Mac Clinic Tips:

MacOS7.6および7.6.1のトラブル

第1次報告:1997.7.4.編集


MacOS7.6および7.6.1にアップデートされた方からいろいろなトラブルの報告が届いています。
当クリニックの環境ではどれも再現できないものばかりであり、一部のマシン、一部のソフト環境で発生するものと考えられますが、まだ症例が少なく、原因を解明するには至っていません。
とりあえず、症状を列記しますので、私も同じ症状にあっている、私の環境ではそれは出ない、私もその症状が出たが自己治療したという方がいましたらレポートをお願いします。

現在の問題は、
1)MacOS7.6では起きるが7.6.1にすれば解決する問題
2)MacOS7.6でも7.6.1でも起きる問題
3)MacOS7.6では起きないが7.6.1にしたら起きる問題

1)についてはMacOS7.6にはいくつかのバグがあり、7.6.1アップデートで解消されています。
2)については基本的に7.6の潜在的な問題か、7.6をインストールしたときに初期設定が変わったり、後で入れた古い機能拡張ファイルとのコンフリクトが原因です。
3)これは非常に原因究明が難しいのですが、7.6.1アップデータで一部の機能拡張ファイルがアップデートされたことによるのではないかと考えています。

症例

症状1:MacOS7.6がそもそもインストールできない

MacOS7.6のCD-ROMからインストールしようとすると、あなたの機種はできません、というメッセージがでるものです。
また、CD-ROMから起動すると、文字化けをして全然読めないという症状も出ています。

そもそもMacOS7.6は全てのMacならびにMac互換機に対応しているわけではなく、対応していない機種があるので注意が必要です。
68Kの場合は68040でなければなりません。
PowerPCでも新しく出た、PowerMac7300/166/同7300/200/同8600/200/ZIP/同9600/200MPは対応していません。Mac OS7.6.l版を入手する必要があります。

またIDE形式のハードディスクを内蔵するPeforma580/630/5200/6200シリーズは、Mac OS7.6のインストーラーを起動してもハードディスクが認識されず、インストールできないことがあります。この場合は、Mac OS7.6に付属するフォーマットソフト「ドライブ設定1.2.2」でハードディスクを初期化すれば解決するとも言われていますが、「症状2」の現象が出る場合もあるので、まずは7.5についていた「ドライブ設定1.2」でまずドライバの更新をして、これでインストールできるなら「ドライブ設定1.2.2」での更新は行わないでください。

またPerformaシリーズの中にはロジックボードに欠陥のあるものがあり、アップデートを受け付けない場合があります。これは漢字トーク7.5.3アップデートの時も同じ警告が出ましたので、漢字トーク7.5.3以上にアップデートしている場合は問題ありません。それ以前のバージョンから7.6にアップデートする場合は、MacOS7.6のインストールCDに入っている、"5xxx/6xxx Tester J-1.1"を実行して、診断してください。障害があることがわかった場合には、修理をしなければシステムのアップデートはできません。
この障害が生じる可能性のある機種は、以下のとおりです。

Performa 5210,5220,5320,6210,6220
PowerMacintosh6200
PHX100,MLS200


症状2:7.6では問題なかったが、7.6.1アップデート後、起動できなくなった

症状はいくつかありますが、
・起動音がした後、そこで停止。画面が真っ暗のまま。(Performa5410、5440)
・アイコンパレード中にフリーズ(PB5300、Performa630)
・アイコンパレードが終了し、ファインダのファイルを読み込んでいるところでフリーズ(PB540c)

多くの場合、コマンド+コントロール+パワーキーで強制再起動すれば、次は正常に起動するようです。(パワーキーで起動した後、コマンド+コントロール+パワーキーを押せば起動できることになるが、面倒だ。}
また接続しているSCSI機器や内蔵のIDEドライブに問題があるようです。
機能拡張ファイルの読み込み段階でフリーズが起きる場合は、機能拡張ファイルのコンフリクトが当然考えられるわけですが、MacOS7.6に含まれている「Finderスクリプティング機能拡張」がコンフリクトの原因になっているとの報告もあります。この場合は、「Finder初期設定」を捨てるか、「Finderスクリプティング機能拡張」のバージョン7.5.5を使えばよいはずです。
また、7.6.1では不要になった"7.5.5 SCSI Server Upate"などの機能拡張を追加した場合は問題が出るかもしれません。

ファインダの読み込みの段階でフリーズする場合は、他のシステムディスクで立ち上げて、起動ディスクの初期設定フォルダにある「Finder初期設定」ファイルを捨てれば直るはずです。

米国で報告されている症例では、IDEドライブをMacOS7.6インストーラの指示に従い、「ドライブ設定」でドライバの更新を行った場合に起動できなくなるというものがあります。非常におかしな話ですが、MacOS7.6に入っている「ドライブ設定」はバージョン1.2.2で、バージョン1.1ならばOKとなっています。つまり、IDEドライブをもう一度古いバージョンの「ドライブ設定」でフォーマットし直せば正常になるということです。これは全てのIDEドライブ機に当てはまるわけではなく、一部の機種に限られるようです。

症状3:デスクトップパターンが白黒のパターンになってしまった

これも非常に多く報告されています。機種もPerformaでもPowerMacでも起きています。
MacOS7.6でも7.6.1でも起きており、症状としては、デスクトップパターンが全て白黒の格子模様になってしまうというものです。カラーの画像をドロップしても白黒になってしまうだけです。
また、この症状が出ているときは、壁紙ユーティリティ「Decor」も使えなくなります。

私のところでは再現することが出来ません。反対に、「Decor」は機能しますので、7.6.1にも対応していることになります。
なぜ、アップデートでこうなるかは原因不明ですが、ともかくの原因は初期設定ファイルが壊れているためと考えられますから、初期設定フォルダの「デスクトップパターン初期設定」を捨て、MacOS7.6のCDから「デスクトップパターン」を再インストールすれば直るはずです。

症状4:Performa6400/5400シリーズで起動からディスプレイ表示までに時間がかかる

Performa6400/5400シリーズでMacOS7.6.1にバージョンアップした後、起動をすると、ディスプレイが点灯するまで30秒から1分もかかってしまうというものです。

Performa6400/5400シリーズでは、2次キャッシュが標準搭載されており、MacOS7.6以降では、この2次キャッシュが認識されない不具合が発生しています。ディスプレイの問題も、これに起因している可能性が最も高いと思われますので、まず、この問題を解決ないといけないかもしれません。
 これを解決するには、Apple Japanのホームページから、54xx/64xxL2CashResetというファイルがありますので、これをダウンロードした上で、システムフォルダの機能拡張に入れて、再起動してください。

症状5:インターネットへの接続が出来なくなった

MacOS7.6ではネットワークはOpenTransportしかサポートしていません。
OpenTransportの最新バージョンはJ1-1.1.2ですが、MacOS7.6でインストールされるのはJ1-1.1.1です。どうしてこういうことをするのかは理解できませんが、このバージョンの違いが問題が起こす場合があるようです。

1.1.1でも正常に動きますが、問題がある場合は1.1.2へアップデートしてください(機種によっては1.1.2の方が悪さをする場合がありますので、必ずシステムのバックアップをとってからアップデートしてください-詳しくは「OT1.1.1/1.1.2アップデート」を読んでください。

同様にObject Support LibもMacOS7.6では1.1.8が必要なのですが、古いObject Support Lib1.1.6が既に入っていると更新されません。1.1.8に入れ換えてください。

PRAMのクリアや、FreePPPの入れ換えも効果があるかもしれません。

MacOS7.6にするとインターネットにつながらなくなるという噂を立てた人もいるようですが、決してそんなことはありません。

その他

あとは、RAM Doublerが使えなくなる問題(想メモリがアップデート後。オンになっているのでオフにするか、RAM Doublerの最新アップデータをダウンロードする)とか、個々のアプリケーションとOSの不一致に起因するものがあるでしょう。
これは各アプリケーションのアップデートをまつしかありません。

Norton Utilitiesのディスク診断で「修理報告が失われました」というエラーメッセージがでるかもしれません。これは意味がないので無視していいそうです。

Netscape Navigator3.0でURLに接続しようとするとフリーズする現象が出るようになった場合は、「Shared Library Manager」が機能拡張フォルダに入っているかどうか確かめてみてください。PowerMacの場合は、これがないとフリーズが起こる可能性があります。


このほかにもありましたら御連絡ください


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