ちょっと絞ろうか。迷いどころ。

古書店にて。
燃えよ!刑務所 戸梶圭太 双葉社
夢のボート リチャード・プレストン 小学館
最果ての銀河船団(上)(下) 創元SF文庫

あいかわらず星野智幸は入荷していない。講談社文藝文庫も出ているようなのだけれど、無いなあ。入荷しないのか?

完全犯罪に猫は何匹必要か? 東川篤哉 カッパノベルス
書き下ろし長編の第三作。前2作は読んでいないのだが、シリーズのようだ。
回転寿司チェーンの社長がビニールハウスの中で殺される。出口には巨大招き猫があった。これは社長の家の門にあった招き猫である。犯人はなぜそんなものをここに置いたのか。社長から飼い猫の捜索を依頼されていた探偵は図らずもこの事件にかかわることになる。
全体にギャグがちりばめられていて、ユーモアミステリというかなんというか、当初こちらが勝手に抱いていたイメージとは若干違いましたが、何度か笑わされてしまいましたので、それなりに楽しんだと言えるでしょう。(もっともすべるギャグも相当数あったのだけれど) ミステリ部分では小道具が見つかった時点でミステリ音痴の私にも機械トリックはわかってしまったものの、アリバイの全てが見抜けたわけではなかったし、肝になる雑学知識が無かったので猫の秘密は全然わかりませんでした。アリバイ崩しも豪快というか大雑把というか緻密な時刻表トリックが苦手な私にも安心して楽しめました。おふざけ調が合わないときついかもしれませんが、とりあえず自分としては読んでいる間は楽しめましたので、多分読んで損は無いでしょうと言っておきます。


(今日買った本:4冊 今月買った本:70冊 今年買った本:70冊 )

1月10日(土)

刊行されてしまったので『<私家版>これから出る本』には書きませんが、徳間文庫で『殺人全書』が再刊されていました。少し追加。

新刊書店で。
担任 新津きよみ 角川ホラー文庫
仙人の壺 南伸坊 新潮文庫 松本さんに掲示板で教えていただいた本をさっそく購入。面白そう。
届いたのが。
ヘビイチゴサナトリウム ほしおさなえ 東京創元社 署名いり。
世界ミステリ作家事典 [ハードボイルド・警察小説・サスペンス篇] 国書刊行会
ファンタジー・ブックガイド 石堂藍 国書刊行会 石堂氏初の単独著作。前書きも後書きも無い無愛想さが石堂氏らしい。(悪口にあらず)
d小説・読書生活 関戸克巳 国書刊行会 2冊買っちゃってばかみたい。

出ているはずの星野智幸は見当たらず。残念。

完全犯罪に猫は何匹必要か? 東川篤哉 読了。

(今日買った本:6冊 今月買った本:66冊 今年買った本:66冊 )

1月9日(金)

赤目四十八瀧心中未遂 車谷長吉 文藝春秋
1998年に直木賞を受賞した長編小説。あることをきっかけに日常が虚の世界のように感じられ、仕事をやめる主人公生島。しばらく経つうちに金も無くなり放浪のたびに出る。これはその果てに流れ着いた尼ケ崎での物語。そこでありついた仕事は、紹介された女のやっている店のためどこからともなく持ち込まれる肉をアパートの一室でくしに刺す仕事である。単調に繰り返される仕事。吹き溜まりのようなそのアパートでは、彫物師の彫安さんや情婦のあや等様々な人が住んでいた。そのうちにあやに惹かれ始める生島だったが、彫安は恐ろしい男で下手なことをすればただではすまないという。
私小説作家らしいのだが、これも私小説なのだろうか。そんな疑問すら浮かんでくるほど小説的な物語ではあるが、著者の分身である主人公が諦観を持った人物のためか、淡々と物語りは進む。しかし中盤では、一転主人公が行動を起こすことによって、派手なアクションがあるわけでは全然ないのだが、息が詰まるようなサスペンスを生み出している。また最後はなんともいえない情感を醸し出しており、余韻の残るラストシーンだ。全体を通してみると比較的静かな小説ではあるのだが、底辺には緊張感があり弛緩したところは無く、読んでいて引き込まれてしまう。純文学だが、凡百のエンターテイメントよりははるかに面白い小説だ。映画化も頷ける。傑作。


直木賞といえば、今回は2作もホラーがあがっていているではありませんか。受賞は難しい気がしますが、候補になっただけでもたいしたものだと思います。京極夏彦はともかく矢川湊人は。

(今日買った本:0冊 今月買った本:60冊 今年買った本:60冊 )

1月8日(木)

さて今年初めての新刊買いである。
瑠璃の翼 山之口洋 文藝春秋 やはり戦争小説コーナーにありました。
塵クジラの海 ブルース・スターリング 早川文庫FT デビュー作とのこと。
「宝石」傑作選 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 これでこのシリーズもおしまいか。
バッテリー あさのあつこ 角川文庫 面白そうだったから。青い鳥文庫のSFミステリー?は持っているんだけどね。
利休の密室 川田武 光文社文庫 やはり書下ろしでした。今回の新刊の清水義範も書き下ろしでした。

(今日買った本:5冊 今月買った本:60冊 今年買った本:60冊 )

1月7日(水)

小説・読書生活 関戸克巳 国書刊行会 痛恨の極み。出版社に直接注文していたのをころっと忘れてました。
d花の森 新井苑子 岩崎美術社 これも散々悩んだ末、もっていないと判断したのだが。最悪だな。
トランシルヴァニアの仲間 タマーシ・アーロン他 恒文社 幻想系の短編もありそうなので。
ベイ・ドリーム 樋口有介 角川書店
神々の遺品 今野敏 双葉社
dうつくしい木乃伊 戸板康二 河出書房新社
チューリップ熱 デボラ・モガー 白水社

赤目四十八瀧心中未遂 車谷長吉 読了。

(今日買った本:7冊 今月買った本:55冊 今年買った本:55冊 )

1月6日(火)

会社帰りに早速ブックオフにいく俺はなんなんだろう。

陋巷に在り4,5,6 酒見賢一 新潮社 これで全13巻のうち手持ちが1〜6,12になりました。
林真紅郎と五つの謎 乾くるみ カッパノベルス
影ぼうし 岡田秀文 双葉社
天龍八部7 金庸 徳間書店 金庸もどうしたものか。
d天使はモップを持って 近藤史恵 ジョイノベルス わちゃー。
蛇ジャー(上下) 柴田よしき トクマノベルス

(今日買った本:9冊 今月買った本:48冊 今年買った本:48冊 )

1月5日(月)

初日から新年会とはこれいかに。

ホラー作家の棲む家 三津田信三 講談社ノベルス
年末の片づけで積まれていたのをやっと発掘。
日本ホラー小説大賞に応募された一つの原稿。これが自分の名前で投稿されていたということを友人が教えてくれた。これは全く覚えが無い。そんな中、転勤に伴ってやってきた東京で見つけて引っ越したのが、人形荘という洋館であった。特に幽霊が出るというわけではないのだが、周りの家々の見る眼はちょっとおかしいようだ。仕事を続ける三津田信三は、購読していた同人誌「迷宮草子」の編集者から怪奇小説の執筆を依頼される。それは現実を侵食して自らを包み始める怪異の連鎖の始まりであった。
編集者でもある著者が、自らの編集した「ワールド・ミステリー・ツアー」という叢書や実在の人物を織り交ぜつつ、幾分楽屋落ち的な部分も見せながら書いた初長編。中には怪奇小説フリークには涎の出そうな架空の同人誌やら、乱歩の感想やら、怪奇小説ネタやら、マニア受けを狙ったかのようなネタが目白押しで、自分などは読んでいてなんというか訳も無く嬉しくなってくる。ストーリーも、最後はミステリーファン(それとも編集部?)に遠慮したかのような終わらせ方をしているところが多少物足りないものの、終盤のスピード感、サスペンス、恐怖感ともに大変優れており、また小説内小説が小説世界を侵食してくるようなメタフィクショナルな仕掛けも巧くて、エンターテイメントとしても大変面白い作品に仕上がっていると思う。ただし、前記のように作中に織り込まれる怪奇系のネタを面白いと感じない人には、わずらわしく感じてしまう向きはあるだろう。それでも、大変趣味の合う本であり個人的には大満足の1冊。怪奇小説が好きな人には大いに薦めたいですが、ミステリーを求める人にはあまり強くは薦めません。ああ、面白かった。


(今日買った本:0冊 今月買った本:39冊 今年買った本:39冊 )

1月4日(日)

火星に軟着陸した探査機の映像が出ているけれども、今ひとつはっきりしない。

ミステリー事典海外編 新潮社 海外編は買っていなかったので。とはいえ、買っているはずの日本編は行方不明だ。
代議士秘書―永田町、笑っちゃうけどホントの話  飯島勲 講談社文庫 面白そうだったので。
舞踊名言集成  郡司正勝 演劇出版社

政策秘書の本とか買って何してるんでしょうか。片づけが全然終わっていないのに新年早々本が増えたので、家人の機嫌は悪くなるばかりなり。至極もっとも面目なし。

ホラー作家の棲む家 読了。個人的に満足。

休みなのに何やかやと用事があり4日で2冊(ただし1冊は年越し)ということにあいなりました。さてさて今年の読書量はいかがなものか。『夜窓鬼談』はまだ序盤です。

(今日買った本:3冊 今月買った本:39冊 今年買った本:39冊 )

1月3日(土)

家人の実家へいくついでに買い物。コメントはいいや。樋口有介kashibaさんの影響で買ってしまいました。
クビシメロマンチスト 西尾維新 講談社ノベルス
サイコロジカル(上)(下) 西尾維新 講談社ノベルス
ペリカンの冒険 レーナ・クルーン 新樹社
鹽壺の匙 車谷長吉 新潮文庫
MUSASHI! 弐 富樫倫太郎 カッパノベルス
完全犯罪に猫は何匹必要か? 東川篤哉 カッパノベルス
風水火那子の冒険 山田正紀 カッパノベルス
阿弥陀ヶ滝の雪密室 黒田研二 カッパノベルス
初恋よ、さよならのキスをしよう 樋口有介 講談社文庫
探偵は今夜も憂鬱 樋口有介 講談社文庫
木野塚探偵事務所だ 樋口有介 講談社文庫
ぼくとぼくらの夏 樋口有介 文藝春秋
AVALON 押井守 メディアファクトリー
d侵入者 小林信彦 メタローグ
誰も私を愛さない 樋口有介 講談社
英国ミステリ道中ひざくりげ 若竹七海 光文社
おせっかい 松尾由美 幻冬舎
トカジャンゴ 戸梶圭太 角川書店
私の遺書 佐藤愛子 新潮社

(今日買った本:20冊 今月買った本:36冊 今年買った本:36冊 )

1月2日(金)

年末の今年印象に残った本は、年が明けようとする15分くらいであわてて書いたので見直すと、ミステリーが全く無いのに気が付いた。ミステリーとしては『オーデュボンの祈り』とか『大いなる幻影』とかは面白かったんですが、もれちゃいましたね。バランスとかよく考えずに書いたので、自らの嗜好が如実に出てしまったのかもしれません。だとするとちょっと考えちゃうなあ。

実家へ行くが、古書店に寄ることはできず。代わりに実家から本を持ってくる。持ってこなくても死ぬほど本があるのにね。シモンズ、マキャモン、ストラウブ、小林泰三、マグラア他。

M.G.H 三雲岳斗 徳間書店
日本SF新人賞受賞作。この前に電撃ゲーム小説大賞で銀賞を受賞して何冊も本を出しているのでデビュー作というわけではないが、とりあえず大人向けの体裁で出したのはこれが初めての本になる。キャンペーンで当選した宇宙ステーション旅行の条件を盾にして、偽装結婚をした研究員とその従妹。二人が遭遇するのは宇宙ステーションでの不可能犯罪であった。
プロットは本格推理。世界設定はSFといういわゆるSFミステリーである。著者は普段SFを読まない読者を引き込もうという意図があったようだが、それはある程度成功しているように思う。キャラクターやサイドストーリーである二人の男女のラブストーリーはアニメチックで、ライトノベルに親しんだ読者でも違和感無く読めるであろうし、ミステリファンも推理の部分は楽しんで読めるであろう。犯罪のトリックは明かされてみればあっけないほどわかりやすいのだが、その分あまり無理な感じはない。そしてSFとして見るとどうかというと、背景となるミラーワールド等は特に目新しさや深みはないものの、(私などには)さほどの違和感はない。
本書がSFだとかミステリーだとかいうジャンル分け自身無意味な事だとは思うが、それは置いておいて本書を持ってSFミステリーというジャンル(があるのかどうかは別にして)がミステリーに取り込まれたという見方には与しない。本書のベースはあくまでもSFであり、舞台設定もトリックもそこによってたつものである。また私自身は著者は方法論としてプロットにミステリー的な骨格を選んだだけであり、ミラーワールドその他物語の世界を構築しているのはあくまでも著者のSF的思考であると考えている。したがって本書はSFというジャンル内でのミステリー作品と見るべきだろうと考えてしまうのだ。もっともそう考えてしまう事自身私がSF寄りの人間としてのドグマに陥っているだけなのかもしれない。
なんにしても楽しんで読める作品であることは確か。願わくば、本書を読んだ読者がSFという海に漕ぎ出さんことを。


(今日買った本:0冊 今月買った本:16冊 今年買った本:16冊 )

1月1日(木)

皆様あけましておめでとうございます。
昨年末、本の片付けに着手して多少は片付いた(倉庫に放り込んだ)ものの、さっぱり減った気がせず嫌気が差して中断している。したがって今年はもう読まない本は買わないようにしようと思ったにもかかわらず、コーヒーを飲みたくて駅に出たついでにブックオフなど覗いて本を買ってしまった。なんとなく島田荘司を買ってしまう。

月に吠えろ! 鯨統一郎 トクマノベルス
ミステリアス学園 鯨統一郎 カッパノベルス
d殺人現場へもう一歩 生島治郎 光風社出版 たのまれもの。
こんなに緑の森の中 谷山由紀 ソノラマ文庫
風の日にララバイ 樋口有介 徳間書店
d五時から七時までの死 A・P・デュシャトー ポケミス 失敗。
春の自殺者 レイモン・マルロー ポケミス
それでも君が 高里椎奈 講談社ノベルス
切り裂く手 ピエール・サルヴァ ポケミス
スタンフォードヘ80ドル ルシール・フレッチャー ポケミス
占星術殺人事件 島田荘司 講談社ノベルス
斜め屋敷の犯罪 島田荘司 講談社ノベルス
異邦の騎士 島田荘司 講談社ノベルス
火刑都市 島田荘司 講談社文庫
時はそよ風、時はつむじ風 辻真先 ソノラマ文庫
d山の上の交響楽 中井紀夫 早川文庫JA

<私家版>これから出る本 を始めてみます。ネットで見つけた新刊情報を独断と偏見で集めた二次情報に過ぎませんが、自分のメモ代わりにもなるかなと。もっとも本に関係ない仕事ですので、あまり目新しい情報は無いですし、更新が大変なので突然やめる可能性もありますが。

(今日買った本:16冊 今月買った本:16冊 今年買った本:16冊 )