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晩秋の御射鹿池・奥蓼科 (鉛筆画・F10号)

秋の一日、蓼科東急リゾートで過ごし、翌日奥蓼科経由で東京に帰ることにした。奥蓼科は東急リゾートより南に位置し、八ヶ岳本峰縦走の登山口ともなっている。車で約30分程で奥蓼科に行くことが出来る。奥蓼科には渋川の上流から横谷峡にかけて、峡谷沿いに秘湯の一軒宿が点在している。車で走行中偶然にも、原生林の中に佇む美しい池に遭遇した。不案内であったため近くにあった一軒宿を訪れた。ロビーには周辺の写真などきれいに飾られていた。そこで女将の話を聞くと東山魁夷がこの池・御射鹿池で絵を描くために長いことこの宿に逗留したそうで、その時の写真も見せてもらうことが出来た。その偶然の出合いに驚きながら、新たな気持ちでスケッチをするため再び御射鹿池に向った。池の周囲を囲む紅葉の木々と水面に映る静寂な姿は、御射鹿池の神秘的な情緒と相俟って、それはまるで東山魁夷の絵の世界そのものと感激し、茫然と暫し見入っていた。