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30.−恵那コース−御嵩から久々利・可児川を経て善師野まで

  1. コース概要
  2. それ行け!初歩き
  3. 桜の小渕湖
  4. 東海自然舗道
  5. 恵那コース踏破
  6. コースミニガイド

平成11年4月4日(日)

1.コース概要

前回は御嵩まで歩いていますので、今回は御嵩駅前から善師野駅近くにある本ルートとの合流点を目指します。 御嵩の街は昔の宿場町。 駅近くの願興寺は国の重要文化財もある名刹です。
可児川を渡るとみたけの森に入っていきます。 ここは花と緑があふれる大庭園です。一年中森林浴が楽しめます。
みたけの森から階段を降りてくると大萱古窯跡群の表示が現れます。 1577年に開窯されて以来、美濃の国の重要な窯として栄え、現在も高名な陶房が点在しています。
大萱古窯跡群を過ぎると小渕湖に出てきます。 小渕ダムによって久々利川を堰き止めてできたできたこの人造湖の周辺は、桜や紅葉の名所として、またオルゴールの鳴る橋がある所として市民に親しまれています。
久々利は古い集落で、城址や景行天皇のお宮跡・泳宮(くくりのみや)があり、現在ではそれらの遺跡から出土した遺物を展示した可児郷土歴史館があります。
日本書紀の巻七景行紀には、景行天皇(第12代天皇)が即位された後に久々利に行幸なされ、半年あまり滞在なさったと記されています。 泳宮はそのおりの行在所の後であるとのことです。 また、久々利の豪族・八坂入彦の娘・入媛(いりひめ)は景行天皇の寵愛を受け、後に皇后になったと伝えられています。
可児郷土歴史館は古い歴史を持つ久々利の集落から出土した遺物を中心とした可児の歴史を物語る品々を集めた展示施設です。 高さ111cmの銅鐸や木造大日如来座像は県の重要文化財にもなっています。
歴史館に展示されている銅鐸は自然歩道沿いで発掘されました。 現在は自動車学校となっている場所から少し久々利の集落に歩いた所です。
歩道は久々利川を何度か渡り太多線を横切ります。 東海自然歩道が名鉄広見線を越えて可児川沿いに出た地点から川の中の小さな島が見えます。 可児ではこの島を舞台にした桃太郎の鬼が島伝説が伝えられています。
再び可児川を渡ると、鳩吹山の登山道を指した標識が現れます。 木曽川を見下ろす事のできるこの山は手軽なハイキングコースとして親しまれています。
石原の集落を過ぎると本線との分岐点はすぐです。 今回は約25km8時間半の道のりです。


Map of rute


2.それいけ!初歩き!

昨秋より長期にわたりお休みしていた東海自然歩道の旅ですが、桜の便りを聞き、そろそろ計画を練り始めていたところでした。 長いこと仕事漬けになっていたので体力の衰えに一抹の不安はあったのですが、そこは途中で切り上げやすい東海自然歩道の特徴を考え、足が入たくなれば早めに切り上げればいいやと軽く考えていました。
4月の最初の週末は、当初の天気予報では天候が悪いと聞いていましたので、誘われるままに予定を入れていました。 しかし、週末に近づくにつれ天気予報は回復、週末は天気が良いと変わってきました。 入れてしまった予定をキャンセルするのは心苦しいし、しかし早く今年の第一歩を記したいしで考えたのが、恵那コースの残りを歩いておこうと言うことです。 前回は御嵩で切り上げたので、恵那コースは御嵩から犬山までの区間が残っています。 この区間を日帰りでできるだけ歩いてしまおうと考えたのです。
土曜日の夜、仕事上の先輩らと焼肉屋で酒をあおり、たらふく食べて、スンマセンと謝りつつ皆より一足早く辞しました。 その足で家に戻り、すぐにリュックを背負って品川駅へ。 ムーンライトながらの指定券がとれなかったので、品川発の大垣夜行臨時列車に乗ろうと言うわけです。 何とか2席を確保し、酒の酔いも手伝って、発車時刻には横になってウトウトし始めました。
目覚めた時には名古屋に迫っていました。周りを見渡すと列車は結構な混みようです。 こんな中で2席を占領して寝込んでいたことが少々恥ずかしくなりました。 名古屋の手前の金山駅で小さな顔をして下車。 中央線に乗り換え、多治見・可児経由で、名鉄御嵩駅に降り立ったのは8時15分でした。
本当に久々の東海自然歩道です。 駅前の標識で写真を撮り、御嵩の森へ向けて歩き出しました。


3.桜の小渕湖

可児川に沿って歩き、途中で左折。御嵩の森へ向かいます。 森と言うからには山道が続くものだと思っていましたが、どうやらこの森は車でやってきてファミリーで散策するように作られているようです。 ハイキングコースとして山道はあるのですが、東海自然歩道は車が通れる道を進みます。 すなわち、ずっと舗道なのです。
御嵩の森の休憩所には8:50に到着。 ここで、一息入れ、御嵩の森に関するチラシをもらいました。 ここからしばらく登りが続きます。 時折見上げる空は快晴。 お天気が良くてよかった。 山頂にも休憩所があったのですかさず休憩。 下りに入ります。
しばらく進むと砂利道になりました。 ようやく自然歩道らしい道です。 右手にはゴルフ場が広がり、ゴルファーの歓声が聞こえます。 ゴルフ場が見えなくなるとすぐに山道に入っていきました。 標識には大萱の文字が出ています。 ここから階段の多い下りです。 そして階段を下りきると再び北洞池沿いの舗装路になりました。 池に沿うように進みます。
池を離れ広い車道に出てきました。ハ坂入彦命の墓の表示があります。 ここが大萱です。 このあたりは古くから良質の土が取れたことから、多くの窯が開かれたとのことです。 少し進むと湖畔に出てきました。 小渕湖です。 湖の右岸と左岸を通る二つの道がありますが、以前に斉木さんや藤原さんに伺った所では、左岸のほうが面白い道だとのこと。 迷わず左岸を進みました。 湖畔にはちらほらと太公望が釣り糸をたれています。 また、そこここに桜が満開の花を咲かせています。 天気も良いし、全く気持ちがいい所です。 左岸をしばらく進むと吊り橋に出ます。 これが噂のメロディ橋です。橋の前で写真をいちまいと思ったらセンサーに反応したのでしょう、メロディがなり始めました。 メロディを聞きながら写真を撮ります。 しばらく進んだ所にステージ状につけられた木の階段がありました。ここに座ってしばし休憩。 家族連れ、中高年の御夫婦などが桜の散る中を歩いています。 そんな風景を見ながら煙草をくゆらせました。
小渕ダムの上を通って再び本線に戻ります。 しかしすぐに右へ折れ集落に入っていきます。ここが久々利の集落です。 集落の中を歩いていくと、公民館の標識。 そして、可児郷土歴史館の看板が立っています。 少し迷いましたが、今日はできれば善師野まで行きたいと思っているのでパスしました。
今度はすぐに神社のようなところに出てきました。丁度、大きな倉庫から大きな山車を出している所でした。 春のお祭りの準備のようです。 ここは泳宮(くぐりのみや)という名のお宮です。 その昔、この地へ行幸なさった景行天皇が半年以上に渡ってお過ごしになった宮城があった所で、古代のロマンスの話も伝えられているとの事。 そんな話を説明板で読みます。 準備中の山車もこの言い伝えに縁のあるものなのでしょう。
祭りの様子を見てみたいと思うのですが、そうもいかないので後ろ髪を引かれる思いで歩き始めます。 しばらく歩くとルートは工事で塞がれていました。 迂回路も示されていません。 工事のためにえぐられた道の向こう側へは、土手を上がらねばなりません。 どうしようか迷いましたが、工事現場には人もいませんでしたし、登れそうな土手だったので、工事現場を突っ切ってしまう事にしました。 難なく向こうの道に出る事ができました。 そしてそこには標識が、僕が予想していたのと違う方向を指していました。 よかった、自分の見当で迂回路を探していたら全く違う方向へ行ってしまったかもしれません。


4.東海自然舗道

標識に従って太い道が交わる交差点を右折。 自動車学校に向けて歩きます。 この辺り、先の歴史館に展示してある銅鐸が掘り出された所で、その旨の看板も立っています。 しかし、掘り出された後は何の事は無いただの畑で、掘り起こされた場所であるという興味よりも舗装された車道を歩く苦痛の方が先に立ちます。 ちなみに今回のルートは舗装道路ばかりを歩くルートで、実際に大萱に出てから分岐点の手前までほぼ100%舗装路でした。
「どこが自然歩道やねん!」
と叫びたくなるルートですが、現代では山道ばかりを通って東京大阪間を結ぶのはとても難しいという事なのでしょう。
久々利川を渡って左折し、川に沿って進みます。 川を眺めながら歩いていると、何やら大きなお尻の生き物がノソノソと川に向かっていき、川の中に姿を消しました。 なんじゃ、ありゃ!と思い、姿を消した辺りをしばらく注視しますが、なかなか姿を見せません。 諦めて再び歩き出しますが、心の中にはあのズングリムックリの愛敬のある体つきをした生き物の姿が消えません。 いつだったかテレビで見た事のある外来種の大ネズミに違いないと思うのですが、その名が思い出せません。 しばらく歩くと家の前にステテコ姿のおじさんが出てきました。 早速話し掛けてみます。
「あの、この手前で大きなネズミのような生き物を見たのですが。」
「ああ、そりゃ、ネズミだ。」
と元も子もないような返事。 しかしもっと詳しく話を聞いてみると、やはり外来種の大ネズミで、一時期この辺りでかなり繁殖したようなのですが、川の魚を食べ尽くし、今では魚の減少と共に数も減っているとの事。 あの愛敬ものがお腹を空かせて毎日を送っていると思うと、ちょっと切ない気持ちになります。 後で聞いた所によると、ヌートリアというネズミの一種だとか。味気ない道が続いていただけに、ちょっとした気分転換になりました。
そろそろお昼時。今日は比較的人家の多い所を歩くので、どこかに食堂なり食料品店なりあるだろうという事で、昼食用の食料を持っていません。 地図で見ると太多線をもうすぐ越えます。その辺りに何かしら店でもあるでしょう。 太多線を越える踏み切りの近くに喫茶店が一軒。 しかし、定食屋のような所が希望のためここはパスして太多線を越えます。 しかしここから歩けど歩けど商店があるような集落には至りません。 養鶏場の前で休憩。自動販売機でジュースを買い(ここには卵の自販機もありました)飲みます。 昼食のタイミングを逸してしまったようです。 高架の下に割烹らしき所がありますが、汚いなりでは入れません。 仕方ないので更に進み、塩河の集落を過ぎた所でようやくコンビニエンスストアを発見、お弁当を買いました。 少し歩いた畑の畦でのどかな風景を見ながらようやく昼食です。


5.恵那コース踏破

さて、昼食も終え、ゴルフ場の縁をたどるようにひたすら舗道を歩いて塩の集落に入りました。 街中はかえって道に迷いやすいものです。 地図を見ながらの歩行になります。
可児川を渡り太い車道に出てきました。 ここの辺で標識が無くなりました。 取り敢えず車道を渡り、そのまま直進します。 直進すると道は曲がりながらの登り道になります。 そこに歩を進め始めて少し不安になり、戻って丁度家の前に出てきた方に道を伺います。 何とか可児川駅への道を教えてもらい事無きを得ます。 ニッチマップでは川を渡ったらすぐ左折して川に沿って進む事になっていますが、太い車道は新しいものらしくこの影響で少しルート変更があったようです。
可児川駅のすぐ脇の踏み切りを渡り、標識に従って左折します。 可児川沿いに出てきて、鬼が島を眺めてから車道をくぐり歩き続けます。 立派な病院を右手に見た後はひたすら田んぼの道で、再び可児川を渡ります。
と行く手に標識が出てきます。 この標識、鳩吹山の登山道を示したものです。 田口から寧比曽岳の行程の際にお世話になった小原さんの話を思い出しました。 この鳩吹山はとても眺めの良い山で、刺激の少ないこの辺りのルートを歩く際に時間さえあれば登っておいたほうが良いとのことでした。 しかし、残念ながら時間は既に15時。 鳩吹山はパスして先へ進みます。
車道をくぐります。 すると、左側のコンクリート壁の上、金網の向こうからガサゴソと何やら動く物音がします。 目をやると野生の雉がちょっと慌てたように歩いてるのでした。 しばらく見ているとガァガァ鳴きながら草むらに消えて行きました。
ラブホテルの前を通り、西へ。 石原という集落に入ってきました。 この集落、何の気なしに歩いていてふと気づいたのですが、同じ名字の家がとても多い。 沢野さんだらけなのです。 きっと明治時代の名字をつけるというお触れの際に集落こぞって沢野という姓を名乗ったのでしょう。 さて、集落を過ぎてゴルフ場の間を進みます。行く手に見える鉄塔の立っている山が分岐点のある山でしょうか。 道は次第に荒れ、未舗装になり、ついには山道になります。 そして、16:55、ついに分岐点に至りました。これで恵那コースは全て歩ききった事になります。 標識の前で写真を撮ります。 さて、次は定光寺で止まっている本ルートでもここまで至らねばなりません。 そして、犬山へ、更には岐阜市へ歩を進めていくのです。 今年の初歩きとしては良く歩きました。そして区切りの良い所まで来て、なんとなくよい歩き始めだったなと思いながら善師野方面へ下ったのでした。


6.コースミニガイド

御嵩駅へは名古屋から名鉄広見線が延びています。 駅を降りて南へ向かい可児川を渡ります。 ここで、標識はないのですが可児川に沿って歩くように右折します。 すると標識が現れるので、これに従えば御嵩の森へと至ります。 なお、ニッチマップには御嵩の森コースは書いておらず、御嵩駅を経由せずに大萱へ至るルートが書いてあるので、この辺りのルートは岐阜県発行の東海自然歩道地図などを参照したほうが良いでしょう。 御嵩の森には様々な遊歩道があるので時間があれば他のルートを楽しむのも一興です。 東海自然歩道の標識はしっかり立っていますのでこれに従えば大萱へ出ます。
文中にもありますが小渕湖では正式ルートは北岸を通るのですが南岸を通ったほうが楽しいようです。 いずれにせよ、丸山ダムで合流します。
久々利の集落を抜けて渡良瀬橋を渡ってから先、車道に至る道は僕が歩いたときは工事中でした。 ここは迂回しても良いのですが、ルートミスのないように十分注意して下さい。 ちなみに、ニッチマップのこの辺りのルート指示は細かい点で違うようです。 すなわち、ニッチマップではあたかも田んぼの中の道を歩くように書いてありますが、実際には太い車道に沿って歩くのです。
久々利川に沿って太多線を渡るまでは標識も古いながらにしっかり立っており迷う事はないでしょう。 塩河の集落のコンビニエンスストアのある交差点ではパッと見た所、標識が無いのですが、コンビニエンスストアの駐車場から良く見るときちんと角っこに立っています。
塩の集落の標識は今にも倒れそうなものだったので、いつまで立っているか不安です。 この辺りは地図を片手に歩くほうが良いでしょう。 また、文中にもありますが、可児川を渡った所では太いバイパスのような車道ができています。 可児川とこの車道の間に道はありませんので、ニッチマップが示しているようなルートは取れません。 車道を渡ってしばらく進みましょう。 すると右折標識が出てきます。 良く分からない場合は地元の方に可児川駅方面を聞きましょう。
可児川駅のすぐ横で踏み切りを渡るとすぐに左折して可児川沿いに歩くルートになります。 次にでてきた橋で再び可児川を渡りましょう。 そしてこの道をまっすぐに進むと鳩吹山の登山道を示す標識に出会い、国道をくぐってラブホテルへ出てきます。 ラブホテルの手前で一つ曲がり角がありますが、ここにもきちんと標識が立っているので迷う事はありません。 後はひたすらまっすぐです。 善師野まで出れば再び名鉄広見線に乗る事ができます。 このほかに途中でエスケープするポイントとしては、JR太多線下切駅、名鉄広見線可児川駅があります。
宿泊施設としては、御嵩の街中にある宿のほか、JR太多線可児駅周辺や犬山の街中にあるようです。 詳しくは御嵩町観光協会(0574-67-2111)、可児市観光協会(0574-62-1111)、犬山市商工観光課(0568-61-1800)へお問い合わせ下さい。

定光寺ー善師野へ

善師野ー三田洞弘法へ

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