いよいよ山梨県です。これからしばらくは富士の嶺を仰ぎながらの道中です。
平野までの交通機関は前回のコースガイドを参照してください。
平野から平尾山までは上り一本の道。平尾山では富士と山中湖が望めます。
平尾山から大平山までは尾根伝いの道。大平山から忍野村へは人気の無い林の中の細い道を行きます。
忍野村へは別荘地から入ります。別荘地を抜けると観光客のための休憩所(土産物屋?)があり、ここは休憩ポイントとして使えそうです。
忍野八海へはハリモミの樹林を抜けていくコースだったのですが、現在は樹林を大回りするコースになっているようです。
忍野八海はコースから少し外れていますが、3分くらいの寄り道ですので苦になりません。
忍野八海から鐘山の滝までは林の中のさみしい道です。
鐘山の滝から富士浅間神社へは小川沿いから始まる細い道になります。
富士浅間神社から富士ビジターセンターへは舗装道路を歩く事になります。
今回は約22km8時間弱の道のりです。
丹沢踏破から4ヶ月あまりの空白を経て、再び平野に降り立ちました。
この間は、鹿児島にいったり仙丈ガ岳に登ったりアメリカ東海岸やアパラチアを徘徊したり、あっちこっちをうろついていました。
夏の間は、歩くのは暑いし、富士五湖周辺は混雑が予想されるし、東海自然歩道の歩行は意図的に休憩していたのです。
距離が進むと、現地到着が遅くなるためにどうしても歩きはじめる時間が遅くなります。
本日も朝6時に新宿を出たにもかかわらず平野でバスを下車したのは9時半でした。
平野のバス停のそばにはセブンイレブンがあります。
まずはここで、弁当と水を購入。
それから、このうらにある観光案内所のトイレでお勤めを果たし、歩きはじめました。
前回はよくわからないまま平野のバス停まで下りてきてしまいましたが、後で見直したところによるとルートは途中で横にそれていたことが判明。
今回は、その分岐点までいったん戻ってからルートに沿って歩きだします。
最初の目的地は大平山、今日もいい天気で素晴らしい眺望が期待できます。
国道413号を渡って別荘地の間を抜けると、いよいよ山道になります。
僕は無人の別荘の庭先を借りて例の如くジーンズからジャージにはき変えました。
山道はまずまずの勾配ですが、朝一番で爽やかです(ただクモの巣が邪魔ですが)。
程なく尾根に出ると、富士が雄大な姿を目前にあらわしました。
その富士に向かってしばらく歩くと平尾山の山頂に出ました。
眼下に山中湖、目前に大きな大きな富士が見える開けた山頂で、多くのハイカーが休んでいました。
僕も一息ついて、写真を撮ってもらいました。
ここからは下りになります。
平野峠を越えて、一つの山を越えると前方にカラフルなシートがたくさん広げられています。
フムフム、ここでキャンプをしたのだなと思いつつ近づくと、キャンプではなくパラグライダーのテイクオフの準備をしているところでした。
興味津々で通り過ぎます。
そこを過ぎるとすぐに大平山の山頂です。
ここも素晴らしい眺望です。先程の平尾山は山中湖を北東から見下ろす形ですが、大平山は真北から見下ろす形になります。
それだけに山中湖を手中に納めたような眺めになるのです。
大平山でも居合わせた若人二人連れに写真を撮ってもらいました。
ここの山頂は広場になっていて、4WDやオフロードバイクなら山頂まで来れるようです(事実来ていました)。
ドライブで来て朝方にここから富士を眺めると素晴らしいであろうと思います。
さて、いよいよ山を下り、忍野を目指します。
地図の上では短い距離におもえたのですが、林の中に分け入ってからが意外と長く、ようやく別荘地に出たときには既にお昼になっていました。
そろそろ昼ご飯をと思うのですが、人気のない別荘地には適当な場所がなく、結局、山中湖花の都公園のそばに出たところで弁当を広げました。
公園は日曜の好天とあって、結構な賑わいを見せています。
野原で遊びまわる家族連れを見ながら、大きな富士を最高のおかずにして、一人で弁当を食しました。
午後は、公園内にある売店のような案内所のようなところを一瞥した後、ハリモミ純林を抜けるべく歩きだします。
と言うのも、歩きながら手元で見ている地図(日地出版版「東海自然歩道1」)を見る限り、ハリモミの純林の中を通るようにルートが書いてあるからです。
しかしながら標識を探しながら歩いているうち(途中、大学生のグループに写真を撮ってくれと頼まれた)ハリモミの純林を抜けてしまいました。
そして抜けたところに車道沿いに行くように示した標識が立っています。
ここは素直に標識に従うことにしました。
後で入手した山梨県発行の地図にもウォークガイドにも、標識通りの道が書かれていたのでこのあたりもルート変更があったのかもしれません。
そんな訳で忍野八海までは、車道に沿った道になります。
道端に落ちているドングリを拾いながらの歩行になりました。
秋の気配はあちこちに出てきています。
忍野八海は、いいところだと友人から聞いていたので、少し期待をしていました。
そこで、ルートからは少しだけ外れていましたが、忍野八海にも寄ることにしました。
ところが、水はそれほどきれいではないし、川には空缶をはじめとしたゴミが落ちているし、池には鯉がわんさかと群れているし、自然という感じが全くしません。
いかにも、人手がたっぷり入ってまっせという感じです。
これには失望しました。
こんなところはそそくさ立ち去るに限ります。
忍野八海からは、ズーッと林の中を抜ける道の単独行になります。
所々に栗が落ちていて、栗拾いをしながら長い道を楽しく歩きました。
次の目標は、鐘山の滝なのですが、途中の分かれ道で標識がなく、見当をつけて歩いたところ違うところに出てしまいました。
地図で場所を確認して、車道に沿って鐘山の滝へ戻りました。
滝のたもとでもう一度地図を確認し、今度は富士浅間神社に向けて歩きだしました。
しかし、しかしです、途中まで標識に沿って歩いていたはずが、途中で標識が全くなくなり、地図を見て確認をしましたがよくわかりません。
再び見当をつけ歩きだしました。
周囲には頭を垂れた稲穂がきれいに並ぶ水田が続いています。
その間を一本のまっすぐな道がとおっており、所々にオブジェが立っているきれいな道です(後でわかったのですが、このあたりは農道公園という所のようです)。
ここを20分ほど歩いて突当りまできたときに、もう一度地図を出して確認しました。
周囲の風景や歩いたであろう距離から察するにどうやらルートから外れてしまったようです。
しかたなく、長々と来た道を鐘山の滝の付近まで戻って道を探します。
しかし、これまで分岐には必ずあった標識が全くなく、散々探した挙げ句に見当をつけ小川沿いの細い道を大きな不安を抱えたまま進むことにしました。
すると道は更に細くなり、どうやらまた間違えたと思いはじめていたら、小川沿いに続いている柵に小さくマジックで「自然歩道<-->」と書いてあるのを見つけました。
ああヨカッタと思うのと同時に、全く山梨県は不親切だと怒りがこみあげてきました。
浅間神社までは細い小道になります。しかし、神社を目前にしてまたもや道が途切れてしまいました。
今度は標識通りに来たのにもかかわらずです。
全く、ちゃんとしとけよなあと愚痴の一つもこぼしたくなります。
浅間神社は木立の中で静かに、しかし堂々とたたずんでいました。
今後の歩行の安全をお祈りして、おみくじをひきました。結果は「大吉」!
ありがたやありがたや。
浅間神社を出たのが午後4時。
もうひとふんばりでビジターセンターまで足を伸ばします。
ビジターセンターまでは国道沿いの道で、迷うこともなく5時にビジターセンターへ着きました。
既に、閉館となっていましたが、事務所に顔を出してお願いし、山梨県発行の「東海自然歩道ハイキングマップ」をもらいました。
建物の影でジーンズに履き変え、河口湖駅まで歩いて帰りました。いやはや、疲れた。
平野迄の交通機関は前回のガイドに譲ります。僕は富士急行線を使いましたが、新宿から高速バスを使う手もあります。
僕はこの手を行程を歩き終えた後に知ったので、高速バスについての情報は収拾していません。
平野から平尾山、大平山と続く道は眺めもよく、アップダウンはありますが疲れをあまり感じない道です。
大平山から忍野の山中湖花の都公園までの道が階段が長く続き眺望もよくないため、少しきつく感じます。
忍野に出てからは標識に要注意。立っている標識が少なくなります。
特に、本文中にもあった鐘山の滝周辺はポイントになる標識が無いので注意してください。
僕が富士ビジターセンターでもらった山梨県発行の「東海自然歩道ハイキングマップ」にはこのあたりのルートが拡大されて詳細に書いてありますので、歩く前に入手するとよいでしょう。
ビジターセンターや山梨県庁商工労働観光部観光課でもらうか、郵送で入手する方法もあります。
(郵便番号400 甲府市丸の内1-6-1 山梨県庁商工労働観光部観光課宛 に返信用の切手を貼った封筒同封で請求すればよい)
標識の問題さえ解決すれば、ビジターセンターまでの道は平坦で問題ありません。