買書日記(11月)   掲示板

11月30日(日)

11月最後の日。『カラフル』森絵都 読了。
相方は旅行中であるが、かといって出かける気にもならず。駅で文庫本を買っただけ。
満月と血とキスと シャーレイン・ハリス 集英社文庫 吸血鬼ものとは言っても実際はロマンス小説かと思っていたが一応SFマガジンでも取り上げていたので買っておく。
悪党どもはぶち殺せ! ジスラン・タシュロー 扶桑社ミステリー 衝動買い。これは面白そうである。おーかわさんあたりの好みかも。
陰陽師九郎判官 田中啓文 コバルト文庫 ぽかぽかさんのところで出ているのを知りました。コバルト文庫とは意表をついているな。
笑撃☆ポトラッチ大戦 かんべむさし 講談社青い鳥文庫 「ポトラッチ戦記」をジュブナイル長編としてリライトしたもの。今月は平井和正の「超革中」がタイトルを変えて刊行されているが、著者前書きがあいかわらず平井節。つくづく幸せな人だなと思う。

(今日買った本:4冊 今月買った本229冊 今年買った本:1318冊)

11月29日(土)

『ららら科學の子』 読了。

買い物。
三丁目が戦争です 筒井康隆 講談社青い鳥文庫
いじわるな動物園 三木卓 小学館 コント集。
火浦功伝説 アスペクト バラエティブック。
三人の宇宙飛行士 ウンベルト・エーコ TBSブリタニカ 積年の探求書ゲット!「爆弾と将軍」もどっかにないかなあ。
犬嫌い エド・マクベイン ポケミス
彌太郎さんの話 山田太一 新潮社 幻想系ね。
追憶の夜 山上たつひこ マガジンハウス
街の灯 北村薫 文藝春秋
NHKへようそこ 滝本竜彦 角川書店
DIVE1 森絵都 講談社 これで読めますわ。
流生ワゴン 重松清 講談社
マドンナ 奥田英朗 講談社

(今日買った本:12冊 今月買った本225冊 今年買った本:1314冊)

11月28日(金)

読みたい本がたくさんありすぎ。どんどん出るし家にも溜まる一方だなあ。

また買い物。
くつしたをかくせ! 乙一 光文社
光の山脈 樋口明雄 角川春樹事務所
千年の黙 森谷明子 東京創元社 意外に売れているらしい。葉山さんのお勧めにより購入。
ニシノユキヒコの恋と冒険 川上弘美 新潮社 うーむ、読まないうちから新刊購入するようになってしまうのはいかがなものか。
接近 古処誠二 新潮社 なんとなく面白そうな予感がする。

(今日買った本:5冊 今月買った本213冊 今年買った本:1302冊)

11月27日(木)

雑誌も読まなきゃいけないね。どうも創刊号から揃っている場合、途中から読む気がしないのである。そうするとSFマガジンやミステリマガジンは一生読めないぐらいになってしまうんだよなあ。ジャーロくらいは読もうと思っていたのに。もう随分たまってしまった。けど、最近出る本でジャーロ掲載作品で埋められていることがあって、そういうのはやっぱりまとまってから読みたいし、困っちゃうんだよね。翻訳ならまずまとまらないほうが多いので比較的安心して読めるんだけど。悩みどころ。

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ 滝本竜彦 角川書店
ある日謎のチェーンソー男と戦う女子高校生絵里ちゃんにめぐり合ったオレは、いきがかりで彼女をサポートすることにする。ジャックナイフを操るスーパー少女とオレはチェーンソー男に勝つことができるのか。
非日常の設定を用いてはいるが、それはあくまでも小説内の装置でしかなく、基本的には変形したラブストーリーであり、青春小説である。昔ならリアリズムべったりで描かれていた世界であるが、今は古典的な青春やボーイミーツガールの話を現実の世界を舞台にしては描きにくくなってしまったのだろうか。だとすればこれはゲームやアニメでSFやファンタジーの世界観が当たり前となった今の時代には受け入れられやすい書き方なのかもしれない。そんなふうにも思ってしまうのだ。今風の衣を着てはいるが、実体は王道とも言える古典的小説であり、本書が若い読者に支持される理由はよくわかる。もっとも物語における男女の役割は完全に逆転しているのであるが。
角川学園小説大賞特別賞授賞作品。基本的には若い読者むけ。


届け物とbk1を開封。
SFファンタジー イラスト劇場@ 学研 安く買えて嬉しい。なかなか綺麗な本である。角田純男の画集でないかなあ。
突囲表演 残雪 文藝春秋 ほとんど改行の無い細かい活字がびっしり400ページ。かなり実験的な作品らしい。
モンスターの眠り エンキ・ビラル 河出書房新社 コミックだからなあ、1冊に入れようかどうしようか。
天使 佐藤亜紀 文藝春秋
聖別された肉体 横山茂雄 書肆風の薔薇 
稲生モノノケ大全 東雅夫編 毎日新聞社 大部の本である。持ち歩いて読むにはやや不適。
暖炉 野溝七生子 展望社 未刊の6篇があるため買わなければいけなくなってしまった。書棚に並べておくには立風書房の方が良い。
変身のためのオピウム 多和田葉子 講談社
修道院回想録 ジョゼー・サラマーゴ 而立書房 幻想小説。
アイリッシュ・ヴァンパイア ボブ・カラン 早川書房
廃墟の歌声 ジェラルド・カーシュ 晶文社

(今日買った本:11冊 今月買った本208冊 今年買った本:1297冊)

11月26日(水)

買い物をとりまとめて。
少し古い早川文庫が少しあったので思わず買ってしまう。
ブレーン・マシーン ジョージ・O・スミス 創元推理文庫 既読のはず。
ブロンズの男 ケネス・ロブスン 早川文庫SF
dマストドニア クロフォード・D・シマック 早川文庫SF
d人狼原理 クロフォード・D・シマック 早川文庫SF
地球最後の砦 A・E・ヴァン・ヴォクト 早川文庫SF 既読。
宇宙製造者 A・E・ヴァン・ヴォクト 早川文庫SF 既読。
幻神伝 浅田靖丸 カッパノベルス
ミステリマガジン1月号 イアン・ランキン特集。といっても、どんな作家か知らないのだけど。来月号はウエスタン特集ということだが、作家はスタージョン、マシスン、ブラウンと異色作家短編集再びという感じで嬉しいね。楽しみだ。読んじゃおうかなあ。
火星ダーク・バラード 上田早夕里 角川春樹事務所 第四回小松左京賞授賞作品。
姉飼 遠藤徹 角川書店 第十回日本ホラー小説大賞受賞作
楽園の知恵 牧野修 早川書房 Jコレクション 書き下ろしが1篇だけなのは残念ではある。
SFマガジン1月号 レム特集。インタビューと各氏の評論で構成されて純然たる邦訳が一つも無いのが変な感じだが、ある意味すばらしいかもしれない。文庫の復刊アンケートは1位が『光の塔』というのはわかるけれども、水見稜が『夢魔の降る夜』というのはちょっと解せない。絶対『マインド・イーター』だと思うのだが。邦訳では浅倉久志セレクションが開始された。昔のSFアドベンチャーのコーナーを彷彿とするすばらしい企画だ。いっそのこと伊藤典夫セレクションとか鏡明セレクションとかも始めればいいのに。

(今日買った本:12冊 今月買った本197冊 今年買った本:1286冊)

11月25日(火)

買い物も少ししたけど、諸事情によりモチベーションがあがらないので明日以降にまとめて。

いわいさんは島田荘司だめでしたか。ミステリーとしては門外漢なのであまり良くはわかりませんが、密室のキーになる部分は少し前に田中啓文の「鬼の探偵小説」で出てきたので、ふーん、という感じでしたし、背景は確かにみえみえでした。時間の矛盾は気がつかず、伏線に関してはそもそも伏線を読み取るような読み方をぼくはしません。マストは厳密に言うと確かにおっしゃる通りですが、商船・客船クラスで船によって規格(そもそもそんなものはないのかもしれないけどよくわからない)が極端に違わない限りはそんなもんかと許容してしまいました。やっぱり変か。ぼくは「透明人間」のメタファーとしての使い方はありきたりだし著者の主張もあからさますぎて感動こそしませんでしたが、ノスタルジーを感じさせる小説としては結構面白かったのです。というか単にこういうタイプ(少年時代の思い出を振り返るような)の話に弱いのかもしれませんけれど。ミステリーとしてはぼくもあんまりかなあ。でも透明人間に関してはある意味ミステリーとしてはフェアーじゃないかもしれないのだけど、子供の眼を通すことによって成立しているようなところがあって、それはそれで着眼として面白かったです。
それにしてもやっぱり人によって読み方が違いますね。その方が面白いけれど。
月うさぎさん、ぜひお読みください。(勧めておいてなんですが、月うさぎさんはつまらないと言いそうな予感が)

(今日買った本:0冊 今月買った本185冊 今年買った本:1274冊)

11月24日(月)

朝から皆既日食を視聴。うーん、感動的やなあ。

怪獣幻図鑑 池谷仙克画集 東宝 メチャクチャ嬉しい!
d猫と悪魔 ジョイス・丸谷才一訳 小学館 旧仮名遣いで翻訳した絵本。

「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」 読了。これは読者を選ぶな。

「ららら科學の子」を読むことにしました。

不問ノ速太、疾る 澤田黒蔵 学研M文庫
第二回ムー伝奇小説大賞で優秀賞を授賞した作品。本作は夢枕獏氏が推している。内容は奥州の黄金寺院という宝捜しを軸にして、山の民やら日高見国やら、日本の影の部分を盛り込んだ正統的な伝奇小説になっている。
主人公は伊達の黒脛巾組の父を持つ忍者の青年、速太。久しぶりに里帰り速太は、ひょんなことから目の前に現れてきた自害して果てた父親の追っていた黄金寺院に惹かれ、黒脛巾組や磐城等の黄金に憑かれた者たちとの戦いに巻き込まれていく。といった具合で物語自身は忍者小説の枠組みである。主人公の速太がヒーローものとしては結構弱くて、カタルシスはあまり無いのだが、ムー的な要素と忍者小説というおそらくは著者の好みの分野をとりあげて小説にしたという感じで、好感の持てる仕上がり。半村良や山田風太郎のようにスーパーナチュラルの域まで達するような過剰な部分は無いのだけれど、歴史小説のような堅実な書き込みに徹した伝奇的な要素も、私のような門外漢には結構面白かった。
著者は既に学研M文庫で3冊、本名の沢田直十名義でソノラマ文庫から2冊の著書を出しているので、純粋な新人とはいえないかもしれないけれど、伝奇忍者小説としては悪くない出来である。



(今日買った本:2冊 今月買った本185冊 今年買った本:1274冊)

11月23日(日)

解禁日に家人が買ってきたボジョレーヌーボーが美味しかったため、近所の酒屋で売れ残りを買う。いろんな種類があるんだね。ミーハー日本人の小市民的楽しみ。でもお店の人に聞くと航空便のため、半分は輸送費とのこと。そうするとワインとしてはやっぱり安いものだな。でも素人だから美味しければかまわないし、フレッシュな感じがいいんだよね。

壁 栗本薫 ハルキホラー文庫
典型的な幽霊屋敷もの。描写力というか、恐怖を喚起させる手腕にはさすがと思うところがあるものの、ストーリーはステロタイプを出るものではなく、文章でへんてこな表現があるため、途中でひっかかってしまう。「とても完全」ってなあに?「少し完全」とか「やや完全」とかあるのか?意味は通じるけれども「ゆきつけ」とは普通言わんだろう。まして地の文で使うかぁ?氏は「行く」をどうしても「ゆく」と読ませたいらしい。まあこれは間違いではないだろうから、好みの問題でしかないのかもしれないけれども。何にしてもひっかかるところが何箇所かあったことは事実だ。
中島梓氏の、特に賞の選考とかを行う際の言動にはいたく反感を感じていたものだが、本書を読む限り、ご自身の書かれるものもさして優れたものだとは感じられないのだった。とはいえ、文体は気にしない方なのにもかかわらずどうもひっかかってしまったのは反感のなせる技なのかもしれない。事ほど左様に人間は感情の生き物なのである。
まあ新鮮味は無いけれど、ホラーとしてはなかなかの恐怖感があるので読んで損は無いと思います。結末は、まあこういう終わり方もあるだろうという程度で、良くも悪くも無し。なんだかこの人の本、公平に読むことができないかもしれません。


不問ノ速太、疾る 澤田黒蔵 読了。

このまま起きていて皆既日蝕見ようかな。

(今日買った本:0冊 今月買った本183冊 今年買った本:1272冊)

11月22日(土)

こまさんのよしださんのところの書き込みで「合田佐和子展」を知り、会期末ぎりぎりで行くことができた。場所は松濤美術館で、初めて行ったのだけど場所がわかりにくい。会場は地下会場の天井が吹き抜けに近いくらいに高くて、凝ったプレゼンテーションがなかなか良かった。内容も油彩だけではなく、オブジェありポスターあり写真ありで見ごたえ十分。当然のように装丁を描いている本もそれなりに展示されていました。閉館直前に行ったらご本人が2Fのサロンにいらしたので、図録に「サインください」と言いたかったのだが、いい年をして情けないことに歓談中の先生に割り込む勇気が無くて言い出せず。とぼとぼと会場を後にする。それにしてもやっぱり合田佐和子は唐十郎のイメージが強いな。
驚いたのはトムズボックスから自動筆記の小冊子が出ていたのと、グラフ社というところの「手芸文庫」なる叢書から「オブジェ人形」なる著作が出ていたこと。両方とも全然知らなかった。。トムズボックスは無理かもしれないけど、手芸文庫は図書館ででも見れないかしら。とはいっても、氏の作品集で持っているのは「眼玉のハーレム」だけなんだけどね。
合田佐和子展図録 松濤美術館
サインをもらえなかった腹いせにブックファーストで買い物。
虹果て村の秘密 有栖川有栖 講談社 読んだことも無いし、著書もほとんど持っていないため、一番興味が薄かったのだが、月うさぎさんもkashibaさんも誉めているとあっては買いたくなっちゃうじゃないですか。
幻のハリウッド デイヴィッド・アンブローズ 創元推理文庫 どっかで聞いたことあると思ったら、角川から長編が翻訳されてましたか。きっと持ってますね。SFっぽいようだったし。これは奇想短編集。面白そうだ。今度はピンバッジの申し込み忘れないように!
外地探偵小説集 藤田知宏編 せらび書房 これは直接申し込むしかないかなあと思っていたら、さすがブックファースト。後書きによれば、次は「上海編」だそうなので、みなさん購入にして応援しましょう。
夜更けのエントロピー ダン・シモンズ 河出書房新社 奇想コレクションの第一巻。装丁が軽便なソフトカバーなのは意外なようなふさわしいような。初訳が1編しかないのはいささかショッキングであるが、作品数もさほどないようなので仕方が無いのかもしれない。残りはSFマガジンに翻訳されたきりが3篇、アンソロジー収録作が1編に「愛死」収録が2編という構成。既刊短編集からの収録はちょっとなあ、と思ったら角川文庫は絶版の模様。じゃあしかたないか。巻末の続刊予定には既報どおり、スタージョン、ビッスン、ハミルトンという構成。願わくば初訳もしくは雑誌掲載のままの作品を多く!
霊山 高行健 集英社 ノーベル賞受賞作家の小説でずっと気になっていたので決心して買う。
黎明に叛くもの 宇月原晴明 中央公論新社 書き下ろしの大長編。これは面白そうだなあ。装丁も良い。
レインレイン・ボウ 加納朋子 集英社 前作から新刊購入している。全作「すばる」掲載の短編集。
ららら科学の子 矢作俊彦 文藝春秋 結局買ってしまいました。
この後、仕事帰りの家人と学芸大の寿司の美登利で寿司食って買える。ついでにお馴染みの数件隣のブックオフにも詣でておく。
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ 滝本竜彦 角川書店 ちょっと気になっていた作家ではあります。
もうひとりのぼくの殺人 クレイグ・ライス 原書房
洞窟 ティム・クラベー アーティストハウス これも気になっていた本です。
DIVE2,3,4 森絵都 講談社 早く1巻見つけなきゃ。松本さんが誉めてらしたな。
天空への回廊 笹本稜平 光文社
連城訣(全2) 金庸 徳間書店 全2巻というのはさっぱりしていていいね。まだまだ金庸は買っていない本がたくさん。読んではいないけど。
おおきくなりません 白倉由美 講談社 メフィスト連載なんだね。
鬼族 鐸木能光 河出書房新社 
はじまりの島 柳広司 朝日新聞社 この人の本を買うのは初めて。
猫城 南條竹則 東京書籍
ボランティア・スピリット 永井するみ 光文社 短編集。

これだけ買うとさすがに重かったです。(財布は軽かったです)

(今日買った本:23冊 今月買った本183冊 今年買った本:1272冊)

11月21日(金)

うちのHPでも書影を紹介している「夜窓鬼談」の現代語訳版が発売されます。情けないことに持ってはいても原書は漢文で読めなかったので、素直に嬉しいです。同書に収録された作品は、古くは「幻想と怪奇」誌、最近では「書物の王国」に収録されている純粋な怪談。同書の挿絵も全部収録されているようです。正直あまり売れるとは思えない本なのですが、出版社の英断を称えたいと思います。ここの出版社は今まで知りませんでしたが、うちの会社の事務所に超近いなあ。12月刊行予定のようですが、入手できたらまた紹介したいと思います。

買い物。
1985年の奇跡 五十嵐貴久 双葉社
南海の稲妻 大和の虹 石川好 岩波書店
マスク 堂場瞬一 集英社 なんとなく面白そうだったので。
マイ・ムービー・ビジネス ジョン・アーヴィング 扶桑社 自作の映画に関するエッセイ。
太陽の王と月の妖獣(上下) ヴォンダ・マッキンタイア ハヤカワ文庫SF
花に舞 高田崇史 講談社ノベルス
サイレント・ファイア2,3 樋口明雄 ケイブンシャノベルス ようやく揃いました。

壁 栗本薫 読了。

(今日買った本:9冊 今月買った本160冊 今年買った本:1249冊)

11月20日(木)

都合10日間も費やしてしまった本の感想。

ブレイブ・ストーリー 宮部みゆき 角川書店
著者の描くロールルプレイングゲーム風ファンタジー。ゲームに興味が無く、ハイファンタジーが苦手な自分に楽しめるかどうか大いに不安であった。不安は半ば的中し、心から楽しめたとはいいがたい。
前半のリアルな現実部分はさすがの筆力で読ませるが、異世界へ移行してあとは面白くないとは言わないが、イメージも平凡だし、まんまゲームファンタジーのため、正直途中でやめたくなることもあった。また最後はお決まりのハッピーエンドで、読物としては正しい方向なのかもしれないけど、物足りなさは残ってしまう。登場人物の描写はさすがに巧く、感情移入して読む人は楽しめるだろうと思う。私は登場人物が幻界に移行して後、とても小学校5年生とは思えない精神・身体だったため、違和感が残った。まあ主人公の成長といえば、それまでなのかもしれないが。なお、リアルな世界と異世界の物語上の接合は、筆致が違いすぎてあまりうまくいっているとは思えなかった。
ファンタジーやゲームが好きで、登場人物に感情移入して素直に物語を楽しみ感動できる人向け。ひねくれものにはむきません。


(今日買った本:0冊 今月買った本151冊 今年買った本:1240冊)

11月19日(水)

ブレイブ・ストーリー 読了。

長い小説を読了したら開放感抜群で思わず買い物をしてしまう。

不問ノ速太、疾る 澤田黒蔵 学研M文庫 第二回ムー伝奇大賞優秀賞受賞作。結局、優秀賞受賞作3作は、単行本、新書、文庫の3形態でそれぞれ刊行されたことになる。内容に合わせたのかな?イメージ的にはそれぞれぴったりの刊行形態だけど。
水面の星座 水底の宝石 千街晶之 光文社 千街さんのはじめての本。
狐笛のかなた 上橋菜穂子 理論社 守り人シリーズも積読なのにね。
忌中 車谷長吉 文藝春秋
アースシーの風 ゲド戦記X アーシュラ・K・ル=グウィン 岩波書店 そろそろ『ゲド戦記』も読まなきゃね。
整形美女 姫野カオルコ 新潮社 
短編集H 姫野カオルコ 徳間書店 短編集であるが、SFアドベンチャー初出もあった。
サイケ 姫野カオルコ 集英社
花のウルトラ三人衆 山中恒 秋元文庫 SFっぽい設定らしい。
花づな 林淳一 彼方社 スーパーナチュラルな要素がありそうなので。
最後の幻術 東郷隆 新人物往来社
被告の女性に関しては フランシス・アイルズ 晶文社

(今日買った本:12冊 今月買った本151冊 今年買った本:1240冊)

11月18日(火)

ブレイブ・ストーリー 読み終えることが出来ず。

幻日 福澤徹三 ブロンズ新社
ようやく読んだ、全作書き下ろし短編集という昨今では珍しい形態で出版された著者のデビュー作。ジャンル的には正統的な怪奇小説集である。帯には「カルト」の文字が躍っているけれども、実験的だったり、高踏的だったりするのは中の一部で、基本的には「カルト」な感じはせず、わかりやすくて怖い小説集で、短編集全体の水準はかなり高レベルであると思う。なお特に優れていると思うのは情景描写と小道具の使い方。場面場面が強く印象に残り、線香やカセットテープ等の「もの」が恐怖感を盛り上げている。
幻日:ふとした事から知り合った女にのめりこむ私。夜の幻を太陽の輝く昼間に見た驚愕の現実。正統的な怪談ながらこの世の裏の世界への憧憬を強く感じさせる一編。
怪談:最初は百物語形式をとりながら、最後に予想外の方向で締めてみせる。カセットテープの扱いが秀逸。
仏壇:メビウスの輪のようになん通りかの解釈を許す技巧的な一編。恐怖感を煽る小道具の扱いが巧い。
お迎え:悪魔との契約テーマ。ありがちな話ではあるけれど、最後にひねってます。
出立:実験的な書き方をしているけれど、ねた的には途中で最後が読めてしまうので自分的には今ひとつ。
:土地の曰く因縁を感じさせ、それをかわして見せるかと思うと最後にまた鮮やかな逆転を見せる。
:暗い部屋で浮かび上がる顔。その顔は・・。ビジュアルな怖さがいっそう引き立つ。
厠牡丹:タイトルが秀逸。これも「仏壇」と同じくメビウスの輪のような構成をとった意欲的な怪奇小説。
:「怪談」と同じくエピソードの積み重ねで怖さをつのらせて最後は、という一編。
廃憶:夢で見たことが次第に現実を侵食していく。最後の場面が頭に焼きつく。
残り3冊の著作も読むのが楽しみだし、本書も今後何回か読み返しそうな予感がする。
ご本人のサイトを拝見すると、書き下ろし長編が出るらしい。怪奇小説ではないとのことであるがどんなものなのだろう。今から楽しみである。


(今日買った本:0冊 今月買った本139冊 今年買った本:1228冊)

11月17日(月)

最後の犠牲者 正木不如丘 民生書院 SFもあるとのこと。
怪談(3) 少年少女講談社文庫 著名な作品がほとんどだけど、怪奇小説フリークとしては持っておきたいところ。都筑道夫訳のラブクラフトもなかなか渋いね。なお解説も都筑道夫。
宇宙旅行をしたねずみ ブラウン他 少年少女講談社文庫 ちょっと高かったけど。多分どれも他で読めるんでしょうけどね。

(今日買った本:3冊 今月買った本139冊 今年買った本:1228冊)

11月16日(日)

強羅公園だけ散策して帰る。やっぱり渋滞。渋滞でつかれてちょっと寄り道。本当はもっともっと寄り道したかったが、許可がでなかったので泣く泣くパス。
ヘル 筒井康隆 文藝春秋 これは新刊。
夢の中の魚 五條瑛 集英社 署名。
神州白魔伝 荒巻義雄 奇想天外社 まあ後書きもあるしね。
d八号古墳に消えて 黒川博行 文藝春秋 何故か未文庫化。
夏休みは命がけ とみなが喜和 角川スニーカー文庫
帝都夢幻道(前)(後) 高瀬美恵 パレット文庫 ななk面白そうだなあ、買おうかなと思っているうち前編が店頭から消えてしまい、買いそびれていたもの。

家の中に本が溢れかえって、何がどこへあるのやら、さっぱりわからない状態。早くどっかへほかさないと。bk1も開封してないぜ。

(今日買った本:7冊 今月買った本136冊 今年買った本:1225冊)


11月15日(土)

よるねこ 姫野カオルコ 
著者初のホラー小説集ということらしい。帯には大森望氏の推薦文。
一読、ホラーというよりは不思議小説集という印象だ。恐怖感を前面に押し出した作品は存外少ない。語り口もスタイルも作品ごとに変えており、すこしひねったような不思議な味わいがある。各編の印象は以下のとおり。
よるねこ 母が突然口にした「猫を見た」という。猫なんかいなかったのに。抑制の効いた怪奇小説。味わい深い。傑作と言ってもいいんじゃないだろうか。
女優 つきあっている女性がストーカーに。相手は自分がふった女優なのか。サスペンス小説と見せて、最後は・・・。とても巧みな小説だ。
探偵物語 ふられた男性が、相手の女性が自分をふった理由を知りたいと思い、探偵に依頼する。形としては探偵小説の形式を採用しているが、この女性像はかなり不気味だ。スーパーナチュラルな要素は無いのだが、普通のサイコサスペンスなんかよりよっぽど怖い。
心霊術師 吉田は駐車場で働いていた。自分はここにぴったりだ。しかしある日心霊術師を名乗る人物が現れる。これは面白い。超常的な要素を日常の次元まで引き下げて、かつ強引に押さえ込んで見せた快作。
X博士 渋谷の建物に囲まれた一角の古ぼけた屋敷に、ふと迷い込んだ。そこで出会ったのは・・・。これは都市伝説めいたエピソードの幻想怪奇小説で、モノクロの映画の世界のような印象がある。
ほんとうの話 モノローグの形で生い立ちの中で折々に体験した怪奇現象を淡々と語った怪奇小説。とうとうとした語り口で、結構不気味な話を語っている。読んでいると著者の体験談じゃないかと疑いたくなるが、もしかするとエピソードの幾分かは含まれているのかもしれない。
通常潜伏期7日 突然不気味な病気が発生した。悪魔の仕業か。筒井康隆的な生理的恐怖感を含んだ怪奇小説。寓話的でもあるのだが、まあおまけみたいなものだろう。
獏 これまたストーカーネタのサスペンス小説の出だしだが、最後はちょっと意外な怪奇小説で終わる。ただ最後の落とし方は正統的過ぎて、その分やや平凡になってしまったようにも思う。
集中、一番面白かったのは「心霊術師」。初めて読む作家なので何ともいえないのだが、これは一番著者の特徴が出ているような気がする。一見不条理でいて、その実腰が据わっているような視点が変わっていて、他の作家はあまり書きそうにない。
読んだ後にじわじわと良さが感じられるような作品集。もしかすると好きな作家になるかもしれない。他の作品も読んでみよっと。万人に勧めらられるかどうかはわからないが、思わず勧めてみたくなる。


一応、記念日ということで箱根の温泉で一泊。泊まったのは松坂屋という創業1662年という350年近い歴史を持つ箱根では老舗の温泉宿。料理は特に特筆するようなものではないのだが、お湯は白濁で源泉から直接ひいているためか、やわらかくて心から温まるという感じでなかなか良い。建物は新しいとは言えないので、逆に風情があるというところか。風呂場に行くのに、地下道を通ってくぐっていくのだが、説明を読むと上に旧鎌倉街道が通っていてつっきれないそうだ。箱根は近くていいのだけど、渋滞がいやだね。せっかくゆっくり本でも読もうと思っていたのに、温泉入ってビール飲んでお腹一杯になったら、やっぱり寝ちゃうんだよな。

(今日買った本:0冊 今月買った本129冊 今年買った本:1218冊)


11月14日(金)

買い物。
孤独な場所で ドロシー・B・ヒューズ ポケミス
本の雑誌 kashibaさんの連載終了号。自分の名前が載っていたので、思い出に買っておく。座談会しましたね。なにもかもみな懐かしい。
ところで、座談会の時はすっかり忘れていたのですが、いわいさんに教えてもらった『パステルクラブ』という雑誌が何号か出ていて、それもSFアドベンチャー増刊なんですね。ですので、それがないと完集にはならなくなってしまうのです。まあ小説ハヤカワHiみたいなものですな。もっともHiはSFマガジンの通巻号数に含まれているので、持っていないとはなはだ寝覚めが悪いのですが、他の増刊もそうなのでパレットクラブは通巻には含まれていないのでしょう。良くやった徳間書店。
現物も見たこと無いし、古本屋で転がっているような雑誌でもなさそうだから、それも含めて完集しているひとはそうはいないんじゃないでしょうか。知っている人でもしかしたら現物を持っているかもしれないなあと思うのは、ダイジマン氏か早見さんくらいだろう。まさかkashibaさんは持っているのかな?ぼくは探しませんよ。(あったら買うかもしれないけどね)
誰か 宮部みゆき 実業之日本社 なんだか買わされてしまった。

ブレイブ・ストーリー(上) 読了。


(今日買った本:2冊 今月買った本129冊 今年買った本:1218冊)


11月13日(木)

本当はこの前に2冊読了があるのだが、感想が書ききれないのですっとばして後に読んだ本の感想。

お嬢さまとお呼び! 森奈津子 レモン文庫
森奈津子の初めての著書。お嬢さまシリーズの第一作にあたる。主人公であるお嬢さまがプライドを捨て自分の心に素直に向き合って、好きな少年に気持ちを表現するという、まあなんというか今書いていて恥ずかしくなるような真っ当なラブコメディである。大体登場人物もみんな中学生だしな。読者対象のターゲットもきっとその辺だったんだろう。デビューのきっかけは良くわからないのだけど、編集者の要求なのか本人の意向なのかストレートなストーリーはやや意外な感じもある。シリーズものになる気配も薄い。デビュー作ということもあるのでまずは様子見という感じだったのだろうか。登場人物の造形や設定はちょっとひねっているしギャグなども交えてまあまあ面白く、大人の読者にもなんとか楽しんで読めないことも無いのであるが、単体で見た場合は著者のファン以外の大人の読者が探して読むほどのことはないように思う。お嬢さまシリーズを読むのは2冊目であるが、やはり大人向けの小説を読むか後年の小説を読まないと、著者らしさというものがわからないようだ。(我ながら何を言いたいのかわかりませんな)
なお、本シリーズは著者の手が入って、来年にも復刊される予定であるとのこと。思うに、徹底的に手を入れるか、ほとんど手を入れないかどっちかなんだろうな。


くりさんからサイト開設のメールをいただく。思いついて開設されたそうだが、なんともくりさんらしいサイトである。買う本もすごければ、感想や書影も楽しみである。がんばって更新してくださいね。

購入本は1冊
悪魔学大全T 酒井潔 学研M文庫 内容的には「愛の魔術」の復刻。桃源社版も元版も持っているのだが、著作リストもあるしハンディな文庫も宜しかろうと購入。それにしても酒井潔が文庫になるかね。Uは「降霊魔術」の復刻であろう。そっちは元版持っていないんだよな。

(今日買った本:1冊 今月買った本127冊 今年買った本:1216冊)

11月12日(水)

日記が追いつかないよ。

とりあえず一日分購入した新刊本でも書いてお茶を濁しておく。今日はNHKドラマ特集。
てるてる坊主の照子さん(上)(中)(下) なかにし礼 新潮文庫 朝ドラは『ちゅらさん』以来のからっとした明るいドラマで面白い。
百年の恋 篠田節子 朝日文庫 これは11時のドラマね。著者は「絹の変容」を読んで面白くて、東さんのインタビューを読んで「これはプロの作家だなあ」としみじみ思ったので、おさえておかねばならないと強く感じている。
「別冊寶石」傑作選 光文社文庫 デフォルト買い。索引がとても便利。次の「寶石」傑作選のリストも便利だろう。
魔界風雲録 都筑道夫 光文社文庫 デフォルト買い。今回は小説の単行本未収録作が多くて嬉しい。
平林初之輔探偵小説選U 論創社 本当に売れるのか心配になるようなマニアックさだ。アンケートまで収録されていて、全集に近い趣がある。次は甲賀三郎なのだろうか。できれば多少なりとも作品集が入手できる作家は後回しにして欲しいようにも思うが、売れないと困るのでそれなりにネームバリューも必要かもしれない。(でもそうれなら川上眉山とか徳富蘆花の方がだんぜんあるか)
送り火 重松清 文藝春秋 全然買う気なかったんだけど、帯に「ホラー」の文字を見つけちまったので買ってしまった。

(今日買った本:8冊 今月買った本126冊 今年買った本:1215冊)

11月11日(火)

届いた本。他にもbk1からの荷物もあるが、未開封につきあとで。
黒い果実 竹内義明 講談社 葉山さんの紹介を読んで以来、長年探していましたが、yahooオークションでやっとGETできました。
幽霊屋敷 西野辰吉 偕成社 子ども向けのリライト。収録作はブルワ・リットン「貸家」、ビアス「怪物」、プーシキン「運命の三・七・一」(なんだかわかりません)、クロフォ−ド「上段寝台」、ディケンズ「信号手」、ホーソン「ラパチーニの娘」、アンドレーフ「死人の眸」(なんの作品だかわかりません)、マクドナルド「鏡中の美女」、ゴーゴリ「外套」となっている。アンドレーエフとプーシキンは何のリライトだかわからないが、おそらく著名な作品であろうと思われる。怪奇派としては資料として持っておきたい1冊。
白犬の柩 垂水賢二郎 東都書房

ホラーミステリー 100ものがたり 御影四郎 秋元文庫
江戸期の怪談集からセレクトした作品を現代語訳し、さらに百物語として再構成したもの。狙いが成功しているかどうかは別としても、当時としてはなかなかユニークな試みではなかろうか。耳なし芳市の原話をはじめとして、もとがもとだけに個々の作品はそれなりに楽しめる。怪談好きの人は珍品として持っていても損はなかろう。
なおもとに使われた怪談集は「狗張子」「怪談老の杖」「曽呂利物語」「伽婢子」「怪談全書」「善悪報ばなし」「拾遺伽婢子」「太平百物語」。


(今日買った本:3冊 今月買った本118冊 今年買った本:1207冊)

11月10日(月)

ブレイブ・ストーリーを読み始める。当分読み終わりそうにない。

買い物。
ミステリーズ コリン・ウィルソン 工作舎 
きみと代わる日 唐十郎 主婦と生活社
鏖殺の凶鳥 佐藤大輔 富士見書房 
木村家の人びと 谷敏彦 新潮社
超革命的中学生集団 平井和正 早川文庫JA 読んだのは角川文庫だったしね。
透明人間 浦賀和宏 講談社ノベルス
闇の中の黄金 半村良 ノンノベル
闇の中の系図 同
闇の中の哄笑 同 嘘部シリーズが揃っていたので買っておく。1冊読んでいるけど、内容は忘却の彼方。

(今日買った本:9冊 今月買った本115冊 今年買った本:1204冊)

11月9日(日)

幻日 福澤徹三 読了。
お嬢さまとお呼び 森奈津子 読了。

選挙して本読んでおしまいな一日。ダイエーは壊れかけてますね。松井も巨人にだけは行かないで欲しいぞ。杉山愛は世界ランキングベスト10入りですか。いつのまにやら強くなりましたね。がんばってもっとランキングあげて欲しいな。

そして五人がいなくなる はやみねかおる 講談社青い鳥文庫
ベストセラージュブナイルミステリー。スタンスとしてはこの本の前に読んだ島田荘司とは対極にあるような作品だ。つまり子供が読んで面白いように最大限勤めている作品ということだ。五人の人間が巨大遊園地で次々に消失するというミステリアスなストーリーで、奇術のタネ等もまじえて若い読者の興味をひきつつ、全てを子供の視点で書いてスト−リーを進めている。教師である著者のミステリーが目指すところは、後書きに書いてある通り明確で、間然とするところがない。いや、良質のジュブナイルミステリーとしてはこれ以上望むものはなかろう。ジュブナイルとして考えられる別なタイプとしてはもう少し毒のある作品であるけれど、これは著者の望むところではないようで、むろん別な書き手に任せておけばよいのだ。
キャラクターの造形は秀逸。大人の読者の想像でしかないが、これは子供はそうとう面白いのじゃないだろうか。ミステリーとしては他愛の無いものであるが、気持ちがいい作品であることは確かで大人が読んでも楽しめること請け合い。


部屋中に本が散乱して引越し前の家のようだ。なんとかせねばのぉ。

(今日買った本:0冊 今月買った本106冊 今年買った本:1195冊)

11月8日(土)

よるねこ 姫野カオルコ 読了。面白かった。正統的な怪談じゃ無い方が面白いようだ。次は何を読もうかな。

今日は新刊は出ていないだろうと思ったらホラー文庫が出ていた。買わねば。
ショート・トリップ 森絵都 理論社 ショートショート集。
網にかかった悪夢 愛川晶 カッパノベルス
飛翔天使 響堂新 カッパノベルス アクションSF。
邪馬台洞の研究 田中啓文 講談社ノベルス
湘南人肉医 大石圭 角川ホラー文庫 この人純文出身なんだけど世間的には「呪怨」の影響もあるし、ホラー作家なんだろうね。
玻璃の薔薇 五代ゆう 角川ホラー文庫 TOKIOの松岡君の表紙でゲームノベライズだけれど、それを超えようとする好作品らしいとの噂を聞きましたので。
白い部屋で月の歌を 矢川湊人 角川ホラー文庫 日本ホラー小説大賞短編賞。
相続人 保科昌彦 角川ホラー文庫 日本ホラー小説大賞長編賞。あとは大賞受賞作品の刊行が待ち遠しいばかりだ。
神は沈黙せず 山本弘 角川書店 最初本屋で見たとき趣味じゃないかもと見送ったのだが、どうも力作SFらしいので、買ってみた。「時の果てのフェブラリー」も読んでいないのにね。

今月は異常に早いペースで3桁に到達してしまいました。でもあとは今月は目立った新刊以外はあまり買わないんじゃないかと思います。

(今日買った本:9冊 今月買った本106冊 今年買った本:1195冊)


11月7日(金)

夜遅くまで帰ってこないので選挙カーの煩さは今回まだ感じておりませんが、明日は煩いのかな。やだな。

届いた本。
謀略 西東登 カイガイ出版 残りは「蟻の木の下で」「偽りの軌跡」「咬ませ犬」「魚との語らい」。

透明人間の納屋 島田荘司 講談社
過ぎ去った過去、特に少年時代のそれはノスタルジックな想いを伴って甦ることがある。本書はそんな大人のための一夏の夢物語である。
主人公は、ある町で過ごした少年時代を思い出す。そこでの思い出は多くの部分が優しかった隣の印刷工場の真鍋さんが占めていた。真鍋さんから聞いたたくさんの話し。透明人間の物語。やがてそれは町で起きた謎の女性失踪怪死事件へとつながっていく。母親への想い。真鍋さんへの疑念。ついに彼は言葉を刃に変えてしまう。そこに待つのは別れ。少年時代との訣別。
講談社ミステリーランドという大人も楽しめるジュブナイルシリーズの一冊として刊行された本書は、狙い通り大人のための物語となった。まず小説としてはかなり面白い。それは多分読むにあたり幾分かのノスタルジックな想いを伴ってしまうせいもあるだろう。今の自分のようにしがらみや責任を全身にまとわりつかせてはいない、軽やかな時代。人生の夏休み。不思議を不思議として受け止められた時代を体現するかのように、進行が回想の中の少年の視点で語られるため、透明人間という奇想天外な題材も無理なく溶け込んでいる。しかし回想が終わり、現実に立ち返ったときに訪れる真実は殊のほか重い。
ミステリー的な要素は別にして物語の構造や展開自体は、序盤からのこれ見よがしの仄めかしで概ね読めてしまうところは正直ある。終盤のキナ臭さも、著者の主張の是非は別にしてジュブナイルとしてはちょっとどうかと思わないでもない。ただそういった気になる部分を差し引いても全体的に言えば本書が楽しめる作品であることは確かであり、私自身は少なくとも大人の読者にはお勧めできる好作品であると言ってよいと思った。
それにしても小学生がこの本を読んで理解することができるのだろうか。


(今日買った本:1冊 今月買った本97冊 今年買った本:1186冊)

11月6日(木)

kashibaさんの日記に共感。そう、老後など無いのである。勿体無いとか言っていると本当に読みたい本が本の山に埋もれて読めなくなっちゃうよ。考えなければいけない時期にきているようです。

ホラーミステリー百ものがたり 読了。

dあしたのジョーばらあど 正木亜都 サンケイノベルス
魔女やしきの謎 B・シヴァース あかね書房 犬のシャーロックホームズ全3巻。
ゆうれい城のひみつ 同
消えた黄金カップ 同 なんでこんなの買ってんだろ。でもベイジルとペアで考えればいいのか。
コンタクトゾーン 篠田節子 毎日新聞社
白い犬とブランコ 莫言 NHK出版 

(今日買った本:6冊 今月買った本96冊 今年買った本:1185冊)

11月5日(水)

そして五人がいなくなる 読了。

天国の扉 篠原一 河出書房新社
エフェソス白恋 高樹のぶ子 文化出版局
ミスティー・レイン 柴田よしき 角川書店 これまた積読作家さんだな。
小説・捨てていく話 松谷みよ子 筑摩書房


(今日買った本:4冊 今月買った本90冊 今年買った本:1179冊)

11月4日(火)

ダイエーはどうしちゃったんでしょうか。小久保の件は九州では号外も出たらしいけれど、戦力ダウン確実なのに無償トレードはいくらなんでもないだろう。大体監督も知らなかったというのは異常としか思えない。誰がどう見ても裏があるとしか思えないよね。
どっかのチームはローズも取るみたいだし、子供じゃないんだから身勝手に自分のことだけ考えて人の持っているものを欲しがるだけじゃなくて、もうちょっと野球界全体を面白くしようとかいう発想はないのかね。

神経の秤・冥府の臍 アントナン・アルトー 現代思潮社 第二巻でシュルレアリズム関係の著作が纏められる予定だったのに出ていない。結局『ヘリオガバルス』以外にそっち関係の文章は翻訳されていないのかしら。
フライデーあるいは太平洋の冥界 ミシェル・トゥルニエ 岩波書店 元版はもちろん持っているのだが、これは解説論文が増補されていたので。もちろん積読ね。
拷問蔵 澤田ふじ子 幻冬舎文庫 試しに買ってみました。
ひねくれ一茶 田辺聖子 講談社文庫 葉山さんが絶賛していたのはこの本だったっけ?
イリアの空、UFOの夏(全4) 秋山瑞人 電撃文庫 「EGコンバット」も「猫の地球儀」も発掘できず読めませんので、これを読みますか。
殺人者の陳列棚(上下) D・プレストン/L・チャイルド 二見文庫 ホラーではないのかな?
地には平和を 小松左京 新風舎文庫 なんとなく買っちゃった。
見知らぬ島への扉 ジョゼ・サラマーゴ アーティストハウス 寓話っぽくていまいち面白くはなさそう。
人食いバラ 西條八十 ゆまに書房
小松左京マガジン12号
レオナルドのユダ 服部まゆみ 角川書店 うーん、読むのがもったいない綺麗な本だなあ。


アデスタに吹く冷たい風 トマス・フラナガン ポケミス
先日のポケミス復刊フェアでめでたく2度目の復刊を果たした短編集。解説によると寡作で唯一の作品集との由。表題作、「獅子のたてがみ」「良心の問題」「国のしきたり」「もし君が陪審員なら」「うまくいったようだわね」「玉を懐いて罪あり」の7編を収録し、前半4編は探偵役としてテナント少佐を配したシリーズもの。
本書で私が一番面白かったのは「獅子」「良心」でしょうか。ミステリの短編として切れ味の鋭い、逆転の妙味に満ちた作品だと思いました。他の作品も、程度の差こそあれ基本的には逆転の構図をとっているものが多いようです。異色は「玉を」で、これは歴史ミステリーの構造ですが、肝のネタはともかくとしても最後にあかされる部分がちょっと「おっ」と思いました。これは処女作らしく力がこもっています。あと印象に残ったのは「もし君」の動機。まさかと思ったら本当にそのままで、ある意味サイコものですね。
ぼくはわかりませんでしたが(もっとも気にもしないけど)、多分作品中にいくつもの伏線をはってあるのでしょう。ミステリの読み手の人には楽しい短編集だということが想像できました。私自身の率直な感想としては、面白いことは面白かったけれども絶賛することはできなかったというところでしょうか。楽しみ方がわからないんでしょうね。残念なことです。


透明人間の納屋 読了。

(今日買った本:15冊 今月買った本86冊 今年買った本:1175冊)

11月3日(月)

往年の自分を見ているような買いっぷりでたくさん本を買ってしまった。だって近所のブックオフが全品100円だったんだもの。ダブリもあるだろうと思いますが、調べる気力がありまへん。

下記はお届け物も含む。もしかすると何か忘れているかもしれない。
ある中毒者の告白 M.K 番号は48番でした。原書で海外ミステリを読む気がない自分にはほとんど豚に真珠の感がありますが、それでもサム・マーウィン・ジュニア、フィリップ・ワイリー、ポール・アンダースン、デビッド・ダンカン、オーガスト・ダーレス、レオ・ペルッツといったSF作家、幻想系作家のミステリーには興味を惹かれます。ぱらぱら見た中で一番読みたいと思ったのは、マレイ・ラインスターが本名で書いたというミステリー。評価によるとミステリーとしては無理があるようですが、読んでみたいなあ。(絶対に翻訳されないと思うし) ところでL・P・デーヴィスってどっかで見た憶えがあるんだけどなあ。ジュブナイルの「四次元世界の秘密」はL・P・デービスだけど、違う人かな?持っているみたいだけど、どこにあるのやら。それにしてもすごい私家版ですね。ぼくも死ぬ前にこんなのを出してみたいとは思うけれど、ネタがないものね。
展覧会の絵 関義 前衛社 これはSFMで北原さんが紹介していたもので早速探してあったので買ってみた。先月末に買った何冊かも同じく北原さんの紹介で知って検索したらあったので買ったものである。これは帯欠だがあるとたしかに2.5倍くらいする。帯には足穂の推薦文があるらしいけど。
終戦のローレライ(下) 福井晴敏 講談社 下巻しかなかった。上巻買わなきゃ。
左手首 黒川博行 新潮社 この人の本も何を持っていないのだか分からなくなりつつある。まだ1冊も読んでないけど。
箱のなかのユダヤ人 トマス・モラン 創元推理文庫
4teen 石田衣良 新潮社 直木賞受賞作。この人のも読んだことないね。
影の肖像 北川歩実 祥伝社 わりあいSFっぽい小説を書いているイメージがあるけれど。
支那そば館の謎 北森鴻 光文社 まだ読んだことない。
緋友禅 北森鴻 文藝春秋
触身仏 北森鴻 新潮社 まず「凶笑面」を買って読まなきゃ。
親不孝通りディテクティブ 北森鴻 実業之日本社
呪怨 大石圭 角川ホラー文庫
新・本格推理02 光文社文庫
ドラキュラ崩御 キム・ニューマン 創元推理文庫 全3巻の厚みには恐れをなすけど、怪奇党としては読まなきゃの本。
吊るされた男 井上雅彦 角川ホラー文庫 
魔神 和田はつ子 ハルキホラー文庫 この人の本も確認しなくては。これは単行本を持っているみたいだし。
青葉の頃は終わった 近藤史恵 カッパノベルス 買ったような・・。
天使はモップを持って 近藤史恵 ジョイノベルス 見返しに著者の写真が。ちょっとイメージ違ったかも。
SFバカ本 電撃ボンバー編 メディアファクトリー 文庫と天然パラダイス編を買わなくては。
マッチメイク 不知火京介 講談社 乱歩賞。プロレスにはあんまり興味がないんですが・・。
深追い 横山秀夫 実業之日本社
本は寝ころんで 小林信彦 文藝春秋 増補されて文庫になっているようなのでいらない本でした。
チェンジリング・チャイルド ジュリー・ハーン ソニー・マガジンズ ちょっと期待。
猥談 岩井志麻子対談集 朝日新聞社
拳闘士の休息 トム・ジョーンズ 新潮社
ヒート・アイランド 垣根涼介 文藝春秋
坂の迷宮 志賀洋子 日本経済新聞社 全然知らない本でしたが、坂についてのエッセイです。
ウィーン薔薇の騎士物語3,4,5 高野史緒 中公ノベルス
新世紀犯罪博覧会 カッパノベルス 全部ジャーロにのった作品のようだ。
笑殺魔 黒田研二 講談社ノベルス
クレイジー・クレイマー 黒田研二 ジョイノベル
魔術師の虹(上下) スティーブン・キング 角川書店 何も単行本で買わなくてもね。
17歳の悪夢 バルバラ・ビューヒナー ポプラ社
HOOT カール・ハイアセン 理論社 これは読みたかったんだ。
闇にひそむ影 ジョン・ベレアーズ アーティストハウス 1巻は持っているのだが、発掘しなくてはこれも読めない。
魔法の指輪 ジョン・ベレアーズ アーティストハウス そうこうしているうちにこれもわからなくなって、続刊を買っても読めないという悪循環。
鏡のなかの幽霊 ジョン・ベレアーズ アーティストハウス
クララからの手紙 トーベ・ヤンソン 筑摩書房
ふりむけば闇 藤水名子監修 廣済堂 書き下ろし時代小説アンソロジー
沈むさかな 式田ティエン 宝島社
刹那に似てせつなく 唯川恵 光文社 

アデスタに吹く風 読了。

(今日買った本:44冊 今月買った本71冊 今年買った本:1160冊)

11月2日(日)

帰りに入浴のみで「熊の湯ホテル」に寄る。お湯は硫黄分が強く、緑色で不思議な感じ。熱くて気持ちが良い。

帰り道に同行者を無理やり説得して古本屋に寄る。場所はいちいち書かないが車だったのでリサイクル系ばかり。特にどうというものはなかった。それにしてもブックオフはどこにでもありますな。
d海外ミステリー傑作選 コバルト文庫 ぎょえ。持ってやがる。
お嬢さまと無礼者 森奈津子 レモン文庫 残り3冊になりました。読んだのはあいかわらず1冊だけ。
dやぶれかぶれ青春記 小松左京 旺文社文庫 持っているものだな。
MGH 三雲岳斗 徳間書店 SFJapanに一挙掲載されたため、二重投資を嫌って購入しておりませんでした。読んでいないけどね。
バタイユ/ブランショ/ベケット 講談社文学全集
海賊モア船長の遍歴 多島斗志之 中公文庫 解説は日下さんでしたか。単行本買っているみたい。処分したいなあ。
d枕草子の謎 藤本泉 徳間文庫 なんで買っちゃったんだろう。
嘘つきパズル 黒田研二 白泉社MY文庫
ペ 谷川俊太郎 講談社文庫 
d化身 愛川晶 東京創元社 ぎゃあ持っていた。
エルフギフト(上) スーザン・プライス ポプラ社 下巻は残念ながらなし。注文しなきゃね。
バルーンタウンの殺人 松尾由美 早川文庫JA この辺はダブリだろうが勢いで買ってしまう。
グッドバイ・ロリポップ 松村光生 早川文庫JA
わが母の教えたまいし歌 松村光生 早川文庫JA
まだ地上的な天使 亀和田武 早川文庫JA 面白かった覚えがある。再読用。
東キャナル文書 光瀬龍 早川文庫JA
遥かなり幻の星 豊田有恒 早川文庫JA 読んだっけ?
チェンジリング 妹尾ゆふ子 ハルキ文庫
都市の仮面 半村良 角川文庫 半村良はもっているか結構あやしいんだ。
標的走路 大沢在昌 双葉文庫 復刊前なら血風なんでしょうがね。まあ改稿前で持っていても良いでしょう。
ゴールディング 集英社文学全集 これも実家にあるような気がする。
ニッポン消滅(上下) キム・スンホ 小学館
魔少年X 北村想 小峰書店
オオカミ男のクリスマス 三田村信行 PHP 持っていたっけ?
ソフィー ガイ・バート 読売新聞社 持っていると思われるが、保険で購入。
ふしぎなマチルダばあや ブランド 学研ファンシーロマン

たくさん買っちゃったな。油断でだぶってしまったのもあるし。

(今日買った本:27冊 今月買った本27冊 今年買った本:1116冊)

11月1日(土)

一泊温泉旅行へ。行ったのは長野県上林温泉にある塵表閣。夏目漱石の書があったり、なかなかのたたずまいで、料理はいわゆる温泉で出てくるような料理(天ぷらや刺身)ではなく、女将のオリジナルの素朴な料理が中心で量も少ないので、食べ過ぎることも無い。すごく美味しいというものでもないが、安心して楽しめるという感じ。ただしすきやきの牛肉はメチャクチャ美味かった。部屋は広くてゆったりとしている。温泉も湯質はさらりとした感じだが芯から温まるという感じである。料金は安くは無いけれど、居心地のいい良い宿でした。
なお何も考えずに家を出たら、遠いこと遠いこと。ほぼ志賀高原にあるのですが、中央高速を通っていったら家から300km以上ありました。

先月最後に読了した本の感想。

行き帰り 後藤明生 中央公論社
長編小説。主人公は「私」でおそらくは著者とほぼ同一人物であり、形式的には私小説といってさしつかえないと思う。「私」は朝鮮の「永興」で少年時代をすごした。一番多感な時期がそこでの時間であり、そこは「私」の故郷といっても良いところで今も時々思い出すことがある。そんなある日父の学生時代の友人を名乗る人物から、父の写真と学生時代の旅行手記が送られてくる。「私」は既にこの世には亡い父に思いを馳せる。父は九州の生まれ育ちであり、九州は父によっての故郷である。父にとっての九州は私にとっての「永興」である。父は戦争で朝鮮に行き、再び日本に帰ることはなかった。私はどうであろうか。「永興」に帰ることはあるのか。やがて「永興」時代の友人の妹から手紙が届く。友人はある日会社を突然辞め、以後人と満足に口をきくこともせず、空虚な毎日を送っているという。彼はある意味「永興」の象徴でもある。私は彼を訪ねることにした。しかし「私」は、今の私にとっての故郷である、家族、家のもとに帰ってくるであろう。
様々な「人」の様々な道行が重層的に描かれることにより、「人はどこへ向かっていくのか。人の帰るところはどこなのか。」というタイトル通りのテーマが浮かび上がるような構成になっているように思われる。ただし小説自体はあまり前衛的なものではなく、基本的には私小説的な作品に思えてしまい、そうなってしまうと私自身の好みではなく正直なところあまり面白いとは思えなかった。著者の作品は初めて読んだのだが、ちょっとこちらの考えていたイメージとは異なるようだ。
他の作品まで追いかけるかどうかは悩みどころ。

(今日買った本:0冊 今月買った本0冊 今年買った本:1089冊)