Mac Clinic Tips:

Ircle3.0Jを使う

IRC & Ircle3.0 Manual

第1版:1998年11月15日

1.概論 |  2.Ircle3.0Jの使い方 |  (付録)IRCコマンド一覧

1.概論

チャットとは
チャットはリアルタイムで、1人対1人、または1人対複数の人々の間で会話をするしくみだ。
電子メールにもメーリングリストという会員間で議論が出来る仕組みがある。ただ、電子メールはファイルを送受信する仕組みなので、いちいち私書箱を開きメールをダウンロードしなければならない。きちんとした議論をするには、チャットよりも向いているが、気軽におしゃべり(チャット)するのには向いていない。
同様に、ネットニュースというパソコン通信のフォーラムに似たサービスがある。提起された話題について関心ある人は投稿ができ、それで議論がすすめるわけだが、NNTPというプロトコルの関係上、投稿をしてからそれが他人から見れるようになるには数時間から、場合によっては数日かかるのが欠点だ。じっくり議論をしたり、人のアイデアを求めるには向いているが、今すぐ情報が知りたい、ちょっとおしゃべりしたいという使い方には向いていない。
そこでチャットだ。

チャットのシステムは実は古くからあり、大学のネットワークでは日常的に使われていた。ニフティサーブのようなパソコン通信にもチャットルームというのが在り、リアルタイムチャットを行うことが出来た。しかし、これらはいずれもクローズドなネットワークのシステムだった。
一方、インターネットは無限の広がりの世界であり、さまざまなハード・ソフトが、さまざまな言語で使われている。そのために、統一の取り決め(プロトコル)が必要になる。
しかし、チャットシステムに関しては、まだ発展途上の技術であり、統一された仕組みとなっているわけではない。

インターネットで使われているチャットシステムにはいくつもの種類がある。
一つはウェッブチャットと呼ばれるもので、ホームページ上でチャットを行うものだ。専用のソフトや設定を必要としないこと、特定の話題を見つけるのが容易なことなどのメリットはあり、ビギナーにとってもとっつきやすいものだが、その仕組みの都合から時間がかかることが最大の難点だ。
それを改善したものとして、AOLのように専用のブラウザーを使い、専用の仕組みを導入することで、よりスピーディなチャットを可能にしたものもある。テーマも見つけやすい。しかし、チャットできるのは会員間に限られ、インターネットの真の価値である無限の広がりを享受することは出来ない。

IRCとは
IRCは1990頃フィンランドで考え出されたチャットのためのシステムで、その名、インターネットリレーチャット(略してIRC)が示すように、インターネット上で複数または個人間でリアルタイムの文字による会話をするために考案されたものだ。
IRCを動かすには、他のインターネットシステムと同じように、専用のサーバーソフトと専用のクライアントソフトが必要だ。ホームページを見るためには、サーバーにウェッブ(HTTP)サーバーソフトが入っていなければならないように、IRCを行うためにはサーバーにIRCサーバーソフトが入っていなければならない。現在のインターネットはホームページと電子メールが中心になったので、どこのサーバーでもこのためのソフトが入っている。しかし、IRCはまだそれほど一般的ではないので、IRCサーバーソフトが入っているサーバー、IRCサーバーは限られている。IRCチャットを行うためには、ともかく、いずれかのIRCサーバーに接続しなければならない。
IRCの最大の特徴は、スピードが速いことである。タイプする速度が速ければ、ほとんどしゃべっているのと同じくらいの速度で会話が楽しめる。
しかし、もともとがUnixというコンピュータの専門家のためのシステムで開発されたので、コマンド入力をベースにした、一般の人にはとっつきにくいシステムになっている。

一般のユーザーがホームページを見るためにはウェッブブラウザー、電子メールを送受信するには電子メールソフトが必要なように、IRCチャットを行うにはIRCクライアントソフトと呼ばれるソフトが必要だ。
IRCは決して簡単な仕組みではない。これがIRCの一般への普及を阻害している。かつて、パソコン通信を行うには、非常に単純なターミナルソフトがあればよかった。全てをコマンドで打ち込んでいくわけだが、やがてニフティ・マネージャのようなものが出来て、非常に使いやすくなった。これと同様に、IRCクライアントソフトの使いやすさが、今後のIRCの普及の鍵を握っているとも言えよう。

ICQとの違いは?
ここで、最近話題になっているICQについてちょっと触れておこう。
ICQは一般にはインターネットチャットシステムと考えられているが、チャットはその中の一つの機能に過ぎない。
IRCが世界中にIRCサーバーを持ちそれらがリンクしているのに対し、ICQは一つお会社(Milabilus社で、最近AOLに買収された)のサーバーを使う。ここに世界中からアクセスするわけだ。
ICQのチャットシステムは独自のプロトコルによるもので、非常に高速だ。
IRCもICQも管理者がいるわけではなく、その運用がユーザーに任されているという点においては同じなのだが、IRCが玄人向けのシステムであるのに対し、ICQは初心者でも分かりやすいインターフェースが基本となっている点が大きく異なる。IRCは開放されすぎていて、無秩序、混乱が起きやすいシステムだが、ICQはある程度限られた世界を形成するので、安心感がある。
無限の広がりや冒険を求めるのであればIRC、特定の人々とチャットをするシステムが欲しいというのであれば、ICQが向いているといえるだろう。

Ircleとは
もともと、IRCはUnix上で開発されたシステムだったため、クライアントソフトもUnix用しかなかった。その後、多くの人の努力でパソコン用のクライアントソフトが開発された。
しかし、残念ながら、Mac用のIRCクライアントソフトの開発はあまり多くなかった。これはもちろん、Macのシェアによるところが大きいわけだが、もう一つ要因があった。
IRCがフィンランドで開発されたシステムであったため、IRCそのものの普及が一番進んでいるのは北欧やドイツと行った欧州だ。現在では、アメリカや日本でも少しづつ普及しているが、依然として熱心なのは欧州だ。チャンネルリストでチャンネルを調べてみると、フィンランド語、ドイツ語、ブラジル語(ポルトガル語)のトピックスが多いのに驚かされる。
ICRクライアントソフトは欧州での開発が主流なのだが、残念ながら欧州でのMacのシェアは高くない。それが結果として、Mac用のIRCクライアントソフトの開発を遅らせてきたと言えるだろう。

ウィンドウズの普及にともない、ウィンドウズ用のIRCクライアントソフトの開発は進んだ。ユーザーインターフェースが優れたWoolChatといったものがあり、これにより、ウィンドウズユーザーの間ではIRCが非常に普及するようになった。しかし、Mac用のIRCクライアントソフトとなると種類も少なく、使いやすいものも無かった。また日本での開発が進まないため、Macが普及している日本でも、MacユーザーはIRCからは無縁という状態になっていた。

Ircle(アイ・アール・クル)は1992年7月オランダのOlaf Titz氏によって開発が開始されたものだ。最終のバージョンは1.5.6で、95年には1.5.1をベースに日本語版ircle-j 1.5.1a2が発表されている。
1994年からは同じオランダのOnno R. Tijdgat氏がそのコンセプトを引き継ぎ、インターフェースや機能の改良を行った。最新バージョンは1998年11月2日にリリースされたIrlce3.0.1はである。日本語版の開発は私、ハリー小野が担当し、同じく11月にリリースする運びである。

IrcleはMacライクなユーザーインターフェースを持ちながら、非常に複雑なIRCのオペレーションをなるべくユーザーの目に見えないところで行うように工夫されている。
しかし、IRC独特の言葉も多く、ある程度使いこなしには時間が必要だ。
日本語版の完成により、日本のユーザーにとってはIRCがかなり取っつきやすいものになってくれるものと期待している。そして、より多くのMacユーザーがチャットの楽しみを味わってくれることを願っている。


2. Ircle3.0Jの使い方

ここでは、日本語版のIrcle3.0J(バージョン3.0.2)をベースに説明をする。英語版でも日本語のチャットは行えるので、英語版を使用されても構わない。

Ircle3.0のアイコンをダブルクリックする。初期設定ではたくさんの画面がスクリーンをうずめ尽くしてちょっと戸惑うかもしれない。

メニューの「ウィンドウ」を見るとたくさんのウィンドウが並んでいる。これでウィンドウの出し入れを行う。出ているウィンドウについてはクローズボックスをクリックしてもよい。

書式の設定
Ircleの接続を開始する前に、やっておかなければならないことがある。それは書式の設定だ。
これはコンソールやチャンネルウィンドウで表示するテキストの書式を設定する。
Ircleの初期設定では英文字となっているので、このままでは日本語が表示できない。
したがって、「書式」メニューの「フォント」で日本語フォント(一般的にはOsaka)を選択する。フォントの大きさも好みに合わせて選択するとよいだろう。

環境設定
ファイルメニューに「環境設定」があるので開いてみよう。膨大な見出しがあり、それぞれの画面で設定できる項目があまりに多いので、驚いてしまうかもしれない。
まずは初期設定状態のままでよい。細かな設定については、後で説明する。
しかし、日本語でチャットを行うために絶対必要な設定がある。
それは「テキスト」画面の設定だ。



右上にある、テキストエンコードの「日本語(SJIS/JIS)」チェックを必ず行うこと。これがチェックされていないと、日本語のチャットが全て文字化けしてしまい、読むことが出来ない。
他の部分は、そのままでよい。

ついでに、少しだけ他の環境設定でアドバイスをしておこう。
これは「カラー」設定だ。




IRCサーバーに接続してみれば分かるが、コンソールウィンドウに表示される色には色々な色がついている。コンソールで表示されるメッセージは、こちらから発信したもの、サーバーからのメッセージ、チャットの場合はユーザーからのメッセージと色々なものが入り乱れる。このテキストに色を付けることで、それが容易に識別できるようにしたものだ。
あらかじめ設定されているので、一般には何もしなくてよい。Ircleを使い込んでくると、気に入らない色が出てくるかもしれない。その時は、カラー部分をクリックするとカラーピッカー画面になるので、自分の好みの色を選択すればよい。
これらは実際のチャットを行うチャンネルウィンドウでも適用される。
また左下のユーザーリストは、色でユーザーのステータスを表示するものだ。ユーザーステータスについては後で述べるが、赤字のユーザーはそのチャンネルの常連、黒字のユーザーはゲストというようなことが識別しやすくなる。

最後に「その他」もちょっと見てみよう。



下の方に、「〜をコンソールへ」という選択が並んでいるが、初期のIrcleでは全ての表示はコンソールで行っていた。したがって、サーバーの通知がチャットの中に入ってきたり、複数のチャンネルでチャットをする場合は、それが一つのコンソールに表示されるために非常に分かりにくいものだった。しかし、Ircle3.0では、チャットはそれぞれ独立したチャンネルウィンドウで行われ、複数のチャンネルに参加している場合は、複数のウィンドウが開かれる。サーバーメッセージだけがコンソールに表示されるようになり、非常に使いやすくなった。しかし、上級ユーザーの場合は、反対に全てコンソールでやり取りしたほうがやりやすいという人もおり、このようなオプション設定が用意されている。
しかし、一般のユーザーの場合は、チャンネルウィンドウでやるほうが、分かりやすく、この画面の設定は、初期値のままにしておくのがよい。

さあ、接続してみよう

1)IRCサーバーを設定する
「接続」ウィンドウのを開くと、そこに10のサーバーがリストされている。これはIrcleがあらかじめ設定していたIRCサーバーだ。ニックネームは全てircleuserとなっているが、これはまだニックネームが未設定ということだ。
IRCサーバーは全世界に3000程あるが、これらはお互いにつながっており、一つの大きなIRCサーバーを形成している。従って、原則としてはどこのサーバーに接続しても、同じチャンネルにアクセスするることが出来る。従って、「接続」ウィンドウのいずれかのサーバーを選択するだけでもよい。ただ、一つのサーバーに接続できるユーザーの数が制限されていること(例えばirc.tokyo.wide.ad.jpの場合は最大4000ユーザー)、それぞれのサーバーへのアクセスの負荷を平準化するため、なるべく自分の近くのサーバーに接続することが推奨されている。日本の代表的なIRCサーバーとしては以下のものがある。この中の一部は「接続」ウィンドウの初期設定に入っている。

(1998年11月現在)
IRC サーバー名 別名近い地域IPアドレス
akiu.gw.tohoku.ac.jp (irc.tohoku.ac.jp) 東北[131.206.1.101]
irc.kyutech.ac.jp(irc.kyutech.ac.jp) 九州 [131.206.1.101]
irc.tokyo.wide.ad.jp(irc.tokyo.wide.ad.jp)関東[203.178.136.51]
irc.kyoto.wide.ad.jp(irc.kyoto.wide.ad.jp) 関西[203.178.136.50]
wsclark.huie.hokudai.ac.jp(irc.huie.hokudai.ac.jp)北海道[133.50.16.80]
race-server.race.u-tokyo.ac.jp(irc.race.u-tokyo.ac.jp)東京[157.82.76.2]
irc.rcac.tdi.co.jp(irc.rcac.tdi.co.jp)[202.249.17.19]
irc.dti.ne.jp(irc.dti.ne.jp)東京[202.216.224.238]
irc.karrn.ad.jp(irc.karrn.ad.jp)福岡[192.50.15.25]


自分が住んでいる地域のサーバーがない場合は、新たに設定することになる。また、サーバーによっては、グローバルに解放されておらず、そのサーバーないだけで運営されているものがある。プロバイダが持っているIRCサーバーには会員しかアクセスできないものもある。そのような場合は、特定のサーバーを指定する必要がある。これらのサーバーは追加設定することができる。

「接続」ウィンドウの「サーバー」ボタンを押すと、「サーバーリスト」が現れる。



ここには約200の世界中のIRCサーバーが既に登録されている。その多くは欧米のものだ。このなかから適当なものを選択しても良いが、日本のサーバーのほとんどは、登録されていないので、新規に登録の方法を説明しよう。
この画面で「加える...」ボタンを押すと、サーバー設定画面になる。



前記の表の中から自分の地域に近いサーバー名を記入しよう。
ポート番号というのは、サーバーに接続する時の内線番号のようなもので、IRCの標準のポート番号は6667と決められているので、特にサーバーからの指示が無いかぎりは6667としておく。必要ならば、そのサーバーに接続したとき、指示があるはずだ。
上記のように記入し、OKを押すと、リストの中に「irc.tokyo.wide.ad.jp」が加えられる。これを選択して「選択」ボタンを押す。そうすると、「接続」ウィンドウに戻り、今登録したサーバーが掲載されていることが確認できる。

2)新しい接続設定を行う
このままでは、まだニックネームがircuserのままだ。サーバーに接続するためには、かならず自分のニックネームを設定しなければならない。
「設定」ウィンドウで、これから接続したいサーバーを選択した状態で、「編集...」ボタンを押す。すると、接続設定画面が現れる。



ここには「あなたの個人情報」「Autoexec」「その他/TCP」の3つの見出しがあるが、必要なのは「あなたの個人情報」だ。ここでニックネーム、本当の名前、パスワード、個人情報を記入する。これらが、そのサーバー(ここではirc.tokyo.wide.ad.jp)に接続したときのあなたの属性になる。
このほかいくつかのオプション設定が出来るが、「特定の人以外からは見えなくする」だけはチェックしておいたほうがよいかもしれない。
これは、チャンネルに参加している人以外からは自分の存在を見えなくするというものだ。IRCには特定のユーザーを探す機能がある。ストーカーが目標とするユーザーのニックネームを知っている場合、同じチャンネルに入っていなくても、同じサーバー上であれば探すことが出来るのだ。それを防ぐのが、この設定だ。チャンネル内のユーザーからも隠れるのではない。

これらの設定が終わったら、OKを押して、「接続」画面に戻る。
すると、ニックネームとサーバーが新たに設定されていることが分かる。ここには最大10のサーバーまでしか登録できないが、現実的にはそれで十分である。
ニックネームは接続するサーバーごとで変えることが出来る。同じサーバーで複数のニックネームを設定することも出来る。それぞれの項目でソートが出来る。
このウィンドウの「ステータス」欄には、接続の状況が表示される。



3)サーバに接続する
まず、一般的な方法で、あなたのプロバイダに接続し、インターネットが使える状態にする。
次に、「接続」ウィンドウで接続したいサーバを選択状態にし、「接続」ボタンを押すと接続が開始される。複数のサーバーと同時に接続することも可能である。
接続されているサーバーはステータス欄の表示が右のようになる。
常に一つのサーバーにしか接続しないのであれば、この「接続」ウィンドウは閉じ、「ファイル」メニューで「接続を開く」を選択してもよい。

即座に、サーバーに接続が開始される。





黒文字は接続までの手順を示している。認証が完了すると、今度はサーバーからのメッセージが表示される。青字になるので、分かりやすい。この内容はサーバーのオペレーターからの一般的な注意や、海外のサーバーでは宣伝なども入っているが、チャットには直接関係ないので、無視しても構わない。
最後に、
***通知リスト:myusres
まできたら、サーバーの操作が可能になる。


4)コマンドメニューを使う
Ircleは本来コマンドベースのシステムだ。
スクリーンの下に入力ウィンドウがあるが、ここに色々なコマンド打ち込むことでサーバーを操作する。
例えば、チャンネルリストが欲しい場合は、
/list
チャンネルに参加したい場合は
/join #チャンネルname
といった具合だ。
コマンドを使った操作については「より上級の使い方:コマンド操作」を見てほしい。
しかし、これではユーザーは大量のコマンドを覚えなければならないし、いちいちタイプするのも大変だ。ということで、Ircleはその大半をメニューか、ダイアログボタン操作で行えるようにしている。
「コマンド」メニューには代表的なコマンドがメニュー化されている。(かっこ内は対応するコマンド)

5)チャンネルリストを要求する
初めて、IRCをやる場合、どんなチャンネルがあるかは分からない。従って、手当たり次第に、チャンネルに参加してみるのがよい。別に何も話さなくてもよい。ただどんなことが行われているかを見るだけでもいいのだ。
しかし、そのためにはチャンネルの存在を知らなければならない。
そのためには、チャンネルのリストを出すのがよい。
「コマンド」メニューで「チャンネルリスト」を選択するとチャンネルリスト設定画面が開く。
ここはとりあえずこのまま、OKボタンを押すと、リストのの作成が始まる。「チャンネルリスト」があらかじめ開かれていない場合は、自動的に開く。



プログレシブバーが動いている間はリストが作成されていることを示している。
リストは固定したものではなく、その時点で開設されているチャンネルがリストアップされるだけなので、毎回違うものになる。昼間は数が少なくても、深夜になると数が増える。代替は1000以上のチャンネルがあるので、取得には時間がかかる。
日本のサーバー(irc.tokyo.wide.ad.jpなど)では、時間制限があり、途中で接続が切れてしまうのが一般的だ。
この場合は、リストアップしたいチャンネルに制限を加え、表示される数を少なくしなければならない。
以下にチャンネルリストウィンドウの項目を説明する。

6)リストを制限する
先程は、チャンネルリスト設定画面で、何の設定も行わなかったが、より詳しい設定を行うことで、表示するリストを制限し、途中で切断することなく、リストを作らせることが出来る。



チャンネルにはいくつかの種類が在り、まずその制限をする。
●ローカルチャンネル:同じドメインにしか開放していないチャンネル。頭に&がつく。
●グローバルチャンネル:世界中どこからでもアクセス可能なチャンネル。#が頭につく。一般のチャンネルはこれ。
●プライベートチャンネル:特定のユーザーにだけ限定されたチャンネル。
●パブリックチャンネル:ユーザー制限のないチャンネル。
後は数を絞るためのもの。
●トピック付き:基本的にトピックは書かれているので、ここをチェックしてもしなくても変わりない。
●最小ユーザー数:これが一番効果がある。一人のチャンネルが非常に多いので、ここを10人程度で制限すると、極端に少なくなる。それでも、多くてリストアップ途中でサーバが切断されてしまう場合は、この数を少しづつ増やしてみるのがよい。
●次と一致したもの:特定の単語を含むチャンネルを検索する。macという単語が含まれるトピックスを検索したい場合は、「*mac*」のようにワイルドカードを使うとよい。

7)チャンネルに参加する
さあ、チャットルームに入ろう。IRCではこれをチャンネルに参加するという。
チャンネルリストを作成した場合は、自分が参加したいチャンネルを選択し、「参加」のボタンを押す。そうすると、チャンネルウィンドウが開かれる。
あらかじめ参加したいチャンネル名が分かっている場合は、「コマンド」メニューの「チャンネルに参加する」を選択する。
すると下の画面が現れる。



接続は、現在接続をしているサーバーが表示される。
次のチャンネルで指定のチャンネル名を記入する。「#」等の記号もちゃんと入れる。
「最も頻繁に使用されるチャンネル」ボップアップメニューには最近使ったチャンネル名が記憶されているので、これを選択してもよい。
すると、チャンネルウィンドウが開く。



8)ユーザーリスト
チャンネルウィンドウと同時にユーザーリストウィンドウに情報が入る。



ウィンドウタイトルには、チャンネル名とそのチャンネルに現在参加しているユーザーの数が表示される。ユーザー数が表示されない場合は、ウィンドウの幅を広げてみるとよい。
ウィンドウ内にはニックネーム、I、F、ホスト名がリストアップされる。
赤字で表示されているユーザーはオペレータの資格をもったユーザーだ。
ホスト名には、各人の「本当の名前@プロバイダ名」が表示される。「個人情報設定」画面で説明したように、本当の名前を名乗っている人は少ないので、あまりこの情報の価値はない。
チャットをしているだけらならば、このリストを操作することはないが、自分がオペレータとなった場合は、色々な操作をすることで、チャットを運営することが出来るようになる。
リスト内でユーザーを選び、下のボタンを押すことで操作する。



ボタンの上にあるのが切り替えスイッチだ。これは自分がオペレータレベルにある場合にだけ使えるもので、より細かなチャットモードの設定を可能にする。上にするとオン(+)、下にするとオフ(-)になる。
tチャンネルオペレータだけがトピックスを設定できる
n 外部のチャンネルからはメッセージを受け付けない
i 招待者のみのチャンネルモード
pプライベートチャンネルモード
sシークレットチャンネルモード
m調停型チャンネル。一人が司会者になり、発言者を指定しながら会議を進めていく。
l # チャンネルのユーザー数を#人に制限する
k key チャンネルパスワードを設定する

これらの操作は、コマンドを覚えれば入力ウィンドウからでもできる。

9)チャットウィンドウ
下がチャットウィンドウだ。
IRCでは同時に10のチャンネルを開くことが出来、チャンネルの数ほど、このウィンドウが開かれる。従って、Ircleではこれをチャンネルウィンドウをと呼んでいる。チャンネル名はタイトルバーに、下のステータスバーにはそのチャンネルに関する情報が表示される。



複数のチャンネルを開いている場合、ウィンドウの並べ方を工夫しないと同時にチャットするのは難しい。Ircle3.0では3つのオプションが用意されている。これは「ウィンドウ」メニューで選択する。「タイル状」とは、全部のチャンネルを同時に見れる状態。大きなディスプレイが必要だ。小さなディスプレイでは「重ねる」を選択するしかない。タイトルだけがずれて重ねられるので、これを切り替えながら見ていくことになる。コンソールを重視したい場合は、「チャンネル+コンソールをタイルに」を選ぶ。

チャンネルウィンドウには、基本的には「ユーザーニックネーム:メッセージ」が並べられるが、上記の例のように、各ユーザーのモードの切り替えや、個人情報、誰が新たに加わり誰が途中で退席したか等の情報も記述される。「カラー」設定画面でカラーを設定しておけば、チャットと管理情報が識別されるので、見やすくなる。

10)チャットに加わる
チャンネルに加わるは、単に人々が会話をしている同じ部屋に入ったに過ぎない。全ての会話はチャンネルウィンドウに表示されので、しばらくはその会話を見ているのがよい。そうすれば、このチャンネルにはどういう人が集まっていて、何を話題にしているかが分かるようになってくる。
また、チャットには特有のルールやしきたり、また速くタイプするための独特の言い回しや省略形があり、それを守らないと非難されたりすることもあるので、しばらくは見るだけにしておいたほうがよい。英語のチャットに参加するのは、普通の会話以上に言葉が短いので、かなり慣れが必要だ。

しかし、チャットに加わること自体は何の手続きもいらない。
もしかしたら、ユーザー達から、参加を求められるかもしれない。その時は、入力ウィンドウにテキストを打ち込んでみようそしてリターンを押せば、即時にサーバに送られ、チャンネルウィンドウに表示される。



テキストを太字にしたり色を付けて注意を喚起することも出来る。
テキストの量に制限があるわけではなく、このウィンドウもいくらでも拡大することが出来る。しかし、効果的なチャットでは、文章はなるべく短く、すなわち、このウィンドウに入るくらいの短さにしておいたほうがよい。そうしないと、テキストの入力に手間取っている間に、他のユーザーがどんどん話しをしてしまい、チャットがつながらなくなってしまうからだ。

11)チャットを終了する
各チャンネルのチャットを終了するには、一応別れの挨拶を言ってから、チャンネルウィンドウを閉じればよい。
この状態ではまだ、サーバーには接続されているので、サーバーからも離れたい場合は、サーバーが一つだけの場合は、「ファイル」メニューの「サーバーを切断する」を選び、複数のサーバーと接続していて、一つだけを切断する場合は、「接続」ウィンドウでサーバーを選んでから、「切断」ボタンを押せばよい。


(C)1998 Harry Ono
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