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伊根の舟屋 (鉛筆画・F8号)

船と共に暮らす人々、海を愛し、海を尊び、海と共に生きる。そこには人々の知恵とたくましさそして大いなる海への愛情が溢れている。
若狭湾に面した町、京都府与謝郡伊根町に舟屋の町並みがある。「舟屋」は日々の生活の中に必要に迫られて出来あがった機能的な建築群である。家々の一階部分がいわゆる「船のガレージ」として海側に大きく開けていて、漁が盛んな町の砂浜でよく見掛けるスロープに横木が打たれた船着場らしき機能が1階部分に組み込まれている。2階部分は住居であり職・住一体の形式である。この地域は山がすぐ背後にまで迫り、広く敷地がとれない土地ならではの建築と云える。表の街路にも一重の住宅が建てられ、そこも住居に使われているそうで、全体の美しさは正に日常生活での機能美であるとも云えそうである。
特に海からの眺めは、他に見ることの出来ない海さながらの独特の情景であった。