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31.定光寺から弥勒山・入鹿池を経て善師野まで

  1. コース概要
  2. 雨上がりの自然歩道
  3. ノックダウン!
  4. 愛知・東濃ぐるっと一周
  5. コースミニガイド

平成11年4月11日(日)

1.コース概要

ここの所、恵那コースに御執心で本コースはぜんぜん進んでいませんでした。 恵那コースも踏破した事で、しばらくは本コースに専心できます。 昨年の初夏に定光寺まで歩いているので、今回はここから恵那コースとの分岐点近くの善師野駅を目指します。
定光寺は尾張徳川家の菩提寺として有名です。 庄内川に面したJR中央線定光寺駅を出るとすぐに玉野園地への登りに入ります。 玉野園地は遊具などが設置されているちょっとした公園といった趣の所です。 園内には御嶽神社などがあります。
御岳山を経て車道を渡り道樹山から弥勒山へと続く尾根道に入ります。 道樹山の山頂には秋葉神社があります。 東海自然歩道が通っている天竜川のほとりの秋葉山に立つ秋葉神社の由来の神社で、火防の神様です。 弥勒山の山頂には展望台があり、遠くの山並が見渡せます。
内津峠では国道19号線と中央高速をまたぎます。 遥か昔に日本武尊が蝦夷に進行した帰り道、この辺りで副将軍の建稲種命(たけいなだのみこと)が死んだと聞き、「ああうつつなるかな」と嘆いたのがこの峠の地名の由来だといわれています。
五条川沿いに下ると人工池である入鹿池に至ります。 入鹿池は広さ648万平方メートル、周囲12kmの人工農業用ため池です。 作られたのが1633年という事ですから江戸初期になります。 入鹿池の名の由来は江戸善左衛門をはじめとする入鹿六人衆により作られたとの謂れがあるからです。 沿岸には明治時代の建築・文化財を保護する目的で開村された明治村があります。
入鹿池を離れて少し登ると鞍馬教会に至ります。この教会は神社のようないでたちですが、狛犬ならぬ狛トラが門前を守っています。
尾張パークウェイと平行して歩くようになる辺に、リトルワールドがあります。 世界の民俗に触れる事のできるテーマパークですが、ルートからはちょっと外れていてその様子をうかがう事はできません。 溜め池である丸山池を過ぎると善師野駅はもうすぐです。 今回は約30km9時間の道のりです。


Map of rute


2.雨上がりの自然歩道

この週末は天気が大荒れと言う予報でした。これでは東海自然歩道歩行予定は大幅に狂ってしまうなァと思っていました。 しかし、どうしてもあきらめきれずに天気図とニラメッコしていると、どうやら日曜日には回復してくるのではないかとおもえてきました。 天気図からの天気の予想は、昔々に海の上のレーサーだった者の勘に近い知恵というところです。 天気図の話をはじめると長くなるので割愛しますが、このあやふやな天気予想をもとに土曜日の夕方6時くらいまで中止の決断を下さずに粘っていた所、午後5時半発表の名古屋地方気象台の天気予報では雨は朝の3時ごろで上がるとの予報に変更されました。 ほいきた、と早速切符の手配に行き、手早く荷物を整えて、ムーンライトながらの車中の人になったわけです。
日曜日の朝6時40分過ぎに定光寺の駅に到着。 気温は低く、少し寒く感じます。 庄内川に霧がかかり、幻想的な眺めを見せてくれます。 用を足して6時50分には歩き始めました。
雨はすっかり上がって、雲の切れ間から青空も望める天気です。 道は相当ぬかるんでいることを予想していたのですが、思ったほどでもなく快適に歩き始めました。 それでも道は滑りやすく、ゆっくりと慎重に玉川園地までの坂を登ります。 玉川園地には誰もおらず、とても静かでした。 御嶽神社にお参りし、今日の道中の安全を祈願します。
玉川園地から桧峠に下ってきます。 車道に出て少し歩くと、右手に一直線の長い長い階段が出てきました。 道樹山へはこの階段を登るのです。 ヨシッ!と気合いを入れ直し階段を登り始めました。
今回は日帰りの予定です。 もともと、定光寺から善師野までは1泊2日で考えていました。 そうすれば、入鹿池の近くにある明治村やリトルワールドに寄る時間も取れるし、行程も交通の便が良い犬山まで伸ばせるでしょう。 しかし、土曜日の天候が思わしくなかった事、そしてゴールデンウィークに岐阜の山深い道を歩いてしまいたいとの思いがあった事から、少々無理をして善師野まで一日で歩いてしまおうと考えたのです。 昨年末には恵那コースで同行した浅野さんもこの区間を一日で歩き切ってしまったとの事ですし、何とかなるだろうと考えて出てきたわけです。 今日は距離が長いとの頭があるせいか、休憩も自然と少なく、短くなります。 坂から下って来た時や、階段に登る前に休憩を入れれば良いのですが、今回に限ってはズンズン歩を進めてしまいます。
道樹山の山頂へは階段が多く、ようやくの思いで神社のある山頂に到着しました。 神社の前で休憩です。 ついでに写真を撮りました。


3.ノックダウン!

道樹山から弥勒山へ山道をたどります。 先週の御嵩から善師野のコースが舗装路ばかりだったので本当に有り難い。 やはり山道のクッションがあるせいか足は楽です。
弥勒山の山頂には展望台がありました。 ここで、今日初めてのハイカーと行き交います。 展望台からは、雨上がりで空気が澄んでいるせいか、素晴らしい展望が望めました。 鈴鹿山系から伊吹山、雪をいただいた白山、背後にはやはり雪をいただいた御嶽山と、素晴らしいパノラマがハッキリと見渡せました。 白山まで見えたのには驚きました。 そして、これから向かう伊吹山と鈴鹿山系もじっくり見る事ができました。 僕は伊吹を仰ぎ見る地に住んでいた時期があるので伊吹山はすぐに分かります。 そして、雪を頂いた御嶽山はとても雄大で美しい姿でした。
展望台を後から来たハイカーに譲りベンチで休憩します。 蝶を収集しているハイカーと少し話をしました。 綾渡や雲興寺で出会った古川さん始め、愛知県内では蝶を収集している方と何度か出逢いました。 他の地域ではどうなのか良く分かりませんが、少なくとも愛知県のアウトドアマンの間では蝶の収集はポピュラーな趣味のようです。
弥勒山から下って舗装路に出てきます。 出口の鉄の階段の脇には何故だか火の用心の幟が立っています。 ここの標識に従って舗装路を緩やかに下ります。
何やら大きな建造物が出てきました。 ごみの最終処分場です。 ルートはこの処分場の階段を下ります。 高い展望台についているような階段で道中のちょっとしたアクセントになります。 ここを過ぎるとすぐに国道19号線をまたぎます。 そして少し暗い道から中央高速にかかる陸橋に出てきます。 恵那に続いて再び中央高速を越えました。 橋の下には時速100kmほどで車がビュンビュン走っていきます。 考えてみれば、僕が一日歩いて20キロ余り、それを高速道路の車はものの15分ほどで走ってしまうのです。 いやはや文明というのはすごいものだと感心すると同時に、こんな時代に好き好んで歩いて旅をする自分も変わり者だと思うのでした。
内津峠で19号線と中央高速を越えると再び山に分け入っていきます。 そして開けた所は広大な造成地のような所。 そしてその向こうには春日井から犬山までの市街地が広がっています。 なんとも眺めの良い所を下っていきました。
造成地のT字路で東海自然歩道の標識が倒れていました。 地図で進行方向を確認した後に、標識をよっこらしょうと立てておきました。 またすぐ倒れるかもしれませんが、倒したまんま放ってはおけなかったのです。 造成地の中を通るようにして南西の隅から山道に入っていきます。
犬山・小牧市境の標識の近くの山道の交差点で中年ハイカーグループに出逢いました。 お願いして写真を撮ってもらいます。 このように人と出会ったときは写真を撮ってもらうチャンスです。 普段は、景色の良い所、人と出会ったとき、案内板の前などで写真を撮ります。 写すだけでなく自分も写真に写りたいので、ウエストポーチに入ってしまうコンパクトな三脚を持ち歩き、それにカメラをセットしてセルフタイマーで撮ります。 しかし、特に一人で撮っているときなどはセルフタイマーで写真を撮るのは気恥ずかしいものです。 そこで、カメラマンをお願いできるような方が近くにいればできるだけお願いします。 東海自然歩道では撮影ポイントで他の人と上手く行き会えない事の方が多いので、自然とセルフタイマーでの撮影が多くなります。 今回のように案内板の前で丁度よく他のハイカーと行き会えたのはラッキーな事です。
ここからは下りに入り、キャンプ場のような所に出てきました。 ここで渡るのが丸山橋。12:15でした。 ここからは入鹿池に向かって五条川に沿った舗装路を下っていきます。 そろそろ時間はお昼時です。 どこかで昼ご飯をと思うのですが、適当な所がありません。 空腹に耐え兼ねて、道の途中のベンチに座って昨夜のうちに買い込んできたパンを頬張りました。
奥入鹿橋を渡って入鹿池にでてきました。晴れているせいか、結構な人手があるようで、ひっきりなしに車が通るし、湖畔ではライダーが休憩しています。 道から池のほとりまで降りていく人もいます。 入鹿池の看板の前で僕も休憩をしました。
ここまで本当に休憩時間が少ない。 1時間以上歩いたら休憩を取るように心がけてはいるのですが、もう少しもう少しと歩いているうちにインターバルが長くなります。 また、せっかく荷を下ろしても、気持ちが急いているせいでしょうか、ほんの数分で再び歩き始めてしまいます。 しかし、この強行軍がたたってか、入鹿池を離れて登りに入るとぐっと足取りが重くなり、鞍馬山教会の鳥居の前でノックダウン状態になってしまいました。


4.愛知・東濃ぐるっと一周

ノックダウン状態を簡単に説明すると、体になかなか力が入らず、一気に疲れが襲ってくる状態です。 ま、ひもじいながらも昼飯も食っているし、少し休めば大丈夫とゴロッと石段に横になり、目を閉じました。 スウッと意識が遠のきます。 そのまま浅い眠りに入ってしまったかのようです。 10分もそのままでいたでしょうか。 薄く目を開け、木々が風にざわめく音に耳を傾けました。 さて、いつまでも寝そべっているわけにもいきません。 体を起こし、しばらく座った姿勢で体が目覚めるのを待ちます。 坂の上からMTBに乗った女性が勢いよく降りてきて、目の前を通り過ぎていきました。 通り過ぎるときに一瞬目が合い、笑顔を交わしました。 さてっ、行こうか。 気合いを入れ直して再び歩き始めます。
土木業者の採土場のような所の脇を抜け「今井みどりの少年団」の看板を見ながら今井の里に下りてきました。 今井に会った案内板は満開の桜の樹の下で絵になる風景でした。 ここで写真を一枚。
今井の集落の中には丸山池という溜め池があります。 釣り人の姿が見受けられました。
丸山池の脇を抜け、車道をくぐるトンネルを抜けます。 平谷池の側を通り、名鉄広見線が見えてきました。 本ルートを忠実に繋げるため左手に見える善師野駅へは直行せずに、白山神社の標識のあるほうへ向かいます。 標識によると、このルートは迂回路のようですが、本来のルートがどうなっているのか良く分かりませんでした。
先週に恵那コース分岐点から下ってきた道と行き当たり、そこから善師野駅に至ったのが16:15。 これで、恵那コースと本コースが結ばれて、愛知県と岐阜県の東濃地方をぐるっと一周した事になりました。 標識をはじめとした整備の良好さに感心しつづけた愛知県内ですが、いよいよ次回でお別れする事になりそうです。
2週続けて善師野駅から帰ることになりました。 お天気が回復して良かったと思いながら帰途につきました。 新幹線に乗って帰った東京の町はまだ雨模様でした。 そうだ、また選挙を棄権してしまいました。


5.コースミニガイド

定光寺駅から玉野園地へ向かう登り道の入り口にはロープが張ってあり、一見すると通行止めのようです。 ここは、車両通行止めと理解して、ロープをまたいで登り始めて下さい。
ここから道樹山山頂まで、標識もしっかりしていますし、分れ道も(たしか)ありませんし、迷う事はありません。 道樹山山頂では道が分かれていますが、標識がしっかりありますので、これにしたがって神社の裏手から弥勒山へ向かいます。
弥勒山の山頂からの眺めは素晴らしいものです。是非休憩を取ってゆっくりと眺めて下さい。 弥勒山から降りてきて車道に入ります。 そして、ごみ処理場で階段を下るわけですが、一見して自然歩道らしからぬ階段で戸惑うかもしれません。 しかし、この入り口に標識があるので、自信を持って下って下さい。
ここから造成地までは迷う事はないでしょう。 造成地では、突き当たりの標識が倒れているかもしれませんし、もしかしたら既に無いかもしれません。 ここは右に曲がって下さい。 そして、造成地の中をキョロキョロと見渡しながら進んで下さい。 左前方に次の標識が立っています。 この標識に忠実に従って、造成地の一部を突っ切るような形ですすむと山道が見えてきます。
ここからは再び標識がしっかりしているので入鹿池まで至る事ができます。 鞍馬教会へ至う坂道の入り口には標識があります。 入鹿池を過ぎたらこの標識を見落とさないように右手に注意して進んで下さい。
ここからは迷わずに名鉄広見線の踏み切りまで至る事ができます。 広見線を渡ると文中にもある通り迂回路になります。 田んぼの畦道を進むようになりますが、見通しが利くので次の標識をすぐに見つける事ができます。 愛知県は標識がしっかりしているので、特に迷いそうな所はないのです。
途中の交通機関としては内津峠の辺りにバス便(東濃バス0572-22-1231・名鉄バス0582-64-1372)があるほか、入鹿池に名鉄バスが走っています。 宿泊施設も入鹿池の付近にあるほか、犬山まで出れば幾らでも有りそうです。詳しくは、犬山市商工観光課(0568-61-1800)へお問い合わせ下さい。

善師野−三田洞弘法へ

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