Mac Clinic Tips:

漢字トーク7.5.3作成完全ガイド
Complete Guide for Making Kanji-Talk7.5.3

1996年5月10日編集
1996年5月12日改訂
1996年5月15日修正
1996年5月19日修正
1996年9月8日修正

1996年5月10日
今話題になっているSystem7.5.3(System7.5Update2.0)とはどういうもので、本当にアップデートする価値があるのか。あるとすればどうやってアップデートするのか、この1か月間の多くの人の経験を交え、アップデートする上での注意と使用上の注意について詳しく解説しました。

1996年9月8日
MacPower9月号の付録CD-ROMにSystem7.5Update2.0が添付されたため、System7.5Update2.0の入手が簡単になり、このアップデートを試みる人が増えたようです。10月の中旬以降には日本語対応のアップデーターも配付されることが発表されましたが、それまで待てない方は是非ともこの記事を参考に挑戦してみてください。
うまく行った方、うまくいかなかった方、質問や感想をお寄せください


第1章:System7.5.3(System7.5 Upgrade2.0)は必要か


第2章:漢字Talk7.5をアップデートする


第1章:System7.5.3(System7.5 Upgrade2.0)は必要か

96年3月11日に米国Apple社から「System7.5 Update2.0」がリリースされました。Appleは94年の終わりにSytem7.5を発表してから、7.5.1(Sustem7.5 Update1.0)、7.5.2(Printing Update)、PowerBook5300 System Software UpdatePowerBook2300c Updateを矢継ぎ早にリリースしてきました。

既に色々な雑誌等でも紹介されていますが、我々はこれを待ちに待ったOSとしてアップデートに飛び付くべきでしょうか。
発表以来、米国ではすでに多くのユーザーがアップデートを試してみました。その結果をここにまとめます。残念ながら漢字Talk用のアップデートはリリースされませんので、日本のユーザーもこの米国でリリースされたプログラムを使うことになりますので、米国での経験が役に立つでしょう。


System7.5.3の特徴
●Appleが公表しているSystem7.5.3の特徴はつぎのとおりです。
(1)バグの解消:PowerMacのType11エラー等が解消された。あるユーザーは今までのシステムより安定すると言っているが、反対の目にあったユーザーもいる。
アプリケーションの多くがSystem7.5.3に対応していない現状では、かえってコンフリクトが起きる可能性も持っている。
(2)性能改善:CPUキャッシュに新しいアルゴリズムを採用、ディスクキャッシュの容量拡大、Finderコピーのルーチンの改善は全てのMacに適用。Resource ManagerとSCSI Managerがネイティブかされ、非PCIのPowerMacにも大幅な性能改善がもたらされる。機種によってはその改善幅は小さいものもある。
(3)使い勝手の改善:ファイルの「情報をみる」のコメント情報がセーブされるようになり、デスクトップの再構築を行っても消えなくなった。その分デスクトップが若干遅くなった。PCIマックについては新しいMonitor & Soundコントロールパネルが用意された。全てのPowerMacで、「透明ドラッグ」機能が追加され、ドラッグの最中でもアイコンの名前が示されるようになった(これは意外と便利)。
(4)ネットワーク構造:Open Transport1.1がこのアップデートファイルに含まれる。従来のOpen TransortがPCI-Macに限られていたのに対し、全てのPowerMac(但しデスクトップ5200、5300、6200、6300を除く)と68030、68040系MacでOpen Transportが使えるようになった。(Open Transportは漢字Talkでは依然としてPCIマックしか使えないが、漢字Talk7.5.3をつくることで日本語環境でもOpen Transportが使えるようになった。)
(5)System7.5以降のアップデート(7.5.1=Upgrade1.0、7.5.2=PowerBook Upgrade等)の集大成。マシン間のOSの基本的差異がなくなる。共通のOS。特にUniversal Systemが作れる。

System7.5.3(System7.5Update2.0)の現実
●System7.5.3は全てのMacに通用するユニバーサルなシステムであるとうたわれていますが、現実は必ずしもそうではありませんでした。問題は3つあります。

(1)ハードによって受ける恩恵が異なる。機種によっては体感できるほどのスピードアップが図られるものもあるが、大した改善がないものもある。機能上もあえてアップデートをする必要の無い機種もある。

(2)ハードによってアップデートの方法が異なる。インストーラはこれを自動的には行ってくれない。手間がかかることを覚悟する必要がある。但し、下記の手順に従えば、誰でも問題のないシステムを作ることが出来る。

(3)System7.5.3は必ずしもエラーフリーの待ちに待ったMacOSではない。むしろ新たなエラーが発生することを覚悟しなければならない。リスクに対応できない人は、無理をしてアップデートすべきではない。ただ人によってはそれだけのリスクを負う価値がある。


機種によるアップデートの恩恵
●System7.5.3により恩恵を受けるハードとそうでないものがあります。恩恵を受ける順にまとめてみました。

(1)非PCI-PowerMac(6100、7100等)
最大の恩恵を受ける。Open Transport1.1対応、新SCSI Manager、パワーネーティブ化。大幅なスピードアップ。System7.5以降の機能アップデートが全て入る。

(2)PCI-PowerMac(7500、9500等)
パワーネーティブ化とPowerMac特有のの恩恵を受ける。Open Transport1.1だけをとればSystem7.5.3にまでする必要はないかも知れない。

(3)68030/68040系Mac(Quadra、多くのPowerBook等)
Open Transport1.1といくつかの新機能の恩恵を受ける。Open Transportを使いたければアップデートする価値がある。

(4)603系PowerMac(5200、5300、6200、6300)
一部のパワーネーティブ化の恩恵を受けるが、Open Transport1.1、新SCSI Managerには非対応(その内対応すると言われているが)のためメリットは小さい。

(5)PowerBook190/2300/5300(System7.5.2搭載のもの)
Open Transportが使えるようになったことで、ポータブルの機動性が発揮できる。新機能の多くはすでに7.5.2で開発されていたものであり、アップデートの恩恵は小さい。

(6)68000/68020系Mac
System7.5.3はこれらのハードでも対応可であるが、日本ではもはや現実的ではない。

アップデートの方法
●英語版のアップデートは簡単だが、漢字Talk7.5のアップデートは難しいと思われています。しかし、本当の問題は、英語版のSystem7.5のアップデートが簡単ではないことです。

●アップデートはうまくいった人もいれば、うまく行かない人もいます。これはSystem7.5.3自体とSystem7.5 Update2.0のインストーラが、アップデートするハードの種類や既存のファイルの全てに対応していないからです。
最近は色々な雑誌やホームページでもアップデートの仕方が紹介されていますが、その通りにしてもうまく行かない場合があるのは、あらゆる機種には対応していないからです。

●残念ながらSystem7.5 Update2.0のインストーラで簡易インストールしてうまくいくのはたまたま運がよかった場合といってもよいでしょう。そのためカスタムインストールすることを推奨しますが、それぞれの機種ごとにどのファイルをインストールし、さらに既存のシステムフォルダから何を捨てなければならないかを教えてくれる具体的なインストラクションがどこにもないことももんだいです。
これに関してはユーザーが試行錯誤しながらやるしかありませんが、ここでは、私の経験から出来るかぎり初心者でも大丈夫なアップデートの方法を紹介しました。中級者以上の方は自分でさらに工夫してみて下さい。

System7.5.3で発生するエラー
●System7.5.3の問題点をしらないまま、単純にSystem7.5 Update2.0を簡易インストールした場合には、一部の機能が使えなくなった、既存のアプリケーションソフトがフリーズする等のエラーが発生するかもしれません。これらの原因は大別すると以下の5つが考えられます。

(1)Appleが供給する機能拡張ファイルの不一致。これは本来はSystem7.5 Update2.0のインストーラが自動的に書き換えを行うものだが、これが正しく行われなかったことによる。

(2)サードパーティの機能拡張でSystem7.5.3不一致のものがある。

(3)System7.5.3は全てのハードウェアのコンフィギュレーションに対応しているわけではない。Apple純正の周辺機器の中にも未対応のものがあるが、特にサードパーティ製の本体、アクセラレータ、ビデオボード、モニター、入出力装置の中にSystem 7.5.3不一致のものが多くある。

(4)Open Transportへの対応が未熟で、ネットワーク関係のプログラムのみならずOpen Transportをインストールした状態では動かないものが多くある。

(5)一部のアプリケーションソフトでシステムにかかわるものへのSystem7.5.3不一致のものがある。

●System7.5.3が適合していない機能拡張やアプリケーションソフトについては、既にいろいろな環境で使用されている米国で多くの報告がなされています。「System7.5.3(System7.5 Update2.0)コンフリクト・レポート」にまとめたので参照して下さい。但し、日本は米国に比べるとよりクリーンな使われ方をしているので(米国では古い機械をハードとソフトでアップデートしながら使っている人が多いのに対し、日本は皆が純正の新しい機械を使っている)、エラーへの対応はやりやすいとも言えます。


第2章:漢字Talk7.5をアップデートする

こうしてみると、7.5.3へのアップデートはそれほど安易に行うべきものではないことが理解できたと思います。
しかし、実際に使ってみて、やはり新しい機能に触れられるのはMacユーザーとしては嬉しいものです。特に、Open Transportが安定してどの機種にも使えるようになったことはすばらしいことです。Type11エラーへの対応などシステムの安定についてはそれほど期待できないかもしれません。

幸いにこのアップデートキット(System7.5 Update2.0)は無料で配付されています(ダウンロードのための費用はかかりますが大したことはない)。これから述べる方法に正確に従えば、面倒ですが、ちゃんとアップデートできるはずです。

但し、最悪の場合、ディスクが使用不可能になり起動不能になるケースも報告されているので、出来ればCDーROMドライブと外置き記憶装置(HDD、MO、Zip等)がある状態でやることをお勧めします(再起動が出来る状態を確保するため)。
内蔵HDにインストールすることも可能ですが、最悪のケースを想定し、それなりの準備をして行う必要があります。
また緊急フロッピーディスクも用意しておいたほうがよいでしょう。

いずれにせよ、アップデートの作業にはどうしてもリスクを伴います。手順を間違えたり、うっかり忘れたりすることもあります。ですから、作業は各人の自己責任でやって下さい。質問等には出きるかぎり対応しますが、大きな障害が起きた場合、こちらでは責任は負えませんのでよろしくご理解ください。

では、順を追ってアップデートの方法を説明します。

漢字Talkをアップデートする方法
●米国で配付されているアップデートキットは英語版にしか対応していませんので、単に漢字Talkにこれをかけても英語とのファイル名称の不一致が生じます。そのため何らかの対応をする必要があります。
これを除けばアップデートのしくみそのものは英語版Systemで行うのと同じです。

●日本語版を作る方法としては、
1)英語Systemをアップデートし、Japanese Language Kit(JLK)と組み合わせて使う方法
2)英語Systemに漢字Talkの中の日本語処理ファイルを入れてそれをアップデートする方法(広島大学大房教授の方法
3)漢字Talkそのものを英語アップデートキットでアップデートし、ResEditを用いてシステムの一部を書き換える方法(日経MAC5月号、Mac Power5月号、Mac Power9月号等の方法)がありますが、ここでは最も費用のかからない3番目の方法でやることにします。

準備するもの
●漢字Talk7.5.3を作るためには次のものが必要です。
・現在使用中のシステム(漢字Talk7.5、7.5.1、7.5.2のどれか)
・System7.5 Update2.0(入手方法は次)
・HDフロッピーディスク14枚
・外部記憶装置(HDD、MO、Zip等)
・ResEdit(AppleのFTPサーバーから最新版をとる)

System7.5 Update2.0を手に入れる
●System7.5 Update2.0は米国ではインターネットで無料配付されている他、13ドルでフロッピーまたはCD-ROMで販売もされています。21.7MBもある大きなファイルのため、通信事情が悪い日本からダウンロードするのは大変で、もし米国に友知人がいればCD-ROMを送ってもらうのが良いでしょう(日本からAppleへの直接申込は出来ない)。または近くに既にダウンロードに成功した人がいれば、フロッピーディスクをコピーさせてもらうのもよい案です。こんなことのために、お多くの人がインターネット資源を浪費するのは好ましいことではないと思います。

●ダウンロードは米国Appleのホームページから行います。最近では色々なホームページにリンクがはられているので、そこからたどっても構いません。ここに列記されたFTPサーバーの中からつながるところを選択します。

●ダウンロードすべきファイルの一覧表が出てきます。上の方にある"7.5_Update_2.0-Net_Install.sea.hqx"と言うファイルはそのサイズ21.7MBが示すように、System7.5 Update2.0を全部まとめたものです。非常に高速の安定した専用回線を持っている幸せなユーザーはこれをダウンロードすれば簡単です。28800のモデムでダイヤルアップ接続をしている庶民のユーザーはこれは避けたほうが賢明でしょう。
次に14のファイルに分割されたものが用意されていますので、これをダウンロードします。
Sys_7.5_Update_2.0-01of14.sea.hqxから
Sys_7.5_Update_2.0-14of14.sea.hqxまでがそうです。
それぞれのファイルは1.5〜1.7MBですから、一つづつは比較的短時間にダウンロードすることが出来、もし通信に失敗しても被害は最小限に抑えられます。
順序はどれからでも構いません。回線の状態のよいときを選んで、気長に少しづつダウンロードしてください。運がよければ全部で3時間で終わるかも知れませんが、運が悪ければ2、3日かかるかも知れません。

●ダウンロードが完了した時点でそれぞれのファイルは自動的に解凍とBinHexデコーディングが行われます。
HD上には、System 7.5 Update 2.0 - 1.imageというファイルが出来ています。この時点で解凍前のファイルをごみ箱に捨てましょう。
通常のダウンロードであれば、この時点で最終ファイルとして使えるのですが、この場合はディスクイメージフォーマットになっていますので、もう一度でコードする必要があります。

●ディスクイメージをでコードするにはApple純正のDisk Copy4.2か、フリーウェアのShrinkWrap 2.0.1というソフトを使います。どちらもインターネットからダウンロードすることが出来ます。Disk Copy4.2はわずか28Kの小さなファイルですからこれをダウンロード して使うことにしましょう。

●Disk Copyはその名のとおり、HD上のディスクイメージファイルをフロッピーディスク上のコピーします。14枚のフロッピーにDisk1からDisk14までの番号をつけ、順にコピーしていきます。
完了したら、HD上のダウンロードファイルは捨ててしまいます。


●96年9月時点でこのテキストをお読みの方は、もっと簡単な方法があります。「MacPower」9月号の付録CD-ROMにSystem7.5 Update2.0がインストーラ形式で収められています。このCD-ROMがあれば非常に簡単にインストールすることが出来ます。(96.9.8追加)

ハードディスクのフォーマッティングを行う
●今作ったばかりのDisk1をMacに入れフォルダーを開きます。その中にInstallerと共に、「Utility」と言うフォルダがあります。この中には最新版のDisk First AidとApple HD SC Setupが入っています。

●まずDisk First AidでシステムをマウントするHDをチェックします。

●次にApple HD SC Setupを用い、同じHDのドライバを「更新」します(間違って初期化をしないように注意してください。)

●もし、外置きの記憶装置がApple純正でない場合は、Apple HD SC Setupではフォーマットできません。現在使っているフォーマッタがSCSI Manager4.3対応であることを確認してください。
今回のSytem7.5.3ではSCSI Manager4.3そのものが、systemの中に組み入れられてしまったため、SCSI Manager4.3互換のHDでなければSytem7.5.3のもとではSCSIディスクと認識されません。そのためアップデートした後HDから起動しないというケースが発生します。SCSI Manager4.3でない場合は、フォーマッタを最新のものにアップデートし、それが出来ない場合は、この全体作業を諦めざるをえません。


ベースシステムの準備
●長く使っているとシステムフォルダは自分専用に育っているものです。従って、アップデートする場合も、現在使っているシステムをシステムフォルダごとアップデート出来ればよいと思われるかもしれません。これでうまく行く場合もありますが、うまく行かない場合もあります。うまく行かなかったときに原因を究明するのにかえって時間がかかるのでやめておきましょう。
クリーンなシステム(購入したときの状態)をインストールしてこれをアップデートする方が安全です。

●いずれにせよ、現在使用中のシステムは丸ごとバックアップを取っておいたほうがよいでしょう。

●ハードディスクが壊れる最悪のケースを想定するならば、HD上の必要な書類のバックアップを取っておきましょう。

●それではCDーROMから漢字Talk7.5、7.5.1、7.5.2のいずれかをインストールします。外付けのHDで他にシステムが無い場合は「簡易インストール」をします。
内部HDで既存のシステムがある場合は、「カスタムインストール」を撰択し、さらにcommand-shift-kを押し、「新しくフォルダを作る」を撰択すれば新しいシステムフォルダーにインストールされます。

ここでインストールしたシステムフォルダを開け、機能拡張フォルダにある以下のファイルをごみ箱に捨てます。

・丸漢サポート
・WorldScrip II
・WorldScript Power Adapter(PowerMacユーザーのみ)
・QuickTime
・QuickTime Power Plug(PowerMacユーザーのみ)

これらのファイルは英語名と日本語名が異なるために、アップデートのインストーラでは書き換え(交換)が行われないものです。この作業はアップデート後行ってもよいのですが、アップデートによってインストールされたファイル名称と紛らわしいため、あらかじめ取っておきます。

また漢字Talk7.5.2でOpen Transport関係の書類(以下のもの)が機能拡張にインストールされている場合は、これらを全てごみ箱に捨てます。これらが残ったままだと、後でOpen Transpot1.1をカスタムインストールするときに障害が起きる可能性があります。

・TCP/IP
・Open Tpt AppleTalk Library
・Open Tpt Internet Library
・Open Transport Library
・OpenTptAppleTalkLib
・OpenTptInternetLib
・OpenTransportLib
・Shared Library Manager
・Shared Library Manger PPC
・MacTCP DNR
・MacTCP
・Network


いよいよアップデート
●Disk1のInstallerを起動します(インストーラが2つありますがどちらでも同じです)。するとダイアログボックスが現れますので、アップデートをするシステムフォルダのあるディスクを選択します。そうするとInstallerはそのディスク上のシステムがSystem7.5か7.5.1か7.5.2のいずれかであるかをチェックします。

●次に、左上のメニューでインストールの方法を選択します。
本来であれば簡易インストール(Easy Install)を撰択すると、それぞれのハードに合わせた最適のインストール作業を自動的に行ってくれるはずですが、このインストーラは完全ではありませんので、カスタムインストール(Custom Install)を撰択します。

●カスタムインストールでインストールできるファイルの内、まず次のファイルを選択します。

・System Update/System 7.5 Update(KT7.5と7.5.1のユーザー)
・System Update/System 7.5.2 Update(KT7.5.2のユーザー)
・Finder Update(Finder7.5.5が入っている)
・Extensions/QuickTime, QuickTime Power Plug(新バージョン)
・Worldwide Software(InputBackSupport, WorldScript II, World Script Power Adapterの3つー日本語表示に必要)



●とりあえず、この時点で、アップデートしたSystemとSystem7.5 Upate(またはSytem7.5.2 Update)の二つのファイルのコピーをとっておきます。次以降のカスタムインストールでシステムが書き換えられる可能性があるからです。

これ以外のものについては、後で必要に応じカスタムインストールすることが出来ますので慌てることはありません。それぞれの機能についてはDisk1のRead Meファイルに書かれていますので(但しバージョンアップがされたのかどうかは書いていない)、各自読んで自分のシステムに必要なものを撰択してください。

・ReadMe File:不要
・Apple CR-ROM Software:従来のものでも7.5.3で動く。
・Apple Video Player:アップデートの内容不明。
・MacinTalk 3, MacinTalk 2:英語朗読システムを入れていない人は不要。
・Application/Drive Setup, Simple Text(QuickDraw 3Dが表示できる!)を取っておく。
・Apple Menu Items:特に新しいものは無し
・Control Panels/MacTCP(新バージョン)、Control Strips(新しい機能)を取っておく。その他はバージョンは上がっているが特別な機能はなく、英語表示となるだけなので、従来の日本語のものを使ったほうがよい。
・Extensions:Extensions Manager(「System7.5.3のみ」が選択できるので取ったほうがよい)。
・ColoySync2.0.1:これを使っている人のみ。
・AppleScript:日本語を使っている人は不要
・PowerTalk:これを使っている人のみ。
・Basic Connectivity Tools:一般には不要。
・Macintosh Guide Update:機能強化版だがこれを余り使わない人にとっては不要。
・Network Software
  Open Transport1.1:これを使いたい人は絶対必要。
  Classic AppleTalk Update:PCI-Macは不要。非PCI機は入れておく
  IR Talk Update:PBで赤外線通信を使っている人だけ。
・Eathernet Drive Update:これを使っている人だけ。


●インストール作業はダイアログの指示により、14枚のフロッピーを交換しながら行います。基本のシステムだけであれば10分ほどで完了します。
アップデートしたシステムフォルダを開け、漢字Talk7.5、7.5.1の場合はSystem7.5 updateというファイルが加わっていることを確認してください。漢字Talk7.5.2の場合はSystem7.5.2updateのままです。
しかし、まだリスタートをしてはいけません。
●内蔵HDにインストールした場合、インストーラのダイアログには「Restart」のボタンしかなく、これをおさないと次のステップに進めません。リスタートすると日本語が読めないために以降の作業が困難となりますので、リスタートせずにインストーラを強制的に終了させます。
このほう方は、まず、コマンドキーとパワーキーを同時に押します。するとブランクのダイアログボックスが現れますので、「>」のあとに「G FINDER」(GとFの間にはスペース1文字)をタイプし、リターンをおすとファインダーに戻ります。(96.9.8追加)

日本語表示のための修正作業
●実際にアップデートされたのはSystem7.5 updateまたはSystem7.5.2updateの方で、これは英語システムです。もとのSystemは日本語システムですので、2つを同時に動かすとFinderで日本語が表示されません。
そこでResEditを用いてシステムソースの書き換えを行います。
ResEditを使うのは中級者以上が望ましいのですが、初心者でも注意深くやればそれほど難しいことではありません。自信がなけれやめたほうがよいでしょう。

書き換えをするシステムフォルダ内の「System」と「System7.5 update」(または「System7.5.2 update」)のコピーを作り適当な場所に保管しておきます。

●まず最初にやるのは、システムフォルダの中のフォルダの名称を一致させる作業です。Systemは漢字Talkから持ってきているためファイル名が日本語で指示されています。一方、新たにインストールされたSystem7.5 update(またはSystem7.5.2 update)はもともと米国のシステムですから、すべて英語で指示しています。
たとえば機能拡張フォルダの場合、前者は「機能拡張」、後者は「Extensions」というような具合です。このままではSystemが必要な機能拡張等のファイルを読みに行ができなくなります。英語か日本語かのどちらかに統一します。やはり日本人は慣れた日本語のフォルダーのほうが良いでしょうから、ここでは日本語に書き換えることにします。

●ResEditを起動させ、このSystemとSystem7.5 update(またはSystem7.5.2 update)の二つをオープンします。

●まず、Systemの方のfld#とかかれたところをダブルクリックし開きます。ID=0のファイルしかないはずですので、これをダブルクリックして開きます。

●あなたのシステムによって若干異なりますが、8番までしかないもの、13番までしかないものがあるはずです。最後の数字のところをクリックし(四角で囲まれる)、メニューのResource/Insert New Fieldを撰択します。これを必要回数行い、16番までのフィールドを作ります。
そこに下の表の内容を正確に打ち込みます。


#Folder typeFolder name
1)prntプリントモニタ書類
2)strt起動項目
3)shdfシステム終了項目
4)amnuアップルメニュー
5)extn機能拡張
6)pref初期設定
7)ctrlコントロールパネル
8)fontフォント
9)extD機能拡張(使用停止)
10)ctrDコントロールパネル(使用停止)
11)macDシステム機能拡張(使用停止)
12)strDStartup Items (disabled)
13)amnDApple Menu Items (disabled)
14)ndrvExtensions
15)exptExtensions
16)sdevControl Strip Modules
17)

●本当はこの数字や順番は大きな意味を持ちません。雑誌によっては順番やフォルダネームが違う場合もありますが、どれでも結果は同じです。フォルダタイプだけは正確に打ち込んでください。

●このダイアログを閉じ、ID=0を撰択したまま「コピー」(command-c)し、次にSystem7.5 update(またはSystem7.5.2 update)のfld#を開き、ここに「ペースト」(command-v)します。



●System7.5 update(またはSystem7.5.2 update)のfld#ID=0を開いていみてください。Systemの方とまったく同じ担っていれば成功です。fld#は閉じてください。

サウンド出力のための修正
●今回のアップデートでAV系の書き買えばかなり行われました。SystemとにSystem7.5 update(またはSystem7.5.2 update)のリソースでAV関係の表示が異なっていると、内臓スピーカーから音が出ないなどの不具合が生じますのでこれを修正します。

●引き続きくResEditでSystemとにSystem7.5 update(またはSystem7.5.2 update)を開きます。まずSystemの「STR」を開け、全てのIDを選択しコピーを選びます。次にSystem7.5 updateの「STR」を開け、ここにペーストします。これを「STR#」でも全く同じことを繰り返します。
これで、アップデート版も日本語ファイルを扱うことになりました。



●修正した二つシステムを閉じます。新しいIDを作りますかというようなダイアログが出ますが、そのままYesを押して、修正をセーブさせます。そしてResEditを終了します。

漢字Talk7.5.3を起動する
●コントロールパネルの「起動ディスク」で、外部装置を起動にセットします。

●内蔵HDに新しいシステムフォルダを作った場合は、古いシステムフォルダのSystemの名称をSystem以外に書き換えます。

●そして再起動します。

●さあ、うまく行ったでしょうか。メニューバーの表示は英語になります。その他のデスクトップの表示は日本語で表示されているはずです。まだ現れませんが、エラーメッセージ等警告やインストラクションのダイアログは皆英語表示になっています。多少不自由はあるかもしれませんが、我慢するしかありません。



もし、日本語が表示されていない場合は、コントロールパネルの「表示」で、「Osaka」を選択してください。

●どうしてもファイル等の表示が日本語にならない場合は、上記のコントロールパネルで、他のフォント、例えば「Osaka等幅」等を選択してみてください。いくつか変えてみると日本語表示になるはずです。一旦変わればその後で「Osaka」に変更することが出来ます。(96.9.8.追加)

●アップルメニューの「このMacintoshについて」を見ると「System7.5.3 Updated 2.0」と表示されているはずです。



●起動しない、日本語がぐちゃぐちゃになっている場合はもう一度やり方をよくチェックしてみてください。

●この時点で、音楽CDが鳴らないことがあります。これはコントロールパネルの設定が変わってしまったからで、コントロールパネルの「サウンド」の「入力」の「オプション」で「内蔵CD」を選べばOKとなるはずです。

●System7.5Update2.0は基本的には英語システムでしたから、一部の表示が英語になることは止むを得ません。たとえば、従来は「書類」フォルダーはSystem7.5.3のもとでは「Documents」という名前でしか、認識されません。多少不自由を感じるかもしれませんが、アプリケーションはすべて日本語で表示されますので、現実的な問題はないでしょう。

システムを整備する
●次に、現在使っているシステムフォルダに合わせ、システムを編集し直します。

●まず作ったシステムフォルダの中から不要なファイルがあれば出していきます。不必要なフォント、プリンタドライバ、ネットワーク関係などです。機能拡張ファイルやコントロールパネルの中に、新しいファイルがたくさん入っているはずですが、このうち、日本語にもあるものは英語の方を捨てます。コントロールパネルで、「サウンド」と「Sound」、「メモリ」と「Memory」等です。機能的には同じで、日本語のものも7.5.3で動きます。

●従来の日本語のコントロールパネルの中で、「一般設定」だけは別です。7.5.3にアップデートすると自動的に英語のダイアロクに書き換えられしまいます。このままでも別に不自由はないのですが、「フォルダの保護」や「書類」ではフォルダの名称を指定しているため、フォルダ名称が全て英語になってしまいます。例えば、今までは「書類」というフォルダに最新の書類をセーブするようにしていた場合、これからは「Documents」しか受け付けなくなります。これを止めて従来通りのん品語の書類が使えるようにするには、アップデートする前のシステムフォルダーのコピーから「一般設定」を持ってきて入れ替えれば、全て日本語環境で使えるようになります。

●カスタムインストールをしたため、機種特有のファイルまで全部入っている場合がありますから、それも捨ててください。たとえばデスクトップのユーザーの場合は、「PB 190 Guide Additions」等のファイルは不要です。68系専用のものとPPC専用のものもごっちゃに入っていればどちらかを捨てます。
例えば、Open Transport関係で、Open Tpt AppleTalk Libraryとスペースが入っているファイルは68系用、OpenTptAppleTalkLibとスペースがないファイルがPPC用と紛らわしいものがありますので注意してください。

●Finderの右肩の入力メニューを開いてみると見慣れないCanadian-CSAとかEspanorといった入力方法が加わっています。フランス語やスペイン語の入力をする人を除いて、不必要な場合はこれを消去します。システムフォルダのSystemをダブルクリックすると、下図のようなファイルが出てきます。この中から、不要なものを取り除いてください。

●次に、現在使っているシステムフォルダから必要なファイルを移します。まず、システムフォルダ内には、各アプリケーションソフト用のライブラリ(クラリス、エルゴ、マイクロソフトなど)、日本語辞書、Eudoraの電子メールフォルダ等を戻します。フォントフォルダーは入れ替えます。

コントロールパネルや機能拡張フォルダにも適当に必要なものを戻していきますが、機能拡張ファイルの中にはSystem7.5.3とコンフリクトを起こすものがあるため、少しづつ入れながら様子を見ます。すでにコンフリクトを起こすと分かっているものは、添付のリストを見てください。
新しい機能拡張ファイルを入れる旅に、きちんと記録をとっておくのはよい習慣です。

本来削除されるシステム内書類
次の書類はSystem7.5.3では不要となるため、もし入っていれば捨ててください。反対に、無いと思って現在のシステムフォルダから入れないように注意してください。

・SCSI Manager, SCSI Manage4.3
・SerialDMA
・Sound Manager
これらは全てSystemの中に含まれることになりました。

・Updater (040 VM Update, 630 SCSI Update, CFM Update, Color Classic Update, EM Sound Update, PowerBook 150 Update, Serial Update)
・Enabler (601 Processor Card Enabler, Display Enabler 2.0, PowerPC Enabler, System Enabler406, Working Server Enabler)
これらは全てUpdateの中に吸収されました。

・MathLib, ThreadsLib
・Mount IDE Drive
・Network Software Installer
どこに行ったか知らないが、多分Systemの中に含まれているのでしょう。


トラブルシュ−ティング
●色々なハード、ソフトとの整合性については、米国のケースを別紙のリストにまとめたので参照してください。

「System7.5.3(System7.5 Update2.0)コンフリクト・レポート」

Q&A
●以下に漢字Talk7.5.3に関する実際にあった、または想定問答をまとめてみました。


アップデ−トは結構大変そうですね。その内漢字Talk7.5.3のCDが出ると思いますが、それでも今やる価値はありますか。

その内漢字Talk7.5.3のCDが出るでしょうが、しばらく時間がかかりそうです。後は個人のニーズの問題ですね。現在使っているマシンによってもニーズは変わりますね。システムを理解する勉強にもなるし、やってみることをお勧めします。

Open Transportは本当に使い物になるのですか。

System7.5.3の最大のメリットはOpen TransportがPCI-Mac以外のMacでも使えることになったことだと思います。残念ながら603系への対応は遅れていますが、7.5.3に付属のOpen Transport1.1は安定したソフトになっており、非常に快適に通信をすることができます。PCI-Macに対しては日本語Open Transport1.1が供給されていますが、まだ不安定のため、PCI-MacもSystem7.5.3にアップデートし、英語版Open Transport1.1を使う方が良いでしょう。但し、インターネットアプリケーションソフトはOpen Transport1.1対応のものを選ぶ必要があります。

System7.5.3にアップデートしても今までのソフトはそのまま使えるのでしょうか。

大体使えますが、一部エラーが発生するものがあります。対応していないソフト(バージョン)はトラブルシューターで確認してください。米国では商業ソフト、フリーウェアソフトを含め、7.5.3へのパッチやアップデーターを配付し始めていますから、それらを入手する必要があります。

日本アップルは漢字Talk7.5の7.5.3へのアップデートは保証していないと言っているようですが、本当にやってもかまわないのですか。

ハードの改造は保証の対象外となりますが、ソフトの改造はユーザーが自由に行って構わないものです。但し、それによりハードが損傷を受けたりした場合は保証してくれないでしょうし(基本的にはありえない)、7.5.3にした状態でいろいろなエラーが発生してもカスタマーケアの電話では答えてくれないでしょう。いずれにせよ、問題があれば、もとの正規の漢字Talk7.5に戻せばよいだけのことですから、あまり心配する必要はないでしょう。

Update2.0をダウンロードしようとしたのですが、Net Installというファイルは大きすぎて288のモデムでは、夜中のテレホーダイの時間内には落とせませんでした。ダウンロ−ドは諦めるべきでしょうか?

本文を参照してください。

PB5300で、Update2.0を簡易インストールしたところ14枚目を読み込んだ時点で全部のインストールがキャンセルされてしまいました。何回やっても同じです。

Disk14にはネットワーク関係のアップデートソフトが入っているようですが、これがアップデートするシステムフォルダのファイルと干渉して、インストールがキャンセルされてしまうようです。インストーラのバグだと思われます。
PB5300の場合は赤外線通信のIRTalkが邪魔をするようなので、アップデートするシステムフォルダから外しておくか、カスタムインストールする時にIRTalkを選ばないかどちらかで、インストールできます。
他の機種の場合も取りあえず、Network Softwareの全部を外してカスタムインストールすることをお勧めします。一旦全体のアップデートが終わった後、Network Softwareの内必要なものをカスタムインストールしてください。

私の家のマシンColorCllasic2(漢字Talk7.5)の外付けHDには難なくインストールできたのですが、同じ方法で会社のPPC8100/100の内蔵HDへのインストールを試みたところうまくいきませんでした。SystemはUpdateされているようですが、その他の機能拡張等がまったくインストールされていません。 内蔵起動HDには無理なんでしょうか。

そんなことはありません。起動であるかどうかは起動ディスクコントロールパネルで決めているので、内蔵か外置きかは関係ありませんし、System7.5Update2.0のインストーラも指定されたボリュームにあるシステムフォルダをアップデートするだけです。但し、一つのボリューム(通常は同一のHD)に2つ以上のシステムフォルダがある場合、このインストーラでは目的フォルダまでは指定できないので、混乱しSystem以外のファイルはインストールしないのだと考えられます。内蔵HDでパーティションを切らずにアップデートをする方法として次のやり方でうまく行った報告があります(多少危険な方法です)。
・メモリでRAMディスクを作り、RAMディスクにKT7.5をインストールする。
・RAMディスクに7.5.3を インストールする。
・RAMディスクで起動する。
・内蔵HDに7.5.3をインストールする。、

PowerMac8500(KT7.5.2 )をアップデートしたのですが、サウンド(アラート等)が全く出なくなってしまいました。必要な Extentionを忘れているとかのインストール操作のミスでしょうか。

本文の「サウンド出力のための修正」に従って修正すれば音が出るようになります。

7500/100 で漢字トーク7.5.2 を 7.5.3 にアップデートしました。
ただ video が正常に表示されません。apple video player でビデオを表示させようとするとモデムを見に行ってしまいます。

System7.5.3でapple video playerを使うには、QuickTime2.1をカスタムインストールする必要があります。それをしないと漢字Talk7.5.2付属のQuickTime2.0.9のままになり、apple video playerは起動しません。



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