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ローテンブルグ・シュミート通り (水彩画・F6号)

中世の街の面影をそのまま留めている町、それはローテンブルグである。石畳の街路、あの迷路のような小路は12世紀のドイツ皇帝ホーエン・シュタウフェンが居城を築いた時の魂が宿るようでもあり、泉のある広場は城下町を発展させた偉大なるフリードリヒ赤髭王の威光が輝いているようでもあった。ローテンブルグは第二次世界大戦の時、一度はアメリカ軍の襲撃を受けたが運良く破壊を免れたと聞いた。丁度日本の京都や奈良のようなものである。その後この町は一部を復旧して「街並み保存」を町民総意の力のもとで行ったのだと云う。レンガ色の屋根、深い切妻、壁にはり出した幾何学模様の幾本もの梁はどっしりとドイツ中世を伝え、又それぞれの趣向を凝らした看板がこれらの建物とよく調和している。この町全体がまったく中世そのままなのである。しかもその中に近代的な建物が一軒としてないということは、我々日本人にとっても学ぶ点を多とする。