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三井霞が関ビルデイング (鉛筆画・F6号)

三井霞が関ビルデイングと云えば、我が国初の本格的な超高層ビルである。高さは147mで竣工は1968年3月である。その頃私は丁度大学の建築科を卒業して5年、私はこのビルに次ぐ我が国2番目の超高層ビル(世界貿易センタービルデイング)の設計監理の仕事を行っていた事を思い起こす。当時は都市と云えども建物の高さは31m以下のものばかりであった。このビルが建設された霞が関界隈ではその高さで大変目立つ存在となり、特に外堀通りの虎ノ門からの眺めはその大きさによりアイストップとなる一つのランドマークになり、都市景観の新しい光景が生まれたのであった。そのような思い出を描きながら40年余後の今虎ノ門に出向きスケッチをする気持ちにさせた。
現在では周辺の建物が高くなったためにアイストップの効果がそれ程ではなくなったが、ニューヨークのパンアメリカンビルに見るような光景の効果が東京でも覗えるのは嬉しい。
都市は建物集合による様々な美しい空間を生み出し、それに触れることで人々に生活へのの喜びを与えてくれることにあると思う。