平成17年3月版


7.事業を行っている人(お医者さん)

事業のなかでも、お医者さんの会計は他の事業と少し違う面が有ります。公共性が高いことと、事業収入が大きいこともありますが、特に社会保険医療が絡むので収入経路が通常より複雑なことが原因と考えられます。 確定申告においても、一般の事業者の申告より少々面倒になります。というのも、社会保険診療報酬が五千万円以下の場合は、青色申告決算書に「付表」を添付しなければならないからです。もっとも、「付表」を添付することで申告上有利になるケースが多いので、積極的に計算したほうが良いでしょう。

お医者さんの確定申告では租税特別措置法第26条の規定を知っておく必要があります。ただし、社会保険診療報酬が五千万円を超える方は租税特別措置法第26条を適用できないので関係ありません。
租税特別措置法第26条(社会保険診療報酬の所得計算の特例)
「第26条医業叉は歯科医業を営む個人が、各年において、社会保険診療につき支払を受けるべき金額を有する場合において当該支払を受ける金額が五千万円以下である時は、その年分の事業所得の金額の計算上、当該社会保険診療に係る費用として必要経費に算入する金額は、所得税法第37条第1項及び第二編第二章第二節第4款の規定にかかわらず、当該支払を受けるべき金額を次の表の上覧に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる率を乗じて計算した金額の合計額とする。

二千五百万円以下の金額

二千五百万円を超え三千万円以下の金額

三千万円を超え四千万円以下の金額

四千万円を超え五千万円以下の金額
百分の七十二

百分の七十

百分の六十二

百分の五十七

−以下省略−」

この計算を行い少しでも経費を多くするために、診療件数や診療日数の集計をする必要があります。

社会保健診療報酬

基金事務所から
支払うを受ける
社会保険診療報酬
診療件数 診療実日数 決定点数 診療報酬当座口払込額
一般社会保険        
老人保健法       
生活保護法       
結核予防法      
精神保健福祉法      
       
臨時老人薬剤費
特別給付金
     
合計      
国民健康保健診療報酬         
        
  合計      


自由診療報酬

自由診療の収入等   診療件数 診療実日数 収入金額
一般の自由診療      
労働者災害補償保険診療      
公害健康被害補償診療      
       
  合計      

あとは、付表を税務署でもらって記入をしていきましょう。

この他の集計は「一般の事業を行っている人」と同一です。
お医者さんの場合は、地元の自治体や医師会の要請で休日診療等の業務を行うケースが多いので、こちらの源泉徴収票もきちんと集めておきましょう。

「8.住宅取得控除を受ける人」へ

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1.確定申告とは? 2.確定申告が必要な人 3.申告する所得の種類 4.給与所得だけの人
5.事業を行っている人(不動産賃貸収入がある人) 6.事業を行っている人(一般の事業を行っている人) 8.住宅取得控除を受ける人
9.土地などを売却した人 10.申告書に記入 11.揃える書類 12.消費税は?