Mac Clinic Tips:
漢字トーク7.5.3/7.5.5へのアップデート
Update to KanjiTalk7.5.3 & 7.5.5

作成:1996年11月8日
修正:1996年11月20日
改訂:1997年1月15日(KT7.5.5関係追加/OTは別記事に)
改訂:1997年1月16日(KT7.5.5に関する一部修正)
改訂:1997年1月20日(KT7.5.3で発生する問題一部修正)

米国では3月にリリースされたSystem7.5.3でしたが、日本ではやっと10月に漢字トーク7.5.3アップデートがリリースされました。雑誌の付録のCD-ROMにアップデータが入っていたので、これでアップデートを試みた方も多いでしょう。
更に12月には漢字トーク7.5.5アップデートも発表され、雑誌の付録のCD-ROMに収められています。バージョンの番号が一つ飛んでいますが、7.5.4というのは作られていたようですが、最後に大きな変更が行われたため、いきなり7.5.5になったという話です。
Mac Clinicにも漢字トーク7.5.3および7.5.5へのアップデートは必要なのか、どうやればよいのか、アップデートしたらいろいろな障害が出たがどうしたらよいかという診断願いがいくつも寄せられています。今回は、それらについて整理してみました。
漢字トーク7.5.3については7.5.xからアップデートする方法と、新規にインストールする方法がありますが、7.5.5に関しては7.5.3からのアップデートしかないため、まずは7.5.3の環境をきちんと作る必要があります。

1.漢字トーク7.5.3へのアップデートは必要か
(1)疑似漢字トーク7.5.3を使用のユーザーの場合
英語版のSystem7.5Update2.0を使って疑似漢字トーク7.5.3を作って使われてきたユーザーの方は、現在の環境に問題がないのであれば、そのままでも構いません。やはりメニューやアラートが日本語の方が楽だと思われる方は日本語のアップデートを行いましょう。日本語のアップデーターは制限があり、カスタムインストールできませんから、英語版の一部のファイルを使えるというメリットもあります。
また、漢字トーク7.5.3アップデートを用いた場合、機種によってはオープントランスポートが正常に作動しないものがあります。この場合は、疑似漢字トーク7.5.3に戻すか、OpenTransport1.1.1にアップデートする必要があります。

(2)漢字トーク7.5、7.5.1、7.5.2を使用のユーザーの場合
現在のシステムで特に不自由がなく、新しいことを求めないユーザーは現在のままでも構いません。私も6か月7.5.3を使ってみた印象では体感できるほどのFinderのスピードアップやシステムエラーの減少は感じられません。
アップデートしなくても当面は問題はないでしょうが、非PCIマックでオープントランスポートを使いたい場合は絶対に必要です。また最新のOpenTransport1.1.1を使う場合も必要ですから、ともかくアップデートは試みるべきでしょう。
また、機種、システムとの組み合わせで今まで正常に動かなかったアプリケーションが動くようになるものがあります。私の場合でも、PhotoshopやPersuasionが動かない機種があったのですが、漢字トーク7.5.3にアップデートしたら皆動くようになったのには驚きました。

英語版のSystem7.5Update2.0を使って疑似漢字トーク7.5.3を作る方法は知っていたが、面倒なので諦めていた方、やってみたけどうまく行かなかった方は、今度はほとんどリスクなしにアップデートすることが出来ます。アップデータも無料で(または雑誌の付録で)配付されていますので、迷わずやってみるべきでしょう。

(3)Performaユーザーの場合
アップル社のアナウンスメントによるとPerformaの漢字トーク7.5は通常の漢字トークにAt Ease等の専用の機能を加えているため、今回の漢字トーク7.5.3アップデーターでのアップデートしても、その動作は保証しないそうです。それならばPerforma用のアップデーターを配付すればよいと思うのですが、その計画もないようです。私自身もやってみましたが、雑誌の付録で漢字トーク7.5.3アップデーターでアップデートすることは可能です。

もう一つの方法は、製品版の漢字トーク7.5.3を購入し、システムを丸ごと入れ替える方法です。この場合はPerformaの一部の機能を捨て、普通のMacと同じシステムになります。

パワーPC搭載のPerformaユーザーは今迄オープントランスポートを使うことが出来ませんでしたが、この度OT1.1.1がリリースされそれが可能になりました。ところがOT1.1.1はSystem7.5.3以降にしか対応していないため、オープントランスポートが使いたい場合は、絶対に漢字トーク7.5.3にする必要があります。Performaでの漢字トーク7.5.3/7.5.5アップデートとオープントランスポート1.1.2/1.1.2のインストールについては「Performaでもオープントランスポートが使える」を参照してください。

(4)漢字トーク6.0.7、7.1を使用のユーザーの場合
これらのユーザーの場合は、アップデートではなく、システムの入れ替えになりますので、実売価格で15、000円ほどのシステムキットを購入しなければなりません。
漢字トーク6.0.7を使っているマシンでで漢字トーク7.5が出た時点でアップデートしなかったユーザーはあえてアップデートすることもないでしょう。
漢字トーク7.1の場合は、今回出たOpenTransport1.1.1を使えば7.1のままでオープントランスポートが使えるようになりますので、この目的であえて7.5.3にアップデートする必要はありません。7.5.3は680X0マシンではそれほど大きなメリットがありません。ただ、7.1と7.5の差は大きいので、この際一気に7.5.3へアップデートするのはよいことだと思います。

2.アップデートするために
アップデートする方法には2つあります。
一つは全く新しいシステムをインストールする方法、もう一つは漢字トーク7.5、7.5.1、7.5.2をベースに書き換えを行うもの(アップデーター)です。

(1)製品版のアップグレードキットを購入する
これは第一の方法で、システムそのものを入れ替えます。
現在はどこのMacショップでも扱っています。15000円くらいで、システムとインターネットスターターキットが入っています。
漢字トーク6.0.7や7.1のユーザーが7.5.3にアップデートしたい場合は、これを購入するしかありません。
漢字トーク7.5、7.5.1、7.5.2のユーザーは購入する必要はありませんが、お金に余裕があるのであれば購入されたほうが良いでしょう。アップデータによる方法よりも簡単で間違いがありません。また7.5.3のシステムCDを持っていることになるので、将来トラブルが起きた場合、簡単にシステムの再インストールが出来ます。

(2)アップデーターによる
漢字トーク7.5、7.5.1、7.5.2をベースに書き換えを行います。
このアップデーターはクラリスから販売もされていますが、AppleのFTPサイトからダウンロード(無料)するか、Mac専門誌(MacPower、MacUser、MacLife)の11月号の付録についています。
これは現在のシステムを上書きするため、多少の混乱をともないます。また漢字トーク7.5.3の純粋なシステムディスクが必要な場合は、現在のシステムCDから純粋な7.5のシステムをインストールし、それを7.5.3にアップデートし、さらにそれを他のメディア(外付けHDやZip、MO等)に保存しなければなりません。

3.アップデーターによるアップデートの実際
ここでは雑誌の付録のアップデーターを使って書き換えを行う方法を説明します。
(1)準備
英語版Sytem7.5.3Update2.0を使ってアップデートを行った場合と比べ、漢字トーク7.5.3アップデータでのアップデートは非常に簡単で、大した準備は必要ありません。
ハードディスクを初期化したり、まっさらな漢字トーク7.5をインストールする必要はありません。現在使っているシステムそのものを書き換えることが出来ます。

但しこのようなアップデートをするときの常識としてシステムフォルダのバックアップを取っておきましょう
外部記憶装置を使っていればベストです。ない場合は内蔵HDでも構いません。空き容量に余裕があれば、システムフォルダを丸ごとコピーしたほうが良いでしょう。アップデータは自動的に機能拡張ファイルやコントロールパネル書類も書き換えますので、うまくいかなかったときも簡単に元に戻すことが出来ます。
空き容量に余裕がない場合は
・System
・Finder
の2点だけでもコピーを取り、システムフォルダの外に出してください。少し余裕があれば、「コントロールパネル」と「機能拡張」全体のコピーを取っておいたほうが良いでしょう。
次に、アップデートによってどの書類が書き換えれたり加わったりしたかを知るために、機能拡張フォルダとコントロールパネルフォルダのなかを開いて、「全て選択」し、ラベルメニューで色を付けておきます。こうしておくと、色のついていない書類が新しい書類ということが一目で分かります。

それではアップデーターCDを入れてください。「漢字7.5.3アップデート」ファイルを開き、「ユーティリティ」を開き、更に「ドライブ設定」を開いて、インストールするHDのドライバーの更新を行います。これは漢字トーク7.5を使っているMacの場合はドライバーは更新されているはずですので、必ず必要というわけではありませんが、念のためにやっておきましょう。インストールしたいHDを選択し、「更新」のボタンを押します。「再起動後に新しいドライバーが使えるようになる...」というメッセージがでますが、そのままでも構いません。

(2)アップデーターのインストール
同じCDから「システムインストール」を開き、「漢字Talk7.5アップデート」という名のインストーラを起動させます。
英語版のインストーラでは簡易インストールとカスタムインストールが選択できたのですが、日本語版のインストーラでは簡易インストールしか選べません。インストーラが自動的に機種を判定し、必要なファイルだけを書き換えてくれるのですが、カスタムインストールが出来ないのは不自由です。
インストール先のHDを選択するとインストールが開始されます。インストールが完了するとデスクトップの再構築が行われます。この間全部で25分くらいかかります。
英語版のアップデートに比べるとあっけないほど簡単です。

内蔵HDにSystemのコピーを作った場合は、再起動するとこのコピーのSystemが起動システムとして認識されてしまいますので、「System Switcher」のようなユーティリティを用いて、アップデートしたシステムフォルダを起動システムにスイッチしてください。

再起動すると漢字トーク7.5.3になっているはずです。アップルメニューの「このMacintoshについて...」を見ると右肩が「システムソフトウェア J1-7.5.3 リリース2」とう表示になっているはずです。

(3)システムフォルダの整理
システムフォルダを開けてください。次のファイルの情報を見てください。次のバージョンになっているはずです。
・System J1-7.5.3
・Finder J2-7.5.5
・Sytem7.5Update J1-2.0.4

機能拡張フォルダを開いてみてください。アイコンに色のついていない書類がいくつも見つかるはずです。丸漢サポート(J1-7.5.3)やネットワーク機能拡張(J1-7.5.5)といったファイルも更新されていることが分かります。

あなたが現在使っていたシステムフォルダが自分なりにカスタマイズしていて、不要なファイルを取り除いていたような場合、このインストーラはファイルがないと判断して、勝手に書き加えてしまいます。英語版のファイルを入れていた場合、同じファイルで名称だけが異なるものを書き加えていることもあります。
「ことえり」を使っていない場合もことえり関係のファイルが加えられます。色のついていないファイルについては必要ないものは捨ててしまって構いません。
どれを捨てていいか分からない場合は、取りあえずはそのままとしておきます。
しばらく使ってみて、問題ないようであれば、このまま使ってください。

4.現在のインストールの問題点
(1)オープントランスポートが使えない
現在あなたがPowerMac5200、5300、6200、6300を使っている場合は期待していたOpenTransportが機能拡張の中にインストールされていないことに気付くでしょう。
漢字トーク7.5.3アップデーターに含まているOpenTransportはバージョン1.1でこれはPerforma並びにPowerMac5200、5300、6200、6300には対応していないので、インストールされないのです。これらの機種でオープントランスポートを使うには10月末にリリースされたばかりのOpenTransport1.1.1または12月にリリースされたOT1.1.2を入手しインストールする必要があります。
これ以外の機種ではOpenTransport1.1がインストールされますが、機種によっては機能に制限があります。全ての機種でOpenTransport1.1.1または1.1.2を使われることをお勧めします。
オープントランスポートについては「Performaでもオープントランスポートが使える」を参照してください。

(2)コントロールバーがインストールされない
コントロールバー(Control Strip)は元来PowerBook用に開発された機能ですが、Sytem7.5.3からはデスクトップMacでも使用できるようになりました。しかし、不思議なことに漢字トーク7.5.3アップデーターではPowerBook以外へのインストールを行っていません。これを使いたい場合は、System7.5Update2.0からカスタムインストールで取ってくるしかないようです。System7.5Update2.0は雑誌の10月号の付録についています。

5.漢字トーク7.5.3とOpenTransport1.1.1のアップデートで生じる問題
(1)アップデーターでアップデートした結果生じる問題

アップデータでアップデートする場合、古いシステムフォルダを直接書き換えるため、除去されない機能拡張ファイルとのコンフリクトやシステムそのもののコンフリクトが生じる場合があります。現在までにMac Clinicに報告されているものでは次のようなものがあります。

(1.1)起動時に「機能拡張ファイルのコンフリクト」のメッセージが出て立ち上がれない
OT1.1.1のインストールをした場合、OT1.1の書類が残っているとこれらばコンフリクトを起こして立ち上がれなくなります。
この場合はとりあえずシフトキーを押しながら起動させます。これで機能拡張ファイルがよみこまれません。文字化けして大変ですが、機能拡張フォルダを探して開き、古いOT1.1のファイルを探して皆外にだしてください。

(1.2)全てのフロッピーディスクが読めなくなる
フロッピーディスクを入れると「よめません。初期化しますか。」というメッセージが全てのフロッピーディスクに対して現れます。
これは漢字トーク7.5.3アップデート時に、システムフォルダのなかにSystem Enablerが残ったままになり、これがSystemファイルのFDドライバーに影響を与えているようです。
System Enablerをシステムフォルダの外に出し、再起動すれば正常になるはずです。

(1.3)システムが終了できなくなる
システムを終了させようとすると、「アプリケーションが見つからない」等のメッセージが出たり、なにも出なくても、とにかくシステムが終了できなくなることがあります。
この場合はPRAMのクリアで直るはずです。

(1.4)アップデート後、非インライン入力バーの文字が化ける
インラインは日本語が入力できるのに、入力バーでの入力になると日本語が文字化けを起こす場合があります。
これはアップデート時に、機能拡張フォルダから「WorldScript1」が外されてしまうばあいがあるからです。WorldScript1とWorldScript2が入っていることを確かめてください。

(2)漢字トーク7.5.3(System7.5.3)とOTそのものの問題
(2.1)オープントランスポートでWWWは使えるが電子メールが使えなくなった
オープントランスポートが使える機種では漢字トーク7.5.3アップデーターでアップデートすると自動的にオープントランスポートがインストールされます。従って、オープントランスポートは使えるのですが、漢字トークとOT1.1ではまだ一部に機能上の問題があるようです。
OT1.1.1をインストールすれば問題は解決します。

(2.2)アプリケーションのメモリが開放されなくなる
OpenTransport一旦立ち上げるとネットワークとの接続を終了した後でも、アプリケーションのメモリの開放が出来なくなります。従来は同時に開けていたアプリケーションが開けなくなり気付きます。全てのアプリケーションを終了すればメモリは開放されます。

(2.3)Finderが遅くなった。ときどきカーソルが凍りつく
本来はファインダの速度が速くなるはずなのですが、反対に非常に遅くなり、ウィンドウの開閉やメニュー表示に非常に時間がかかるようになったり、カーソルが何十秒か動かなくなる現象が発生しています。アップルメニューコントロールパネルに問題があるとも言われていますが、まだ原因はわかっていません。
再起動すればとりあえず問題は解決します。

(2.4)マウスの速度が遅くなる
アプリケーションを強制終了させたり、何か異常があった後、突然マウスの速度が非常に遅くなる現象が出ることがあります。コントロールパネルの設定は変わっていおらず、まだ原因はわかっていません。
再起動すればとりあえず問題は解決します。

(2.5)システムの終了が出来なくなる
システムの終了をしようとしてもファインダがフリーズして終了できなくなる症状が発生しています。 原因はまだわかっていません。
コントロール+パワーキーで強制リスタートすれば、次は終了できます。

(2.6)音楽CDの音がでなくなる
これはもともとPowerMacの仕様であったもので、漢字トーク7.5になり解消されたものですが、7.5.3にアップデートすると戻ってしまいました。現象としては、音楽CDを入れても音がでないというものです。
対応策としては、「サウンド」コントロールパネルを開き、「サウンド入力」の「オプション」で「外部に音を出す」をクリックします(チェックされているのを再度チェックする)。これは再起動するとまた元に戻りますので、毎回この操作をする必要があります。
恒久的な治療法はまだ分かっていません。
(2.7)本体の音量スイッチが上げれなくなる
一部のPerformaで起きている現象ですが、本体前面にある音量スイッチを操作すると、下げることは出来るが上げることが出来なくなるというものです。この場合、コントロールパネルでは音量調整はできるはずです。
反対に全く同じ機種で、フロントパネルでは調整できるが、コントトロールパネルでの調整が出来なくなったとの報告もあります。 いずれの場合もコントロールパネルに問題があるようです。
(2.8)クラリス・ワークスの通信機能が使えなくなる
Performaにバンドルされているクラリス・ワークス2.0の通信機能が使えなくなるという現象が発生しています。この場合でも他の通信ソフトは使えますし、同じ機種でも使えるという報告もありますので、単にクラリス・ワークス2.0設定上の問題かも知れません。
システムアップデートにより、PRAMが書き換えられたり、初期設定が変わってしまう場合があるようです。
(2.9)Performaのキーボードの配列が変わる
これもPerformaだけに起きる現象ですが、Performaに付属しているキーボードの配列が変わってしまうというものです。()@等のどの記号の配置がキーボードの表示と変わってしまいます。
これは漢字トーク7.5.3アップデータで供給されるコントロールパネルが標準のキーボードに設定をしているためです。
コントロールパネルの「キーボード」を開き、「ローマ字-JIS」を選択すれば直ります。

(2.10)いろいろなアプリケーションとの相性
漢字トーク7.5.3やOpenTransport1.1.1は新しいシステムのため、一部のソフトでは問題が生じるものがあります。多くの場合は、7.5.3に対応した最新バージョンを入手すれば解決するはずです。友彦氏の「KT7.5.3互換性リスト」を参照してください。ただこれは、このバージョンでないとうごかないものと、動くが問題が起きる場合があるというものがあります。もし現在お使いのソフトで何か障害が生じたら、バージョンのせいかも知れないと考える材料にしてください。

6.漢字トーク7.5.5へのアップデート

96年12月に漢字トーク7.5.5アップデーターが発表されました。
漢字トーク7.5.5は単体では存在せず、漢字トーク7.5.3を書き換える方法がとられます。
ですから、あらかじめ漢字トーク7.5.3が搭載されているモデルを購入されている方はそのままで、漢字トーク7.5.2以前のシステムをお使いの方は、まず7.5.3にアップデートする必要があります。標準搭載の漢字トーク7.5.3はリリース1、市販CD-ROMの漢字トーク7.5.3及びアップデートによる漢字トーク7.5.3はリリース2となっていますが、どちらでも7.5.5にアップデートできます。

●漢字トーク7.5.5へのアップデートは行うべきか
7.5.5は7.5.3の修正版であり、目に見える改善というのはありません。特に改善された点は、ネットワーク処理駄とも言われています。
このように短期間にシステムがアップデートされるのは、ユーザーの混乱を招くだけであり、決して好ましいことではないのですが、WidnowsとのOS競争で、止むを得ない事情もあるようです。マイクロソフトとの大攻勢により、Appleのみならず、Netscapeや一太郎といったアプリケーションの分野でも、バージョンアップの間隔が非常に短くなってきており、品質が確認されないまま頻繁にバージョンアップが行われるようになったことは、パソコンユーザーにとっては決して好ましいことではありません。技術革新は歓迎されるものですが、ユーザーを無視したメーカーの競争を産み出しているマイクロソフトの力任せのやり方は非難されてしかるべきでしょう。
それはさておき、既に漢字トーク7.5.3へアップデートを完了し、問題なく動いているユーザーはアップデートを行うべきでしょう。

●漢字トーク7.5.5アップデータの入手
日本Appleのホームページからもダウンロードできますが、雑誌の付録のCD-ROMから入手するのが最も簡単です。97年1月号以降のMac専門誌には基本的に入っています。

●漢字トーク7.5.5へのアップデートの方法
私のシステムでは正常に動いていますが、必ずしも全ての環境で同じ結果が得られるとは限らないのがこの世界です。一部の報告によると、漢字トーク7.5.5へのアップデートによりいろいろな問題が発生しているのも事実です。このハード、ソフトの組み合わせならば絶対に大丈夫というのはわかりません。
そこでシステムアップデート時の標準作業として、必ず現在動いている「漢字トーク7.5.3のシステム」のバックアップをとりましょう。アップデートされるのはSystemだけですが、念のためにSystem, Finder, System7.5Update, 機能拡張フォルダ、コントロールパネルフォルダをコピーして、HDの別なフォルダに入れておきましょう。
次に漢字トーク7.5.5アップデータの入ったCD-ROMを開き、「漢字トーク7.5.5アップデータ」のインストーラを起動させます。わずか10秒ほどで作業は終了します。

●漢字トーク7.5.5の問題点
まだMac Clinicには漢字トーク7.5.5にアップデートしたことによる問題についてはそれほど多くの症例は報告されていません。多くの方が、漢字トーク7.5.3と7.5.5のアップデートを連続して行っているため、それが7.5.3の問題なのか、7.5.5の問題なのかが分からない面があります。また、Open Transportとの関連の不具合も多く、7.5.5の問題なのか、OT単独の問題なのかが特定できない部分もあります。
システムのトラブルは各人が使っているハードとソフトの環境が異なるため、なかなか原因を特定することが出来ません。本当の病気のように、症例の積み上げによってしか原因解明が出来ないところがあります。Mac Clinicはみなさんの体験の積み上げで成り立っていますので、自分はうまく行った、自分はここで苦労したという体験も含めて、なるべく多くの事例を報告していただきたいと思います。

MacWeek(96.10.11)の記事によると、これは米国のSystem7.5.5のケースですが、次のような問題が指摘されています。

その他の具体的問題については、事例が集まり次第報告します。


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