買書日記(9月)   掲示板 

9月30日(木)

ドイル全集が届く。注文時に出した質問については葉書で訳者自らに答えを頂戴した。続刊を出すにはあと20人強らしいのでぜひ申し込みましょう。なお巻末には賛同者が載っているのだけど、石原藤夫教授や北原尚彦さん、小池滋教授の名前も見える。これはなんとかちゃんと刊行中に追いつきながら読みたいと思う。
四つの署名 ドイル全集1
クルンバーの秘密 ドイル全集2
そしてオークションでGETした探求書。
日蝕の鷹、月蝕の蛇 倉阪鬼一郎 幻想文学会出版局 まだ現役本のころ町田の高原書店でスルーして、そのまま時間がたつうち版元品切れになってしまい心底後悔していた積年の探求書。お金で解決したため安いとは言えなかったがどうしても欲しい本だったので素直に嬉しい。

ハルビン・カフェ 打海文三 徳間書店
大薮春彦賞受賞の長編。時は日本の近未来。処は福井県の架空の都市。そこではアジアから流入する中国人や韓国人、ロシア人たちが組織を作り、町を分断支配していた。犯罪が激化し、犠牲になる警官が増えるにつれ報復を是認し、犯罪組織に武力で立ち向かう『P』と呼ばれる警官テロル集団が出現した。官僚が支配する警察組織と、下級警官が構成するテロル集団との戦い。そこには一人の男の影があった。
昔で言えばポリティカルフィクションとでも呼ばれたかもしれない。著者は自ら書きたいストーリーを想像するために舞台と時代を架空のものにしたのだろう。ストーリーは錯綜し、最初は多視点で描かれているため、全体がつかみずらい。それでも読み進めるうちに隙間が埋まり、パズルのピースが集まって複雑さが解消されていくかのような快感がある。わかりにくさに関して言えばデビュー作の『灰姫』もかなり錯綜していて、ストーリーがわかりにくかった覚えがあるが、これはある意味著者の持ち味なのかもしれない。(もっとも『灰姫』よりははるかにわかりやすいが) かなりヘビーな作品でさらっと読み飛ばせる作品ではないが、読み終えた後は腹にずっしり重く残る作品でもある。架空の都市ということで舞台的にはSFに近しいものを持っているけれども、ストーリー的にはやはりミステリー色が強いため、SF系の読者からはあまり手にとられないかもしれないが、それだけで読み逃すには惜しい小説である。


(今日買った本:3冊 今月買った本:145冊 今年買った本:1145冊)

9月29日(水)

近所の書店で帰り際になんとなく児童書。
怪盗ファントム&ダークネス 藤野恵美 ジャイブ ジュニア冒険小説大賞を受賞した方。

(今日買った本:1冊 今月買った本:142冊 今年買った本:1142冊)

9月28日(火)

1冊だけ古本。
東京カーボーイ 矢作俊彦 新潮社 ここのところ集め気味の矢作俊彦。

誰も私を愛さない 樋口有介 講談社
元刑事のジャーナリスト、柚木を主人公にしたシリーズものらしい。私自身は著者の本を読むのは始めてであるが、問題なく楽しめた。ストーリーは渋谷のホテルで殺された女子高校生の事件を探ると言う展開のミステリーで、さすがに分かり易すぎて正直なところあまり意外という感じはしないのだが、一応クライマックスにサプライズを用意している。とにかく個性的なキャラクターと軽快なセリフで、快調に読み進むことができ、特に本書から登場したらしい、女性編集者が愛嬌があってなかなか良い。ネットをいろいろと探ってみるとややウェットな作風らしいのだが、確かにおおっぴらにではなくともずっと読みつづけるような根強いファンを生み出すような空気を持っている。かくいう私自身も少々恥ずかしい気もするのだが、結構気に入ってしまったことを告白しておこう。


(今日買った本:1冊 今月買った本:141冊 今年買った本:1141冊)

9月27日(月)

久々に行くブックオフ。会社から一番近いのだけど、来たのはもう半年ぶる近いかもしれない。
月的現象 佐藤弓生 沖積舎 増補された新集も出ているようだが、これは元版。
半落ち 横山秀夫 講談社
ゴールド 響堂新 幻冬舎 『混沌の脳』がいまひとつだったので、いまいち期待が薄いのだが。

(今日買った本:3冊 今月買った本:140冊 今年買った本:1140冊)

9月26日(日)

立ちすくむ時 東直己 ハルキ文庫
ハードボイルド作家のショートショート集。著者の本は読むのも初めてだし購入したのも多分初めてだと思う。最初の2編くらいを読んだときはスタンスがつかめないというか、正直なのところあまり面白くなくてどうなることかと思ったが、次第に面白くなった。SF作家ではないのでさほど発想に飛躍があるわけではないのだが、日常の風景を多少ひねってすくい上げような作風でゆるやかな落ちをつけてあるものが多い。著者らしさというような強い個性は感じなかったし、心に残るような作品集ではないけれども、心地よい一服の清涼剤としてさらっと読むには良いだろう。なお本書を読んだ時にも多少感じてしまったのだが、ハードボイルドでデビューした作家は、著作を重ねるに従って次第にセンチメンタリズムの強めな柔らかいエンターテイメントに流れていくようなイメージがある。でもこれは多分偏見なのだろう。


雑誌等買いに行くと欲しい本がたくさん。いい加減にしたほうがいいのだけど。
SFマガジン11月号 ユーモアSFショートショート特集。石川喬司の新作短篇にはびっくり。
ミステリマガジン11月号 フランスミステリ特集。
オールド・ボーイ 大石圭 角川ホラー文庫 この人もすっかりノベライズも多くやるホラー作家になってしまいましたな。
感染 塚橋一道 角川ホラー文庫 これもノベライズ。
予言 林巧 角川ホラー文庫 つのだじろうの「恐怖新聞」が原作とした映画のノベライズ。
稀人 小中千昭 角川ホラー文庫 脚本を書いた著者のノベライズ。
魔王城殺人事件 歌野晶午 講談社 ミステリーランド。今回は配本が1冊で助かった。
ニューオリンズの白デブ吸血鬼 アンドリュー・フォックス アンドリュース・プレス 知らない本だけれど吸血鬼テーマなら。面白そうだしね。
幻影のペルセポネ 黒田研二 文藝春秋
薔薇密室 皆川博子 講談社 大切に読まなくては。
バイオハザード S・D・ペリー 中公Cノベルス オリジナルストーリー
あまんじゃく 藤村いずみ 早川書房 ミステリマガジン連載だったので当初買う気があまりなかったのだが署名入りだったのでつい購入。

(今日買った本:12冊 今月買った本:137冊 今年買った本:1140冊)

9月24日(金)〜25日(土)

温泉旅行。今回訪れたのは福島県の高湯温泉にある吾妻屋。温泉は個人的に好きな白濁タイプ。硫黄分が強く、驚いたのは屋内風呂で、底に山ほど湯ノ花が溜まっている。湯船に入るときに足で踏んだときは猫でもいるのかと思っちゃったよ。料理は可も無く不可もなくという感じだが、仲居さんや女将さんも感じが良く、宿泊料金も箱根や伊豆も見習って欲しいという低料金のため総合点は高い。施設的には冬はスキー客向けになるようだが、秋も紅葉で混むらしい。東京から行くにはちょっと遠いけれどなかなか気持ちの良いお勧めの宿でした。
なお初日は出発が遅れたためちょっと福島市内をうろついたが、古本屋は発見できず。下調べが足りず反省。
翌日は奥さんの母方の田舎である米沢市を訪れる。米沢市内では上杉神社を見てブックオフと古本屋1件。古書店の方は古い本もあったが、あいにく買いたいものはなし。昼食は地元では有名な米沢牛の店黄木。肉屋も営んでいる店だけあって。特に塩で食べる極上霜降りカルビとロースは絶品であるが、二人でいろいろ食べて一万円強。東京だったら二倍以上するに違いない。いやあ、美味かったなあ。
そのまままっすぐ帰るかと思いきや嫌がる家人を説得して郡山へ寄る。てんとうふに行きたかったのである。ということでてんとうふとリサイクル系の店へ一件寄って帰宅。夜中でしかも雨が降りっぱなしでひたすら疲れるドライブであった。途中で仮眠をとったせいもあるけど、帰宅は3時過ぎ。でもさすがに夜中の首都高はすいているね。
パウラ、水泡なすもろき命 イザベル・アジェンデ 国書刊行会
一億二千万の闇 本岡類 講談社
魔界病院の怪物 新庄節美 小峰書店
魔法のぶた 司修 汐文社
SFバカ本 天然パラダイス篇 メディアファクトリー
SFバカ本 電撃ボンバー篇 メディアファクトリー
SFバカ本 黄金スパム篇 メディアファクトリー
SFバカ本 宇宙チャーハン篇 メディアファクトリー
SFバカ本 人類復活篇 メディアファクトリー 何を持っているかわからないので面倒なので一気買い。
マルコポーロと私 楠見朋彦 集英社
結婚貧乏 幻冬舎 春口裕子、森福都を含むアンソロジー。
孤冬黙示録 かんべむさし 中央公論社
ブロードウェイの自転車 矢作俊彦 光文社
ベーレンベルグの黄金 イブリン・アンソニー 二見書房
宇宙少年イオン ブロシュキェヴィチ 学研
マジカル・ミステリー・シャドー 芝田勝茂 学研
ル・ジタン ジョゼ・ジョバンニ ケイブンシャ文庫
マインドブリッジ ジョー・ホールドマン 講談社文庫
白いブランコの鎮魂曲 村瀬継弥 富士見ミステリー文庫
ブロードウェイの戦車T 矢作俊彦/司城志朗 角川文庫
舵をとり 風上に向く者 矢作俊彦 新潮文庫
ラブレターにご用心 小鷹信光編 大和書房 やっと残りは犬?
私は殺される 大下宇陀児 東方社 裸本
くちなし鬼語 大下宇陀児 浪速書房
吸血鬼は夜 恋をする 伊藤典夫編 文化出版局

(今日買った本:25冊 今月買った本:125冊 今年買った本:1128冊)

9月23日(木)

新刊を仕入れる。
雨の匂い 樋口有介 中央公論社 これで最新刊まで完集になるのかな。これだけ古本。
キャプテンフューチャー全集2 挑戦!嵐の海底都市/脅威!不死密売団 エドモンド・ハミルトン 創元推理文庫
マイク・ハマーへ伝言 矢作俊彦 角川文庫
愚か者 車谷長吉 角川書店 これまでの単行本に収録された掌編(私小説ではなく客体として自らを描いたシリーズ)を集成したもの。いままでは1冊の中でバランスをとっていたように思うが、まとめられるとどんな印象になるのか興味深い。
怪談 24の恐怖 三浦正雄編 講談社 アンソロジーピースを中心に纏められた怪談集。伊波南哲や杉村顕道とかも入っていてどういう読者を想定しているのか今ひとつわからない。
人魚の鱗 ファンタジーの宝石箱 Vol1 全日出版 産経新聞連載の作家による持ち回りの掌編集。
夜の翼 ファンタジーの宝石箱 Vol2 全日出版 産経新聞連載の作家による持ち回りの掌編集。
イマジン 清水義範 集英社 面白そうで買ってしまった。ちょっと厚いけど。
久山秀子探偵小説選T 論創社 単独著書としては初というのになんと二分冊。読んだこと無いしこれはお徳用。版元に感謝。買いつづけて良い事もあります。
七月七日 古処誠二 集英社 戦争もの。

(今日買った本:10冊 今月買った本:100冊 今年買った本:1103冊)

9月22日(水)

真鍋博展でずらりと並んだ文庫の表紙を目にして以来、なんだかクリスティーを読みたいと思う今日この頃。クリスティー文庫を買っておけばよかったかしら。今から買うのは冊数的にきついしなあ。

またamazonその他で購入。
シェルター 近藤史恵 祥伝社
哀しみ ドナルド・バーセルミ 彩流社
リンゴォ・キッドの休日 矢作俊彦 早川書房

(今日買った本:3冊 今月買った本:90冊 今年買った本:1093冊)

9月21日(火)

白い恐怖 フランシス・ビーディング ポケミス
フランスの山中に聳え立つ古城を改造した精神病院に呼ばれたコンスタンス。彼女が会ったのは丁度同じタイミングで赴任してきた医師エドワードだった。魅力あるエドワードに惹かれるコンスタンスだが、院長が不在の病院では徐々におかしなことが起き始める。 80年も前に書かれた作品で、精神病院を舞台にしたミステリーとしては古典になるのだろうか。ミステリーと言うよりはオカルト趣味が溢れた怪奇サスペンスロマンと言う感じでストーリーは進む。病院内の面々はそれなりに個性豊かだが、主人公も含め強烈なキャラクター性があるわけではない。特にヒロインは巻き込まれがたの典型でかなり主体性が無い。また最後のほうの、極限とは言え極悪非道の振る舞いを見るにつけ「おまえは本当に医者か?」と聞きたくなるような造形で困ってしまう。
今読むと古い感じはするし、本格推理と言う感じでもないけれど、精神病院が舞台でかつオカルト趣味があるということから、ちょっと毛色の変わったサスペンス作品としては楽しめるかもしれない。
なおヒッチコックの映画とはストーリー的に全くの別物。映画のほうはミステリー色がかなり強い。



薔薇船 小池真理子 早川文庫JA
午後のロマネスク 小池真理子 祥伝社文庫
コルテスの収穫(中) 矢作俊彦 光文社文庫

(今日買った本:3冊 今月買った本:87冊 今年買った本:1090冊)

9月20日(月)

出かけても本は買わない日。でも本は届いた。
林檎の木の道 樋口有介 中公文庫
ともだち 樋口有介 中公文庫
永遠の春 山口泉 河出書房新社 

夜になって本を売りに行く。特にどうということもない読み返しそうに無い最近のミステリ単行本を中心に40冊と少し。しめて1500円強という値段は、お金をもうけたいわけではないので、まあそんなところかなという感じの微妙なところではある。何にしても本を処分すると言うのは正直に言ってあまり後味の良いものではなく、どことなく落ち着かなさが心の中に残るものである。

そういえば一部で話題のドイル全集を予約した。ドイルの熱狂的なファンと言うわけではないのだが、ドイルの晩年の心霊的な方向への精神的な傾斜は興味があり、また全作品を読んでいるわけではない中途半端な読者である自分にとっては改めて読み直す良い機会になるだろうということで購入を決めました。訳者の方の熱意も感じますしね。全巻の構成と予約はエミルオンへどうぞ。
まだ100人まで40人以上の予約者が必要とのことで、興味がおありの方は購入をご検討ください。

近刊と言えば、とうとう月曜社の片山廣子(松村みね子)集成の内容予告が出ました。11月刊行か。楽しみ楽しみ。高くない高くない。

(今日買った本:3冊 今月買った本:84冊 今年買った本:1087冊)

9月19日(日)

奥さんの実家へ珍しく電車で行く。おかげで普段はいかない駅前のブックオフへ顔を出す。といっても何があったというわけではない。
聖夜の越境者 多島斗志之 講談社
ププタン 東郷隆 講談社
フローズン・ミュージック フランシス・キング 福武書店
クリプトノミコン@ ニール・スティーブンスン 早川文庫SF
ホラー公園の怪鳥 新庄節美 小峰書店
涙の川 菅野奈津 光文社
嘘のような日常 後藤明生 平凡社
モナの瞳 藤原智美 講談社
治療塔 大江健三郎 岩波書店 手持ちが状態悪かったのでね。
帰りにビデオ屋で「白い恐怖」を借りてくる。ああ、こりゃ本当に全く別の話だわい。

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 城繁幸 光文社
仕事がらみでもなく、ビジネス書など読んじまいました。ここまでは酷くないにしても、ああうちの会社と似ているなあと思う。会社の名前も似ているし。最近富士通の人とも一緒に仕事をする機会があるので、なるほどなあと感じた次第。メーカーの人は読んでもいいかもしれません。


(今日買った本:9冊 今月買った本:81冊 今年買った本:1084冊)

9月18日(土)
プロ野球のストライキ。僕が思うに近鉄とオリックスとの合併によってファンがないがしろにされることが一番問題なのだろうと思う。合併と言う選択肢は企業としてだけ見れば必ずしも間違いではないだろうが、例えばUFJと三菱銀行が合併すると言っても署名運動が起きるわけではなく、社員も反対してストライキをしないように思うので、プロ野球球団を普通の企業と同列に論じることはできないのではないか。といっても経営不振で潰れてしまっては意味がないので、プロ野球機構なりが救援策を講じるなり利益分配方式を考えるなりして野球界全体の発展を考えて欲しいものだ。

区切りで届いた本の整理。ほとんどがamazonの1clickで購入。危険なシステムである。
夢魔のレシピ レメディオス・バロ 工作舎 展覧会を見損ねたのは非常に痛い。やっぱりこの人の画集が欲しいね。
3人の名探偵のための事件 レオ・ブルース 新樹社
真夜中へもう一歩 矢作俊彦 光文社
片隅の決意 かんべむさし 双葉社
真夜中に海がやってきた スティーブ・エリクソン 筑摩書房
十一月の少女 森内俊雄 新潮社
イエティの伝言 薄井ゆうじ 小学館
レオナルドの沈黙 飛鳥部勝則 東京創元社 署名
恐怖の暗黒魔王/暗黒星大接近 エドモンド・ハミルトン 東京創元社 訳者署名。待望の全集形式での復刊。良くぞ早川は版権を手放したと思う。自分もすべてを読んでいるわけではないし、読んでから20年近いと思うので、良い機会と思い本シリーズは刊行時にちゃんと読む予定です。後書きでは福島正実に関するいささかショッキングな吐露がある。

(今日買った本:9冊 今月買った本:72冊 今年買った本:1075冊)

9月17日(金)
いつも行くルミネが10%オフなので少しがんばる。新刊をカゴでレジに持っていったのははじめてかも。
ジャーロNo17 もう出たか。既に過去の号を読むのは半分諦め気味。
ユリイカ増刊 西尾維新 ユリイカで増刊が出されるとは思ってもみなかったなあ。
逆さに咲いた薔薇 氷川透 カッパノベルス 書き下ろし。
クールトラッシュ 戸梶圭太 カッパノベルス 書き下ろし。もう単行本でしか出ないと思ってましたよ。
沙門空海 唐の国にて鬼と宴す 巻ノ四 夢枕獏 徳間書店 さて完結したので読みますか。
異界の扉 小池壮彦 学研 この人の怪異現象に対するスタンスが好きなんだよね。
ゴシックハート 高原英理 講談社
真夜中の神話 真保裕一 文藝春秋 ほとんど買ったこともないのだが、吸血鬼もののようなので。
ブルータワー 石田衣良 徳間書店 びっくりのSF。後書きでは『スターキング』なんて出てくるよ。
文学刑事サーズデイ・ネクスト2 ジャスパー・フォード ソニー・マガジンズ 1巻はどこいったんでしょうか。
男に生まれて 荒俣宏 朝日新聞社
プレイ 山口雅也 朝日新聞社

逃亡作法 東山彰良 宝島社
このミス大賞で銀賞を受賞した作品。近未来の日本。刑務所では死刑が廃止され、アイポップという脱獄禁止手段が採用されていた。そんな中娘を殺された父親たちが復讐に立ち上がり、囚人と合間見えての追跡劇が始まる。
もうちょっと逃亡劇が派手に描かれるのかと思いきや、割と地味で最初にイメージしていた作品との齟齬があり、最後まで埋められず。アイポップというほとんどギャグマンガのような発想は面白いと思ったが、サルトルやフロイドを引用する作者の語り口にもいまひとつのれなかった。これは相性の問題かもしれない。


(今日買った本:12冊 今月買った本:63冊 今年買った本:1066冊)


9月16日(木)
立ちすくむとき 東直巳 ハルキ文庫

(今日買った本:1冊 今月買った本:51冊 今年買った本:1054冊)

9月12日(日)
所沢のくすのきホールに出かける。恒例の顔合わせに参加。うさぎさん、いわいさん、川口さんに今回は松本さんと無謀松さんも登場。いろいろと話をする。今回は持ち帰れる量しか本は買いませんでした。前回購入して届いたダンボールは今だ未開封です。
まどろむベイビーキッズ 小川勝己 角川書店
歪んだ匣 永井するみ 祥伝社
エルミタージュの鼠 熊谷独 新潮社
江戸TOKYO陰陽百景 加門七海 講談社
趣向 岡本賢一 テディ文庫 出ていたのをすっかり忘れていました。趣味じゃないですけどね。
ニコチアナ 川端裕人 文藝春秋
楽園 樋口有介 角川書店 何となく集めている著者の本で、これが一番苦労しそうだったのだが運良く発見。まずは1冊くらい読まなきゃね。
則天武后 澤田瑞穂 集英社 澤田瑞穂だから買ったが、何となく持っているような気がする。
サイと一角獣 ベルトルト・ラウファー 博品社 武田雅哉訳。中国のテナガザルも買わなくては。
般若陰 大鷹不二雄 沖積舎
手紙 山本昌代 岩波書店
希望 永井するみ 文藝春秋
カタコンベ 神山裕右 講談社 乱歩賞。
麦ふみクーツェ いしいしんじ 理論社
ぐうたらテクノロジー 近藤雅樹 河出書房新社
小人の星ニュウ ウンベルト・エーコ エーコの翻訳された絵本は「爆弾と将軍」「三人の宇宙飛行士」だけだと思っていたが、こんなものを発見。銀河通信のダイジマン氏によれば北原尚彦氏も所蔵でいろいろ調べたが謎のままらしい。何かのために本の情報を書いておきましょう。

作者不詳 三津田信三 講談社ノベルス
著者の二作目。さらに厚みが増している。友人が古書店で入手した「迷宮草子」という同人誌。これに収録された短篇を読むと怪異に教われ、謎をとかないと怪異に飲み込まれてしまうことがわかる。そんなばかなと思う三津田信三であるが、否定できない事象に襲われ、友人とともに謎を解きはじめる。
構成的には短編集を含んだ長編と言う入れ子構造になっており、それぞれの短篇はミステリー、それを包含する長編はホラーと言う体裁だ。あいかわらず凝ったことをするものだと感心するが、これがジャンルのハイブリットを構成する意味でなかなか良い効果をあげている。ミステリーの部分は比較的ゆるい気がするのだが、合間にはさまれる長編のホラー部分の描写は特筆物で、この恐怖感は格別だ。著者を主人公とするメタミステリ構造も前作と共通であるが、この手の作品にありがちな出たがりのようないやらしさは比較的希薄である。最後は前作とつながりがあるようだが、ちょっと忘れていて困った。この後にまだ3冊の著作があるわけでどのようになっていくか楽しみである。読者の好悪は分かれそうだが、私は支持する。


(今日買った本:16冊 今月買った本:50冊 今年買った本:1053冊)

9月11日(土)
仕事。悔しいので本を買う。
くノ一忍法勝負 山田風太郎 ちくま文庫 ボーナストラックは絵物語第三弾。ようやく半分終わりだ。
暗黒館の殺人(上)(下) 綾辻行人 講談社ノベルス 十角館と殺人鬼しか読んでいないはずだけど。巻末の著作リストを改めて見ると、意外と著作数が少ないことを感じる。
怪人フー・マンチュー サックス・ローマー ポケミス 帯のポケミス名画座の予告では『ハスラー』と「鬼警部アイアンサイド』が目に付いた。前者はSFの邦訳もあるウォルター・テヴィスで、後者はなんとジム・トンプスンだ。
赤い水泳衣 横溝正史 出版芸術社 伝奇編、捕り物編に続いて、待望の日下編集のミステリ編。珍しい作品が多い中で「二千六百万年」が巻末に収録されているけれど、初出で違いがあるとか何か意図があるのでしょうか。私自身の横溝正史の既読は全作品どころか多分10冊に満たないと思われ、別にマニアと言うわけではないので全部読める必要もないのでしょうが、性格的な問題で続巻で未収録の残りも刊行されると良いなあと勝手に考えてしまいます。
ロング・グッドバイ 矢作俊彦 角川書店 矢作俊彦の作品を読んだの「ららら科学の子」が初めてだったのですが、かなり面白かったので購入。合わせて、本書のシリーズ前作である「リンゴォキッドの休日」と「真夜中へもう一歩」を注文してしまいました。「あじゃぱん」とか車関係の本は何冊か持っているのだけれど、入手困難なものがなければ集めてみようかしらん。
海のオベリスト C・デイリー・キング 原書房 
凶鳥の黒影 河出書房新社 企画物。大好きな作家だったはずなのに文庫版全集も途中で購入が止まってしまっているのは何故でしょう。最大の問題は「虚無への供物」をいつ読むかと言うことなんですがね。合わせて「ドグラ・マグラ」と「黒死舘殺人事件」もいつ読むのか。小栗が一番苦労しそうな気がする。

(今日買った本:8冊 今月買った本:34冊 今年買った本:1037冊)

9月9日(木)

文庫本購入。
バイオハザードU キース・R・A・デカンディード 角川ホラー文庫 牧野修のノベライズは結構面白かったけど。
火の神の熱い夏 柄刀一 光文社文庫 ちょっと短いけど書き下ろし
203号室 加門七海 光文社文庫 これも書き下ろし。
嘘猫 浅暮三文 光文社文庫 これも書き下ろし。自伝青春小説とのこと。
象られた力 飛浩隆 早川文庫JA もう1冊分はあるはずなので残りの未収録作品も文庫で出して欲しいものだ。

魔法使いになる14の方法 ダイアン・ウィン・ジョーンズ他 創元推理文庫
ピーター・ヘイニングの手によるファンタジーアンソロジー。児童文学の範疇のものからホラーまで様々な傾向のものが収められている。売りはジョーンズかもしれないけれど、他にも面白い作品がたくさんあります。気に入ったものをあげておくと、不気味な『学校奇譚』(マンリー・ウェイド・ウェルマン)、意外に怖い『さがしものの神様』(ジョーン・エイキン)、都市奇談『ダブラーズ』(ウィリアム・ハーヴィー)、長編の一部のようだがそれでも愉快な『飛行術入門』(ジャクリーン・ウィルソン)、ドラえもんの「僕の恐竜」のような『中国からきた卵』(ジョン・ウィンダム)、切れ味鋭い『お願い』(ロアルド・ダール)、これも怖い話の『わたしはドリー』(ウィリアム・F・ノーラン)、本好きにはちょっと痛い『なにか読むものを』(フィリップ・プルマン)といったあたり。初めて読んだ肝心のジョーンズはストーリーはさすがに上手いと思いましたが少々説教くさかったかも。説教臭い話は拒絶反応を感じてしまうのでね。何にしても誰が読んでも好きな話はみつかるのじゃないかというお徳用アンソロジー。ホラーというか恐怖を全面に押し出しているものも多く、ファンタジーの苦手な私でも楽しめました。お勧め

ところでヘイイニングと言えば「ディナーで殺人を」(上)(下)というアンソロジーを持っていないことがわかりましたが、絶版のようです。探さなきゃ。とほほ。

(今日買った本:5冊 今月買った本:26冊 今年買った本:1029冊)

9月7日(火)

本屋にいくが珍しく買い物なし。

グッドラック アレックス・ロビラ/フェルナンド・トリアス・デ・ペス ポプラ社
マーケティングを専門とする著者が書いた、ファンタジーの衣鉢をつぐ説教臭い寓話。何十万部も売れているようですが、これもマーケティングの勝利かもしれません。多くの読者がどういう本を望んでいるかと言う冷徹な計算の上での。他の人を否定するつもりは毛頭ありませんが、私に関してはHOW TO本と変わるところが無く本書を読んで得るものは何もありませんでした。


9月4日(土)
展覧会。『幻のロシア絵本展』はなじみの無いロシアの絵本を個人蔵のものを中心に展示したもの。イギリスの革装とか豪華な絵本と比べると対照的に軽装の紙質もあまり良いとはいえないものだが、ロシアアバンギャルドの流れを汲み、グラフィカルな楽しさに溢れたものが多い。一方ではイギリスのような彩色ものもあるが、らしさという面ではやはり前者に軍配があがるようだ。ヨーロッパにも影響を与えたようであるが、スターリンの台頭とともに空想的なもの楽しいものは粛清されてしまい、社会主義的な楽しさのない実用一点張りの絵本に駆逐されてしまったようだ。この紙質ではやはり個人蔵でないと残りにくいだろうな。復刻版が売っていて後ろ髪を引かれたが、ここは我慢のしどころ。
幻のロシア絵本1920-1930年代 図録
続いて真鍋博展に行く。図録は既に購入済みなので安心していたら会期間際。展示してあるものは馴染みのあるものも多く、楽しい。見ていて思うのは仕事の多彩さと、多さだろうか。本当にいろいろたくさんの仕事をされた方だと思う。初期の漫画があって初めて見るものも多い。ジュブナイルの著作があったことも初めて知りました。最後に見た日記には分刻みでその日の行動が書いてある。ここまでくると僕などには行き過ぎが感じられるけれど、画風と同じくかっちりとした几帳面な人だったのかもしれないですね。
八重洲で多岐川恭の新書があったので購入してしまった。肝心の探している新書自体は無いのがご愛嬌。
殺人ゲーム 多岐川恭 KKワールドフォトプレス
非常階段 多岐川恭 桃源社
乱れた関係 多岐川恭 桃源社
牝の感触 多岐川恭 桃源社
血の匂い 多岐川恭 桃源社
犯罪旅行 多岐川恭 桃源社
射殺の部屋 多岐川恭 桃源社
ブックファーストで買い物。
黄金孔雀 島田一男 ゆまに書房 次回予告は島守俊夫と園生義人とSF+αらしい。楽しみ楽しみ。
地下室の幽霊 森奈津子 学研 おーかわくんが買っていて出ていたこと知ったもの。学研の本、あんまり置いてないんだもの。ぱらぱら見るとなんとなくふつーのジュブナイルっぽい。
確信犯(上)(下) スティーブン・ホーン 早川文庫NV 家人に買わされた。
いろは歌に暗号 鯨統一郎 ノンノベル 署名に惹かれて買ってしまう。
白い果実 ジェフリー・フォード 国書刊行会 山尾悠子署名。金原瑞人が訳して山尾悠子がリライトしたという話題の本。ある意味では超訳ですね。
介護入門 モブ・ノリオ 文藝春秋 署名入りに惹かれて購入してしまう。初版でした。
ライダー定食 東直巳 柏艪社 奇妙な味?の短編集。
ネフィリム 小林泰三 角川書店

(今日買った本:17冊 今月買った本:21冊 今年買った本:1024冊)

9月3日(金)
駅のブックオフ。
歎美なわしら(上)(下) 森奈津子 フィールドワイ 下巻に新書未収録があったのだけど新刊では正直買いずらかった。
永遠の出口 森絵都 集英社
トム・ゴードンに恋した少女 スティーブン・キング 新潮社

今日を忘れた明日の僕へ 黒田研二 原書房
事故にあって以来記憶を蓄積できなくなった主人公。妻に聞くと妻の友人や自分の親友も謎の失踪を遂げていると言う。日記でなんとか記憶をつなぎとめようとする主人公であるが、なかなか上手くはいかない。夢で見るのは不気味な光景。親友の失踪と自らの事故は何か関係があるのか。毎日消えていく昨日の記憶の中で主人公は事件の謎を追っていく。
著者の本を読むのは始めてであったが、主人公の状況設定が秀逸でなかなかサスペンスフルであり、大変面白かった。最後に概ね平凡な方向へ収束していってしまうあたりはミステリーなので仕方が無いのだが、途中までの霧の中を進むような面白さがちょっとしぼんでいってしまう感じで残念だった。とはいえ、読んでいる間の面白さは充分に保証できると思う。



(今日買った本:4冊 今月買った本:11冊 今年買った本:1014冊)

9月1日(水)
呪い人形 望月諒子 集英社文庫
住宅展示場の魔女 本岡類 集英社文庫
ユリイカ 特集はっぴいえんど なかなか売れているようだ。
白バラ四姉妹殺人事件 鹿島田真希 新潮社 三島由紀夫賞候補作。
審判の日 山本弘 角川書店 短篇集。
ゴールデン・サマー ダニエル・ネイサン 東京創元社
ダンテ・クラブ マシュー・パール 新潮社 本を扱った本と言うのは欲しくなっちゃうよね。


(今日買った本:7冊 今月買った本:7冊 今年買った本:1010冊)