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27.−恵那コース−柿畑から颪・明智を経て岩村まで

  1. コース概要
  2. いざ、明智駅!
  3. 炎天下の自然舗道
  4. 岩村散策
  5. コースミニガイド

平成10年9月13日(日)

1.コース概要

前回は柿畑で公民館に泊めて頂いたので、今回はここから明智を経て岩村まで行きます。
柿畑から歩いて木根の集落に入ると黄梅院という寺があります。 この寺は寛永9年に開山された串原村唯一の曹洞宗のお寺です。
明智川を下り颪の集落から峠を越えて柏尾の集落に入ります。 上柏尾、下柏尾と二つに別れているこの集落を通る道は歴史の古い道らしく、石灯籠などが沿道に立っています。
明智の街へは千畳敷公園から入ります。 この公園はオリエンテーリングコースや野球場などの設備を整えた大きな公園で、千畳敷のくらいの広さがある所からこの名が付きました。 また、この公園の一角には明智光秀公産湯の井戸があります。
高台にある千畳敷公園から降りてくると明智の市街地です。 この街は日本大正村ということで売り出しており、大正ロマンを感じさせる建物がそこかしこに建っています。 主なものでも、おもちゃ資料館・天久資料館・逓信資料館・大正の館・大正村役場・日本大正村資料館・絵画館・大正ロマン館などがあります。 歩道は街の中心街は通らず、周囲を回るように通っています。 それでも、江戸時代そのままの建物が残る旧三宅家、大正村初代村長の高峰美枝子の銅像が建つ真新しい大正ロマン館を通り、明智城主であった遠山氏の菩提寺である龍護寺、平安時代に創建された八王子神社と、歩道は名所を通ります。
明智の街を抜けると、安住寺を経ていったん山岡町に入り、万勝寺(飯高観音)を通って岩村町へ抜けます。 岩村町にある岩村城は堅固な山城として、また女城主の城としてその名を知られた名城です。 現在の女城主は女優の渡辺美佐子さんが就任しているとのこと(もちろん観光PR用です)。 その他、岩村の城下町は江戸時代の雰囲気を味わえる町並みになっています。
今回は約22km8時間の道のりです。

Map of rute

2.いざ、明智駅!

公民館での一夜は快適でした。やっぱり、畳の上がいい! 夜早く寝たこともあって、朝は4時に目覚めました。 しかし、外がまだ暗いこともあって、シュラフの中でうつらうつらしていました。 5時前になってシュラフから出て顔を洗って荷物をまとめます。
出掛ける前に思い立ち、区長さん宛てにお礼の葉書を書きました。 もうこの地には二度と来ないかもしれません。 ここをこのまま立ち去ってしまったら、この地区の皆さんの親切に対して、お礼を言う機会が無くなってしまうかもしれません。 せめて葉書だけでもと思い、出かける前に区長さんの家のポストに投函して来ました。
さて、いよいよ今日の行程の始まりです。一晩お世話になった公民館の前で写真を撮り、荷物を背負って5:20に出発しました。 黄梅院の前まで来て自動販売機を発見。ビックルを購入し、明るくなってきた空を見上げて一気に飲み干しました。 今朝は出発が早い事もあって、朝ご飯を食べずに歩き始めたのです。 なにせ、本日行動を共にして下さる斎木さんと9時に明智駅前で約束しているので、遅れるわけにはいきません。 また、明智駅前に着いてから朝ご飯を食べても良いのです。
柿畑から颪まで、ほぼ下り坂ながらズーッと舗装路が続きます。 足にダメージはありますが、その分ペースは上がります。 木根を経て6:30に颪に到着。案内板の前で荷を下ろし、黄梅院以来の休憩を取りました。
with Mr.Saiki ここから山道が始まります。行く手にはクモの巣がたくさん張られているので、ステッキをブンブン回しながら進みます。 ステッキはこのようなケースにも役立つので、トレッキングでは手放せません。 峠を越えると畑に出てきました。 道が分からないので、丁度畑仕事に出ていたおじいさんに尋ねます。 朝早くから大荷物を背負った変な男の出現に少し驚いていたようでしたが、ホガホガッとした口調で教えてくれました。 「ご苦労さんです」とはおじいさんの弁。
下柏尾から上柏尾へ、7:30に到着。道端に座って休憩を取ります。 既に日差しがきつく、今日一日暑くなりそうな気配です。 上柏尾で左折し、しばらくして右折します。 看板が出ていて、この先が工事中である事を示しています。 そのせいか、通行車両が無く、とても歩きやすい。 しばらくして明智サーキットの看板を左手にでてきました。 路上駐車の車の中ではお兄ちゃんが寝ていました。
左折して林道へ。 過ぎに山道へ右折。 どうやら、この山道はクロスカントリーコースになっているようです。 千畳敷公園が間近に近づいた予感がします。 最後に山道を下って広場に出てきました。 だだっ広い広場に、これぞ千畳敷の広さの千畳敷公園だと確信しました。 しかし、標識が見当たらないので、取り敢えず管理棟の方へ歩いていきます。 広場に隣接した野球場では早朝野球が始まろうとしています。 それを横目で見ながら管理棟を過ぎた所で案内板を発見。 続いて標識も発見。 標識に従って公園から下っていきました。
街中に入ってきました。 かえで館という建物の前に標識があります。 指している方向がちょっとアヤフヤですが、まあ、こっちだろうといういい加減な推測の下、太い道を一旦町の中心方向へ向かいました。 しかし、おもちゃ館の前まで来て、やはりおかしいと感じました。 このままでは明智駅へ直接向かってしまうのです。 地図によるとルートは街の縁を沿っていくようにつけられています。 そこで、いったん戻り、出会ったおじいさんに伺いました。 すると、かえで館の向かいの小川に沿った小道へ入っていくとの事。 入り口も教わり、事無きを得ました。
細い道を縫って、畑の横の山道に入っていきます。 城址を示す標識を過ぎて、大きな萱葺きの旧家の前(三宅家)を通りすぎると、立派な建物が現れました。 大正浪漫館です。
斎木さんとの約束の時間が迫っているので、ここで一旦コースアウトして駅へ向かいます。 大正村役場で一休み。さすがに大正村と銘打っているだけあって、あちこちに『大正』の名を冠した大正浪漫風の施設があります。 9:00少し前に明智駅に到着しました。 駅前のベンチには斎木さんが座っており、初めてのご挨拶を交わしました。

3.炎天下の自然舗道

初めてお会いした人の前で失礼な事ですが、まずは朝ご飯のパンを頬張ります。 近くをウロウロしていた野良猫にもおすそ分けをします。 朝ご飯を急いで食べ終えて、駅でスタンプを押して、さあ出発です。
先ほど下ってきた道を再び登り、大正浪漫館に戻ってきました。 看板の前で写真を撮り、東海自然歩道を歩き始めます。 次のポイントは八王子神社。 すぐ着くはずです。 龍護寺にでると、そこに標識が。 標識には白鷹城跡と書いてあります。 それに従い坂を登ります。 次々出てくる標識に沿って歩くと、なぜか登りの山道に入っていきます。 先を進む斎木さんに付いて歩きながらどうもおかしいと思い始め、立ち止まって地図を広げました。 やはり地図でも向かっている方向が違いますし、白鷹城跡は通らないはずです。 もう一度龍護寺に戻って先ほどの標識をしげしげと眺めると、何の事はない、低木に隠れてもう一つ矢印がくっついています。 その矢印ははっきりと八王子神社を指していました。
龍護寺の境内らしき所を抜けて、八王子神社へ裏手から出てきました。 ちょっと大きなお宮なので、しっかりお参りをして先へ進みます。
朝から強かった日差しはますます厳しく照り付けてきます。 川沿いに出て橋を渡り、川と学校のフェンスに沿って歩きます。 学校では丁度運動会が開かれているようです。 お祭り好きの僕の事とて、飛び入り参加したい思いに駆られます。
しばらくして舗装路になり、田んぼを左右に見ながら延々と続きます。 強い日差しとアスファルトの照り返しのダブルパンチに、かなりへばってしまいました。 草の生い茂る道を通って安楽寺へ。 ここで休憩、お水が美味しい。 しかし、ここのベンチにはタールが塗ってあるようで、不用意に座ってお尻にくっつけてしまいました。
安楽寺を出発、裏山の山道に入っていきます。 足にやさしいだけでなく、木立が日陰を作ってくれるのでとても歩きやすい。 しかし、下りに入ってすぐに千躰仏を横目で見ながら舗装路に戻ってしまいました。 再び灼熱のアスファルトの上を延々歩く事になりました。 斎木さんの話によると、岩村までほぼ全部アスファルトの道との事。 これじゃあ、東海自然舗道です。 しかも左右が田んぼなので日陰もありません。岩村までの行程を考えると気が遠くなります。 at Iwamura station 燈篭という集落からは立派な道路が延びています。 この時点でもうバテバテです。 道路に木が覆い被さり日陰ができていたので、堪らず逃げ込み、荷を下ろします。 斎木さんには申し訳ないのですが、足がもう上がりません。 ヒィヒィ言いながら休んでいると、道を挟んで向かいの家からおじさんが出てきました。 そして、このあたりのことを話してくださいました。
さて、気を取りなおして出発です。 ゆるいピークを越えると迂回路の表示が現れました。 斎木さんのお話では本ルートも通れると思うとのことでしたが、迂回路もさしたる迂回にはならないこと、迂回路は山道でむしろ本ルートよりもよさそうな道であることから、迂回路へ入りました。 涼しくてよい道なのですが、軽い登りがあり、今の僕にはとても堪えます。
再び舗装路に戻ってほどなく飯高観音の幟が現れました。 万勝寺・飯高観音にて休憩です。 既にお昼時、お参りをして水を飲みます。僕はついでに顔を洗いました。 斎木さんがフルーツを出してくださり、ご相伴に預りました。 予定よりかなりペースダウンしています。できれば恵那まで歩きたいのですが、それも難しくなってきました。 まずはなんとしても岩村までたどり着かねばなりません。 そこから先は岩村に着いた時点で考えることにして、出発しました。
田んぼの間のアスファルトの道を進みます。先に見える小高い山は、この周辺の信仰の山・天爆山であることを斎木さんが解説してくれます。 山にはお堂があるそうです。 草むらの中の道に入り、最後に明智鉄道に沿って進みます。 ちょうど横を可愛い一両だけの列車が通りすぎて行きました。
さて、岩村駅にようやっと到着です。 ホームを通って駅の待合室で荷物を下ろしました。13:05でした。

4.岩村散策

ここで,この先へ歩を進めるか止めるか,思案のしどころです。 気持ちは歩を進めたいのですが、体はもう疲れ切っていてこれ以上歩ける自信がありません。 折角同行してくださった斎木さんには申し訳ないのですが、ここで今回の行程を切り上げることにしました。 駅の周辺には店の数が少なく、選択肢がないので、必然的に駅前の食堂にはいります。 自炊できないことはないのですが、昨日以来ずっと自炊をしてきたので、チョット豪華なものを食べたくなったのです。 冷房の効いた店内でカツ丼を注文して頬張ります。美味!
食べ終わると、店の人にお願いして荷物を置かせていただき、岩村の町へ散策に出かけました。 岩村の町は山城として、また女城主として有名な岩村城の下に発展した城下町です。 大正村で売り出している明智に対抗してということもあるのでしょうが、女城主の城下町として売りだし中です。 街並みも昔の面影を残すように心掛けているようです。 斎木さんと共に、一般公開されている昔の染物屋の家屋に入っています。 一通り見た後、僕だけ一足先に出てきて向かいの郵便局前のベンチに座って、通りから見上げる青空、目の前を通り過ぎる街行く人々を眺めながら一息つきました。 のんびりしていて実に気持ち良い。 帰りには斎木さんに教えていただいた岩村の名物・かんから餅を買って明智鉄道の車中の人になりました。
斎木さんとは恵那駅でお別れ。 別れ際に恵那の名物・栗きんとんを持たせてくれました。 最後まで心遣い頂き、本当に有難うございました。

5.コースミニガイド

guide board at Oroshi 柿畑の里には宿泊施設はありません。 交通機関は、黄梅院の辺りに来るとバス停が現れるので村営バスが有りそうです。 但し時刻表では本数はとても少なかったので、確認が必要です(串原村産業課0573-52-2111)。
さて、柿畑から颪までは、四つ角などに標識がしっかり立っているので迷う事はないでしょう。 ただし、延々アスファルトの道が続きますので、暑い時期は要注意です。 木根を過ぎると明智まで沿道に商店を見かけませんでした。 水分補給など計画的にしましょう。ジュースの販売機は黄梅院と木根にありました。
颪からは山道に入ります。車道から少し階段を登った所に案内板があります。 ここが山道の入り口です。
山道を登りきるとぽっかりと畑に出ます。 ここの出口に標識はないのですが、右へ進みましょう。 すぐに標識が出てきます。 ここから再びアスファルトの道が続きます。 上柏尾までは真っ直ぐ直進なので迷う事はありません。
上柏尾の集落を過ぎた辺りで左手に入ります。 ここにも標識はあります。 すぐに道に突き当たるのでここは右手へ進みます。 明智サーキットの看板を左手に見て進みます。 しばらくすると左手の細い道に曲がります。 少し登ると右手の山道へ少し登る形で入ります。 ここが既に千畳敷公園のオリエンテーリングコースです。 このコースの中でしたらどこを通っても千畳敷公園に通じると思いますが、ルートは左手左手と進んでいったほうです。 湧き水(と言っても少し汚れているかもしれない)のようなものが出ているところで千畳敷公園のグラウンドに出ます。
さて、西から歩いてきた方は千畳敷公園からの入り口が分かり難いと思います。 野球場の裏手の広いグラウンドの南斜面に小さな道の入り口があります。 ここがルートです。野球場の前に標識があって、いきなり次の標識がこの入り口ですからちょっと不親切な感じがします。
さて、東から来た人は、管理棟の脇を通って駐車場の方へ進むと案内板が見えます。 ここにはトイレもあります。 ここから標識に沿って街へ下ります。 街へ下りきった所で、かえで館という建物が左手に出てきたら要注意。 ここでは例外なく迷うようです。 正しいルートはかえで館の前を通る太い道を横断します。 小さな橋があり小川が流れていますので、その小川に沿った細い道を入ります。 かえで館の前の太い道につられて左に折れてしまうと明智の街中へ入ってしまいます。 ルートは街の縁をなぞるようにつけられています。 ルートをたどっている場合は、街中へははいらないように。
さて、小川沿いの細い道を進むと、人家の脇の小道をいったん丘に登ります。 そして三宅家の脇へ降りてきます。 続いて現れるのが浪漫館。 明智の街へ降りるなら、この浪漫館か八王子神社からが良いでしょう。
さて、浪漫館から八王子神社の間で竜護寺の標識はよく見て下さい。 白鷹城への標識がすぐに目に飛び込んでくるのですが、陰に隠れて八王子神社への標識があります。 ここの標識は、八王子神社、浪漫館、白鷹城と三つ又になっているわけです。
八王子神社へ出てくれば、明智の街中は終わったも同然です。 すぐに川沿い、学校のフェンス越しの道に出る事ができ、この道に沿って街中から離れていきます。 ここから岩村までは迷うような個所はありません。 ただし、ほぼ全線が舗装路なので覚悟しておいたほうが良いでしょう。 僕が歩いたときは燈篭の集落を越えて飯高観音の手前に迂回路がありました。 ここの入り口には大きな看板があり、迂回路を示しています。 ですから、迂回路であっても迷う事はないでしょう。 また、燈篭の辺りは立派な車道を作っている所ですから、今後、工事中の迂回路設定やルート変更があるかもしれません。
この区間の交通機関はなんといっても明智鉄道でしょう。 ルートで使える駅は明智駅と岩村駅です。また、山岡駅も比較的ルートに近いといえるでしょう。 宿泊施設は明智と岩村にあります。 詳細は明智町観光協会(0573-54-2111)と岩村町観光協会(0573-43-2111)にお問い合わせ下さい。

岩村ー大湫へ(恵那コース)

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