Mac Clinic Tips:
System7.5.3
コンフリクト・レポート
from USA
1996年5月9日編集
1996年5月15日更新
System7.5Update2.0は英語システムの上であればすんなりとアップデートでき、その性能もフルに発揮できると思っていたら、あにはからんや、多くのユーザーがインストールでてこずり、あげくの果てにエラーが頻出という状況も生まれている。米国の場合、旧型のハードやメモリのちいさなハードをRAMDoublerなどで増やして使っているケースが多いこと、日本では馴染みがないサードバーティ製の周辺機器が使われていること、使われているソフトの種類も違うことなど日本と異なる部分も多い。アプリケーションソフトの場合、英語版と日本語版ではバージョンが違うという点もあるが、現在指摘されている色々な不具合を知っておくことは損にはならないだろう。その目的で、米国でユーザーから報告された問題を整理した。
[Update2.0のインストールで注意すること]
- Update2.0のインストールで問題を起こす可能性のある下記のファイルはあらかじめ機能拡張フォルダーから外しておくこと
−PageMaker(ロックされているもの)
−Freehand Printer Description
- 「There is a problem with disk you are installing onto...」と言うメッセージが出るようならば、カスタムインストールに切り替え、LaserWriter8のインストールをやめればうまく行く。
- Update2.0をダウンロードする場合、ハードディスクの空き容量に注意すること。全体で21MBあるが、解凍を2回行うためにディスク上には45MB程のスペースが必要。もしくはStuffitとの連動を切っておく必要がある。
- アップデートをするハードディスクを事前にDisk First Aid 7.2.2でチェックしておくのが安全。これをやるにはシステムをアップデートする前に、Update2.0のDisk1を挿入し、Installerを起動し、カスタムインストールを撰択する。インストールするソフトのリストが出てくるので、Appleicationの中にあるDisk First Aid 7.2.2だけを撰択してインストールする。HD上にはAppel Exstraというフォルダーに入ってインストールされるので、これを用いて、アップデートをするハードディスクをチェックする。
- システムをアップデートする前にSCSIデバイスのアップデート先にしておいたほうが安全。
- System7.5.3にはシステム自体にSCSI Manager4.3が組み込まれユーザーは外すことが出来ない。従って、ユーザーがSCSI Manager4.3でフォーマットされていないHDにSystem7.5.3を乗っけてしまうと、再起動できなくなる。外付けの記憶装置も同じで、システムアップデートの前に、これらの記憶装置がSCSI Manager4.3にコンパチのフォーマッタでフォーマットされているかを確認する必要がある。もしApple純正のフォーマッタの最新版が必要な場合は、それはUpdate2.0のディスク1に入っているのでコピーすればよい。
- SymantecのDiskLock4.0はインストール中にsystemファイルを破壊することがある。
- Apple Video Playerも問題の一つ。ベースのシステムに入れたままアップデートすると問題が起こる可能性があるので、これらの関連ファイルをすててからアップデートしたほうがよい。(Performa5210)
- 新しい機能であるControl Stripはカスタムインストールでなければインストールできない。
- 機能拡張フォルダとコントロールパネルフォルダに同一のファイルを入れていた場合、インストールがうまく行かない。
- Apple Remote Accessを使用する場合は、アップデートの前にインストールする必要がある。簡易インストールの場合Apple Remote Access2.1.1の読み込みで止ってしまうことがある。
[インストーラーの不具合]
- アップデートインストーラーは自動的にシステムフォルダの改廃を行ってくれるものだったはずだが、思い通りには動いていない。しかもいい加減だ。System7.5以前の古いファイルを除去してくれないし、ユーザーが名前を変えたものは無視される。バージョンナンバーを書き加えただけでも無視される。この機能には余り期待しないほうがよい。
- Insallerに現在の複雑なMacの機種への対応を期待するのが無理。
- Installerはシステムフォルダの中の特定の名前のファイルだけを書き換える。かなりの手作業が発生する。
- 非PCI-Macにアップデートをインストールした場合、古いネットワークソフトはそのまま残る。Open Transportを使うにはSystem7.5 Upadate2.0のディスク1にあるNetwork Software Selectorを使う。これはコントロールパネルでないので使いにくい(アップルメニューにいれて使うしかない)。PCI-Macではこの機能は使えない。
- System7.5 Upadate2.0のRead Meファイルを信じてはいけない。ここにはInstallerを用いて簡易インストールした場合、自動的に入るファイルと削除されるファイルが記されている。しかし現実には、リストにないファイルがインストールされたり、自動ではインストールされないもの、自動的に削除されないもの、更にアップデートされないファイルがあるので注意が必要である。
−Ethernet NB(機能拡張):Ethernet NuBus Cardが無くても勝手にインストールされる
−DragLib:アップデートされずに残る。
−Macintosh Drag and Drop:アップデートされずに残る。
−ユーザーが名前を変えたファイル(例えばQuickTimeに2.0等のバージョン番号を付けていた場合):アップデートされない(Quadra605)
−LaserWriterドライバ:アップデートされない。
[インストール後に発生する不具合]
- ハードディスクを開いたりシステムフォルダを開くときに「メモリーがありません」と言うエラーメッセージが頻繁に出る場合はデスクトップの再構築が有効。
- System7.5.3にしたあと、新たに入れたOpen Transport1.1が動かない。Apple Extra Folderに入っているNetwork software Selctorを使えば、Open Transportと従来のAppleTalkを切り替えられる。このセレクタがコントロールパネルではないのは、単に開発が遅れたためである。
- System7.5.3では機能拡張の最後にOpen Transportが読み込まれるとメモリーリークが発生する。これを避けるには、TCP/IPの設定画面でユーザーモードを「Advanced」にし、「Option」ボタンを押し、「Load only when active」のチェックをとればOKだ。通信にはFreePPP1.0.4とPPP2.5の組み合わせを使うのがよい。そしてConfigPPPのコントロールパネルで「Disable Auto-Connect」を選んでおけばアプリケーションを立ち上げる度にPPP接続を始めるのを防ぐことが出来る。
- 6100、7100、8100でクロックアップしている場合は、ブラインドSCSI転送方式をとっているSCSIデバイスで問題が起きる可能性がある。Zipドライブはその一つである。これは新しいSCSI Manager4.3を入れても解決しない。
- アップデート後、警告音、QuickTimムービー、テキストスピーチの音がでなくなる。外部スピーカからも音がでない。Apple Telecomソフトのインストール後これが発生するならば、機能拡張フォルダ内の「Audio TuneUp」を捨てれば解決する。本来このファイルはInstallerが自動的に捨ててくれることになっていたが、うまく機能していない。
- Energy Saverというコントロールパネルが2つ現れるが、2つの働きは別々だ。2つあってもよい。但し、新しい方はPCIスロット付きのPPCだけに有効。
- CDを取り出そうとするとハング。強制終了は出来なくなる機種がある。
- Performa630の内蔵CDドライブからコピーをしようとするとシステムがクラッシュした。全ての(CD-ROM以外の)機能拡張を外しても効果無かった。
- CDを入れたまま7.5.3を立ち上げ、CDの中味をHDにドッラク&コピーしようとするとフリーズする場合がある。
[分かっている他のソフトとの不整合]
- LaseWriter IISC, Peronal LW SCドライバは不整合。対応はQuickDraw GXとそのドライバを使う。
- PCIマックで、古いLWプリンタドライバでQuickDrawGXプリンタで大量の文書を印刷しようとしたような場合、問題が起きる。セレクタでLaserWriter8.3.2ドライバを選択すれば解決。
- Color Sync (2.0.1 )が動かない。たまにプリントできなくなる。 古いバージョンのColor Sync (prior to 2.0)をインストールすれば問題なくなる。
- プリントしようとすると「貴方のプリンタの初期設定が見つからないか壊れています」と言うメッセージが出る。セレクタを開いてプリンタを選択れば解決。
- サウンドとモニターのコントロールパネルに色々な問題が出る。
- AppleVisionソフトは問題がある。NuBus MacとPCI Macでは異なるAppleVisionを必要とするが、Installerは識別できない。
- AppleVision 1710AV Softwareではモニターに映らないことがある。Appleより修正版が配付されている。
- モニター表示の不具合。Radius SoftPivot3.2.1コントロールパネルを使うと表示されない。SuperMac NuBusビデオカードで32ビットモードが働かない。E-Machine Futuraビデオカード、SuperMac Spectrum PDQビデオカードでも発生。アップル標準機能拡張を捨てSuperVideo2.7.5コントロールパネルを入れたら解決した。
- Centris660AV、Quadra660AV、Quadra840AVではいくつかのシステム警告音がおかしくなり、警告音がオフになる。サウンドコントロールパネルの内蔵スピーカの音量を再調整すればよい。
- ビデオ入力の機能のないMacでApple Video Playerのファイルを開いたときに間違ったダイアログが出る。本来は「ビデオ起動機能拡張が入っていません」とでるところ。
- HyperCard2.3.3以前のものはPCIマックでは録音が正しく出来ない。SinmpleSound、SoundコントロールパネルではHyperCard2.3でもサウンドの輸入とプレーが出来る。
- 新しいApple CD-ROMドライバーはDOS対応Mac(米国で売られている)には対応しない。
- Sytem7.5.3は新しいSCSI Managerコードが含まれユーザーは除去できない。Quadraでは互換性を改善するため古いSCSI Manager4.3機能拡張を停止させたほうがよい。
- SCSI Manager4.3対応でないドライバで動いている記憶装置は問題を起こす。
- 最新のHDフォーマッタとを入手し、ドライバを更新すること。AppleのものはSystem7.5 Update2.0に含まれている。サードパーティのものは各社に問い合わせること。
- 現在のドライバでアップデートしたHDで非同期I/Oを多用するプログラムを使うとプログラムが消滅する。Stuffit ExpanderやPageMakerで報告されている。
- PowerMacで動く新しいネーティブSCSIコードは、MIDIやリアルタイムの音楽操作でタイミングの不一致を生じさせる可能性がある。
- いくつかのIDEドライブでDrive Setup(1.0.4以前)を起動すると、「ドライバの更新」「ボリュームカストマイズ」「テスト」がアクティブにならない。これを直すには、このIDEドライブ上の全てのデータのバックアップを取り、Drive Setup でイニシャライズし直すしかない。
- Apple Remote Access(ARA)の7.5.3に含まれるSerial Port ArbitratorはSerialDMAと互換性がない。
- SerialDMAを使った状態では、DOS互換のソフトはPCシリアルポートでハード的なデータ交換は出来ない。
- ネットワーク機能でメモリフラグメンテーションが発生する。これを防ぐには、TCP/IPコントロールパネルで「必要なときだけ読み込む」を撰択する。
- PPPソフトとしてはMacPPP2.5が相性がよい(FreePPP1.0.5よりも)。OTに対しても。
- Open Transportを使う場合は通信ソフトを最新版にするとよい。Fetch3.0.1、Eudora Lite1.5.4、Eudora Pro2.1.4、NewsWatcher2.1.2を使うこと。
- At EaseはOpen Transportと一緒には使えない。68K、PPCともに起動時にフリーズする。どうしてもAt Easeを使いたい場合は、AppleTalkを使用すること。
- Apple Networkソフト(例えばApple Internet Router3.0.1等)はまだ7.5.3未対応。
- Global Village Teleport Patinumモデムとソフト(2.5、2.6)で電話に応答しない問題が発生。Global Villageは対応中。
- Apple Teclocmソフトウェアでファックスが遅れない。これはApple Tececom2.3.3で解決。
- MacromediaのFontgraper4.1は AppleTalkとOpen Transportでフリーズする。
- PowerMac 7500でアップデート後Geoport telecom adapterが動かなくなった。Shared Library Manager をオフにするとGeoportが働かなくなり、Telephone Manager 2.0 を要求してくる。Shared Library Managerをオンにすると、コンピュータが起動しなくなる(クラッシュ)
- SharedLibraryManagerはTelecomに相応しいが、バージョンが合っていないと動かない。Telecomに付属しているSharedLibraryManagerは必ずしも最新のものではない。
The Telecom software は SharedLibraryManagerの古いバージョンをインストールする。もし7.5.3へアップデート後このソフトをインストールすると新しい、 SharedLibraryManagerは上書きされてしまう。
従って、アップデートする前にTelecom2.3.3をインストールしOpenTransport,をカスタムインストールすれば、OpenTransport対応のSharedLibraryManagerがインストールされる。
アップデート後Telecom2.3.3をインストールしたい場合は、機能拡張フォルダからSharedLibraryManagerを一旦出して、Telecom2.3.3をインストールした後、機能拡張フォルダーの中に入ったSharedLibraryManagerと入れ替えればよい。
- Performa 637で7.5.3をアップデート後、OTを使用。At Easeをオンにしてから、起動時にフリーズするようになった。Classic Networkingにスイッチするとこの問題はなくなるが。
- Quadra 660AVで7.5.3にアップデートした後、RARP(Reverse Address Resolution Protocol - i.e., IP address -> host name)ルックアップが働かなくなった。私のWebサーバ (httpd) はログウィンドウにIP アドレスをリストにさせている。MacTCP Watcherもアドレスからホストネームは探せない。私は、Network Software SelectorでOpen Transportにスイッチした覚えはない。アップデートした時点は"classic networking"が動いていたはずだ。
- PB190でOTを使い、ポートとして「赤外線ポート」を選んでリスタートすると動かなくなる。一旦190をスリープ後ウエークさせるか、一旦モデム/プリンタポートを選んだ後、赤外線ポートを選び直すと解決する。
- ノベルのNetwareに接続されたPCIマックユーザーへ。7.5.3にはシステムシャットダウンのバグを取ったEthernet Compatibility機能拡張が含まれる。カスタムインストールでEherenet Driver Updateをインストールすべし。副作用として、終了に2分かかるようになる。
- Kensingtonトラックボールソフト(v4.11以前のもの)とOpen Transportがクラッシュ。
- ユーティリティの中にはSystem7.5.3に適合していないものがある。
- RamDoubler1.6.1はデスクトップでは正常に動くが、68040系PowerBookではうまくいかない。パワーブックが仮眠状態から目覚めたとき、ファインダーコピーを行ったときクラッシュする。Connectix社で現在対応中。MacsBugが入っていれば問題は回避できる。
- RAMDoublerとEudoraの組み合わせでも問題が起きている。Qualcommからパッチが出ている。
- SpeedDoublerは1.1.2以降のものならばOK。
- AppleShare Workstation(3.6.1)とSpeed Copy(SpeedDoubler1.1以前)は不一致。Speed Copy機能拡張を外してから、アップデートしたほうがよい。
- SAM4.0は不整合。SAM4.0.6ならOK。
- コンフリクトを起こすユーティリティ機能拡張:Now Utilities 5.0, RamDoubler1.6.1, Speed Emulater 1.1.2
- マイクロソフトOfficeをPowerMacで動かすためには、「Office Manager patch for 7.5.2」が必要。PowerMacでOffice4.2.1で頻繁にフリーズが起きるようならOfice 4.2x Update for Power Mac 1.0.1を使ってみるとよい。
- Quark XPressをPowerMacで使う場合は3.3.2にアップデートすること。
- Open Transportを使うためには、AppleShareは4.2.1以上であること。
- QuickTake2.0.1はPCIーMacとSystem7.5.3のもとではエラー11が発生しやすい。
- PhtoFlashは2.0.1へアップデートすること。
- 7200/90でethernet AppleTalkでクラッシュが時々発生。 Ram Doubler 1.6.1のせいかも知れない。type 11 errorsに関しては6週間で2回発生。ほぼ出なくなった。
- Netscape Navigatorとのクラッシュが頻発。多分メモリ不足のため。
- インターネットアプリケーション(AICK, Netscape 2.0.1E, Newswatcher, Claris eMailer etc.)で決まったようにType1のエラーが出る。普通はアプリケーションを終了するときだが、作動中変更を行うときにも出る。 Newswatcherにメールを送るときにも出た。アプリケーションへの割当メモリを増やすべきだ。特にNetscape。
- Stuffit LiteとMacPPP がクラッシュを起こし、ダウンロード、アップロードが出来なくなった。そしてMacがシャットダウンできなくなった。
- PowerMac 7500で7.5.3 update に拠る問題。
1) 起動時にフリーズ
2) 7.5.2 起動CDでフリーズまたは爆弾
3) 起動時にフリーズするエラーメッセージがtype 11 errorからtype 10 errorに変更。
- Powermac 9500/120でスクリーンの文字が化けて表示される。
- System7.5.3を入れた後、システムフォルダーの情報を見たら、60MB使用(20MB使用と出てきたけれどこの差は何?
Source: NorthStar,MacWEEK (96/3/22, 96/3/25, 96/4/8, 96/4/29), Apple Computer.
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(c) Compiled by Harry Ono 1996