買書日記(3月)   掲示板  <私家版>これから出る本

3月31日(水)

ちょこっと買い物。
松本泰探偵小説選U 論創社
精霊海流 早見裕司 ソノラマ文庫
響ヶ丘ラジカルシスターズ 井上剛 ソノラマ文庫 意外な新刊でした。

白い犬とブランコ 莫言 NHK出版
中国現代文学としては巨匠となるのでしょうか。莫言の自選短編集。親本はあるものの、契機としては表題作が東京国際映画祭でグランプリを受賞したから出版されたもののような気がする。作品は14編が収録され、比較的初期の作品が多い。莫言の読み方としてはちょっと間違っているよなあと思いつつも、幻想文学の文脈で読むと、中では「奇遇」が正統的な怪談、「夜の漁」が美しい幻想小説、「豚肉売りの少女」が切なさの横溢する奇談ということにになるだろうか。その3編についてはどれも面白く印象に残る。本書の全体的なイメージで言うと、農村文学というか、30年くらい前の中国の農民の姿を活写したものという印象が強い。しかも自然描写が素晴らしく、映像的というと安っぽく聞こえるかもしれないが、優れてイメージ喚起力がある。現在の中国をニュース映像で見ると、高層ビルが立ち並ぶ都会が写されたりするが、実際には信じられぬほど広大な国土があり、信じられぬほどたくさんの人が住んでいるのだから、もしかすると著者が描くような風景がどこかに残っているかもしれない。それは住んでいる人にとっては必ずしも幸せなものではないのかもしれないが、確かにこの国の風景であり、歴史であることは間違いないところだろう。

(今日買った本:3冊 今月買った本:162冊 今年買った本:486冊)

3月30日(火)

bk1から本が届いていたのでした。
雷電本紀 飯嶋和一 河出文庫
始祖鳥記 飯嶋和一 小学館文庫
汝ふたたび故郷へ帰れず 飯嶋和一 小学館文庫

(今日買った本:3冊 今月買った本:159冊 今年買った本:483冊)

3月29日(月)

着信アリ 秋元康 角川ホラー文庫
基本的には私はホラーに点が甘い。だからこの本もつい甘くなってしまうのだが、著者のイメージによる先入観から来る当初の疑心暗鬼とは裏腹に結構楽しく読んでしまった。ホラーの装置として携帯電話を使用するというのは、「リング」の応用(もっと言えば不幸の手紙の応用)だから、さほど目新しいとは思わなかったのだけれど、描写の映像的なところや、マスコミがからむところなどは著者ならではかもしれない。ある意味ステロタイプといえるのかもしれないけれど、気軽に楽しめるホラーとしては評価したい。


(今日買った本:0冊 今月買った本:156冊 今年買った本:480冊)

3月28日(日)

横浜にて本を買う。
極短小説 浅倉久志選訳 新潮文庫
贈られた手 天童荒太 新潮文庫 読まないうちにはや3冊。
凹村戦争 西島大介 早川書房 コミック売り場なんかいかないから探すのに苦労。
月9 中村うさぎ 朝日新聞社
寄者 石月正広 幻冬舎 小説推理で東編集長が取り上げていたので。

(今日買った本:5冊 今月買った本:156冊 今年買った本:480冊)

3月27日(土)

日吉にて本を買う。
ストーンエイジKIDS 藤崎慎吾 カッパノベルス 書き下ろし。
二人道成寺 近藤史恵 文芸春秋 巻末にインタビューつき。
さよならのかわりに 貫井徳郎 幻冬舎 「ポンツーン」連載。
猫舌男爵 皆川博子 講談社 「小説現代」に掲載された作品を集めた短編集。新しい短編集は久しぶり?
雲雀 佐藤亜紀 文芸春秋 「天使」の続編。

(今日買った本:5冊 今月買った本:151冊 今年買った本:475冊)

3月26日(金)

ひさしぶりにはまってしまった。帰宅は3時。おっかしいなあ。

二人阿国 皆川博子 講談社
歌舞伎の元祖とも言える「出雲阿国」を題材に想像を広げた時代小説作品。書いている言葉は美しく簡潔。ストーリーは時代性と女の心を活写した短いながらも読み応えのあるもの。個人的には幻想系が好みではあるのだが、ほとんど資料の残っていない実在の人物に、架空の人物を配して物語を構築する様は非のうちどころが無い。
特に印象に残るのは女性心理と時代風俗で、後者は見てきたように嘘をつくように、読むものにその時代の風景を強く感じさせる。女性心理については、やはりストーリーの根幹をなす二人の阿国の葛藤が、間然とするところが無く描かれていて、小説としてはこれ以上望むところは無いでしょう。
とは言ってもやっぱり、幻想系のほうが好みではあるな。


(今日買った本:0冊 今月買った本:146冊 今年買った本:470冊)

3月25日(木)

給料日だということもあり、珍しく現金で買い物。近藤史恵は次回。佐藤亜紀は買い忘れ。早川の海外文学は高いのでお預け。
一週間たっても莫言は半分超。送別会があったり体調がとてもわるかったりとか旅行したりとか条件はあったけど、こんなに時間がかかるのは久しぶりかも。
石の話 黒井千次 講談社文芸文庫 自選短編集。
旅芝居怪談双六 長島槙子 学習研究社 ムー伝奇ノベル大賞優秀賞。
宇田川心中 小林恭二 中央公論社 読売新聞連載。
ルピナス探偵団の当惑 津原泰水 原書房 ティーンズハートの再録+書き下ろし。
犬飼い 浅永マキ 学習研究社 ムー伝奇ノベル大賞優秀賞。
文学賞メッタ斬り 大森望・豊崎由美 PARCO出版
あなたは古本がやめられる kashiba@猟奇の鉄人 本の雑誌社 サインもらわなきゃ。
ミステリマガジン5月号 コージー・ミステリ特集。コージー自体が良くわかっていないのでした。
SFマガジン5月号 コニー・ウィルス特集。


(今日買った本:9冊 今月買った本:146冊 今年買った本:470冊)

3月24日(水)

開封していなかった荷物D
父の墓 吉田知子 新潮社 短編集。創作に関してはかなりの著作は集まったはずだ。楽しみはゆっくり味わっていこう。
さよなら妖精 米澤穂信 東京創元社 署名入り
キンドレッド オクティビア・バトラー 山口書店 ある方がオークションで出品しており出ていることを知ったSFで、ためしに注文したら12年前の初版が帯び付で手に入った。マイナー出版社はいいなあ。検索するとMZTさんがしっかり買っていることろがさすがだ。

休みたいと思っても結局そうは急には休めず、おまけに思わぬトラブルが発生し散々。最近ちょっとついていないのである。

(今日買った本:3冊 今月買った本:137冊 今年買った本:461冊)

3月23日(火)

開封していなかった荷物C
殺人はお好き? ウェストレイク ハヤカワノベルス 100円で見つける人もいるようだが、縁がなかった。あとは「警官ギャング」やーい。
夜の稲妻 フレッド・オルホフ ハヤカワノベルス ナチスがアメリカを占領するというIFの世界を描いた作品。書かれたのは1940年だから、当時としては近未来小説になる。存在を知らなかった本であるが、先日神保町のY頭で見つけてちょっと高かったためあきらめ、検索したらジグソーさんに手ごろな値段であったので注文しようと思っていたのだ。ほかに検索するとしっかりkashibaさんのところも出てくるのだけれど。

夜の送別会の終盤で体調が悪くなる。帰ったら久々に熱があった。明日は休みたい。

(今日買った本:2冊 今月買った本:134冊 今年買った本:458冊)

3月22日(月)

開封していなかった荷物B
半村良コレクション
都市の仮面
セルーナの女神
ようは「半村良コレクション」が欲しかったんですけどね。

奇妙な幻獣辞典 井上雅彦 実業之日本社
短篇を単独で読んだのは別にすると、ちゃんと著作を読むのは初めてだったりする。前に読んだ短篇では変な気取りを感じたりしたのだが、本書に関しては意外に端正な幻想怪奇小説集になっている。幻獣好き、幻想小説好きにとっては一服の清涼剤になりうる本としてお勧め。


今日は寒かった。小雪がちらつくとは思わなかった。

(今日買った本:3冊 今月買った本:132冊 今年買った本:456冊)

3月20日(土)〜3月21日(日)
家人の誕生日につき温泉旅行ご招待。行ったのは伊豆の湯元館。川端康成が「伊豆の踊子」を執筆したところ。部屋が残っていて、書や本などもあり、鍵の掛かった本棚の中を見て「感情装飾」の元版がいいなあ、とか思ってしまうのは病気だろう。「幻想文学」でも昔取り上げていて知ったのだけれど、川端康成は初期はスピリチュアリズムに根ざした作品も書いており、短篇全集(実際は選集に近い)を買って読むのに備えているのだが、でかくて厚くて重いので読むのに躊躇している。しかも大量の中で幻想的な作品はわずかだし。かといってその手の作品だけ抜き出して読むのも面白くない。悩みどころだ。
温泉は内風呂は普通だけれど、露天は川縁の野趣のあるものでなかなかよろしい。湯質は無色透明でさらっとした質感。旅館自体はちょっと古めの風情がある宿で強い特徴があるというわけでもないのだけれども、居心地はいい宿でした。
途中で偶然見つけたわさび漬けの店がこだわりがあって美味しかった。ちょっと高めだったが、わさび好きとしてはいろいろ買い込んでしまう。
特に本屋も寄らず、本を買うことはありませんでした。(途中で通り過ぎた古本屋が目に止まったことは否定しないけれども)

(今日買った本:0冊 今月買った本:129冊 今年買った本:453冊)

3月19日(金)

健康状態に自信が持てなくなっていたため、身銭を切って人間ドックとMRIを受診する。今日出た分の検査上は切羽詰ったような不具合はないようだが、いまいち心配がぬぐいきれないのである。それにしても会社の補助も出ず、健康保険もきかないため両方で8万円を超える出費であった。命には変えられないけれどもちょっと痛い。その後は車庫証明を警察に取りに行った後、休みのはずなのに会社へ行って仕事をしてしまう。だって今日中にやらなけれなばいけない仕事を思い出してしまったんだもの。

そんな一日なのにたくさん本を買っちゃったなあ。

大菩薩峠(1)〜(19) 中里介山 富士見文庫 別段、突然『大菩薩峠』を読もうと思ったわけではなく、持ってはおきたいと思っていたものの読むとはとても思えない文庫を買うのもなあと思っていたが、1冊100円で19冊売っていたから買っただけ。大体厚い文庫20冊費やしても結局未刊で終わることがわかっている小説なんか最後まで読む気力が続かないと思う。ぼくの周りでも最後まで読んだのは川口さんくらいか。
月ノ浦惣庄公事置書 岩井三四二 文藝春秋 松本清張賞。
ぼくらはみんな閉じている 小川勝己 新潮社
流れ星と遊んだころ 連城三紀彦 双葉社
おしゃれな復讐 白石晃三 ビクターブックス だってサイン本だったんだもの。
漂流裁判 笹倉明 文藝春秋
風少女 樋口有介 文藝春秋
ナイトライダー2 ケイブンシャ
宇宙市役所ヤクシオン 綾瀬まみ しすてむ文庫 同人誌文庫?
塔の戦士 遠藤明範 バンダイ文庫
スパイラルゾーン 伊藤和典 バンダイ文庫 MZT氏の紹介を読んで、ちょっと読んでみたいなあと思っていたもの。
あとは新刊。
シャーロック・ホームズの失われた冒険 ジャムヤン・ノルブ 河出書房新社 珍しいチベット作家のホームズ譚。
清談佛々堂先生 服部真澄 講談社 ぽかぽかさんのところで面白そうだと思いました。
エロチカ 講談社 解説を書いている人に知っている人が多いのが不思議な感じ。
パンク侍、切られて候 町田康 マガジンハウス
蟲忍 古橋秀之 徳間デュアル文庫
ミッドナイト・ボイス ジョン・ソール ヴィレッジブックス 文春は違うようだけど、これはホラーらしいな。とにかく翻訳されたのが嬉しい。
ワイルド・サイドを歩け 東山彰良 宝島社 迷った末買ってしまった。
ノド書 サム・チャップ&アンドリュー・グリーンバーグ編 アトリエサード 良くわからない。
日本ノ霊異ナ話 伊藤比呂美 朝日新聞社

(今日買った本:38冊 今月買った本:129冊 今年買った本:453冊)

3月18日(木)

莫言に手を出すがなんだか読みにくいなあ。

1冊届いていた本。
白いオオカミは撃つな 和田頴太 ソノラマ文庫 何故かなかなか見つからない著者の本。やっと3冊。残りは「大森林の逃走」と「南海の密輸船」ということになる。

(今日買った本:1冊 今月買った本:91冊 今年買った本:415冊)

3月17日(水)

あいや、いつの間にやら出てましたか。
ジャーロ 新連載開始ということもあって貫井さんの名前が背表紙にある。気がつけばジャーロも連載や連作が8割方を占めるようになってしまっているじゃないか。ほぼ間違いなく本になるであろう作品はあまり雑誌で読むつもりはないので、ほとんど読むところがなくなりつつあるということであるな。でも古書店ガイドはすごいね。

こちらITT 草上仁 早川文庫JA
著者のデビュー短編集。再読である。どれを読んでも一定の水準を越えているので、気楽に楽しむには最適だ。といっても気楽というばかりではなく、SFとしてのツボを心得ているというか、すれっからしの読者をも楽しませるところも併せ持っているのはさすが。たまにデジャブを感じるくらいで、細かいところはほとんど忘れていた自分も情けないけれど、多分また10年たって読んでも楽しめるであろうことは想像に難くない。吾妻ひでおの表紙から期待されるようにユーモラスな作品も面白いのだが、私自身は「道化の釘」を推す。これはシリアスなSFでかなりしびれる。著者は兼業作家でまだ未発表の作品が多いと聞く。ご本人の意思かどうかはわからないけれど、最近あまり短編集刊行の機会に恵まれないのは読者としては残念である。氏の作品はSFの好き嫌いにかかわらず広範囲の読者に受け入れられるのではないだろうか。キャプテンフューチャーみたいに早川が出さないなら創元から出せば良いのになあ。


(今日買った本:1冊 今月買った本:90冊 今年買った本:414冊)

3月16日(火)

開封していなかった荷物そのA
『新青年』趣味 中井英夫の書簡とは思いませんでした。創作の復刻が無いのはちょっぴり残念だけれども、特に資料性において充実した内容は他の追随は許さないものがあります。

不死の怪物 ジェシー・ダグラス・ケルーシュ 文春文庫
ぼくは知らなかったのだが怪奇小説の古典らしい。解説で荒俣宏が久しぶりにこの手の作品の解説を書いており、思い出話もからめた良い解説だと思うが、ネタを割っているので未読の方は注意。いわゆるゴースト探偵ものに近いという指摘が解説にあるけれど、そう感じるのは怪異の正体をきちんと理論付けて解決していこうという主人公の姿勢があるからだろう。そういう意味では、今の眼から見るとホラーであるとともに、その姿勢はSFとしても通用するものである。ロマンス的な部分には少々時代がかったところがあるけれど、欠点というほどではなく怪奇小説好きには充分に楽しめる。


(今日買った本:1冊 今月買った本:89冊 今年買った本:413冊)

3月15日(月)

開封していなかった荷物その@
ずいぶん前に別冊シャレードを買っていたのだった。
別冊シャレード67号 山沢晴雄特集6
別冊シャレード71,74,76号 天城一特集8、9、10
二年に一回くらい創作が載っているものだけ選んで購入している。でも山沢晴雄も天城一も最初のほうは持っていないんだけど。いつか読むつもりではあります。

(今日買った本:4冊 今月買った本:88冊 今年買った本:412冊)

3月14日(日)

多分買ったのは下の本だと思われる。
西の魔女が死んだ 梨木香歩 楡出版 文庫も再刊単行本も持っているのにね。この元版も持っているかも。
星兎 寮美千子 パロル舎 これも持っているんだろうな。
乱世玉響 皆川博子 読売新聞社 持っていると思ってました。
バリー・トロッターと愚者のパロディ マイケル・ガーバー 河出書房新社 ハリー・ポッターのパロディ。もうすぐ二巻の翻訳が出るらしい。
魔界住人 宮崎惇 大陸文庫 元版も含めもっているはずだが、掲示板で話題になり、ある方からも薦められたので購入。
テイクン(上) トマス・H・クック 竹書房文庫 映画のノベライズで、書いているのがトマス・H・クックというのも不思議ではある。

葬列 小川勝己 角川書店
横溝正史賞受賞作。巻末の寸評で「OUT」との類似を指摘されているが、確かに「OUT」や唯川恵の「刹那に似てせつなく」とかある種のクライムノベルとして似た雰囲気をもっているのは確か。決して好きなタイプの作品ではないのだが、読まされてしまうのは、ストーリーテリングの巧みさとキャラクターの描き方であろうか。ストーリー的には意外な真相を持ってきたりして、本格ミステリー的な味付けを出そうとしているけれど、確かに意外ではあるもののプロット的に意味があるとは思えなかった。アクションシーンは巧いし、渚というキャラクターの立ち方、ラストなどは非常に劇画的だ。次作「彼方の奴隷」でも感じたことなのだが、デフォルメされた劇画的なストーリーが得意なのかもしれない。

(今日買った本:6冊 今月買った本:84冊 今年買った本:408冊)

3月13日(土)

買い物。
正しい魔法のランプの使い方 横田順彌 くもん出版 この前買った気がするぞ。
おせいさんの落語 田辺聖子 角川文庫 これは面白そうなので買ってみた。
ソフトウェア ルディ・ラッカー 早川文庫SF 「百年の恋」に著者の名前がちらっと出てきたのを思い出して買ってしまう。おそらくだぶりだろう。
火星転移(上)(下) グレッグ・ベア 早川文庫SF この辺は何を買っているのかまったくもってわからない。グレッグ・ベアなんて読んだことないし。
ポアロのクリスマス アガサ・クリスティ クリスティー文庫 別にクリスティー文庫で買わなくてもいいだろうと思うのだが。
秘曲笑傲江湖(全7) 金庸 徳間書店 揃いで比較的安かったので買ってしまう。まだまだ全部買い集めるには時間がかかりそう。読むのはもっともっと時間がかかりそう。
神戸異人館事件帖 陳舜臣 徳間文庫 既に何を持っているのか把握しておりませんが、あまり持っていないだろうというのが俺の読みだ。
過ぎ行く風はみどり色 倉知淳 創元推理文庫
ガラスの独房 ハイスミス 扶桑社ミステリー 既に何を持っているのか把握できておりません。
饗宴 柳広司 原書房 kashibaさんの評価が高かった気がする著者の本。
まさかな 小林めぐみ 富士見ファンタジア文庫 調べたら「ねこたま」持っていないみたい。見つけたときに買っておけばよかったなあ。
つむじ風食堂の夜 吉田篤弘 筑摩書房 
ブランコ乗り いしいしんじ 理論社

(今日買った本:20冊 今月買った本:78冊 今年買った本:402冊)

3月12日(金)

感想をためると日記がつらい。できるだけ感想は簡単に書こうと思う今日この頃。一日一冊読んで感想も書くkashibaさんには頭が下がる。

ビビを見た! 大海赫 ブッキング (2004)
多くの支持を得て復刊ドットコムによりめでたく復刊された児童小説。かく言う私も投票していたので約束どおり購入。
主人公はホタルという眼の見えない少年。その少年がどこからともなく聞こえた声の主の力か7時間だけ眼が見えるようになる。初めて見る世界に戸惑うホタル。気がつくと他の動物や人間はみな眼が見えなくなってしまっていた。と、突然鳴り渡るサイレンで列車による避難を勧告される。敵が来たと言うのだ・・。眼の見えなくなった母親を連れなんとか乗った列車の中で会ったのはビビという緑色で触角や羽のあるはねっかえりの少女だった。
以前から復刊の声が高かったのが理解できる不思議な作品だ。まず多くの点で発想が尋常ではない。ストーリーも残酷でめちゃくちゃで脈絡が無く唐突でさえある。レイアウトや挿絵も著者が描いているのだが子供向けとは思えない不気味さだ。しかしテーマは読めばわかるように「自分にとって何が大切か」を読み手に考えさせることだと思うのだが、教条主義は感じられず押し付けがましくない。イラストとストーリーが渾然一体となって醸し出す雰囲気も一読忘れがたい印象を残す。子どもが読んでどう思うかは子どもではないのでわからないが、少なくとも教訓臭の強い作品よりは、そのテーマとともにより強く心に響くであろうことは解説の吉本ばななやネットを検索すると出てくる多くの人の言葉からも実証されているように思う。なお本書は「ドコカの国へようこそ」に続いて復刊された作品で、引き続き「クロイヌ家具店」と新作の刊行も予定されている。本書が好評を持って迎えられるのであれば、過去の他の作品も復刊を続けて欲しいと思うのは私だけではあるまい。個人的には「ドコカの国へようこそ」よりも面白かった。ぜひ一読をお勧めします。


久しぶりに古本を買った。
治療塔 大江健三郎 岩波書店 
治療塔惑星 大江健三郎 岩波書店 丁度欲しいと思っていたのだがいかんせん状態が悪い。100円だから文句は言えないけど状態が良いものに買いなおしたいなあ。
獣人伝説 半村良 角川文庫
夢の底から来た男 半村良 角川文庫
亜空間要塞 半村良 角川文庫
軍靴の響き 半村良 角川文庫 これは読んでいる。
回転扉 半村良 文春文庫
都筑道夫名探偵全集T 出版芸術社 持っていないのはUだったかな。
新宿祭 筒井康隆 立風書房
太陽破壊者 ハミルトン 日本文芸社 手持ちより状態が良いような気がする。
イヤー・オブ・ザ・ドラゴンズ 横田順彌・高信太郎 大陸書房
おもいでエマノン 梶尾真治 徳間デュアル文庫
モザイクU 中井紀夫 徳間デュアル文庫
殺 綱淵謙錠 文春文庫 持っている気がするな。
未来世界からきた男 ブラウン 創元推理文庫 再読用
タウ・ゼロ アンダースン 創元推理文庫 どうせ持っているのだろうが。
邪神世界 半村良 ハルキ文庫
石の血脈 半村良 祥伝社文庫 再読用。

どうも最近狂ったように半村良を買っているが、一段落したら小松左京か眉村卓を買い始めるかもしれない。持っていたとしてもあまりにも昔に買っているため全然覚えていないし、読んだものも読了後処分したものも結構有るはずだからつい買ってしまう。安いからいいのだけどちょっといかんなあ。

(今日買った本:18冊 今月買った本:58冊 今年買った本:382冊)


3月11日(木)

昨日に引き続いて新刊購入。
太閤暗殺 岡田秀文 光文社文庫 「見知らぬ侍」が面白かったので買ってみました。解説によれば4月に書き下ろしで長編時代ミステリーが刊行されるとのこと。読んでみようかな。
影踏み鬼 翔田寛 双葉文庫 これも岡田秀文の「見知らぬ侍」ように表題作が小説推理新人賞受賞の時代ミステリー短編集。岡田秀文が面白かったし、東京創元社のミステリーフロンティアからも書き下ろしがでるようなので予習もかねて買ってみる。
床屋コックスの日記・馬丁粋語録 サッカレ 岩波文庫 もう20年くらい前に既読だが本が残っているか不安なので念のため買っておく。平井呈一訳。前買った復刊時はパラフィンだったが、今回はちゃんとカバー付。時代の流れだね。
富士山大噴火 鯨統一郎 講談社 迷った末購入。去年読んだ高任和夫「燃える水」もメタンハイドレートをキーにしながらも結局富士山噴火小説だったのだが、まさか本書もタイトル通りの富士山が噴火するだけの小説じゃないだろうなあ。
ミステリーズNo4 東京創元社 今回はいやに厚い。山田正紀の連載が始まっているのが創元から本を出したことがないだけに新鮮。本音としてはSFを書いて欲しいのだが。短篇では畠中恵とマキャモンが嬉しい。フラッシュバックでは山村美沙と大谷羊太郎。山村美沙は1冊も持っておらず、大谷は1冊読んでめげていたのだが、また読んでみようかという気がわいてくる好企画。まあ実際に読むかどうかは別であるが。なお次号から隔月刊のようだが大丈夫か東京創元社。
アベラシオン 篠田真由美 講談社 箱入り豪華本。600ページ以上で二段組。解説は皆川博子氏。メフィスト連載で力作のようだ。
麦撃機の飛ぶ空 神林長平 ヒヨコ舎 単行本未収録ショートショート集。考えてみれば「七胴落とし」以来読んでいない気がする。気のせいだろうか。大好きな作家だったはずなのに。

(今日買った本:7冊 今月買った本:40冊 今年買った本:364冊)

3月10日(水)

新刊文庫購入。
ハイウイングストロール 小川一水 ソノラマ文庫 そろそろなんか読まないと。読んだの「回転翼の天使」だけだからなあ。
ワイドショー 内田春菊 角川ホラー文庫 ほとんど漫画だけど。
遊動亭円木 辻原登 文春文庫 面白そうだったから衝動買い。
マンハッタン狩猟クラブ ジョン・ソール 文春文庫 『妖香』以来の翻訳かな?未訳がまだあるので今後に期待。でも他のホラー作家に比べると断然翻訳は多いけどね。本書は超自然要素の無いサスペンスらしい。
妖怪新紀行 瀬川ことび 角川ホラー文庫 「妖霊星」しか読んでいなくて今ひとつだったんだよな。瀬川貴次名義は1冊も持っていないし。

先日少し書いたけれども、「チェーンレター」はやはり折原一の別名義だったことが明らかになった。特にかくしているということも無かったようなので、業界では知られていることだったのかもしれない。今回名義を戻したのはは営業政策上の判断のようだ。

百年の恋 篠田節子 朝日文庫 (2000/2003)
年収200万円のSF翻訳家が年収800万円(たいしたことないかも)の銀行ウーマンとひょんなことから結婚し、ぶつかり合いながらお互いの生活を築いていくという物語。こう書くとちょっとした逆シンデレラ風の恋愛小説か何かのようだが、さにあらず。後書きでも書いているように女性側は思い切りデフォルメを効かせてキャラクターを作っており、とても面白い。ヒロインの理香子は美人で仕事も出来、外では完璧な女性を演じているにもかかわらず、中に入るととにかくわがままで子どものよう。仕事自体は『仕事オタク』とでもいえそうなくらい有能であるにもかかわらず、生活では自分の身の回りのことも出来ず、家事は主人公に任せきりなのだ。もっともこういう人物は結構実際にいそうで、私自身も多少そういう傾向があるのは否めないので、妙に親近感を感じてしまった。リアリティよりもエンターテイメントとしての面白さを追求した家庭小説であり、かつまた男と女の役割についてもちょっと考えさせられる。著者の本ははずれが無い。お勧め。

(今日買った本:5冊 今月買った本:33冊 今年買った本:357冊)

3月9日(火)

あわてて東京創元社にピンバッジを申し込む。前回もそうだったので、今度は早く申し込もうと思うがこれがなかなかできないんだよね。京極夏彦の豆本は『無法地帯』の二の舞を踏まないようにしなきゃ。まあ『無法地帯』はとてもあたりそうがないからあきらめもつくのだけれども。
森博嗣のノベルス合本の単行本でも豆本購入特典があるようだが、講談社は京極夏彦で味をしめた感じかな?著者のかなり熱心なファン以外には売れにくい再生産品だけど、特典をつければ他の人も買うかもしれないものね。京極夏彦の再刊単行本はさすがに豆本のために買いなおす気にはならなかったけれど、森の本に関してはノベルスを買っていないだけに少し惹かれていたりして。森は「すべてがFになる」で懲りてしまったのだけれど。

熊の敷石 堀江敏幸 講談社 (2000)
芥川賞受賞の表題作を含む「砂売りが通る」「城址にて」の3編を収録。著者はフランス文学の先生でもあるようだ。どの作品も自分と他者との関わりをテーマにしていると思う。特に表題作はプロローグの夢の場面からユダヤ人である友人との関わりを描きながら最終的にフォンテーヌの童話に流れるように繋がっており、モノクロームの淡い世界ながらかっちりとした構成を感じさせる作品だ。著者の体験が混ざっているのかどうかは不明だが、フランスという異国を舞台にして違和感無く読める。他の二編も短いながらも同様に他者との関わりを描いているのだが、短い分テーマがあまり生きていないかもしれない。なお「城址にて」は同じフランスが舞台で「砂売り」は日本が舞台である。他にどのような作品を書いているのか不勉強にして知らないのだが、エンターテイメントの読書の合間にサラダのような本書をひもとくのも悪くはない。なお先月文庫化されたばかりであるので興味のある方は文庫をどうぞ。

ちょっとだけ買い物。
ロボット文明 ロバート・シェクリー 創元推理文庫 既読。処分しているかもしれないし一応買っておく。
黄金の侏儒宮 半村良 講談社文庫
d孤狼の足跡 高原弘吉 春陽文庫 しっぱいだったなあ。
d憐れみはあとに ドナルド・E・ウェストレイク ハヤカワミステリ文庫 ポケミスだけしか持っていなかったと思ったら文庫も持ってましたとさ。

(今日買った本:4冊 今月買った本:28冊 今年買った本:352冊)

3月8日(月)

たまたま近所の本屋に売れ残っていたので見たのですが、昨日書いた角川文庫版「大江戸浮世絵暮らし」と「江戸のニューメディア」には基本的に違いが無いようです。ページ数は異なりますが、文庫版になった分、図版を組み直しているからのようです。角川文庫から刊行された高橋克彦のノンフィクションシリーズは再刊が中心のようですが面白そうですね。惹かれます。

見知らぬ侍 岡田秀文 双葉社 (2004)
小説推理新人賞を受賞した表題作以外は全て書き下ろしの短編集。「幻女夢行」「見知らぬ侍」「まぶたの父」「地獄ヶ原の仇討」「絆」の5編を収録。いずれも最後に逆転の妙味を盛り込んだミステリー色の強い時代小説という印象である。本書を含む著作4冊のうち3冊が時代ミステリーであることを考えると、目指す方向性はそっちなのかもしれない。特に本書では「絆」など織田信長の兄弟と付き人との関わりを描いた小説なのだが、ミステリーとしての面白さというよりは意外性の強い歴史小説という味わいであるから、純粋な歴史小説も書けるであろうことは想像に難くない。なお「幻女夢行」は「うつし世は夢 夜の夢こそまこと」を地で行ったような幻想小説で本書の中でも異彩を放っている。
ミステリー読者にも時代小説の読者にもお勧めできる秀作集である。


(今日買った本:0冊 今月買った本:24冊 今年買った本:348冊)

3月7日(日)

3日間とはいえ休みというのはあっという間に終わってしまうのが常ですね。購入を迷っていたドラえもん2号は、迷う前にどこにも売っておりません。小学館は嬉しい悲鳴でしょうな。

江戸のニューメディア 高橋克彦 角川書店 (1992)
浮世絵を芸術としてではなく、江戸時代の庶民の生活に密着した一つのメディアとして捕らえなおした本。やや大判でカラー図版も豊富。紹介されている浮世絵は判じ絵から新聞錦絵まで多岐にわたり、昨年10月にステーションギャラリーの「浮世絵アバンギャルド展」で見た物が意外に多く、比較的最近見たばかりということもあり非常に面白かった。本はテレビで話した内容を文章に仕立てなおしたらしく、平易でわかりやすい。推理小説、ホラー、時代小説等の幅広いエンターテイメント作家としての顔とは別の、浮世絵研究者(愛好家?)としての面が楽しめる著作。浮世絵というと東海道五十三次とかしか思い浮かばない方には、幅広い浮世絵の世界を堪能できるということでお勧めします。かく言う私も展覧会とかで見てはいてもさほど詳しいわけではないので、面白かったです。全然関係ありませんが最近高橋克彦の小説を読んでいないなあと思いついたので、近々読もうかな。
現物を未確認のため、内容の差異が確認できないのですが、角川文庫から「大江戸浮世絵暮らし」として再刊されているようです。興味のある方はそちらのほうが入手しやすいでしょう。


(今日買った本:0冊 今月買った本:24冊 今年買った本:348冊)

3月6日(土)

ビューティフル・マインド シルヴィア・ナサー 早川書房
毒味役 ピーター・エルブリング 早川書房
SFJapan Vol9 徳間書店 出ることを全く予想していなかった。大橋さんが光瀬龍、武部本一郎に関する記事を書いている。短篇は日本SF新人賞作家が多く短篇を寄せていて嬉しい。正直今のマーケットでは短篇SFを発表できる場所は非常に小さいだろうからだ。こういう機会にどんどん書いていって欲しいものである。他には火浦巧がなめてるなあと思ったのと篠原一が短篇を書いているのが驚いた。あとはインタビューも交えSF大賞を受賞した冲方丁関連記事が眼を引く。いまだにカオス・レギオン1冊しか読んでいないので他も読まなきゃね。「ばいばいアース」も持ち歩きしにくいから文庫化すればいいのにね。
イノセンス 山田正紀 徳間書店 押井守の映画の世界を使用した小説とのこと。読むのが楽しみだが、『神狩りU』はどうしたの?押井守のアニメは見てみたい気がする。
ウサギの乱 霞流一 講談社ノベルス 講談社ノベルス初登場とはちょっと意外かも。黒田研二はちょっと見送り。巻末の参考文献にデニケンとかあがっているのが怪しい。
あやめ 鰈 ひかがみ 松浦寿輝 講談社 なかなか濃そうな小説。3編からなる小説集。
イノセント 中村うさぎ 新潮社 長編。
黄昏の百合の骨 恩田陸 講談社 メフィスト連載でしたか。いい加減に新刊買って読まないうちに文庫化というサイクルから抜けなければ。

(今日買った本:8冊 今月買った本:24冊 今年買った本:348冊)

3月5日(金)

1年ぶりくらいの有給取得。一昨年交付された有給20日のうちやっと一日を取得。このまま休みを取らなければとっくに上限までいっているため、3月末日をもって19日分はパーになる。別に会社人間というわけではないのだけれど、さすがにもうちょっとは休みを取らないとアホみたいだ。ちなみに有給取得の理由はディズニーシーへ行くため。家人の購入していたチケットが来週期限だからだ。
初めて行った感想はディズニーランドより落ち着くという感じ。原色が少なくて全体にくすんだ感じであり、建物もランドに比べると現実の風景をモデルにしているのか、入場口付近は以前行った南フランスの港町を彷彿とする風景ではある。アトラクションも派手なものは少なく、遊園地というよりはテーマパーク色が強いかもしれない。入ったイタリアレストランもランドより味は良いようだ。レストランでアルコールが飲めるのも嬉しい。喫煙場所もランドに比べるとかなり多く設置されている気がするし、敷地内にホテルもあることからすると想定している入場者の年齢層は高いのだろうか。個人的には歩いているだけでも雰囲気は良く、ランドはもうすっかり飽きた感じだが、シーはまた来てもいいかもしれないと思った。ちなみに珍しく入場したらミッキーマウスとミニーマウスが園内をぶらついていた。初めて見た気がするがあの背の高さは女性だろうか。

本は買わない一日でした。

(今日買った本:5冊 今月買った本:16冊 今年買った本:340冊)

3月4日(木)

遥かなる波涛の呼び声(上) 五代ゆう 富士見ファンタジア文庫 3冊揃ってよかった。
唇のあとに続くすべてのこと 永井するみ 光文社
スピルバーグのアメージングストーリー2 スティーブン・バウアー 新潮文庫
およね平吉時穴の道行 半村良 角川文庫 既読。ダブリかもしれないけど。
幻視街 半村良 講談社文庫 多分角川文庫で読んでいると思う。目玉の表紙だった気がする。

早川文庫の「半村良コレクション」が欲しいなあ。

新世紀犯罪博覧会 新世紀「謎」倶楽部編 カッパノベルス (2001)
ジャーロに連載された過去から届いた手紙をテーマにした競作集。歌野晶午、篠田真由美、谺健二、二階堂黎人、柄刀一、小森健太郎の各氏が参加している。必ずしも他の作品を読んでいる人ばかりではないので、どの程度持ち味が出ているのかわからないのだが、テーマを決められた上で書かれた縛りの強いミステリとしては一定の水準はクリアしていると思う。集中一番面白かったのは柄刀一の「滲んだ手紙」。純粋にミステリと言えるかは微妙なところだろうが、親子の情愛を扱ったメロウな作品は一際異彩を放っており、強く印象に残る佳品である。二階堂黎人の「人間空気」は逆の意味で趣味的には一段落ちる。著者の持ち味が出ているとは思うのだが、どうもこの人のおちゃらけたような作風は性に合わない。小森健太朗「疑惑の天秤」はテキストネタのミステリーでひねりがやや印象に残る他は、歌野晶午「二十一世紀の花嫁」谺健二「くちびるNetwork21」篠田真由美「もっとも重い罰は」いずれも楽しめはするが強い印象は残らなかった。また歌野晶午自身は前後に文章を追加することによって全体をゆるい連作短篇として纏めようとしているが、特に成功しているとは思えず、短篇競作集として読んだほうが良かろうと思う。なお個人的な話になるが、同じ趣向の手紙を数年前私は親から受け取っていて、親の思いを改めて感じ、心に染みる体験であった。過去から届く手紙というのは実際の出来事としても興味深く、様々な想いを日本中にばらまいた出来事であったのだろうなと改めて感じた次第。

(今日買った本:5冊 今月買った本:16冊 今年買った本:340冊)

3月3日(水)

買い物。
山とお化けと自然界 西丸震哉 中公文庫
鉤 D・E・ウェストレイク 文春文庫
マンハッタン・オプTU 矢作俊彦 角川文庫 探しているリンゴオ・キッドもあったのだが状態が悪いのでスルー。
鈴木いづみセカンドコレクション2 SF編 文遊社 第二期4冊刊行開始らしい。SFは1冊。でも全部買うでしょう。未収録作があるが、初出が無いのが残念。「想いでのシーサイド・クラブ」はSFアドベンチャーじゃなかったっけ。
反復 アラン・ロブ=グリエ 白水社 解説をぱらぱら読んでいたら「消しゴム」を再読したくなってきました。
黄金旅風 飯嶋和一 小学館 葉山さん好みのような気がする長編。他の作品も読んでみようか。
科戸の風の天の八重雲 加門七海 ソノラマノベルス

(今日買った本:8冊 今月買った本:11冊 今年買った本:335冊)

3月2日(火)

らんぷ亭は牛丼をやめていないことに気がつく。だからなんだというわけではないけれど。

龍之介地獄変 小沢章友 新潮社 (2001)
芥川龍之介が自殺にいたる3日間を小説仕立てで描いたもの。著者が小沢章友なので単純な評伝小説になるわけは無く、思い切り幻想小説にふった作品になっている。もっとも全くの絵空事かというとそういうわけでもなさそうで、著者の芥川への思い入れが強く感じられる作品でもあるのだ。自殺の謎、作家の狂気。所詮は本人にしかわからない事柄ではあるのであろうが、著者は想像力を駆使しながら物語を創造している。特に芥川の狂気を表現するのに、視界に無数に増えつづける歯車を使ったのは迫真の描写であり非常に成功していると思う。また芥川が死の直前にドッペルゲンガーを見たという話は自分も聞いたことがあるのだが、本書もそれに習いドッペルゲンガーを登場させ思い切り暴れさせているのも面白い。本当であれば実際のエピソードと小説との差分や膨らませ方を楽しみながら読めればいいのだが、自分は芥川も漱石も太宰も大して読んでいるわけではないというかなり歪んだ読書遍歴であるため、思う存分楽しんだとは言いがたい。本書はそのあたりの『基礎教養』によっても楽しむレベルが異なってしまうような気もするのだが、有名人が登場する単純な幻想小説として読んでもそれなりに楽しめるので、興味がある方は手にとっていただきたいものである。ちなみにこの駄文を読むより篠田節子氏が本書について書評を書いているので、興味がある人はそちらをご参照されたい。

(今日買った本:0冊 今月買った本:3冊 今年買った本:327冊)

3月1日(月)

文庫本のみ購入。
想像力の地球旅行 荒俣宏 角川文庫 元版も持っている気がするのだが増補されているみたいだからまあいいや。
遭難者の夢 家族狩り第二部 天童荒太 新潮文庫 ほーら、読まないうちに2冊目が出た。
時代小説@ 新潮社編 新潮文庫 アンソロジーからの再編集で省かれている作家では小沢章友、井上祐美子、東郷隆、宮本昌孝、泡坂妻夫あたりが残念だな。

やや時間が出来てきたので、日記の更新ペースを戻したいと考えています。

今日来たメールでは東京創元社の近刊に「『復活の儀式』上下 T・E・D・クライン著/大瀧啓裕訳」があって吃驚仰天。とても売れなさそうだけど、がんばって欲しいものである。他には「『SF雑誌の歴史』 マイク・アシュリー著/牧眞司訳(KEYライブラリ)」が待ち遠しい。今月の新刊ではマイケル・スレイドの「グール」が創元ノベルスから推理文庫で復活。残りの2作も復活するかな?これは創元としては文藝春秋社に感謝ですね。


(今日買った本:3冊 今月買った本:3冊 今年買った本:327冊)