買書日記(8月)   掲示板 

8月31日
最後に今月届いた本など。
犯罪墓地 結城昌治 東都書房
SF雑誌の歴史 マイク・アシュリー 東京創元社 署名・不定期報つき
逢魔が時 中里和人 PIEBOOKS
吸血姫美夕 早見裕司 秋田書店 早見さんの本でなければ絶対買わない種類だ。
壊れるもの 福澤徹三 幻冬舎
攻殻機動隊 凍える機械 藤咲淳一徳間デュアル文庫
攻殻機動隊 虚夢回路 藤咲淳一徳間デュアル文庫
球界地図を変えた男・根本陸夫 浜田昭八・田坂貢二日経ビジネス文庫
日影丈吉全集2 国書刊行会 全部家にある本で読めるが我慢。早く追いつかないと。
稲生物怪録絵巻集成 国書刊行会 国書刊行会の梱包がいまさん。本の角が折れていたり、帯が少し破れていたり。
外人部隊 フリードリヒ・グラウザー 国書刊行会 訳者の種村氏も鬼籍に入られてしまった。
ケルベロス第五の首 ジーン・ウルフ 国書刊行会 待望のシリーズ第一弾。

(今日買った本:12冊 今月買った本:69冊 今年買った本:1003冊)

8月29日(日)

終わりそうだったので「日本の幻獣」を見に行く。川崎市民ミュージアムは久しぶり。多分手塚治虫展か藤子不二雄展あたり以来だと思う。うちから車で行けば近いのに何となく足が向かなかったのだが、もうちょっと積極的に行ってみようかと思う。
展覧会自体は閉幕前ということも合ってかわりあい盛況。内容も河童や鬼や人魚の木乃伊があり、始めて見ることもあってとても楽しめた。それにしても調べてびっくりしたのだが、妖怪関係の著作が多い湯本豪一氏は川崎市民ミュージアムの学芸員だったんですね。それは力がはいっているはずだ。ところで木乃伊やら鬼の骨やらが目白押しの別府八幡地獄の怪物館というのはどのような施設だったのでしょうか。興味津々です。それも戦災で喪われてしまったのかと思うと相当残念。
日本の幻獣展図録 個人蔵の資料も多く、好きな人にはかなり貴重なものと言えるでしょう。
途中で古本屋を発見。いきなり俗世に戻った感じ。
きみとぼくの壊れた世界 西尾維新 講談社ノベルス
洞窟 ジェイムズ・スターツ 早川文庫NV なんとなく買ってしまったが絶対持っていると思うぞ。
バベルの薫り 野阿梓 早川書房 この人の本は苦手。
少年サロメ 野阿梓 講談社 と言ってもSFだと持っておきたいと思ってしまうのだが、これはなかなか見つけられなかった本。どう考えても趣味じゃないけどね。
木野塚佐平の挑戦 樋口有介 実業之日本社
ブルー・デビル 司城志朗 講談社 新刊刊行時に迷ったのだが購入しなかったもの。
空を見上げる古い歌を口ずさむ 小路幸也 講談社 これも新刊時に迷って見合わせたもの。面白かったら今度から買うかも。
帰りに買い物でも新刊を少し買う。
ソウルドロップの幽体研究 上遠野浩平 ノンノベル この人の本はいまだに読んだことないんだけどな。
蛍 麻耶雄高 幻冬舎 新刊で買うのは初めてだけどやっぱり読んだことがない。
コンプリート・ロボット アイザック・アシモフ ソニーマガジンズ 映画化に合わせて巷にはアシモフのロボット短編集が溢れ返っているので、本書を買うのはマニアだけでしょう。解説が無いので単行本未収録については良くわからないのですが、とりあえず初訳は3編ほどあるようです。持ち歩きはしずらいけれどもやはり買っておかなくては。

鬼篭方眼妖鬼譚 真崎かや エニックスノベルス
エニックスホラーノベル大賞を受賞した著者の2冊目。といっても出たのは2年前だ。1冊目は短編集でこちらは連作集。怪奇幻想時代小説で、正直なところ本叢書の読者向けとは思えない、ライトノベルを敬遠しそうな大人が読んでも読み応えのある面白い小説だ。
怪奇時代小説が好きな人には強く薦めておきたい。惜しむらくはこのあと新作が発表されていないこと。このまま埋もれてしまうには惜しい才能なので、もっとメジャーな出版社からの大人向けの体裁での新作が望まれる。


誰も私を倒せない 伯方雪日 東京創元社
プロレステーマのミステリ連作集。スポーツ好きの私だが、プロレスは正直苦手である。というか格闘技全般にさほど興味が無いこともあるかもしれない。でも本書はプロレスに興味が無い人でも楽しめるであろう。なお連作といっても全体を通す一つのストーリーがあり、一作を見ても、全体を見ても楽しめる一粒で二度美味しい作品。背景にプロレスがあるというわけではなく、キャラクターやストーリーにプロレスが密接にかかわりあっているので、読み応えもある。文章は読みやすい。本書を読んで、多少プロレスに興味が出たことは告白しておこう。

(今日買った本:11冊 今月買った本:57冊 今年買った本:991冊)

8月25日(水)
SFマガジン10月号 ジーン・ウルフ特集。自社で出している本は絶版なのに特集。既刊の重版と完結編の翻訳くらい出せばいいのにね。
ミステリマガジン10月号 
暗い広場の上で ヒュー・ウォルポール ポケミス
熱帯 佐藤哲也 文藝春秋 書き下ろし。
百年草物語 小泉吉宏 文藝春秋 掌編集
グアルディア 仁木稔 早川書房
沙門空海、唐の国にて鬼と宴す 巻の三 徳間書店 そろそろ読み始める?
自殺自由法 戸梶圭太 中央公論社
花月夜綺譚 集英社 書き下ろし怪談競作集。

岩井志麻子と板東眞砂子の新刊が出ているが、どうにも買う気がしない。

(今日買った本:9冊 今月買った本:46冊 今年買った本:980冊)

8月22日(日)

結局ぎりぎりになって仕事は入らず池袋に乱歩展へ行こうかとも思ったが、気力が出ずに断念。それでもあがってしまった車のバッテリーだけは購入せねばならず、渋々出かける。
買い物ついでに改装された日吉の書店で本を買ってしまう。
昭和史 半藤一利 平凡社
ラブクラフトの遺産 創元推理文庫 随分前の刊行だが買い逃していたため購入。
(今日買った本:2冊 今月買った本:37冊 今年買った本:971冊)

あの橋の向こうに 戸梶圭太 実業之日本社
著者の本を読むのは2冊目。女性が主人公というのも何となく著者としては目新しいような気がするのだが、どんなものなのだろう。えげつないコミック的な面白さはあいかわらずで、場面場面が目に浮かぶ。極端にデフォルメされたキャラクターはあくが強いので、全体に漲る下品さとあいまって、不快感を覚える読者も少なくないとは思うが、私自身は世の中に綺麗な小説ばかりが必要だとも思わないので、これはこれでよいと思う。著者に合う人は何も考えずに楽しむのが宜しいでしょう。


8月21日(土)

お盆明けの新刊を購入しておく。
名探偵は最終局に謎を解く 戸松淳矩 創元推理文庫 前2冊はソノラマ版で持っているのだがいつもどおり所在が不明。最初にこれを読んじゃうか?
監獄島(上)(下) 加賀美雅之 カッパノベルス 厚いね。
偽悪天使 久美沙織 カッパノベルス 「HELP!」が面白かったし。
原罪の大聖堂 浅田靖丸 カッパノベルス
眠れない夜のための短編集 藤木凛 新潮社
ボディ・アンド・ソウル 古川日出夫 双葉社
琥珀枕 森福都 光文社

霧の家 M・L・ボムバル 新潮社
久々に古本らしい古本。昭和30年刊行。私自身は知らなかったが、著者はラテン系の作家らしい。翻訳されたのは当時、ヘップバーン主演映画の候補になっていたためらしい。内容的にはデュ・モーリア等に近いミステリータッチのロマンス小説で、特に今読まれる必要は無いように思える。主人公の住む家で、タイトルになっている「霧の家」の描写は雰囲気がある。

(今日買った本:8冊 今月買った本:35冊 今年買った本:969冊)

8月18日(水)

一休魔仏行 朝松健 カッパノベルス おっと買い逃していました。といっても全然読めていませんが。

(今日買った本:1冊 今月買った本:27冊 今年買った本:961冊)

8月15日(日)

お盆なのであまり本は出ていませんでした。買い逃しを中心に少し購入。
妖怪・妖精譚 小泉八雲 ちくま文庫
姦の忍法帖 山田風太郎 ちくま文庫
出口のない海 横山秀夫 講談社 昔出した小説の全面改稿版のようです。
ミステリーズNo6 ピンバッジは最終回。
天使は何もポケットに持っていない ダン・ファンテ 河出書房新社
鳥居の赤兵衛 泡坂妻夫 文藝春秋

(今日買った本:6冊 今月買った本:26冊 今年買った本:960冊)

HELP! 久美沙織 双葉社
「ジャーロ」に連載された長編。ミステリーというよりはミステリータッチのユーモア小説という表現がぴったりの楽しい本。架空の下九一色村で働く搾乳ヘルパーたちの出会う様々な事件。こういう本はニコニコしながら読み終えるのに限ります


8月14日(土)

1ヶ月以上ぶりに古本屋に行きました。
大いなる聴衆 永井するみ 新潮社
マーシャン・インカ イアン・ワトスン サンリオSF文庫
終わりなき負債 C・S・フォレスター 小学館
ギャングスター・レッスン 垣根涼介 徳間書店
群蝶の空 三咲光郎 文藝春秋
黄金卿 野阿梓 早川書房

(今日買った本:6冊 今月買った本:20冊 今年買った本:954冊)

8月11日(水)

小休止。地元の本屋が開いている時間に駅にたどりついたのでちょっと寄り道をしておく。なんだか仕事の愚痴と買い物のことしか書いていなくてすいません。仕事の方は世間にはもっと大変な方がたくさんいらっしゃるのは重々承知ではあるものの、自分のストレス発散のため書いてみました。
呪文字 倉阪鬼一郎 光文社文庫 袋綴じとは珍しい。
ぶたぶた日記 矢崎在美 光文社文庫
蒐集家 井上雅彦監修 光文社文庫

届いた本がありました。
のこのこ村の車たち 大海赫 偕成社

(今日買った本:4冊 今月買った本:14冊 今年買った本:948冊)
ギャングスターウォーカーズ 吉川良太郎 カッパノベルス
ミステリー誌である「ジャーロ」に連載された日本SF新人賞受賞作家の連作。タイトルも帯の惹句もとても本書の内容を表しているとは言い難い。内容的にはSF近未来アクション小説の衣を被った著者なりの都市小説。キャラクターはそれぞれに魅力的ではあるものの、基本的には主人公の少年を除くと、ストーリー(というか近未来の上海という都市)の添え物にすぎない。特に書名にもなっているギャングスターは(わざとだろうが)影が薄い。それにしても終わらせ方は「ダイターン3」かと思ったよ。こういう幕の引き方は、文学的には悪くないと思うが、エンターテイメント的にはあまりにも隠しすぎではないかとも感じた。自分がそうではないので余計に感じてしまったのかもしれないが、読み巧者でないと、少々消化不良というか、もやもや感は残ってしまうのじゃなかろうか。なお文学的なレベルは高いと思う。


どろ 山本甲士 中央公論社
読み始めて痛そうな話だなあと思ったが、途中から慣れた。著者は何か似たような出来事を経験するか見聞するかして、それをデフォルメさせてストーリーを組み立てたのだろうか。発送的にはほら話に近いテーストでいて、もしかしたら現実でもこういう事件が発生するのかもしれないという気がしてくるのは、日頃のニュースで現代人の狂気を感じているせいか。人間の理性のたががはずれる時がくるとしたら。それは他人事ではないのかもしれない。


8月8日(日)

連休のありがたみが身にしみますなあ。
昨日は本屋にいけなかったので本屋に買出し。
再生ボタン 福澤徹三 幻冬舎文庫 比較的最近元版である「幻日」を読んでいるが改稿されているということで購入しておく。律儀だね。
夢見る人の物語 ロード・ダンセイニ 河出文庫 嬉しい二冊目。既報だが帯には正式に続刊予定が載っている。
復活の地U 小川一水 早川文庫JA 
キマイラの新しい城 殊能将之 講談社ノベルス
僕たちの戦争 荻原浩 双葉社
綺譚集 津原泰水 集英社 掌編集。素晴らしい。
好き好き大好き超愛してる。 舞城王太郎 講談社 造本が凝ってますな。
本の愉しみ書棚の悩み アン・ファディマン 草思社 書物エッセイ。面白そうだったから。
百年佳約 村田喜代子 講談社 どっかで書評を見て読みたくなった。
あの薔薇を見てよ エリザベス・ボーエン ミネルヴァ書房 石井さんのところで出ているのを知りました。マージョリーも出してちょ。

(今日買った本:10冊 今月買った本:10冊 今年買った本:944冊)

8月7日(土)

なんとか18日連続勤務(しかもほぼ毎日夜中まで)のハードワークに耐え抜き、久々の休み。誘っていただいていた飲み会に参加。身体は綿のように疲れておりましたが、精神的にはかなりリフレッシュできました。
真鍋博展図録 代理購入。いくつもりだが売り切れるといやなので。

スケアクロウ マシュー・ライリー 講談社
全3冊の1巻。雑誌形式で定価を安く、部数を多く薄利多売を狙った本かな?ターゲットの読者層は若い人だろうと思われる。イラストと合体した新形式だというが、漫画家が場面を漫画のこま的に挿絵を書いたという以上のものではなく別に目新しくも無い。まだ1巻だからストーリーも途中なので評価は保留するが、ストーリー展開よりもキャラクターがメインだと思われる。


玻璃の薔薇 五代ゆう 角川ホラー文庫
著者の本は面白そうだと思って購入しているのだが、読むのは始めてである。本書はゲームのノベライズでオリジナリティがどこまで出ているのかはゲームも知らないし判定不能。ホラー文庫から出ているのでホラーなのかとおもいきや、出だしはSF調。ただしそこの部分を乗り越えて許容すると後はミステリータッチの物語が展開する。最後はまたジャンル的などんでん返しとも言える荒業に出るので、これは賛否両論があるかもしれない。やりたいことはわかるけれど、あまり成功しているとは思えず、全体のバランスが今一歩であると感じた。恐らくは著者の好みであろうガジェットが横溢していて、私自身は割と好きだが、これも読む人次第というところかもしれない。全体的に描写はうまく、比較的厚めの文庫だが飽きさせずに読ませるのはさすが。