![]() EndNote日本語版活用講座(22) How to use EndNote Japanese Edition 初稿:2002年3月7日 目次に戻る多言語環境への対応EndNote5は基本的にアメリカでの使用を前提に開発されているので、英語以外の言語への配慮が全くされていない。 ライブラリの表示を見ても分かるように、指定できるフォントは一つだけだ。日本語の文献を入力した状態で、環境設定で「ライブラリの表示フォント」を「Geneva」にすると日本語が文字化けする。 欧文の文献データで欧州人の名前にフランス語のアクセント記号やドイツ語のウムラウトがある場合、Osakaで表示するとその部位が文字化けするか無視される。 これは、Osakaのような日本語文字セットにはASCIIの半角文字が含まれるが、欧州の特殊記号は含まれないからである。 従って、通常のケースではOsakaで表示指定も問題ないが、欧州アクセント記号が含まれるフォントはフォーマットされない。 1.中欧文字の場合 MacOSに標準搭載されている英文フォントはMacRomanという文字セットである。これはApple独自の8ビットの文字セットで、ISO-8859-1(ラテン1)文字セットを基本に中欧文字も入れたものである。つまり英語だけでなく、ドイツ語やフランス語、スペイン語、北欧語の一部を表示できる。(東欧語には対応していない) 従って、これらの単語であれば、新たなフォントをインストールしなくても入力と表示が可能だ。 扱う文献の種類や言語の種類によるが、ここでは中欧語を含む欧文文献と日本語文献をそれぞれ独立して管理する方法を紹介する。 1)文献形式を分ける 「EndNote5日本語版活用講座(20)活実践!日本の論文誌の投稿規定にあったスタイルフィアルの作り方」を参照していただきたいのだが、日本語文献を専用に扱う文献形式あらかじめ作っておく。 2) 文献データの入力 新規文献ウィンドウで入力するわけだが、デフォールトの「Osaka」では発音文字は入力できない。 「テキスト」メニューから適当な欧文フォントを選ぶ(ここでは分かりやすいようにCharcolを選んだ)。 発音文字の入力は一般にはオプションキーとの組み合わせでタイプするか、アップルメニューの「キー配列」を呼び出してここからコピーする。 日本語の文献を入力するときは反対に文字化けするので、「標準」に戻す。 Osakaを表示フォントとしているライブラリで見ると文字化けしているが、文字コード情報はきちんと残っている。 下の図を見ると、プレビューでは正しく表示されていることが分かる。 ライブラリでも正しく表示したい場合は、環境設定/表示フォントの項で、「ライブラリの表示フォント」を欧文フォントにする。但し、日本語文献は文字化けする。 3)出力スタイルの作成 新規スタイルの作り方については、「EndNote5日本語版活用講座(17)新規スタイルの作り方」を参照していただきたい。 すなわち欧文の文献と日本語の文献で出力スタイルを分けて定義するのだ。 EndNote5のスタイルではフォントの指定が出来るのでその機能を活用する。 これは定義したスタイルの内、文献目録のテンプレートの記述である。 日本語文献と英語文献では内容は全く同じである。 違うところは、日本語論文誌はOsakaで指定されており、論文誌記事(Journal)の方はCourierを指定していることだ。欧文フォントであれば何でも構わない。 マニュアルの中でも注意しているが、EndNote5のバグで欧文フォントを選択すると日本語フォントには戻せなくなる。慎重に作業してほしい。もし戻したい場合は、そのスタイルを破棄し、作成し直さなければならない。 4) 引用付けからフォーマットまで これは他の作業と全く同じでよい。 ライブラリの表示フォントは日本語でも欧文フォントでもどちらでも構わない。どちらかにすると一部の文献は文字化けするが、気にせずNisus等のワープロに引用を張り付ける。 フォーマットをすると以下のように出力される。 中欧語もきちんと出力されることが分かる。 5)問題点 文献目録の場合は、文献形式によるスタイルが定義できるので、それぞれでフォントを指定できた。 しかし、文中引用の方は文献形式は選択できない。 従って、文献番号ではなく、著者名を記述する書式の場合はこの方法は使えない。 2.日本語、欧州語以外の文献が含まれる場合 中国語、韓国語、ロシア語、ヘブライ語等これ以外のフォントの場合はどうであろうか。 残念ながら、私自身はまだ確認する時間がないが、同じ方法で対応できるはずである。 言語毎に文献形式を作り、それぞれにあったフォントを指定する。 NisusWriterのようなマルチ文字コード対応のワープロであれば、そのまま出力できるはずである。 3.将来への考察 EndNoteは現在MacOSX版の開発が進められている。これがOSXのユニコード対応になれば、世界中の言語が扱えることになる。 そのためにはそれらの文字コードを包括したフォントが必要になるが。 そうなれば、EndNoteはどの分野でも強力な文献管理ツールとなるに違いない。 このテキストの全体ならびに一部を他のホームページへの転載、雑誌等への転載することを禁じます。 リンクは「MacClinic」のトップページへ張る場合は自由ですが、このページに直接リンクする場合は、事前に許可を得て下さい。 (C)2002 ハリー小野(Harry Ono) harryono@mac.com All right reserved |