
平成17年3月作成
2.学校法人における管理運営制度の改善
今回の改正は、学校法人が機動的かつ安定的に運営を行って行くために、理事、監事、評議員それぞれの役割分担を明確にし、協力して運営に参画する事が出来るようにするための改正です。では、理事から順に改正の概要を見てみましょう。
理事制度の改善
(1)学校法人に理事会を置くこととし、理事会は、学校法人の業務を決し、理事の職務の執行を監督する事とした。合わせて、理事会の招集方法、議長、定足数及び議決要件について定めたこと。(第36条関係)
(2)理事長は、学校法人を代表し、その業務を総理することとしたこと。(第37条第1項関係)
(3)理事(理事業を除く)は、寄附行為の定めるところにより、学校法人を代表し、理事長を補佐して学校法人の業務を掌理すること等とするほか、民法第54条を準用しないこととしたこと。(第37条第2項及び第49条関係)
(4)理事のうちには、その選任の際現に当該学校法人の役員または職員で無いもの(以下「外部理事」という)を1名以上選任することとしたこと。ただし、最初の選任の際に外部理事として選任された理事が再任される際には、外部理事とみなされること。(第38条第5項及び第6項関係)
(5)理事の定数、任期、選任及び解任の方法並びに理事会に関する規定を必ず寄附行為に記載することとしたこと。(第30条関係)
監事制度の改善
(1)監事の職務として新たに、学校法人の業務または財産ついて、毎会計年度監査報告書を作成し、当該会計年度終了後二月以内に理事会及び評議員会に提出する事を加える他、理事会の設置に伴い所用の規定の整備を行ったこと。(第37条第3項関係)
(2)監事は、評議員会の同意を得て理事会が選任することとするほか、評議員と兼ねてはならないこととすること。(第38条第4項及び第39条関係)
(3)監事のうちには、その選任の際現に学校法人の役員または職員でない者(以下「外部監事」という)を1名以上選任することとしたこと。ただし、最初の選任の際に外部監事として選任された監事が再任される際には、外部監事とみなす事としたこと。(第38条第5項及び第6校関係)
(4)監事の定数、任期、選任及び解任の方法を必ず寄附行為に記載することとしたこと。(第30条関係)
評議員制度の改善
(1)事業計画については、理事長において予め評議員会の意見を聞かねばならないこととしたこと。(第42条第1項関係)
(2)理事長は,毎会計年度終了後二月以内に決算と共に事業の実績を評議員会に報告し、その意見を求めなければならないこととしたこと。(第46条関係)
特に今回、理事制度の改善に伴い、学校を代表する理事だけを登記事項とすることになりました。今までは、理事全員を登記していましたが、そのままにしておくと理事全員が学校を代表できる権限を持つことになってしまいます。この登記の変更は平成17年4月1日以降遅滞なく行うことになっています。
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参考・引用文献:改正私立学校法Q&A(文部科学省)、私立学校法の一部を改正する法律等の施行について(平成16年7月23日付16文科高第305号文部科学事務次官通知)
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