平成17年3月版


4.給与だけの人

給与所得だけの方は、最初にお話しした通り原則として年末調整で所得税の申告納付手続は済んでいますので、改めて確定申告は必要ありません。
しかし、次のような方は確定申告の必要があります。

(1)平成16年中の給与の収入金額が2000万円を超える方
(2)給与を1ヵ所から受けていて、給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える方
(3)給与を2ヵ所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と給与所得や退職所得以外の各種の所得金額との合計額が20万円を超える方
ただし、給与所得の収入金額の合計額から雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く所得控除の合計額を差引いた残りの金額が150万円以下で、しかも給与所得及び退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円以下の方は、申告する必要はありません。
(4)同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機会・器具の使用料などの支払を受けた方
(5)平成16年中の給与について、災害減免法により源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた方
(6)在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税を源泉徴収されないこととなっている方

このうち、(1)から(3)について解説しましょう。

(1)「給与所得者の扶養控除申告書」を給与支払者に提出している人は、原則として年末調整を行い、所得税の申告納付手続きが完了することになります。しかし、「給与所得者の扶養控除申告書」を提出している人でも、本年中の給与等の収入金額(本年の中途から就職した人で、就職前に他の給与の支払い者から支払を受けた給与を通算して年末調整を行うこととなる人の場合には、その通算する給与を含めた総額)が2000万円を超える人については、年末調整を行いません。したがって、このような人は給与以外に所得が全くない場合でも、本人が税務署に確定申告書を提出して、源泉徴収された税額の精算をおこなうことになります。
実際の申告では確定申告書の「A」の用紙を用いることになります。給与の支払者から発行された源泉徴収票と生命保険会社などから発行された各種の控除証明書等が必要になります。

(2)その年中に支払を受ける給与等の金額が2000万円以下で、給与所得以外の所得の金額の合計額(源泉分離課税の対象となる利子所得叉は確定申告しないことを選択した配当所得、分離課税とされる金融類似商品の収益・割引債の償還差益による譲渡所得・一時所得・雑所得、確定申告しないことを選択した源泉徴収口座の上場株式等に係わる譲渡所得等の金額、退職所得の金額は除く)が20万円を超える場合は、確定申告を行います。これは、給与等について年末調整を受けていても確定申告を行う必要があります。サイドビジネスを行っているサラリーマンの方は該当する可能性が高いのでご注意ください。
実際の申告では確定申告書の「A」の用紙を用いる場合と確定申告書の「B」の用紙を用いる場合があります。給与の支払者から発行された源泉徴収票と生命保険会社などから発行された各種の控除証明書の他に、収入の証明書が必要になります。所得が事業所得になる場合は、白色の決算書が必要になります。所得が不動産所得の場合は不動産所得用の白色決算書が必要になります。

(3)源泉徴収を受けているが、年末調整を受けていない従たる給与等の金額と給与所得以外の所得の金額との合計額が、20万円を超える人は確定申告の必要があります。
ただし、給与所得の収入金額の合計額から雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く所得控除の合計額を差引いた残りの金額が150万円以下で、しかも給与所得及び退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円以下の方は、申告する必要はありません。
実際の申告では確定申告書の「A」の用紙を用いることになります。それぞれの給与の支払者から発行された源泉徴収票と生命保険会社などから発行された各種の控除証明書等が必要になります。

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